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病気を予防するの記事一覧

死を呼ぶ身体不活動physical inactivity

2021.06.20 | Category: 病気を予防する

最近では弱い運動強度という意味で身体活動という言葉が使われます。

従って”身体不活動”とは、体力をつけるための運動(exercise)が不足しているというだけで無く、体がエネルギーを消費する様な動き(physical activity)が充分で無く、その為に健康を維持出来ていない状態をいいます。

アメリカでの試算(日本ではこの様な試算は行われてい無いので)では、年間25万人が身体不活動の為に死亡しているとみなされ、それは死亡人口の12%に当ります。

日本でも1回30分以上の運動を週2回以上行っている人は4人に1人程度に過ぎないので、身体不活動による死亡もかなりの数に上るだろうと思われます。

つまり身体不活動による医療費も膨大な物に上っている筈なのです。

この身体活動の量は生活習慣痢に関係し、健康寿命の期間を左右します。

体力のレベルがある程度保たれていれば、高コレステロール、高血圧、慢性疾患を持っている等の危険因子があっても、体力のレベルが低い人よりも危険度は低くなります。

運動量と体力向上との関係で言えば、運動には容量依存性があり、運動すればするほど体力向上に効果的です。

体力が低ければそれだけ効果も上がりやすく、身体活動に費やすエネルギーが多いほど死亡危険率は低くなり、それは70才代までの全ての層について言えます。

週に3000kcal(ウォーキングなら11時間、ジョギングなら7時間半)以上も消費する様な活動量になると流石に効果は頭打ちになりますが、かなりの活動量が体力増強に役立つ事は確かです。

内臓脂肪はなぜ悪い?

2021.06.12 | Category: 病気を予防する

これまで脂肪といえば余ったエネルギーの備蓄倉庫位に考えられてきました。脂肪といっても、皮下脂肪と内臓脂肪とがあり、生活習慣病にとって悪いのは内臓脂肪だと言われています。

しかし単なる備蓄組織が何故生活習慣病に関係しているのか、脂肪の追いでなぜ影響の度合いが追うのか、ようやく明らかになって来た様です。

一言でいえば脂肪は単なるエネルギーの備蓄倉庫なのでは無く、様々な生理活性物質を産生する内分泌器官である事が分かってきたのです。

しかも脂肪組織の中でも内臓脂肪には特有の代謝特性があるというわけです。

内臓脂肪というのは腹腔内の、腸管膜周囲にある脂肪組織で、皮下脂肪と違って静脈が直接肝臓に入っています。

この内臓脂肪が蓄積すると、アディポサイトカイン(アディポとは脂肪という意味)を異常に分泌させるのですが、このアディポサイトカインが色々な悪さをする事が突き止められたのです。

例えばインスリン抵抗性を高める事、動脈硬化の悪玉因子として働く事等です。

また反対に、内臓脂肪が増えると糖尿病や動脈硬化を抑える作用を持つアディポネクチンの分泌を抑えてしまいます。

この他にも内臓脂肪は様々な生理活性物質を産生している事が分かって、この蓄積が機能異常になって生活習慣病をもたらすのです。

この内臓脂肪はアドレナリンやノルアドレナリンの刺激に対して皮下脂肪よりも強く反応するので脂肪分解の力が強い上に、過剰なエネルギーを脂肪に合成するのも早いので、付きやすい代わりに取りやすい脂肪ではあります。

ヘルシーピープル

2021.06.12 | Category: 病気を予防する

日本ばかりでなく2014年に3億189万人を超えた米国でも高齢化の波は確実に押し寄せています。100才以上の長寿者の人達も2000年の時に既に7万人を越えていて、2010年には13万人、2050年にはなんと80万人になると予想されているのです。

米国は意外にも長寿国であるのです。また、100才以上の人達の健康度も日本と遜色ありません。

高齢社会への対策として国民の健康の増進のための予防医学的目標を定め、1989年以来ヘルシーピープル2000、ヘルシーピープル2010、2000から2010の目標達成率は僅か19パーセントだそうです。現在はヘルシーピープル2020とキャンペーンを張っています。

がんの死亡率は10年版目標値では、がんによる死者数を人口10万人に対し158.61人と設定。これに対し20年版では人口10万人に対し160.6人に引き上げている。

健康な体重については、10年版は、理想とされるBMI値(18.5以上25未満)の成人を成人人口の60%とかなり高い目標を掲げたが、20年版では 33.9%に設定。肥満人口が増える中、肥満人口減少率と同じく、10年版の教訓から実現可能な範囲へとかなり控えめに押さえています。

現在国民の費やす医療費は1兆ドルですが、目標達成ににより数億ドルの医療費削減を見込んでいます。

そのために栄養補助食品や抗酸化栄養素の大量摂取、習慣的な運動プログラム、ライフスタイルの改善をあげています。

このようなキャンペーンの結果、健康食品、ビタミン、ミネラルの売れ行きが飛躍的な伸びを上げています。

政府はこのキャンペーンを成功させるために栄養補助食品の安全性や効果の研究などに大学や研究所にどんどん補助金を出しているのです。

これによる健康産業を育てるというもう1つの米国の世界戦略があることも見逃せません。

体質と生活習慣病

2021.01.06 | Category: 病気を予防する

人の体型や体格の基になる遺伝的要素として「体質」があります。この体質の分類のーつに胚葉性によるシェルドンの分類があります。

それによると、受精した卵子が分割して行く過程で内胚葉、中胚葉、外胚葉の三つの組織に分かれて、内胚葉由来は内臓になり、中胚葉由来は骨や筋肉、外胚葉由来は神経系・皮膚になるというものです。

その発達過程において、それぞれの発達の速度には個体差がある事に着目して、それを体質の分類にしたのです。

内胚葉体質では内臓(消化器系)がよく発達し、効率よく食べ物を体内に貯えられるので肥満タイプです。

中胚葉体質では運動器(筋肉や骨)がよく発達し、スポーツ選手にはこの体質の人が多く見られます。

外胚葉体質は、神経系や表皮の発達がよく、感覚神経系が優れています。もちろん、この混合型があり内・中胚葉型は脂肪も筋肉も多いタイプです。

また内・外胚葉型は太ったり痩せたりを繰り返します。生活習慣病のリスクファクターである肥満は内胚葉がよく発達した人であり、このタイプはじっとしていてもお腹が空いて来るので間食の傾向が顕著です。

また、運動が苦手ですので、自転車や水泳等と言った体重の負荷が軽減する運動が向いています。

中胚葉体質の人は中高年になり運動量が減ると体脂肪が付いて来てしまい動脈硬化、血液粘性、不整脈になりやすいので生涯に渡る持続的な運動が必要です。

外胚葉タイプは生活習慣病とは無縁の様に見えますが、ストレスを感じやすく喫煙や飲酒の習慣が過度に付きやすい傾向があります。

善玉腸内細菌は病気予防の強い味方

2021.01.05 | Category: 病気を予防する

病気予防の強い味方と言えるのが、我々の腸に定住している腸内細菌で、善玉菌のビフィズス菌です。

大腸菌は約100種類以上あり100兆個も腸内に棲息しています。善玉菌は腸管内感染や慢性腸疾患(便秘や下痢)を防ぎ、ビタミン合成やコレステロール合成の抑制、生体の免疫力を高め癌の予防にも役に立っています。

例えば、肉食をすると癌を作る前駆物質が6~7種類は出来てしまいますが、ビフィズス菌300億を一緒に飲むと、前駆物質が出来なかったと言う報告もあります。

逆に悪玉菌と言われるウエルシュ菌、大腸菌が腸内で優勢であると、肝臓や腎臓の障害、動脈硬化、老化、癌等になりやすくなります。

特に、腸内細菌によりアミノ酸から腐敗産物のアミンが作られ、それが発色剤等に使用されているま亜硝酸塩と一緒になると強い発癌性を持つニトロソアミンが作られます。

また、動物性アミノ酸に多く含まれるトリプトファンは腸内で分解される過程でインドール、スカトール等の臭いガスを作り、これも癌に関与しています。

また、脂肪を多く摂ると胆汁酸が増えて、これも悪玉菌と結託して発癌促進物質を作ります。

毎日の快便と無臭のおならは健康のバロメーター、その為にも食物繊維をしっかり摂り善玉菌の繁殖を助ける事が必要です。

食事の内容は基本的には言うまでも無く和食中心にして、乳製品もしっかり摂り、肉より魚、1日30品目以上でバランスを心掛ける事が大切です。

白内障を予防する

2021.01.04 | Category: 病気を予防する

高齢になると眼球の水晶体が白濁して来て、視力が衰える事は誰にでも起こります。

この老人性白内障の主な原因が紫外線です。角膜を透過した外光が水晶体で屈折した際、紫外線だけ水晶体で吸収されます。

この時水晶体を構成しているレンズ蛋白質のクリスタリンは、紫外線にあたるとアミノ酸が変成して活性酸素が発生し、整然と並んでいたアミノ酸分子に乱れが生じ、光を乱反射して白濁して来るのです。

元々水晶体は透過性を保つ為に新陳代謝を行わず、酸素を運ぶ血管も無く、内部にはビタミンC等の抗酸化物質を蓄えているのですが、白内障になった水晶体では失われています。

現在、白内障による失明者は全世界で1、600万人に昇ると言われ、紫外線の弱い北欧では少なく、ネパールやチベット等高地に住む人々に多い事が分かっています。

国連環境計画の報告ではオゾン全量が1%減少すると、白内障の発生が0.6~0.8%増加するとの予測があります。視力に影響が出てきて始めて白内障に気付く人が多く、進行してからでは手術しかありません。

予防するには、紫外線を浴びない事。日傘を差したりつばの広い帽子をかぶり、キチンと紫外線を遮断するサングラスをかける事を薦めます。

不足しがちな抗酸化物質(ビタミンC・E、βカロチン、赤ワイン等に含まれるポリフェノール、緑茶に多いカテキン類)を摂取する事は、身体の他の部分の老化も防いでくれるので欠かす事は出来ません。

骨粗しょう症の予防

2021.01.04 | Category: 病気を予防する

現在、骨粗しょう症の患者は男性で約100万人、女性で約730万人と推定されています。

年齢別に見ると65才以上の約30%が罹っていると言われていますから、予防が重要な課題になります。

骨は主にコラーゲン(蛋白質)を主成分とする基質と、カルシウムとリンを主成分とする骨塩からなっています。

骨は骨形成と骨破壊を常に繰り返していますが、加齢や閉経等でそのバランスが崩れて、骨の破壊が上回ると、骨密度(単位容積当りの骨塩量)が減少して行きます。

この骨量の減少は、代謝の盛んな海面骨の多い部分、椎骨、骨盤、大腿骨や手首に表れやすく、その為これらの部位の骨折の頻度が高くなります。

ですから骨折を起し易い部位の適度な運動を日常生活の中に取り入れる事が必要です。

高齢者の中には関節痛を抱えている人も多いので温水プールでの歩行運動がお勧め。しかし、ただがむしゃらに毎日運動すれば良いかと言うとそうでも無い報告があります。

特に閉経後の女性では毎日1万歩ではかえって骨密度の減少が表れたそうです。

ですからベストとしては運動は週3日位にして、その人の状態に合わせて休息と運動のバランスを取っためりはりのあるやり方を指導する事が大切です。

食べ物ではカルシウムを摂る事は言うまでもありませんが、腸管から吸収する為にはビタミンDが必要です。

V.Dは太陽光により皮下で作られるので日光浴や天日干しの、しいたけを摂取するのも大切です。

またビタミンKが骨密度や骨折に影響する事が明らかされていますのでV.Kを含む納豆がお勧めです。

血管の管理が大切

2021.01.03 | Category: 病気を予防する

健康で丈夫な血管を持つ事が出来れば、人は脳卒中や心筋梗塞等の循環器系疾患で命を落とす事がずっと少なくなる筈です。

動脈硬化を起こし、血管を劣化させる悪玉コレステロールのLDLを減らすには注意する点がいくつかあります。。

コレステロールは、善玉のHDLと悪玉のLDLのバランスが大切で、HDLはLDLを運び去る働きがあります。

コレステロールは食品から摂取するよりも肝臓で作られる物が9割を占めるので、卵や魚卵等の高コレステロールですが良質蛋白質食品を避けるのはあまり得ではありません。

コレステロール値の高い食物を食べても、一緒に食物繊維を多く摂取すればコレステロールの自然な排出を促しバランスも取れます。

LDLを酸化させない為にはビタミンC、E等の抗酸化物質も有効です。また禁煙は酸化LDLを防ぎ、血圧を下げる為に大切です。

また過度の精神的ストレスは酸化LDLを生む原因となるので、避けねばなりません。

食品ではサラサラした血液を維持するには、納豆や刻んで暫く放置したネギ類、マグロやサバやイワシ等のEPAやDHAたっぷりの魚類汗が良いでしょう。

ミネラル・バランスとしてはナトリウムを控えて、果物や海藻等カリウムを含む食品を摂りましょう。あとは充分な睡眠と、ウォーキング等の適度な運動を続ければ良いでしょう。

健康な血管を保つと言う事は健康な内臓や筋肉を保つと言う事に繋がり、循環器障害全般だけで無く高脂血症や高血圧や糖尿病等の生活習慣病も防ぐ事が出来るのです。

転倒予防はふくらはぎにあり

2021.01.03 | Category: 病気を予防する

お年寄りが段差でつまずいて転倒した際、骨折から寝たきりにならない様にしなけれぱなりません。

その為敷居を始めとして段差を無くしたバリアフリー住宅が注目を集めていますが、つまずきを防止する為に設備以外にも脚力を強くして行く事が大切です。

脚を鍛えると言うと大腿四頭筋が中心になってしまいますが、つまずきを防止するには、ふくらはぎである下腿三頭筋が重要です。歩く時の推進力はこの下腿三頭筋による足底屈筋力によって生み出されます。

この筋力は背筋力よりも強く、中高年でも体重の1~2倍の強さがあると言われています。この筋力が強いと歩幅が広くなると共に、足首はその屈筋力の反動と足先を上に上げる前脛骨肪の働きによって大きく反り返った状態になり、踵の外側から着地する事になります。

その時、振り出された脚の足首が鋭角になっているのですが、筋肉が衰え屈筋力が弱いと足首が鈍角になり足先がだらりと下がった状態になる為に、床面に凸凹があったり、段差があると、足先が引っかかり、つまずいて転倒するのです。

背屈時の角度を鋭角に保つ為の予防としては毎日のウォーキングが有効で、その時に意識する事は栂指球で地面を力強く蹴り出して踵から着地し、歩幅も通常よりも広くする事です。

検査の意味・目的

2021.01.01 | Category: 病気を予防する

☆グリコヘモグロピン(HbAlc)
赤血球に合まれる血色素(ヘモグロビン)がプドウ糖と結合したもの。タンパク質の糖化度をみる検査。血糖の高い状態が続くと増えるので過去1~3ヶ月間の血糖の、状態が分かる。
☆フルクトサミン
血漿に含まれる蛋白質がブドウ糖と結合したもの。蛋白質の糖化度をみる。過去2週間の血糖の状態が分かる。血清蛋白や結成アルブミン量も参考に。
☆トランスアミラーゼ(GOT/GPT)
アミノ酸造成を促進する酵素(トランスアミラーゼ)を測るもの。肝臓が障害されると壊れた肝細胞から出て来るので指標となる。GOTは心筋、骨格筋、赤血球にも多い。GPTは肝臓の細胞内に多い。
☆ガンマー・グルタミール・トランスペプチターゼ( γ-GPT)
肝臓、腎臓、肺臓、罪臓に含まれる酵素。アルコール性肝障害では100%上昇する。
☆膠質反応(TTT・ZTT)
赤血球に試薬を加えて混濁の様子から蛋白しつの代謝=肝臓の障害をみる検査。TTT(チモール混濁試験)、ZTT(硫酸亜鉛混濁試験)。肝硬変→TTT・ZTTともに上昇。急性肝炎→TTT上昇。
☆アルカリフォスファターゼ(ALP)
赤血球に含まれる血色素(ヘモグロビン)がブドウ糖と結合したもの。血糖の高い状態が続くと増えるので過去1~3ヶ月間の血糖の状態がわかる。
☆血清蛋白総量(総蛋白)(TP)
主な血清蛋白はアルブミンとグロブリン。肝障害でアルブミンが合成されなかったり、腎障害で蛋白が尿に出るとこれらの数値が低くなる。
☆アルブミン
血清蛋白の半分以上を占める蛋白質。肝臓で作られる。
☆尿素窒素(BUN)
尿素窒素は蛋白質が燃焼する時に出る老廃物で、普通は尿に排泄される。腎機能が低下すると血液中に増加する様になる。
☆血清アミラーゼ
糖質を分解する消化酵素。別名ジアスターゼ。膵臓で最も多く分泌されるので、縁臓が障害されると血液や尿の中にもれ出て数値が高くなる。
☆ヘマトクリット(Ht)
血液を遠心分離器に分かけて、血漿と血球成分を分離させた後、全体に占める血球層の%を調べる。これがほぼ赤血球容積とみなされる。平均赤血球容積(MCV〉はヘマトクリット値と赤血球数、平均赤血球ヘモグロビン濃度はヘマトクリット値とヘモグロビン量から算出される。これらは赤血球数、ヘモグロビン量、ヘマトクリットの検査で貧血のタイプが分かる。
尿検査
☆クレアチニン・クリアランス(CCr)
クレアチニンは血液中のアミノ酸がエネルギーとして使われた後の老廃物。糸球体が血液から一定時間内にどれだけのクレアチニンを除去しているかが分かる。男性より女性、加齢と共に低くなる。

当院のスケジュール