- Blog記事一覧 -12月, 2019 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院の記事一覧

12月, 2019 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院の記事一覧

卵は調理加熱

2019.12.31 | Category: 感染症

日本の食中毒の第1位はサルモネラ菌によるものです。サルモネラ菌は2500もの種類がありますが、その中でも毒性の強いサルモネラ・エンテリティディス(SE)に汚染された卵や製品による食中毒が圧倒的に多くなっています。日本人一人当たりの卵の消費量は年問約340個。すき焼きや、納豆に生卵を食べる人はかなり心配です。この菌は卵巣や卵管に感染する為に、卵の殻、卵黄、卵白から菌が検出されます。1992年の卵調査によると26000個中7個にSEが見つかり、菌の数は1~10個程度。卵を割って室温で置いてあると20~30分で100個になり、下痢を起こす事もあります。健康な成人なら、下痢や発熱程度で済みますが、子供や老人、体の弱い人は死につながる事があります。家庭でSE食中毒を防ぐには卵は8度以下で保存、卵に触れた容器は熱湯消毒、料理に使う分だけを割って直ぐに加熱料理にして食べる事です。生産者の対策では、このSEが1980年代に英国から輸入したヒナに人っていてそれが増え続けていると言われています。その為原種二ワトリや種ドリの輸入時の汚染ニワトリや既に感染しているニワトリの駆除を徹底的に行う事です。また鶏用ワクチンは親鳥の生後48日目から卵を産む前までに接種すると体内にSE菌が定着するのを防ぐ事が出来ます。

動脈硬化のコントロール

2019.12.30 | Category: 動脈硬化

ヒトは年を取ればば誰しも血管も老化しますが、驚くべき事に動脈硬化はすでに小児の時に始まっています。しかし実際は血管の内腔狭窄が75%以上にならないと血流の減少は起こら無いとされていますから、生きている間に内腔の狭窄を75%以上にしない事と、出来てしまった粥状硬化巣が破れて血栓などが起こら無い様にすれば良い訳です。これまで一旦起こってしまった動脈硬化は不可逆的でどうにもならないとされていましたが、最近ではコントロールによって硬化巣が退縮する事も知られています。動脈硬化の予防と改善の為には何と言っても危険因子を避け無ければなりませんが、動脈硬化の危険因子と看做されている物は200以上にも上ります。とは言ってもその中の5大因子である高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満、喫煙を退ける事でリスクはぐんと小さくなります。特に血清コレステロールと中性脂肪(トリグセリド)のコントロールが重要です。血清コレステロールでは、LDLのコントロールはプラークの形成を抑えると共に、退縮させる事が明らかになっています。トリグリセリドと動脈硬化の関係はコレステロールほど明確ではありませんが、一言でいえば動脈硬化を退けるには脂っこく無い血液にする事です。

動脈硬化とストレス管理

2019.12.29 | Category: 動脈硬化

ストレスが高血圧や動脈硬化等循環器病の危険因子となる事は良く知られています。性急で競争心の強いタイプAの性格やストレスを受けやすい人は、心筋梗塞のリスクが高いのです。ストレスが加わると、交感神経一副腎髄質系の活性化により、カテコールアミンというホルモンが過剰に分泌され、心拍数が増加し、皮膚や内臓の血管収縮が起こり、血圧が上昇します。カテコールアミンはLDLコレステロールを酸化させる働きがあります。酸化LDLは強力な血管傷害性を持っているので、酸化LDLが 産生されると血中の単球が血管内皮細胞からのシグナルを受けて、マクロファージ化して酸化LDLを貧食する事によって泡沫細胞が形成され、プラークを作って行きます。更にカテコールアミンは直接、またはトロンボキサン(TXA2)を介して血小板の凝集能や粘着性を高め、血液を凝固しやすくします。ストレスによってこれらの反応が繰り返して起これば、血管内皮は障害され動脈硬化が促進されるのです。普段からこうしたストレスのコントロールを心がける事で循環器病を予防あるいは改善効果が期待出来るので、ストレスマネージメントは重要です。リラクセーション、・バイオフィードバック、自立訓練法、瞑想法等を行ったり、カウンセリングを受けたりして精神の安定を図る事も必要です。

血栓と動脈硬化

2019.12.28 | Category: 動脈硬化

血栓が起こる要素は、血流と血液性状と血管壁の変化によって起こります。血液の中の血漿には凝固抑制因子の物質や蛋白質の繊維素であるフイブリン網を溶かすプラスミン等があり、血が固まらない様にしています。また、正常な血管では抗血栓活性がありますが、それは血管内皮細胞に血小板凝集抑卸、凝固阻止、フィブリン溶解等に関わる物質があるからです。このように絶えず血液が固まらない様に万全の備えが出来ているのですが、動脈硬化が進行していく過程において、血液が固まるリスクが次第に増えてしまいます。血栓が出来やすくなるのは血管壁の肥厚や狭窄によって血の流れが不規則になる事と好発部位である分枝の所や曲がった内壁に絶えず力学的な力が加わる事が挙げられます。また、内皮細胞自体も障害されて行きますので抗血栓活性が低下していきます。更に動脈硬化の部位の粥腫(プラーク)が破裂したり、裂け目が出来ても血栓が起こります。それは血波の中の血漿成分が粥腫の中に沢山集まっているマクロファージと接触する事になりマクロファージ上にある血液凝固外因系が作動してしまうからです。この典型的な症状が急性心筋梗塞なのです。

狭心症

2019.12.27 | Category: 動脈硬化

狭心症は一過性心筋虚血に原因する胸痛症候群の事です。一般的には心筋梗塞は危ないが狭心症は大丈夫だと言う考えが流布されていますが、そうとも言い切れません。虚血の原因は冠動脈アテローム硬化による狭窄があり、運動や精神的な興奮により心筋酸素需要が増大して、冠動脈への血流が足り無くなり発作が起こります。それ以外に、冠動脈痙攣縮による機能的な狭窄もあります。狭心症と言っても軽い物から致命的な物まで色々です。放つて置くと無症状期から安定狭心症期、不安定狭心症期に移行して、急性心筋梗塞症や心不全に至り死とする恐い病気なのです。改善法は薬剤では冠動脈拡張の為のニトログリセリンや血小板凝固抑制剤等を使用します。また、外科では冠動脈バイパス手術やカテーテルを用いた経皮的冠動脈形成術やバルーン療法等があります。現在は狭心症の進行の様子は心臓カテーテル検査や冠動脈造影で病変の状態が良く分かりますので、定期的な検査が何より大切です。しかし、冠動脈の狭窄を起こす原因である動脈硬化の5大リスク因子(高血圧、高コレステロール、喫煙、肥満、糖尿病、)と共に高尿酸血症、甲状腺疾患等の基礎疾患を改善しなければ、確実に進行していくのです。

血液中の脂肪

2019.12.26 | Category: 動脈硬化

脂肪は水に溶け無いので、水に馴染む蛋白質と結び付いて血液中を運ばれます。この蛋白質と結び付いたトリグリセリドやコレステロール等がリポ蛋白です。リポ蛋白は大きく分けて5っです。

●カイロミクロン
一番大きいリポ蛋白。比重0.95。トリグリセリド85~90%。コレステロール6%
●超低比重リポ蛋白(VLDL)
カイロミクロンの次に大きい。比重0.95より大きく1.006以下。トリグリセリド50%
コレステロール19%。リン脂質18%
●中間比重リポ蛋白(IDL)
大きさはVLDLの1/2。比重1.006より大きく1.019以下。低比重コレステロールになる。
●低比重リポタンバク(LDL)
いわゆる悪玉コレステロール。比重1.019より大きく1.063以下トリセリグリド10%。コレステロール45%。リン脂質23%
●高比重リポ蛋白55(HDL)
いわゆる善玉コレステロール。比重1.063より大きく1.210以下。トリグリセリド2~5%
コレステロール18%。リン脂質50%

インスリンと動脈硬化

2019.12.24 | Category: 動脈硬化

疫学的に見て、糖尿病患者が心筋梗塞、脳梗塞、虚位桂心疾患、下肢閉塞性動脈硬化症等になる確率は、そうで無い人に比べて2~数倍の発症率になっています。糖尿病がどうして動脈硬化を起こすのかは最近ではインスリン抵抗性症候群という概念で説明しています。これは糖尿病になるとインスリン作用不足で、筋肉での糖の取り込みが低下します。その為に糖代謝を補う為に代償的に膵臓でのインスリン分秘が亢進し、高インスリン血症が起こるのです。インスリンの作用不足が起きるとリポ蛋白リバーゼ活性低下、肝臓でのVLDL合成亢進、LDL受容体活性低下が起きて脂質の代詩異常を起こします。また耐糖異常で高血糖を起こし、血管内皮細胞機能を傷害したり、糖化による蛋白変性をもたらし、動脈硬化が進みます。更に高インスリン血症ではそのインスリンが腎尿細管におけるナトリウムの再吸収を促進し、血管壁平滑筋細胞を増値して高血圧の原因になるのです。糖尿病における動脈硬化の子防は血塘値のコントロールだけで無く、インスリンによる代謝の正常化も問題になって来るのです。

動脈硬化とエストロゲン

2019.12.23 | Category: 動脈硬化

男性に比べて女性は動脈硬化を起こしにくく、冠動脈疾患の発症は成熟期の女性で男性のおよそ10分の1程度です。これは女性ホルモンのエストロゲンの分泌により守られている為ですが、更年期を迎え平均55歳を過ぎると女性の冠動脈疾患も増え、高脂血症の頻度もぐんと高くなります。しかしそれでも男性の半分以下です。古くからこの事は知られていたにも関わらず詳しく検討される様になったのはつい最近の事です。エストロゲンには脂質代謝改善効果があり、HDLコレステロールを増加させ、LDLコレステロールを減少させる事が知られています。しかし、エストロゲンレセプターの血晋平滑筋細胞や内皮細胞における作用機構はまだ充分に明らかになってはいません。Stampferらが48.470人のの閉経後の女性について10年間の追跡調査を行った結果、低容量のエストロゲン補充療法で冠動脈疾患の発症が減少したと報告しています。日本の研究では、労作性狭心症の患者にエストロゲンを舌下に含ませると、運動をしても心虚血が起こるまでの時間が長くなる事が報告されています。また、米国の心臓学会でも、エストロゲンの作用でアセチルコリンが冠動脈をより拡張させるという研究結果を報告しています。ただ子宮内膜がエストロゲンにより異常増殖し子宮体癌を引き起こす確率が2~8倍にもなるそうでエストロゲン療法では子宮体癌のリスクが高くなる問題があります。

血管新生と動脈硬化

2019.12.22 | Category: 動脈硬化

血管新生は通常は既存の毛細血晋から新しい血管が生まれる現象です。正常な状態では女性の生理過程等で起こりますが、組織が病的な状態になっても起こります。最も知られているのが癌の増殖や転移の時ですが、他にも糖尿病性網膜症、リウマチ性関節炎等でも見られます。動脈硬化の場合血管の外膜と内膜へ栄養を供給する血管栄養血管(毛細血管)から新たに血管新生が起こって来ます。すると血管の内側にある内皮細胞は増殖を開始して肥厚して行きます。この血管新生は、促進因子と抑制因子のバランスが崩れて促進因子が優位に立った時に起こります。促進因子は沢山ありますが、その中でも重要な物が2つあります。1つは動脈硬化の進行の過程において、毛細血管の内皮細胞にある特異的な増殖因子である血管内皮増宿因子(VEGF)が活性化する事が明らかになっています。もう1つは動脈硬化の血告部位は局所的に虚血になる為低酸素状態になりますが、その酸素濃度の低下も重要な因子なのです。癌を始めとして生活習慣病の行き着く先にある動脈硬化もこの血管新生が深く関与している訳です。

動脈硬化と食事

2019.12.21 | Category: 動脈硬化

動脈硬化の予防や改善には何と言っても高脂血症になら無い事で、中でもコレステロールのコントロールが第一に挙げられます。コレステロールを多く含む食べ物といえば卵を筆頭にレバー、魚卵などで、既に高コレステロール値が高い人はこれらを多食する事は避けた方が良いでしょう。しかし実はコレステロールが食物から摂取されるのは全体の10%程度に過ぎず、90%は体内で作られます。ですから食べ物のコレステロール値に神経質になるよりもコレステロールが体内で作られるのを抑えたり、排除したりする事がより合理的だと言えます。コレステロールは胆汁酸の材料としても利用されますが、役目を終えた胆汁酸は再び回収されて再利用されます。ところが食物繊維はこの胆汁酸を吸着して排泄しますから、結果的に体内のコレステロールの色を減少させる事になります。つまりコレステロールを減らすには食物繊維を多く摂らなければなりません。またコレステロールだけで無く脂肪の量その物を減らす事も大切です。同じ脂肪でも魚脂に多く含まれている多価不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA( ドコサヘキサエン酸)などにはLDLを低下させてHDLを増加させる働きがあります。更に血液をサラサラにして血栓を出来にくくし、中性脂肪そのものも減少させる事が出来るので動脈硬化を改善する脂という事では魚が一番です。ただ、EPAやDHAなどの不飽和脂肪酸は酸化しやすいので、鮮度の良い物を選ぶ必要が有りますし、過度に熱を加える科理法は遥けた方が得だと言えます。最も身体に良いとは言っても脂ですからカロリーは高いのでご注意を。またLDLコレステロールを酸化させない為の抗酸化物質としてはこれまで知られているピタミンC、ピタミンE、カロチン等と共に、緑茶、紅茶、赤ワイン、ココアなどのボリフエノール類は有効です。色んな種類の抗酸化物質を少しずつ万遍なく摂取する事です。

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