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栄養の記事一覧

生体微量金属元素

2021.06.16 | Category: 栄養

生体内には多くの金属元倶がありますが、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等はその量も多く、身体の構造、代謝、生理機能に欠く事が出来ない重要な役割をしています。

また、僅かな量しか無いのですが必須の金属元素があります。微量金属元素と呼ばれ、鉄、亜鉛、マンガン、銅、セレン、モリブデン、ニッケル、コバルト、バナジウム等があります。

例えば、血液の構成成分であり、血色素ヘモグロビンに含まれている鉄は70 kgの体重の男性で約6gに過ぎません。

亜鉛は約2g、免疫促進や制がん効果で注目されているセレンは僅か12mgしかない超微量金属元素です。

また、ニッケルとバナジウムについては動物では必須である事は認められていますが人間では確定していません。

これらが身体にとって必須であるかどうかを判定する時に3つの条件があります。

ある微量金属元素を食べ物から取り入れる量が低下すると、身体に重大な機能的障害が現れ、時には死んでしまう。

ある微量金属元素を身体に取り入れると他の元素や他の方法では見られない身体の状態が改善した。

最後にある微量金属元素を含む金属蛋白質や金属酵素が生物体や組織から取り出す事ができる。

これらの条件の中で特に重要な判定条件である、生体内において金属蛋白質、金属酵素、半金属酵素やビタミンの構成成分として存在している事が明らかになったているのが上記の微量金属元素です。

近い将来、分析化学技術や生物光学の進歩により、もっと多くの必須の微量金属元素や超微量金属元素の生体内での役割も明らかになりそうです。

チトクロムP450と鉄

2020.09.18 | Category: 栄養

体重が約60kgの男性で約4gの鉄が体内にあります。鉄は身体の代謝に欠かせないものですが、中でも一番知られているのが赤血球のヘモグロピンで65%の2.6gあります。

次に多いのが鉄貯蔵蛋白質のフェリチンやヘモシデリンで、この2つで20%の約0.85gの鉄を含んでいます。

筋肉中には酸素分子を貯蔵するミオグロビンや血清中のトランスフェリンという蛋白質が4%の約0.14gで、残りの10%が細胞内の酵素群の蛋白質にあります。

その中のシトクロム類の非ヘム鉄蛋白質酵素には極微量(0.008g)の鉄が含まれていますが、中でも肝臓の細胞中に存在しているチトクロムP450は抗生物質や汚染物質や化学溶剤無 度の何百種類もの分子を捉え、これに酸素原子を加えさせます。

これらの雑多な分子は比較的不溶性ですが、酸素原子が加わる事で比較的水に溶け易くなります。

またこれらの酵素はビタミンAやEを活性型に変換したり、コレステロールを性ステロイドホルモンに 変換したりします。

しかし、煙草の煙に含まれているベンツピレン等の多くの発癌物質は水酸化する過程でそれが発癌性の物質に変換してしまう事もあります。

両刃の剣の様な酵素ですが、肝臓では現在約20種類以上の似た構造をもつチトクロムP450が見つかっています。

現在はそれぞれが 特定の化学構造を認識して反応するのでは無いかと考えられています。

中性脂肪にもご用心

2020.09.14 | Category: 栄養,生活習慣病

これまで高脂血症の害といえばコレステロールが第一のやり玉に上がっていました。

ところがここに来て中性脂肪も多すぎれば危険だと言う事が認識されています。

動脈硬化が進むには血液中の多すぎたLDL(悪玉コレステロール)が血管壁に潜り込み、酸化され、それをマクロファージがどんどん取り込で粥状硬化巣を作ると言う事は分かっています。

ですからコレステロール、特にLDLのコントロールが大切だとされたのです。

しかしLDLやHLDと同じリポ蛋白の中でもコレステロールの代わりに中性脂肪をより多く含んでいるカイロマイクロンやVLDLが代謝される途中でできる残物(レムナント)も血管壁に取り込まれ、粥状硬化巣を作りやすいと言う事が明らかになっています。

しかも特に食事のあと急激に血中指質が上昇する「食後高脂血症」と呼ばれるタイプが、より動脈硬化になりやすいのです。

普通血液中の脂質を調べるのは空腹時なので、食後の状態というのは分かりにくいので、空腹時の中性脂肪値が適正値といって安心してはいけません。

もっとも体内で作られるコレステロールと違って中性脂肪は食べ物の影響をストレートに。反映するのでコントロールしやすいと言えるかもしれません。

特にアルコールや砂糖、果糖は中性脂肪値を上げやすいので、これらをセーブするだけでもかなり改善で出来ます。

グルコサミン

2020.09.12 | Category: 栄養

軟骨の老化で起こる関節の痛みには多くの人が苦しんでいますが、この関節の痛みを和らげるのがグルコサミンという補助食品です。

継続して飲めば効果はあります。私も取っています。

欧米では80年代の初めからグルコサミンの効果が確認されてて、多くの医師が関節の痛みに有効と認めています。

グルコサミンとは元々体内にあるアミノ糖のひとつで、軟骨を作るのに必要なグルコサミノグリカンという成分を作ります。

老化によってグルコサミンを作る酵素が弱まると当然軟骨が失われていく訳ですが、これを外から補う事で軟骨の破壊が抑えられ、軟骨の再生が促進されて行くのです。

多くの臨床試験でも飲み始めてl~2ヶ月で7~8割の人が痛みや動きにくさが解消しています。

軟骨に水分を吸引する働きのあるコンドロイチン硫酸と合わせて飲むのが一般的になっています。

補助食品としてのグルコサミンはエビやカニの甲羅のキチン質を加水分解させて作ったもので硫酸塩と塩酸塩があります。

日本で作られているのは塩酸塩で有効性に違いは無いと見られていますが、欧米で効果を確認されているのはグルコサミン硫酸塩です。

副作用もすこぶる少なく、飲み合わせの悪い薬もほとんど無い様です。

只飲み続けないと再び関節の痛みが戻る事が難点といえます。

また若い人が飲み続けると軟骨を作るのを怠けさせるネガティブフィードバックの恐れがある為これも注意が必要です。

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