- Blog記事一覧 -8月, 2020 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院の記事一覧
8月, 2020 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院の記事一覧
動物実験で明らかにされた興味深い報告かあります。
ラットを自由に動ける状態で電気ショックを与えると交感神経系が亢進します。
しかし、そのラットを拘束して同じ刺激を与えると、副交感神経の興奮を示す徐脈が現れたのです。
この結果から、「闘争か逃走」の選択が出来る内は、交感神経が優位に興奮するのですが、拘束されて戦う事も逃げる事も出来ない絶望的な状態になると副交感神経が優位になるのです。
人の場合も、実験的に暴力的な映像や臨終や交通事故の映像を見せられると副交感神経が興奮して心拍数が減少したと言う報告があります。
また痛みを感じたり、痛みを予感するだけで副交感神経の更新が起こる事があります。
つまり強い心理的ストレスや耐えがたい痛みを受けると心拍数の減少や不整脈が現れるのです。
更に副交感神経の持続的な興奮は、血圧の低下、排便・排尿、消化管運動の亢進、消化液の分泌亢進、喘息発作等も起こします。
過剰なストレスは不安や絶望感などの情動反応を引き起こすばかりで無く、身体の恒常性が乱れ、その不快さからよりひどい情動反応を引き起こす悪循環に嵌る可能性があるのです。
肛門の病気で誰にでも出来やすいのが痔核、一般にイボ痔と言われ成人の50%は痔核とも言われています。
原因は今まで直腸や肛門の静脈叢が鬱血してコブを作り、それが固定化した物と言われてきましたが、最近はクッション説が主流になっています。
肛門は便が漏れない様に内括約筋、外括約筋のニ重構造になっています。
その内括約筋の内側の粘膜下部分は柔らかいクッションの様な役目をします。
丁度水道では固い蛇口の間に柔らかいゴムで出来たパッキンを挟んで水漏れを防いでいる様に、その構造と同じ様になっているのです。
しかし、排便で習慣でいきんでいるとこのクッションを支えている組織が段々と弱くなって来るのです。
その為にクッションが断裂したり、膨らんだ部分が便でこすれて出血したりと肛門の外にクッションの部分が脱出するのです。これを痔核というのです。
このクッションの部分は誰にでもあり、痔の元は全ての人が持っている訳です。
痔核にならない為には生活習慣が大切で、食物繊維を多く含む物を食べて便秘を防ぐ、排便の仕方も20~30分もトイレで頑張らないで、3分いきんで便が出ない場合は次に回します。
便が残った様な感覚があるのは緩んで大きくなったクッションが肛門を剌激しているのです。
身体の各所が老化して行くのと同じく、眼も歳を取ります。
眼は近くを見ようとすると輪状の毛様体が緊張して輪が小さくなり、それに繋がるチン小体が緩んだ結果、水晶体が自らの弾力で膨らみ、それにより近くの物にも焦点が合います。
それが老化すると水晶体が徐々に硬くなり、弾力を失って膨らま無くなります。
水晶体が最大に膨らんだ時、ピントが合う一香近い点を近点といい、これは10歳の時8cm位で、20歳で10cm、30歳で14cm、40歳で20cmと遠ざかり、50歳前後から一挙に50cmに遠ざかってしまいます。
この近点より近くの物にはピントが合わなくなり老眼鏡の使用になります。
水晶体が膨らまない分、凸レンズで補えば良いのです。
近視だった人が老眼になった時は、本を読む時に近視用眼鏡を外さないと良く見えません。
しかし良く見えた人や遠視だった人が老眼になった場合は、遠くの物を見る時には何も掛け無くても良いのに近くの物を見る時には老眼鏡が必要になります。
40代になって、新聞や本を読んだ後に眼が疲れると感じたなら、眼の老化が進んで来たというサインです。
風邪やインフルエンザに罹ると局所症状と共に、全身症状ある発熱、食欲不振、倦怠感、睡眠誘発等出てきます。
この様な全身症状が現れるのは、リンバ球が細胞外に放出するサイトカイン系の物質が情報伝達物質として脳に信号を送り、免疫反応を起こす為だと分かってきました。
このサイトカインと言えば、インターロイキン、インターフェロン等がありますが、これらの作用に、発熱、食欲抑制、睡眠誘発、痛覚増強等があり、更に副腎皮質刺激ホルモンの分泌促進、成長ホルモンの促進、甲状腺刺激ホルモンの分泌抑制等神経分泌系への作用が実に多彩です。
風邪等の症状はサイトカインによりこの様な生体防衛が作動している為に起こるのです。
ところで、鬱病にはメンタルストレスがきっかけで発症しますが、甲状腺機能障害や内分泌疾患、ビタミンB12欠乏、季節性、脳血管障害などが関与している事も多々あります。
また、鬱病には脳の神経伝達物質であるノルアドレナリンやセロトニンなどが関与している事が分かっていますが、これらの伝達物質にインターフェロンやその他のサイトカインが作用することが明らかにされています。
ですから風邪やインフルエンザをきっかけに鬱病になったり、より悪くなる事は不思議では無いのです。
慢性肝炎の薬としてインターフェロンが特効薬として脚光を浴びたのですが、副作用として一部の方が鬱病状態になり自殺者が出る等一時期問題になったのもこの作用の為だったのです。
高齢化と糖尿病の増加で、腎臓病が増えています。
高齢になると腎巌の機能が低下します。
糖尿病では血糖のコントロールが上手く行かないと10~15年で糖尿病性腎症になるので、全体として腎臓病が増えているのです。
しかし腎臓病はかなり悪くならないと症状が出ないので血圧が高い人や糖尿病の人は自分でも尿検査をする様にすれば健康管理に役立ちます。
試験紙は薬局等で市販されているので、利用すれば簡単に検査する事が出来ます。
この検査紙は尿の中に赤血球や蛋白質が含まれて無いかを調べる物で、蛋白質は腎臓病の初期でも出る事が多いので自分で行う検査としてはかなり確実性の高いものと言えます。
特に朝一番の尿で調べるのが良いでしょう。
正常な体でも、激しい運動や過労、発熱の時にも蛋白質は出る事がありますが、異常として確認出来れば速やかに手を打つ事も出来ます。
一旦腎臓痢だと言う事になれば、ダメージを受けたネフロンを回復させる事は出来ませんが、残った機能を悪化させない様にするしかありません。
血圧をコントロールする事は勿論ですが、蛋白質を減らす事も必要になるでしょう。
蛋白質は動物性の蛋白質より植物性の蛋白質の方がネフロンヘの影響は少ない様です。
肥満を示す指数として使われているのがBMI(体格指数BODY MASSINDEX)です。
体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求められ、26.4以上が肥満と判定され、体重75kgで身長170cmの人でBMI26になります。
BMI22の場合は一番病気が少ないという疫学調査があり、BMIが26.4以上の肥満者は26.4未満の人の約2倍の生活習慣病を起こす事が明らかになっています。
特に男性では40歳以降、女性では55歳以降から起きる肥満は内臓脂肪の増加で、の脂肪が生活習慣病に大きく関係しています。
内臓脂肪は溜まりやすく燃えやすいのが特徴で、分解する時に遊離脂肪酸が出るのです。
この遊離脂肪酸が肝臓でのインスリンの働きを弱める為にブドウ糖が血中に放出されて、糖尿病の原因になって行くのです。
また、肝臓ではこの遊離脂肪酸を原料に脂肪が再合成され、この脂肪が高脂血症、脂肪肝を作ります。
中年以降には食べ過ぎ、飲み過ぎには注意する事と、ストレスを貯めない事です。
過剰なストレスがあると脳でセロトニンというストレスを和らげる物質が減ります。
ネズミの実験で、このセロトニンが甘い物やアルコールで増えるという結果があります。
仕事の後のアルコールはこの為なのですが、この一杯が内臓脂肪につながるのです。
今まで使われていいた性同一障害という呼び名も障害と付く差別用語だとの意見から【性別違和】に変更されました。
性同一障害の方の心の中は複雑で以前NHK教育テレビで性同―性障害の元女性の現在男性の方と作家の乙武洋匡との対談で乙武さんがサリドマリドの体を受け入れているのに対して、その方は自分の体が許せないと強く言い張り乙武さんが「そうかな~どうしても受け入れられないのかな~」と平行線で対談が終わる番組がありました。
LGBTは思春期の頃より精神と肉体の性の不一致、性同―性障害に悩んでいて最近は性転換が増加しています。
しかし一見極普通の男性・女性でも体細胞の染色体を調べてみると、数%ずつ混じっている事があります。
臨床的な意味ではセックス・チェッグといえば、性の分化の異常(半陰陽、性腺形成不全)などの検査を言います。
学問的には染色体の性、性腺の性、性器の性に分けられ、性の決定は分化の過程で環境やホルモンの影響を受け多様に変化するのです。
オリンピックや世界的スポーツ競技会で女性として登録されている選手が、特に性別に問題が無いかと言う事を検査するのがフェミニティ・コントロールです。
厳密に性を決定するには性腺の存在、性染色体の確認が必要で、選手の口腔内粘膜の剥離細胞等を染色して、核の中の性染色体の出現率を計算するのです。
男性固有であるY染色体が女性選手に確認された場合には更に性腺の確認が行われています。
大脳の神経細胞は140億個以上ありますし、脳、脊髄の総神経細胞は1000億個位はあると言われています。
更にこの神経細胞はニューロンとも呼ばれますが、多くのシナプスを伸ばし、別のニューロンとネットワークを形成しています。
枝葉であるシナプスの数はニューロン1個におよそ10000個はあります。
脳の機能は、大きく分けて認識。連動制御、意識、情動、記憶学習がありますが、それぞれの働きは脳の決まった場所で行われています。
その全てがバラバラにあるのでは無くまとまって感じる場所を心というのですが、同時に複数の領域が活動している為心は複雑な面があります。
脳を構造的にみると、脳と脊髄を合わせて中枢神経系という言葉を使いますが、下から順に脊髄。延髄、橋、中脳、間脳、小脳そして大脳が形づくられています。
この脳の進化が下等動物から人間になる過程でもあるのです。
脳のメカニズムの研究は分子レベルの研究により、より詳細に明らかにされてきました。
また多くの脳の機能的疾患や器質的疾患も様々な分野からの成果が次々に出てきています。
脳は身体の組織と比べ10倍のエネルギーを消費しています。
人間の脳は、生後の環境や学習等様々な外的因子により脳神経のネットワークが組み変わり、次第に変化していきます。
コンピュータのようにメモリーが最初から固定されたものではなく、配線が次々と増えてネットワークが複雑化していく柔軟性があり、粘土の様に自由に変化することを可塑性があると言います。
一つ々神経細胞は互いにシナプスで接合していますが、結合しているのでは無く、1万分の2~3ミリの間隙を隔てて神経伝達物質のやり取りを行い、情報を伝達しています。
ある神経細胞が壊れて死んでも隣の細胞に影響は及ばず、脳全体の機能が失われる事はありません。
脳神経が傷ついて運動機能が障害されても、リハビリを根気良く行えば機能が回復することはよく知られています。
これは失われた脳細胞とは別の部分が代わりに働く様になった物で、若い時は可塑性は強く、歳を取ると弱くなってきまず。
神経細胞が死んでも、隣の神経細胞の軸索部分から新たに神経線維が発芽して新しいネットワークが形成され、機能が回復します。
この発芽現象は神経細胞が死滅しただけでなく、常時ネットワークの組み換え時に行われています。
意欲を持って脳を使えば、この可塑性は十分発揮されますが、逆に使われずにネットワークを形成出来なかった神経細胞は、アポトーシスによって死滅・消失していきます。
脳の毛細血管は他の臓器の毛細血管とは違って、血液脳関門という選択性のあるフィルターの働きを持っています。
原則的に脳の血液脳関門を通過出来るのは酸素やブドウ糖、神経細胞に必要なアミノ酸等で、蛋白質、リン酸、脂質などは通る事が出来ません。
最もアルコールや覚醒剤や向精神薬、シンナー、ある種の神経毒等はこの血液脳関門をすり抜ける事が出来ます。
しかし基本的には、異物は通さないという血液脳関門のシステムがあるので脳は末梢血から毒物などが脳に侵入する事を防ぐ事が出来るのです。
エネルギー源としてもブドウ糖だけを利用します。
つまり脳は他の組織とは違った独自の代謝をしながら脳を守っているのです。
ただ視床下部や延髄の付近ではこの血液脳関門は厳密では無く、毛細血管と神経細胞とがいくぶん物質のやりとりを行っている事が解っています。
つまりホルモン分泌の指令塔である視床下部が、各臓器から分泌されて体内を循環するペプチドホルモン等を受け取る事が出来るとすれば、その情報のフィードバックを行えると言う事になります。
この事は体のホルモン情報が直接脳へ送られ脳を剰激している事が予想出来ます。
また血液脳関門の維持にはダリア細胞も手を貸していて、このダリア細胞は神経栄養因子やサイトカイン等を分泌しています。