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口腔の記事一覧
口の中には300種類以上の細菌が生息している、体の中でも不潔な場所です。
口腔内を清潔にする為には常に手入れが必要です。
特に高齢者では唾液の量も減り、入れ歯等で歯周病の原因菌も繁殖しやすいので要注意です。
唾液の量の減る症状を口腔乾燥症と呼んでいますが高齢者の約40%は該当すると言う統計もあります。
これは加齢と共に、降圧剤、利尿剤、鎮痛剤など高齢者が常用している薬によって唾液分泌が抑制される事がある為です。
この口腔乾燥症が最近小学生に増えて来ていると言う驚くべき報告もあります。
咀嚼の回数の減少やストレス等が考えられますが、何が原因か今のところ不明です。
いずれにしても口腔乾燥症は口腔を不潔にすると重篤な病気を誘発しかねません。
例えば高齢者の死因に肺炎がありますが、どうやらこれも口の状態と関連しているらしいのです。
健康な人でも誤って唾や食べ物が気管に入る事があります。しかし、むせる事で唾液や食べ物は肺に到達する事はありません。
しかし、高齢者の場合は喉の慟きもスムースでは無くなり、唾液の量も減少する為に誤嚥が起こりやすいのです。
この様な肺炎を誤嚥性肺炎と言いますが、高齢者の肺炎の中でも非常多くなっています。
また、口腔内が不潔な状態で睡眠を取りますと、雑菌が増殖して唾液と一緒に肺に入り肺炎を引き起こす事もあるのです。
肺炎を防ぐ為には、入れ歯や歯肉の手入れをきちんとする事は当然ですが、就眠前に口腔除菌液等を利用する事をお勧めします。
味は味蕾(みらい)で感知されて味神経を介して大脳に伝えられます。
ですから、その経路に何らかの障害がおきれば味がわからなくなってしまいます。
味覚障害のもっとも多い原因は亜鉛不足によるもので、次ぎは薬剤の副作用ですがこれも体内の亜鉛を薬が吸収してしまうからです。
亜鉛不足が味覚障害を起こすのは味細胞の特徴と関係があります。
味蕾のある味細胞は大変新陳代謝が激しい細胞なのです。
この様な細胞は新生細胞に必要な蛋白質合成が盛んに行われているので、その合成に必要な酵素が充分に供給されなければ合成は上手く行きません。
この酵素には亜鉛が必要です。その為、亜鉛が欠乏すると、味細胞の様な蛋白質合成の盛んな細胞が真っ先にやられてしまうのです。
亜鉛は身体の微量金属元素の中で鉄に次いで多い金属です。
成人男子で約2gあり、50%は血液中に、骨や皮膚に25%、その他は、膵臓、眼、男性性器や精子中に見出されます。
膵臓に亜鉛があるのはインシュリンの構造の一部であるからです。
ですから糖尿病患者は亜鉛不足に陥りやすいのです。現在までに100種類以上に昇る亜鉛酵素や亜鉛蛋白質が発見されているように、身体にとって非常に重要な微量金属元素と言えます。
特に中高年者は亜鉛不足に陥り易いといわれています。
インシュリンを大量に必要とする食生活や亜鉛を尿で流してしまうアルコール。
また、複数の薬剤服用、冷凍野菜や加工食品のポリリン酸の様に亜鉛と結合しやすい添加物等も亜鉛不足を加速させているのです。
西洋医学では舌によって体の状態を判断する事は余りありませんが、漢方では望診の一つとして視診と共に舌診は重要視されています。
北里研究所の東洋医学総合研究所では西洋医学的な診断と合わせて舌診が病気や身体の状態を判断するのに有効である事を示しています。
正常な舌は淡紅色ですが、凰邪の引き始めや発熱時、脱水状態になると赤くなります(紅舌)。
赤味が更に強く、どす黒いほど(暗紅舌)では舌の毛細血管の循環障害を起こしていると考えられ、更に紫色に近く(紫舌)なると舌の静脈が拡張した状態で冷えがあり、汚血が強い状態であると言えます。
ただ、同じ汚血と言っても、若い女性に対する観察では暗紅舌では細胞内も細胞外の水分も足りない状態の汚血であるのに対して、紫舌や淡白舌では細胞内の水分量が多い、むくんだ状態になっていると見られます。また舌は当然胃腸の異常が表れやすいのですが、舌苔の無い人では胃酸が少なかったり無酸の人も多くなります。
一方白い苔が強い舌では全てではありませんが過酸傾向が強く、びらん性胃炎や十二指腸潰瘍、胃潰瘍が見られる事もあります。
まれに白い部分に赤い部分が地図のようにまだらになっている事がありますが、これは糸状乳頭の発育の差によるもので、原因ははっきりしませんが、自律神経の障害で起こる事が多い様です。
舌苔は舌の糸状乳頭の細胞が角化して舌に残ったもので、言ってみれば舌の垢といえます。
この舌苔を掃除するグッズ等が出ています。舌の粘膜を傷つけ無いように優しくしましょう。
口臭を防ぐ為にガム、飴等の防臭剤が数多く販売されていますが、口臭の原因の8割は、口の中の細菌でその数は200~300種類、400~500億です。
歯の表面に付着する歯垢1㎎中に含まれる細菌は約1億で、これが歯と歯ぐきの間に留まり続けると、空気を嫌う嫌気性菌が増え、これが蛋白質を分解し、その過程でメチルメルカプタン等の揮発性硫化物を発生させ、これが臭いの主成分になります。
この細菌が増えると、臭いが強くなり、更に炎症が起きて歯周病になります。
口臭を抑えるにはこの細菌を洗い流し、組織を湿らせて炎症を起こし難くする事で、その働きをするのが抗菌作用のある唾液です。
朝起きがけの口臭は、眠っている間に唾液の分泌量が滅って自浄効果が十分でなくなり、口の中で細菌が増加した結果です。
また緊張が続けぱ、自律神経の働きによって唾液の分泌が抑えられ口臭がきつくなるのです。疲れ過ぎたり、睡眠不足でも口臭が強くなります。
更に唾液量が少ないと、舌の上に細菌等が白く付着する舌苔が増え、これも口臭の原因になります。
それ以外には鼻や喉の疾患、糖尿病や肝臓病等内臓疾患があっても口臭が強くなります。
口臭を防ぐには丁寧な歯磨きや歯間ブラシ等で歯垢を残さ無い、舌を清潔にする、虫歯や歯周病があれば歯科に通院する、ニンニクやタバコなど嗜好品は口臭の元になるので注意する事です。
緑茶は細菌の繁殖を抑える成分が入っているので消臭効果があります。
ドライアイ(乾き目)はよく話題になりますが、ドライマウス(口腔乾燥症)というのはあまり聞き慣れない用語だと思います。
文字どおり口腔の粘膜が乾燥する病気です。正常でも鼻詰まりや二日酔いの朝など、口の中にコケがこびり付いた様な感じになる事があります。
原因は唾液の分泌能力が障害されて起こりますが、初期には嘸下がしにくいとかしゃべりにくいなどの症状が現われてきます。
次に口腔の粘膜が傷付やすくなる為口腔の炎症等で痛みが出たり、時には灼熱感を伴う事もあります。
また、唾液の成分には殺菌作用がありますが、その機能低下により虫歯や歯周病などに罹りやすくなります。
原因で一番多いのが薬物の副作用です。風邪薬の鼻水を抑える抗コリン作動薬は鼻水ばかりで無く唾液分泌も抑えてしまいます。
それで鼻閉による口呼吸だけで無く、朝起きると口の中がコワコワになってしまうのです。
また、特に高齢者がこのドライマウス(一説には約40%という報告があります)になりやすいのは、常用している他の薬物が関与しているのです。
当然ながら高齢者は唾液分泌能力も低下していますので、それに加えて症状を悪化させてしまうのです。
例えば血圧降下剤、利尿剤、向精神薬、抗パーキンソン薬、鎮痛薬等がそうです。
また、高齢者は一般に喉の乾きを感じない為に脱水症状気味な人が多いので、充分な水分の補給も唾液を促す為には必要なのです。
原因はストレスと言われていますが、最近のデータでは口腔乾燥症が小学生に増えていると言う報告もあります。
いずれにしても、ドライマウスになってしまったら唾液分泌を促す為のガムや堅いスルメ、梅干、レモン水等の酸味のあるものを摂る事が必要です。
また、部屋には加湿器で一定の湿度を保つ事も高齢者では大切です。
更に、口腔を清潔にする為の歯磨きとうがいをしっかりやる事です。
歯並びや噛み合わせといった口腔の問題から頭痛、屑コリ、腰痛、めまいといった不定愁訴が起きる事が分かってきました。
虫歯や歯周痢によるグラグラの歯があったり、歯並びの悪さがあると、私達の体は無意識の内にその歯をかばい、避けて噛む様になります。
不正な噛み癖が起きると、歯茎や筋肉に不快感が生じたり、バランスを保とうとして歯の安定した位置で食い縛る事が多くなります。
捻じれて食い縛る為に咬筋、側頭筋や外側翼突筋と言った咀嚼筋や、首筋の胸鎖乳突筋に無理が生じて筋肉を緊張させます。
また顎関節の開閉にも影響して左右非対称性になる事で顎関節症にもなります。
その為に体は脊椎を歪める事でバランスを取ろうとするのですが、その為に首、肩、背中、腰の痛みとして出て来るのです。
長年、頚の痛みや肩こりが続く患者さんには歯や顎関節に問題が無いかの確認が必要です。
ところで睡眠中の歯ぎしりはこの捻じれを自動的に修正しようという働きもありますが、激しい歯ぎしりは肩コリの原因にもなります。
この食い縛りは姿勢が悪いと体のバランスを取ったり、また心理的ストレスがかかって緊張した時に起きています。
食いしばる事は無意識の内に起きていて顎関節や筋肉に異常な力が加わる事になるのです。
日本では50才代になると義歯を使う人が増え、80才代では7割の人が総入れ歯になってしまいます。
義歯になると咬合力は4分の1から6分のlになってしまい健康な歯の力とは比べものになりません。
噛めないと栄養素、中でも特に蛋白質、ビタミン、ミネラル等が不足する上に、消化器官に負担を掛ける事で栄養状態は益々悪化してきます。
また唾液の分泌が減る(60代では20代の10分のl)と口中の粘膜に滑らかさが無くなり、食べたり話したりする事が困難になり、免疫力も低下します。
しかも噛まない事で脳の活動が低下し、記憶力等も悪くなりQOLが低下していきます。
また唾液は入れ歯と歯茎の接着剤の役目もしていますが、唾液が少ないと歯茎の粘膜を傷め、歯茎の血流も悪くなって益々萎縮し、入れ歯が更に合わなくなってしまいます。
例え良くフィットする入れ歯を作っても、歯茎は老化によって萎縮していきますから、5年も使っていると合わなくなってくるのが普通です。
全身の健康の為にも入れ歯は合わなくなったら我慢せず、定期的に調整してフィットさせておかねばなりません。
た歯が抜けたままにしておくと残った歯が動いたり、噛みあわせが悪くなるので部分的にでもきちんと入れ歯を入れておく事も大事です。