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腸管免役

2019.09.28 | Category: 免疫

腸管は食べ物の消化吸収という過程で病原体の侵入が容易いなだけに腸管免疫系と呼ばれる特殊な防衛機構が備わっています。腸管粘膜面には粘液分泌、繊毛運動、上皮剥離等による機械的バリアーがあり、粘液にはラクトフェリン、リゾチーム、胆汁酸などの液性防御因子や好中球やマクロファージ等の細胞性防御因子があります。更に粘膜面では既に常在菌の持続的な刺激によって多量の分泌型lgAが産生されていて微生物と結合して、微生物が腸管粘膜に付着、侵入する事を防いでいます。この様に粘膜面の生物学的あるいは機械的なバリアーを突破しても、腸管には特殊なリンパ組織(GALT)がその後に控えているのです。このGALTには非業合性組成と集合性組成があります。この中で非集合組成には腸管上皮細胞の特有のリンパ球やT細胞が存在し、その下には粘膜固有層があり免疫細胞をストックしています。また集合組成としては腸管の断面を見ると消化吸収を司る器官の聞に挟まってリンパ節があり、これがバイエル板というリンバ系組織です。更に腸間膜にもリンパ節があり、これらが腸管の免疫系の中枢的な存在です。この様に腸管は幾重にもわたる防御機構によって守られているのです。


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