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呼吸器の記事一覧

ペットとの正しい接し方

2021.06.14 | Category: 呼吸器

ペットは心を和ませてくれるという事で、小鳥や小動物の飼育ブームになっています。

しかし気密性の高い住宅の中で飼われる事が多く、接触も濃密になり、呼吸器系を介して発症する人畜共通感染症が年々増加してきています。

鳥類が感染源として起きるオウム病の病原体は細菌のクラミジア・シッタシで、オウムやインコの分泌物、排泄物、羽毛等を埃、塵等と共に吸引してしまう事で、熱やせき等インフルエンザの様な症状が出ます。潜伏期間は7~14日で症状が出る前に鳥と接触していれば、感染を疑います。

特に飼っている鳥がクラミジアで死んだ様な場合には、飼い主も重度の肺炎を引き起こす場合があります。

また猫、犬などの動物の口腔中にはパスツレラ菌という常在細菌がいて、保有率は猫ではほぼ100%、犬は15~55%とされ、ネコの前肢の爪に25%います。

この菌によるパスツレラ症の感染経路はキス等の濃厚接触や、飛沫感染で、気管支炎や肺炎等を引き起こします。

引っ搔かれて感染すると、腫れて激しい痛みを伴い、症状が酷くなると、骨髄炎になる事もあります。

ペットからの感染症を防ぐには、一緒に寝ない・食べ物の口移しはしない・食品のある所には連れて行かない・定期検診を受ける・糞便等感染源の除去・飼育環境を清潔に保つ・温厚なペットを選ぶ・野生動物は飼わない、触らない等人畜共通感染症について正しい知識を身につける事が大切です。

特に免疫力が弱い人程感染しやすいので、幼児や高齢者、病中、病後など体力の落ちている時等は注意が必要です。

禁煙を

2021.06.14 | Category: 呼吸器

呼吸器専門の医師ですら喫煙者というほどですから禁煙指導はどうしても甘くなりがちです。

タバコが原因の疾患を持つ患者さんに対してでも、ニコチン依存度の高い医師では禁煙指導を行わない事が多く、指導をしてもその成功率は低いという報告があります。

このことは我々施術師にも当てはまるでしょう。禁煙を成功させる為にはまずタバコの依存度を確認する必要があります。

依存度が高ければ禁煙が失敗する可能性も高く、長期の計画が必要になるからです。

タバコの依存といっても、ニコチンの依存度が高いのか、タバコを口にするという習慣に対して依存度が高い(心理性が強い)のかでも対処法は違います。

ニコチン依存度が高ければニコチンガムやニコチンパッチを使うことが有効ですが、心理性が強い場合は必ずしもニコチンを補う必要はないからです。

さらにタバコの害はしっかりと繰り返し認識する事も禁煙の動機を持続させる為に大切です。

インターネットには禁煙をサポートするサイトがたくさんありますから、これらを大いに利用してください。

喘息は侮れない

2021.06.14 | Category: 呼吸器

日本の喘息患者数は小児の5~6%、成人の3%、全国で400万人以上に昇り、毎年7000人以上が喘息発作で亡くなっています。

喘息を侮れないのは、発作で亡くなるのは重症患者だけでなく、中等症の喘息で本人も家族も大した事は無いと油断している内に、取り返しのつかない閉塞性呼吸障害に陥ってしまう危険があるからです。

特に小児の場合は親の病気の認識度が、喘息症状を軽くするか重症化させるかを分けてしまいます。

小児は大人と違ってアトピー性喘息がほとんどで、食事やダニ・ホコリ等のアレルゲンを管理することで結果が変わってきますが、きちんとした薬の使用も大切な事です。

現在は方法が大きく変わり、発作が起こってから対応するのでは無くて、積極的に予防薬を続けて行く事で気管支の状態をコントロールする方面に変わってきています。

以前は少し位苦しくてもなるべく薬を使わずに我慢するように指導していましたが、それでは気道の炎症がいつまでたっても治まらず、次第に重症化していく傾向にありました。

最新の方法では症状がまだ軽い内から、喘息コントロール薬として抗アレルギー薬と吸入性のステロイド薬を用いる事で気道の炎症を抑え続け、やがてはすべての薬を止める事を目指そうというものです。

ステロイドの吸入薬は内服とは違って、全身ではなく気管支にのみ作用する為、連用しても安全性が高いといいます。

BCGを過信してはいけない

2021.06.14 | Category: 呼吸器

過去、日本では結核患者が多かった為、実際に結核菌を吸い込んで感染する機会は非常に多いものでした。

しかし結核菌に感染しても実際に結核症を発病するのは10%位ですから、発病しないで済んだ人は強い抵抗力を持つ事ができました。

しかしその発病しなかった人も現在高齢になって免疫力が低下した為日和見感染的に結核を発症する事(既感染発病)が多くなっているのです。

一方で若い人が実際の結核菌に感染する事は非常に少なくなり、20歳で1.8%、40歳で9.6%、50歳で23.1%位とみられています。

その他の人はBCGによって人工的に結核の免疫力が付いたとされているわけですが、実はそのBCGの有効性には疑問が持たれています。

ただし乳幼児の接種に関しては結核性髄膜炎や粟粒結核等重篤な結核の発病予防効果は非常に高いので乳幼児期の第一回目のBCG接種は受ける必要があります。

しかし、その後の再接種に関しては疑問がもたれ、WHOも結核の予防効果をあげるものではないとしています。

BCGによってツベルクリン反応陽転した場合は特に結核に対する免疫を過信しない事です。

リュウマチと肺炎

2021.06.14 | Category: 呼吸器

慢性関節リウマチは、全身の関節が侵されると同時に肺、心臓、腎臓、限、消化器系等に合併症が起こります。

中でも血管や結合組織が豊富な肺では間質性肺炎・肺綴織症が、患者さんの20%~40%にみられ、特にリウマチ因子の高い患者さんによく見られます。

肺の間質とは肺胞と肺胞の間や、絹気管支の周囲、血管の周囲等がある組織全体で、一つの袋である肺を形作っているのです。

肺は弾力性がありますが、炎症が起こると肺胞を繋ぎ止めている間質の結合組織の部分が厚くなり、肺の弾力性が低下して呼吸し辛くなるのです。

これが間質性肺炎ですが原因は不明です。更に肺同質の炎症は後に線雑化を来たし、肺線維症になります。

一度この様な状態になると殆ど元に戻る事はありません。多くは何年もかかって緩やかに進行していきますが、リウマチによる関節炎の進行状態とは必ずしも一致しないので、関節の変形が酷くても肺が悪いわけではありません。

逆に関節症状が軽くても肺の症状が先に出る場合もあります。

症状は、乾性咳嗽(痰のない咳)や激しく動いた時の息切れです。

胸のX線では左右の肺の下方から白い影が出現してきて、段々上の方に広がってきます。

この頃には、呼吸機能検査(肺活量等の検査)でも異常が出てきます。更に進行すると血液中の酸素量が低下し、息切れ等の呼吸困難を感じる様になります。

改善には、リウマチと同じように悪くならない様に上手に付き合っていく事になります。

進行はゆっくりですが、息切れを感じるようになった時は、肺の働きが限界に達しています。

休息して肺に無理をかけないようにします。

じっとしていても息切れを感じるようになれば、酸素吸入が必要になってきます。

2021.06.14 | Category: 呼吸器

気管支には気道教があって外からの空気の温度や湿度を調節しています。

それらに剥がれ落ちた上皮細胞や細菌、ウイルス等が混じって、健康な人でも1日に100cc位の痰が作られているのですか、普通は意識されずに飲み込んでいます。

痰は例え少量でも外に出る事自体、病的な状態と考えます。

普通痰は無色透明で、卵の白身の様な状態ですが、黄色味を帯びたり緑黄色になったりすれば何らかの感染があって白血球が増えている証拠です。

細菌感染による膿性痰は生臭く、特に嫌気性菌に感染した時には特有の悪臭があります。

気管支炎や喘息では普通白っぽい粘性の痰が多いのですが、気管支喘息でも黄色い痰が出る事がありますが、これは好酸球が多いせいです。

感染があれば抗生物質、喘息では副腎皮質ステロイドが効くのでこの二つははっきり確かめなければなりません。

肺結核・気管支拡張症等の痰は黄色昧を帯びた粘液性で膿が混ざります。

また痰に血が混じる事がありますがこれはかなり深刻です。

一番には肺がんを疑いますが、肺結核、気管支の強い炎症、肺膿瘍、肺梗塞、気管支の強い炎症、気管支拡張症等もあるので早急な検査が必要です。

気管支喘息

2021.06.14 | Category: 呼吸器

気管支喘息は長い間、気道の自律神経失調説が有力な発生機序であるとされていましたが、現在は好酸球浸潤を主体にした気迫炎症説が世界的にも支持されてきました。

1998年の厚生省免疫・アレルギ一研究班が作成した「喘息予防・管理ガイドライン改訂版」で喘息は以下のように定義しています。

「喘息は気道の炎症と種々の程度の気流制限により特徴づけられ、発作性の咳、喘鳴、および呼吸困難を示す。気流制限は軽度のものから致死的な高度のものまで存在して、自然に、また医療により、少なくとも部分的には可逆的である。

気道炎症には、好酸球、T細胞、肥満細胞等多くの炎症細胞の浸潤が関与し、気道粘膜上皮の損傷がみられる。

長期罹患成人喘息患者では気流制限の可逆性の低下が見られる傾向があり、しばしば気道上皮基底膜肥厚等のリモデリングを示す。

反応性のある患者では気道炎症、気遠のリモデリングは気道過敵性を伴う」としています。

上記で指摘しているように気遣粘膜上皮の損傷とリモデリングの問題が重要です。

またそれ以外にも気迫炎症により、迷走神経末端からアセチルコリン遊離に抑制的に働く受容体機能を傷害したり、気道平滑筋を拡張させる受容体機能を抑制するなどの神経系への影響を指摘している研究もあります。

長い間に炎症とその修復変化(リモデリング)の過程により気道壁が肥厚して、その肥厚により気道はより過敏になり、炎症が無くても喘息の発作を誘発する事が明かになってきているのです。

そして、次第にその過敵性を高めて行きついには致命的な発作になってしまうのです。

呼吸と横隔膜と肋間筋

2021.06.14 | Category: 呼吸器

呼吸運動の重要な働きをしている横隔膜は胸郭の下に位置していますが支配神経は頚神経です。

これは横隔膜が頚部に発生してから下降してきた事を示しています。

ですから、横隔膜は骨格筋由来の物なのです。この横隔膜は胸腔と腹腔を隔てていてドーム状の形をしています。

この筋肉が収縮するとドームの天井が下がり胸腔が広がります。また弛緩すると天井が上がり胸腔が狭くなります。

これが腹式呼吸です。また、胸郭を形づくる肋骨の間には上下を繋ぐ肋間筋が二層になってあります。

外肋間筋は下の肋骨を持ち上げて胸郭全体を膨らませます。

一方内肋間筋は上の肋骨を引き下げて、胸郭全体を縮める働きをしています。

これが胸式呼吸なのです。

この呼吸運動はこれらの筋肉だけで無く、胸壁を取り囲んでいる筋肉群が手助けします。

胸郭を広げる筋肉群として胸鎖乳突筋、大胸筋、小胸筋、僧帽筋があり、胸郭を下げる筋肉として外直斜筋、腹直筋等があります。

もちろん、通常の静かな呼吸をしている時は息を吸いこむ筋肉だけが働いていて、胸腔は陰圧になっているので吐こうと意識しなくても息を吐き出す事ができます。

ですから、これらの呼吸運動に関わる筋肉群は運動をしなければ衰えてしまいます。

腹式呼吸やより多くの酸素を必要とする運動が呼吸筋をしっかりさせる為にも大切なのです。

2021.06.14 | Category: 呼吸器

咳は肺内の異物や分泌物を排除しようとする重要な生体防御反応です。

咳はあらゆる呼吸器疾患で生じる症状なので、咳の種類や状態からどのような呼吸器疾患かを診断できます。

痰を伴わない咳は乾性咳、伴う咳を湿性咳といいます。

乾性咳で、のどの痛み、鼻汁等を伴ない、のど粘膜が充血していれば急性喉頭炎、急性咽頭炎、かぜ症候群が疑われます。

乾性咳が強く長く続き、咳をした時に胸痛があれば急性気管支炎の可能性があります。

肺結核や肺腫瘍で末梢原発性の場合は、咳は無く沈黙性ですが、胸膜刺激や気管支分岐部のリンパ節刺激が生じると激しい咳が出ます。

湿性咳では、大量の膿性の痰と共に出る咳で肺化膿症、気管支拡張症、空洞肺結核、黄色または緑色の痰が伴う咳では発熱や胸痛を随伴する事が多く、化膿性細菌による上気遣炎、気管支炎、肺炎、肺結核です。

粘液性の痰を伴う咳は気管支喘息、泡沫状の痰を伴う咳は心臓喘息、血痰を伴う咳は肺がん、肺結核等です。

また、時間帯や季節による咳も診断の手がかりになります。

朝の起床時に咳が多い場合は、就眠中に分泌物が貯留する場合で気管支拡張症。就眠時に咳が多くなるのは慢性の上気道炎や気管支炎の患者で、寝入りばなに身体が温まり温度変化の影響で咳を発する事が多いのです。

夜間又は明け方に呼吸困難、起座呼吸を伴う咳は気管支喘息です。

冬に咳が増悪する場合は慢性気管支喘息、肺気腫、また寒冷刺激で上気道感染の為に咳がでます。

咳の原因となる病気は色々なので安易に咳止め薬を使う事は危険です。

長く続く様でしたら医師に相談しましょう。

肺がんの症状

2021.06.14 | Category: 呼吸器

肺がんの自覚症状は咳轍、喀痰、胸痛、血痰、呼吸困難感、発熱、嗄声、脊部痛、リンパ節腫脹、体重減少、腰痛、肩痛、食欲不振、全身倦怠感等々実に多彩です。

上気道感染症や一寸した身体の変調でも同じ様な症状が出るので、本人は元よりそれを鑑別する側も非常に見分けのつき難い病気だといえます。

しかも早期では無症状の場合も多く、検診や他の疾患でたまたま撮った胸部レントゲンで発見されるケースカ哨半数もあるという報告があります。

一方、肺がんの胸部レントゲンでも20%は見逃されてしまうという疫学的報告もあります。この場合は同時に行なった喀痰細胞診で見つかったそうです。

また、肺がんは他のがんと比較しても非常に転移しやすいという恐い特徴があります。

肝臓、副腎、脳、骨等に転移します。つまり肺がんは最も予後不良のがんであると言えます。

しかし早期に発見されれば5年以上の生存率も50%以上になってきました。

ですから早期発見が大切なのです。

高いリスクの高齢者や喫煙者ばかりで無く、非喫煙者も年々肺がんは増えて来ていますので、検診を定期的に受ける事がなにより必要です。

特に咳や痰の自覚症状のある方は、通常の胸部レントゲンだけで無く喀痰細胞診断を受ける事をお薦めします。

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