- Blog記事一覧 -9月, 2019 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院の記事一覧

9月, 2019 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院の記事一覧

麻疹免役更新

2019.09.30 | Category: 免疫

子供が初めて麻疹に罹ると、全身の皮膚や肺の細胞にウイルスが到達し、全身に発疹が出ます。やがて治れば、原則としてその子は以後麻疹ウイルスには感染しません.B細胞やT細胞は、侵入した「外敵」に対応したレセプター(抗体分子)を備えていて、その一部は数ケ月から数年の寿命を持ち、免疫記憶を担当するメモリー細胞となります。そして再度の侵入にしては、すぐに抗体やキラーT細胞が作り出され、麻疹の症状を呈する前にウイルスは排除されます。免疫記憶がどれ位の期間維持されるかというのは「外敵」の種類によって異なり、麻疹の場合は数年、普通の風邪はせいぜい1年程度しか維持されません。数年しかメモリーが維持されない麻疹になぜ「二度なし現象」があるかといえば、それは免疫記憶が更新されるからです。運転免許証の書き換えの様に、有効期限内に新たな麻疹ウイルスの抗原刺激を受ける度、メモリー細胞が即座に対応し、抗体や感性リンパ球が作りだされ、その時メモリー細胞も新しく生まれ変わります。ところが最近では、子供の時に麻疹を経験していても、自分の子供が麻疹に罹った時、-緒に罹る親が見られる様になりました。少子化や核家族化等により感染の機会が減り、免疫記憶の更新を受ける事が少なくなったと考えられます。

麻疹免役更新

2019.09.29 | Category: 未分類

子供が初めて麻疹に罹ると、全身の皮膚や肺の細胞にウイルスが到達し、全身に発疹が出ます。やがて改善、原則としてその子は以後麻疹ウイルスには感染しません.B細胞やT細胞は、侵入した「外敵」に対応したレセプター(抗体分子)を備えていて、その一部は数ケ月から数年の寿命を持ち、免疫記憶を担当するメモリー細胞となります。そして再度の侵入にしては、すぐに抗体やキラーT細胞が作り出され、麻疹の症状を呈する前にウイルスは排除されます。免疫記憶がどれ位の期間維持されるかというのは「外敵」の種類によって異なり、麻疹の場合は数年、普通の風邪はせいぜい1年程度しか維持されません。数年しかメモリーが維持されない麻疹になぜ「二度なし現象」があるかといえば、それは免疫記憶が更新されるからです。運転免許証の書き換えの様に、有効期限内に新たな麻疹ウイルスの抗原刺激を受ける度、メモリー細胞が即座に対応し、抗体や感性リンパ球が作りだされ、その時メモリー細胞も新しく生まれ変わります。ところが最近では、子供の時に麻疹を経験していても、自分の子供が麻疹に罹った時、-緒に罹る親が見られる様になりました。少子化や核家族化等により感染の機会が減り、免疫記憶の更新を受ける事が少なくなったと考えられます。

腸管免役

2019.09.28 | Category: 免疫

腸管は食べ物の消化吸収という過程で病原体の侵入が容易いなだけに腸管免疫系と呼ばれる特殊な防衛機構が備わっています。腸管粘膜面には粘液分泌、繊毛運動、上皮剥離等による機械的バリアーがあり、粘液にはラクトフェリン、リゾチーム、胆汁酸などの液性防御因子や好中球やマクロファージ等の細胞性防御因子があります。更に粘膜面では既に常在菌の持続的な刺激によって多量の分泌型lgAが産生されていて微生物と結合して、微生物が腸管粘膜に付着、侵入する事を防いでいます。この様に粘膜面の生物学的あるいは機械的なバリアーを突破しても、腸管には特殊なリンパ組織(GALT)がその後に控えているのです。このGALTには非業合性組成と集合性組成があります。この中で非集合組成には腸管上皮細胞の特有のリンパ球やT細胞が存在し、その下には粘膜固有層があり免疫細胞をストックしています。また集合組成としては腸管の断面を見ると消化吸収を司る器官の聞に挟まってリンパ節があり、これがバイエル板というリンバ系組織です。更に腸間膜にもリンパ節があり、これらが腸管の免疫系の中枢的な存在です。この様に腸管は幾重にもわたる防御機構によって守られているのです。

免役の適材適所

2019.09.28 | Category: 免疫

呼吸器と消化管は常に細菌等の異物と闘っていますが、戦いに使う武器は場所によって違います。まず肺胞ではマクロファージや好中球が活躍します。マクロファージは食菌力、好中球は殺菌力で闘います。マクロファージは細菌でもゴミでも、とりあえず何でも取り込んで無害化します。ところが腸ではマクロファージを中心に使う事は出来ません。マクロファージだと腸内の善玉菌も栄養物も異物とみなして食べてしまう事になるので敵か味方かを識別出来る免疫力が必要となるのです。つまりここでの武器は抗体です。抗体であれば栄養分や善玉菌とは結び付かず赤痢菌等の病原菌だけを殺す事が出来るのです。また異物と接する場の違いだけで無く病原菌の違いによっても活用される免疫も違ってきます。例えば肺でも肺炎菌に対してはマクロファージでは無く、好中球や抗体で闘います。この好中球も肺炎菌や緑膿菌は殺しますが、結核菌やカリニ肺炎菌は殺す事が出来ず、T細胞系の力が必要です。例えばエイズの末期では免疫力がガタガタになって結核やカリニ肺炎等の日和見感染で命を落とす事が多いのですが、ダメージを受けているのはT細胞系で好中球は保たれているので肺血症にはなりません。一方抗癌剤などで骨髄がダメージを受けると造血機能が落ちるので好中球等が減少するため敗血症や肺炎等になるのです。免疫は場所と相手によって戦略も違っている訳です。

免役の空白部位

2019.09.27 | Category: 免疫

光は透明な所で無ければ通過出来ません。ですから目玉も角膜から入った光が網膜に届くまでの間を硝子体と言う透明な物質で満たしています。もちろん目にも栄養は必要ですから、眼球の周りを包んでいる膜(虹彩、毛様体、脈絡膜を作っているブドウ膜)を通して栄養物質が補給されるのですが、その時酸素やグルコース等必要最低限の透明な物質だけを濾過して供給しているのです。つまり血管や赤血球はおろか白血球ですら光を真っ直ぐに通さ無くなるので、膜を通過させずに硝子体を透明に保つ事を優先させているのです。と言う事は眼球の中には免疫が届か無いと言う事になります。ですから細菌等にとっては最適の場所となる訳で、怪我や病気で目に細菌等が入れば大変になります。点滴で栄養を入れる中心静脈栄養等で真菌等が入った場合、他は何とも無いのに目だけが真菌性の眼内炎を起こす事もあり得るのです。しかし免疫が働か無いと言う事は拒絶反応が起こら無いと言う事でも有り、HLAの適合を考え無くても良いので角膜の移植にとってはやり易い事になります。角膜移植が早くから実用化されていたのはその為と言えます。

金属アレルギー

2019.09.27 | Category: 免疫

免疫反応は寄生虫や細菌、ウイルスといった種の大きく異なる抗原に対してより強く起こります。全て蛋白や糖質等のかなり大きな分子に対して反応するのです。しかし人間のアレルギー反応の中には、アクセサリー、義歯などに使用される金属冠に対して起きる金属アレルギーが有る事もよく知られています。しかし金属の分子は蛋白や糖質の分子量何千何万に比べるとケタ違いに小さくて、免疫系の受容体は金属分子を抗原として認識出来ません。外から最初に入ってきた細菌やウイルス等の抗原はまずマクロファージの中で消化されてペプチド化し、次にマクロファージ自身の主要組織に適合する分子(MHC分子)にくっついた物だけがT細胞の受容体と反応します。抗原だけでもMHC分子だけでも反応は起きません。ところがここに金属分子が入ってくるとマクロファージ自身のMHC分子の中に組み込まれてしまい、元々は全く抗原性の無かったMHC分子の立体構造を変えてしまう事が分りました。金属によって形を変えられた自分自身が非自己と認識され抗原となるのです。厳密には金属は抗原ではありませんが、マクロファージの蛋白分子に抗原性を持たせる事の出来る物質なのです。

将来は免疫抑制剤は不要?

2019.09.24 | Category: 免疫

臓器移植で問題になるのが移植臓器を異物とみなして攻撃する拒絶反応です。その為に免疫抑制剤で拒絶反応を抑えるのですが、その薬剤は免疫力を低下させ感染症などの副作用を起こさせ易くなります。そこでこの薬剤を使わないで抑制する事が出来ないかという研究が進められています。関西医科大学の池原進、上山泰男両教授の研究グループは、豚の皮膚移植の実験で提供豚の骨髄細胞を、移植を受ける豚の肝臓に繋がる門脈に注入すると、肝臓で増殖、分化して提供者由来の血液細胞が大量にでき、移植した皮膚を拒絶反応しない事を報告しました。この事は患者の血液中に臓器提供者のリンパ球が共存していると移植臓器を異物として認識せずに拒絶反応が起きない可能性があり、免疫抑制剤が不要になるかも知れないと言う事です。ただリンパ球がどうして共存すかるか、そのメカニスムは分かっていません。この実験では肝臓に行く静脈に骨髄細胞を注入すると拒絶反応が起き、門脈からは反応が無く成功しました。門脈には腸で吸収された栄養分が大量に含まれた血液が流れています。腸管では栄養は吸収され、異物は排除されるという相反する働きがあります。これはTGFβというサイトカインの二面性が働いているからです。腸管粘膜から侵入する異物を押さえ込むのは分泌型IgAでB細胞から作られますが、これを命令しているのがTGFβです。またTGFβは栄養物に関しては免疫が働かないようにします。肝臓はこの関所を通過したものは受け入れてしまうのかもしれません。海外では骨髄との同時移植、北海道大学順天堂大学では患者とドナーとのリンパ球と抗体を混合培養して拒絶反応を無くす手法、京大でも同様な研究をしています。

免疫を高める健康食品ー免疫ミルク

2019.09.23 | Category: 免疫

健康食品の中に免疫ミルクと言う物いうものがあります。母乳、中でも初乳と言われる出産後すぐの母乳は特に免疫力が強いと言う事をヒントに考え出されました。無害化した病原性細菌を牛に投与して牛にその抗体を持たせ、抗体を含んだ乳を分泌させたものです。抗体を口から摂取しても効果は薄いという見方もありますが、牛乳のlgGは蛋白分解酵素によって分解されにくい事や胃酸に対して強い緩衝作用がある為、小腸にたどりつき抗体としての力を発揮する事が出来るとされています。1958年にアメリカで開発されて以来の調査・研究でリウマチ性関節炎やアレルギー、動脈硬化、高コレステロール、高血圧更には虫歯、ニキビ、口臭などの緩和に有効だと認められています。これらの効果の多様性はブドウ球菌や化膿連鎖球菌、緑膿悍菌、ニキピ菌、挫創菌、肺炎双球菌、ミュータンス菌など人に感染しやすい26種の抗体を持たされた事によるものです。牛乳にアレルギーのある人や生まれつき乳糖不耐症の人、医者から牛乳を制限されている人以外は普通の牛乳として飲む事が出来ます。日本でも1995年から市販される様になりましたが、高価なのが難点です。

ゲノムという考え方

2019.09.21 | Category: 遺伝子

ゲノムを物質として言い表せば4つの塩基で構成されたDNAと言えます。しかし”ゲノム”と言った時には単なる物質としてでは無い、生命のシステムとして見るという事が必要になります。生物は全てDNAを命の設計図として持っていて、それは大腸菌でも象でも同じです。しかしよく見るとそのDNAが作っているそれぞれの遺伝子は、象の遺伝子、大腸菌の遺伝子と言うよりも、ひとつの酵素の遺伝子、ひとつの蛋白質の遺伝子等が長い年月をかけて組み合わされた物だと言えます。ですから「大腸菌での真実は象でも真実だ」と言われるのはその通りですが、かと言ってそれぞれの遺伝子が大腸菌でも象でも同じような働き方をしている訳では無いからこそ色々な種が生まれてきたのです。また個々のゲノムは象を作ったり大腸菌を作る共通のゲノムではありますが、同時にA象とB象の違いも持つ、個別的なゲノムでもあります。つまりゲノムは種として見る事も出来れば、個としても見る事の出来る、生命のシステムだと考えれば良いでしょう。2003年4月14日に解読終了宣言をしましたが蠅と人とはほとんど同じであり、全ての生物のゲノムが明らかになれば、これらのゲノムと人ゲノムとを比較する事で、生物の進化や共通性、多様性が明らかになるだけでなく、生命とは何かという大問題も随分みえてくる事でしょう。

クローン羊の「ドリー」

2019.09.21 | Category: 遺伝子

クローンヒツジドリー誕生の時のお話です。それまでのクロ-ン技術は受精卵が分裂して四個の細胞(胚)になった時に別々の代理母の子宮に注入する胚移植でした。1996年にイギリスのイアン・ウイルムットの研究チームがベンチャー企業と共同で、多くの難関をクリアして6歳のメスヒツジの乳腺細胞からのクローンヒツジを誕生させたのでした。難関の第一は核の入れ替えの時期の設定でした。従来は双方の細胞が分裂しかかる活動的なG₁期に設定していました。しかしこれでは上手くいかなかったので、細胞を飢餓状態において活動を極端に抑え、不活性な状惣であるG₀期に設定して成功したのです。理由ははっきりしませんが、DNAの鍵がはずれ易くなったものと考えられます。未受精卵の卵子の外側にある透明体にある極体(遺伝子の集まり)と染色体を取り除きます。次に透明体に開いた穴から乳腺細胞を一個入れます。この段階では何も起こりません。これに電気刺激を加えると、乳腺細胞と卵子がくっついた所に穴が開き、細胞の融合が起こります。そこで乳腺細胞の核が卵子から抜きとられた核の後釜になると、結果的に核の移動が起こった為に、発生が始まるのです。この方法で作ったクローンの受精卵277個で発生したのが29個、代理母に移植出来たのが13個、その内生まれたのが一頭のドリーでした。

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