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インスリンと動脈硬化

2019.12.24 | Category: 動脈硬化

疫学的に見て、糖尿病患者が心筋梗塞、脳梗塞、虚位桂心疾患、下肢閉塞性動脈硬化症等になる確率は、そうで無い人に比べて2~数倍の発症率になっています。糖尿病がどうして動脈硬化を起こすのかは最近ではインスリン抵抗性症候群という概念で説明しています。これは糖尿病になるとインスリン作用不足で、筋肉での糖の取り込みが低下します。その為に糖代謝を補う為に代償的に膵臓でのインスリン分秘が亢進し、高インスリン血症が起こるのです。インスリンの作用不足が起きるとリポ蛋白リバーゼ活性低下、肝臓でのVLDL合成亢進、LDL受容体活性低下が起きて脂質の代詩異常を起こします。また耐糖異常で高血糖を起こし、血管内皮細胞機能を傷害したり、糖化による蛋白変性をもたらし、動脈硬化が進みます。更に高インスリン血症ではそのインスリンが腎尿細管におけるナトリウムの再吸収を促進し、血管壁平滑筋細胞を増値して高血圧の原因になるのです。糖尿病における動脈硬化の子防は血塘値のコントロールだけで無く、インスリンによる代謝の正常化も問題になって来るのです。


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