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副交感神経の興奮

2020.08.31 | Category: 自律神経

動物実験で明らかにされた興味深い報告かあります。

ラットを自由に動ける状態で電気ショックを与えると交感神経系が亢進します。

しかし、そのラットを拘束して同じ刺激を与えると、副交感神経の興奮を示す徐脈が現れたのです。

この結果から、「闘争か逃走」の選択が出来る内は、交感神経が優位に興奮するのですが、拘束されて戦う事も逃げる事も出来ない絶望的な状態になると副交感神経が優位になるのです。

人の場合も、実験的に暴力的な映像や臨終や交通事故の映像を見せられると副交感神経が興奮して心拍数が減少したと言う報告があります。

また痛みを感じたり、痛みを予感するだけで副交感神経の更新が起こる事があります。

つまり強い心理的ストレスや耐えがたい痛みを受けると心拍数の減少や不整脈が現れるのです。

更に副交感神経の持続的な興奮は、血圧の低下、排便・排尿、消化管運動の亢進、消化液の分泌亢進、喘息発作等も起こします。

過剰なストレスは不安や絶望感などの情動反応を引き起こすばかりで無く、身体の恒常性が乱れ、その不快さからよりひどい情動反応を引き起こす悪循環に嵌る可能性があるのです。


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