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これまで高脂血症の害といえばコレステロールが第一のやり玉に上がっていました。
ところがここに来て中性脂肪も多すぎれば危険だと言う事が認識されています。
動脈硬化が進むには血液中の多すぎたLDL(悪玉コレステロール)が血管壁に潜り込み、酸化され、それをマクロファージがどんどん取り込で粥状硬化巣を作ると言う事は分かっています。
ですからコレステロール、特にLDLのコントロールが大切だとされたのです。
しかしLDLやHLDと同じリポ蛋白の中でもコレステロールの代わりに中性脂肪をより多く含んでいるカイロマイクロンやVLDLが代謝される途中でできる残物(レムナント)も血管壁に取り込まれ、粥状硬化巣を作りやすいと言う事が明らかになっています。
しかも特に食事のあと急激に血中指質が上昇する「食後高脂血症」と呼ばれるタイプが、より動脈硬化になりやすいのです。
普通血液中の脂質を調べるのは空腹時なので、食後の状態というのは分かりにくいので、空腹時の中性脂肪値が適正値といって安心してはいけません。
もっとも体内で作られるコレステロールと違って中性脂肪は食べ物の影響をストレートに。反映するのでコントロールしやすいと言えるかもしれません。
特にアルコールや砂糖、果糖は中性脂肪値を上げやすいので、これらをセーブするだけでもかなり改善で出来ます。
頭痛は誰でも経験した事がある症状ですが、放って置いても自然に改善する頭痛から命に係わる危険な頭痛まであります。
慢性的頭痛は頭痛の9割以上を占め、筋肉が緊張して起こる筋収縮性頭痛と、脳血管が拡張して痛む偏頭痛(片頭痛)とがほぼ二分しています。
筋収縮性頭痛は、後頚部の僧帽筋を運動や寝違い等で傷めて起こる事が多く、神経質で物事に過敏に反応する人によく見られ、試験や就職等で疲労やストレスが重なる時によく起こります。
屑こりの改善や手部のマッサージが効果あります。
女性がよく訴える偏頭痛は血管性頭痛とも呼ばれ、脳内の血管が拡がる事で痛みを起こし、吐き気を伴う事もあります。
偏頭痛の特徴として、片側の眼の奥がズキズキと痛んだり、その前兆で目の前にチカチカ光るものが見える閃輝暗点という症状が起きる事もあります。
年を取って脳血管の動脈硬化が進んで来ると血管の拡がりが悪くなり偏頭痛が起きなくなります。
偏頭痛には完骨(乳様突起の後ろの窪み)や頭維(こめかみの斜め後ろ)の指圧が効きます。
これらの慢性頭痛と異なり、危険な頭痛は特有の症状を伴います。吐き気や嘔吐、38度以上の発熱があった場合は要注意です。
痙攣や知覚障害、激しい頭痛等があればすぐ病院の検査を受ける必要があるでしょう。
軟骨の老化で起こる関節の痛みには多くの人が苦しんでいますが、この関節の痛みを和らげるのがグルコサミンという補助食品です。
継続して飲めば効果はあります。私も取っています。
欧米では80年代の初めからグルコサミンの効果が確認されてて、多くの医師が関節の痛みに有効と認めています。
グルコサミンとは元々体内にあるアミノ糖のひとつで、軟骨を作るのに必要なグルコサミノグリカンという成分を作ります。
老化によってグルコサミンを作る酵素が弱まると当然軟骨が失われていく訳ですが、これを外から補う事で軟骨の破壊が抑えられ、軟骨の再生が促進されて行くのです。
多くの臨床試験でも飲み始めてl~2ヶ月で7~8割の人が痛みや動きにくさが解消しています。
軟骨に水分を吸引する働きのあるコンドロイチン硫酸と合わせて飲むのが一般的になっています。
補助食品としてのグルコサミンはエビやカニの甲羅のキチン質を加水分解させて作ったもので硫酸塩と塩酸塩があります。
日本で作られているのは塩酸塩で有効性に違いは無いと見られていますが、欧米で効果を確認されているのはグルコサミン硫酸塩です。
副作用もすこぶる少なく、飲み合わせの悪い薬もほとんど無い様です。
只飲み続けないと再び関節の痛みが戻る事が難点といえます。
また若い人が飲み続けると軟骨を作るのを怠けさせるネガティブフィードバックの恐れがある為これも注意が必要です。
アルコールは「五臓六府に染み渡る」の例えの様に、歯、毛髪、脂肪組織等の水分の少ない組織以外には、身体のどこにも染み渡っていきます。
これは細胞は絹胞膜に保護されていますが、アルコールはこの細胞膜を透過するからです。厚生労働省資料ではアルコールの消費量は毎年増加しています。
内訳は男性はやや減少にあるものの女性の飲酒が多くなり、以前は高齢になるに従って飲酒者のグラフが下降線を辿っていましたが、近年は緩やかな下降線になり結果飲酒人口の増加となっています。
それに伴い臓器障害患者さんも増え続けています。医療費ベースで約1兆円、働けない事による経済的損失も含めると約3兆円に昇っています。
とは言え、一方酒税は平成9年で2兆6300億円あったのが第三の酒類等の税率等で現在では1兆7000億円まで減っています。
ところで酒飲みは必ず休肝日を設ける事が必要であると言われてきました。
最近の学説では、毎日飲む人(連続飲酒者)と週末に大酒を飲む人(間歇飲酒者)を比較すると肝病変の程度や死亡率に差が無い事が確かめられて、一日の飲酒量よりもアルコールの総摂取量に問題があるとする積算飲酒量が重視されています。
どんなに体肝日を作っても飲酒量が多ければ効果は無いのです。
そこで一生で飲める酒の量は、どの位かと言うと積算飲酒量の目安は600kgであると言われています。
この辺を守ろうとすると毎日ビール大瓶3本飲んで25年、2本なら40年近く飲酒を続ける事が出来る計算です。
ですから安全な飲み方を計算するとはやり一日2本以下が望ましいのです。
勿論個体差があり酒の分解酵素の少ない男性と一般的に女性は、それよりも少無くした方が良いのは当たり前です。
若い子から嫌われる“おじさん臭ざは、単なる蔑視的な比喩ではなく、実際におじさんの体臭として存在する事が突き止められました。
人の体臭成分は数百種類あると言われ、多かれ少なかれ年に応じた臭いを発していますが、多くは汗や皮脂腺から分泌される脂肪酸による物です。
汗腺や皮脂腺から分泌された脂肪酸は、紫外線や空気中の酸素などによって酸化して過酸化脂質になったり、皮膚に住む常在菌によって分解されて別の脂肪酸になったりします。
それが臭いを発する様になるのです。加齢臭の臭いは”ノネナール”という炭素数が9の不飽和アルデヒドと言う物質で、青臭さと脂臭さを持ち、ほんの少量でも臭いを発します。
これは中高年になって分泌が増える「9-ヘキサデセン酸」と言う脂肪酸が皮膚上で酸化したり常在菌による分解を受けて、ノネナールになると言う訳です。
男女共に40代から歳と共に増えて行きますが、男性の方が沢山分泌される為に、おじさんはいわゆる“おじさんの臭い”がする様になるのです。
このノネナールは石鹸が有効です脂質の為水溶性では無いので水や拭き取りでは除去出来ません。
こまめな洗浄で脂質の変性が進む前に対処しましょう。石鹸の香りがするおじさんの時代です。
骨粗鬆症で骨折しやすいのは腰椎や大腿骨頚部です。
今ではかなり高齢の人にも人工骨頭等を利用した手術が行われるので、長期臥床による寝たきりやボケを心配する事はありません。
日本人の腰椎を測定した結果、女性は閉経後5~10年間に急激に骨量が減少、70~80代になると7割の人がいつ骨折してもおかしく無い状態になります。
これは閉経前は女性ホルモンが骨の吸収を抑え形成を促進し、骨を守るという役割を果たしていたからです。
一方、男性は70代後半まで大きな骨量の変化はありません。
骨粗鬆症に間しては肥満の方が痩せた人より有利といわれ、おそらく体重が重いと骨にかかる荷重が多くて骨が鍛えられるという説や、肥満細胞中のアンドロゲンが閉経後もエストロゲンに変換されるといった説が考えられています。
小柄で痩せた人は骨粗鬆症になりやすいのです。改善法は「骨代謝マーカー」の測定を行い、骨の吸収が促進しているタイプか形成が低下しているタイプかの見極めも可能になってきました。
前者ならカルシトニンやカルシウム製剤、エストロゲン等を、後者なら活性型ビタミンDや蛋白同化ホルモンをと言う使い分ける事が出来ます。
また、運動不足は大きな危険因子です。若い時から食事や運動に注意し、骨量を高めて置く事が予防となります。
水虫は日本人のサラリーマンの4人に1人と言われる程多い皮膚病です。
水虫はカビの仲間である白癬菌が皮膚の一番外側の角質層に付き、その菌が出す分泌物が原因で痒みや痛み、水膨れ等の症状を起こします。
水虫の薬もかなり進歩して来ている様ですが、改善するにはまだかなりの根気が必要です。やはり水虫の予防は感染源を断つ事です。
水虫の人がいれば床や畳をよく清掃し、風呂場の足拭きも注意する事です。
また病院に行くと靴からスリッパに履き替える所がありますが、スリッパを共用する事で水虫の感染源になりますので、靴のままの方が感染を防ぐ事が出来ます。
また最近では猫や犬と言ったペットから白癖菌が移る事が増えている様です。
皮膚病と言うと素人判断でつい市販の薬や民間療法を行い、かぶれや炎症を起こす事があります。
水虫に似ている病気に掌足膿庖症があるので注意して下さい。
水虫は顕微鏡で診断すればすぐ分かるので、それに合った薬を塗る事です。
素人判断で水虫に副腎皮質ホルモンの塗り薬を塗ると皮膚の抵抗力が低下して、白癬菌が角質よりもっと深い所に入り込みシコリを作ったり、リンパ腺が腫れる事があるので、絶対に使わないで下さい。
おならは食べ物や飲み物と一緒に飲み込んだ空気が80%を占め、ゲップとして口から出なかった空気が小腸、大腸へと運ばれ、おならとなります。
日本人の成人男子で、1日平均200~400ccですが個人差もあり、呑気症という空気を飲み込む癖のある人はおならの量も多いのです。
ところで口から入った空気のおならは基本的には臭くありません。
悪臭があるのは消化不良を起こしている便が直腸に来ている時のおならで、食物繊維が少なく高蛋白高脂肪の食事、例えば焼き肉等を食べ過ぎれば、臭くなります。
また腸内細菌のウエルシュ菌などの悪玉菌による異常発酵のおならも臭いものです。
肉や卵、豆等の蛋白質が分解され、インドールやスカトール、硫化水素、アンモニア、メタンなどが発生し、強い悪臭となります。
膵臓が弱っている時も消化酵素が不足して不消化物が増え、おならが臭くなる事があります。
臭いに悩んでいる人はまず食生活の改善を目指し、高蛋白高脂肪を控え、良く噛んで食べ過ぎを防ぎ、食物繊維を意識して摂る事が必要です。
腸内のビフィズス菌等の善玉菌を増やせぱ悪玉菌を減らせるので、ヨーグルトや乳酸菌飲料はお勧めです。
おならが臭いと病気では無いかと心配になりますが、病気の場合は腹痛や下血などの症状も伴います。
空腹時血糖126mmg/dl以上75gのブドウ糖を飲み2時間後の血糖値が200mmg/dl以上のどちらか、または両方に該当するものヘモグロビンA1cの数値が6.5以上を糖尿病としています。
正常域は空腹時血糖110mmg以下経ロブドウ糖負荷試験2時間値140mmg以上の両方を満たすものです。
ただし経口ブドウ糖負荷試験1時間の値が200以下でも180以上であれば、より糖尿病になりやすいとして境界型とみなします。以前はインスリン依存型糖尿病とインスリン非依存型糖尿病という分類をしていましたが
①1型糖尿病:β細胞の障害によるインスリン欠乏
②2型糖尿病:従来の非依序型の大部分で豚β細胞機能がある程度保たれている
③その他の特定の機序・疾患によるもの
【A】遺伝因子として遺伝子異常が同定されたもの
1膵β細胞機能にかかわる遺伝子異常
2インスリン作用の伝達機構にかかわる遺伝子異常
【B】他の疾患・条件に伴うもの
(1)膵外分泌疾患
(2)内分泌疾患
(3)肝疾患
(4)薬剤や化学物質によるもの
(5)感染症
(6)免疫機序によるまれな病態
(7)その他の遺伝子症候群で糖尿病を伴うことの多いもの
④妊娠糖尿病の4種類に分けられます。
糖尿病と肥満は切っても切れない関係ですが、日本人は糖尿病になりやすい体質を持っています。
BMI指数(体格指数:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))が十20以上の明らかに肥満という人よりも普通体格や+10の層で糖尿病になっている人が多いのです。
現在適正体重でも過去に肥満があれば糖尿病になりやすい体質は残ってります。小太りでも要注意です。
不安や恐れ、怒りなどの感情の変化は相手の目をみる事で本能的に察知する事ができます。
犬嫌いの人が犬に吠えられやすいのも、目に恐れや不安が出る為に、犬に威嚇されると言います。
ところで、目だけでなくまばたき(瞬目)の回数が心理状態を反映しているという研究があります。
例えば、ストレスを強く感じている時は、まばたきは多発する傾向があります。このまばたきの回数が多ければ、それを見た人に神経質な印象を与えてしまいます。
1988年の米国大統領選挙前のテレビ討論で、互角の戦いをしていたデュカキスとブッシュの瞬目率を比較した心理学者トエッツがブッシュ有利の予想を新聞に書きました。
その予想は当たっのですが、ブッシュの方が瞬目率が低く落ち着いたイメージを与え、デュカキスは神経質で不安なイメージを有権者に与えた事が勝敗の分かれ目だと分析したのです。
また、トエッツは感情(快、不快)と注意の方向(外的一内的)の2要因が瞬目率に作用すると言う仮説を提唱しています。
それによると快感情と外的注意が瞬目を減少させ、不快感情と内的注意は瞬目率を増加させるとしています。
患者さんの瞬目で改善法に対する効果も分かるといえます。ちなみに、通常のまばたきは、日本人では、リラックスしてぼんやり正面を向いている時は1分間に平均20回です。