- Blog記事一覧 -9月, 2020 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院の記事一覧
9月, 2020 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院の記事一覧
肩コリ解消眼瞼下垂症という、まぶたが上がらなくなる病気を持つ人には激しい屑コリと頭痛持ちの人が多くいます。
ところが眼瞼下垂の手術をした途端に肩コリも頭痛もピタッと改善した事から、「まぶたを二重にすれば肩コリが改善する」という新しくユニークな発想で高い効果を挙げているのが、信州大学形成外科の松尾教授です。
まぶたを上げようとすると眼瞼挙筋が働きますが、この筋肉はまぶたの裏にある瞼板と眼の上の皮膚の下部に付いています。
二重まぶたの人は瞼板の上の皮下に筋肉がある為、まぶたが折り畳まれた状態になります。
そして眼瞼挙筋のすぐ横にミューラー筋という交感神経を緊張させるスイッチの役目をする筋肉があります。
眠くて眼がショボショボする時、まぶたをこするとこのミューラー筋を剌激して交感神経が緊張しやすくなり、意識して眼をカッと見開くと、頭が冴えて来るのです。
この時、眉毛を挙げると前頭後頚筋が縮み、うなじの筋が緊張してこれも肩コリの原因になります。
普段からまぶたが腫れぼったい一重まぶたの、人は、緊張しやすく肩コリも起こしやすいのです。歳を取ると肩こりになりやすいのは、まぶたが下がって来るせいとも考えられます。
信州大学では1500例余りの手術の結果、80%以上の患者が治癒もしくは著しい効果をあげています。
手根管症候群が女性に多いのに対して、対照的なのが男性に多い肘部管症候群です。
手の指は正中神経だけで無く尺骨神経によっても支配されていますが、肘の内側にある肘部管を通っているこの尺骨神経が障害されると指に痺れが起こります。
丁度手機管症候群で痺れる残りの指、小指と薬指の小指側半分の部分に痺れが出ます。
しかし尺骨神経は指の筋肉のほとんどを支配してもいますので、筋肉が萎縮して手の甲の指と指の間、手の平の小指の付け根が痩せて指全体が動かしにくくなって来ます。
原因としては変形性肘関節症ですが、これは老化や肘の使い過ぎによる事が多く、重労働で肘に骨棘等が出来て尺骨神経を圧迫する様になります。
また幼い頃、肘を骨折したまま適切な処置を行わないと偽関節になり、肘から下が親指側に曲がる外反肘のままにしておいても、大人になってから肘部管症候群になりやすいのです。
肘郎管症候群でもチネル徴候がみられ、この場合は肘の内側を叩くと薬指と小指に痛みが放散します。
また人指し指に中指を重ねる事が出来無くなった場合には進行していると考えられます。
他の指と違って小指や薬指の痺れ等は、症状が進行するまで見逃しやすいので注意が必要です。
五十肩はバスケットネームと言われる様に、眉間節節の痛みや運動制限を伴った症候群を一括して言います。
このいわゆる五十肩を症状的に分類すると上腕二頭筋長頭腱腱鞘炎、烏口突起炎、肩峰下滑液包炎、変性腱板炎(外傷性腱板炎・腱板不全断裂)、石灰沈着性腱板炎、不安定肩関節症(臼蓋上腕靭帯障害)、肩関節拘縮、それに原因が分からない「五十肩」になります。
ですから、五十肩は肩関節周囲炎の全体の中で25%程度だと言われています。
この五十肩の原因として一番多く挙げられるのは、上腕をぶら下げている肩の構造その物です。
この上腕をぶら下げている筋肉群をカフ筋と言いますが、その緊張が加齢と共に蓄積されて、更に血液の循環も悪くなって行きます。
そして筋肉が付着する脆の部分がもろくなり、炎症が起こりやすくなってしまうのです。
初期の頃の痛みは「烏口突起」つまり肩甲骨上部上腕側、肩と腕の付け根の当りがほんどです。
又痛みは頚部や上肢等に放散する事もしばしば見られます。特に夜間に痛みが強いのが特徴とも言えます。
そして慢性期になると前方にあった痛みが拘縮の為に次第に後方の痛みになってきます。
いずれにしても、五十肩の症状だからと言って十把ひとからげに判断する事は慎むべきです。
女性は骨粗粗症の為に骨がもろくなり、骨折も起きやすくなります。特に50~60歳と言う骨粗鬆症の初期に急に増えるのが手首の関節に起きる橈骨下端骨折です。
骨粗鬆症が進んでいるのに気が付かず若い頃の様に活動して何でもない事で転んだりして、手を付いた為に骨折してしまうのです。
末梢骨片は前腕骨の背側へ移動し、その形はフォーク背状の変形と言われています。
その特徴を1814年アブラハム・コーレスによって報告された事からコーレス骨折とも言われています。
改善には整復して5週間の固定の後に後療法という経過をたどります。特に注意が必要なのは、フォルクマン拘縮という前腕、手に生じる外傷後の後遺症です。
上腕動静脈が圧迫や損傷を受けたり、外傷後浮腫や血腫により血管が圧迫され硬い筋膜鞘に被覆されている前腕屈筋深層に血行障害が起こり、壊死を起して瘢痕化して拘縮を起すのです。
その為に指、特に中指が曲がったままになります。
更に正中神経や尺骨神経が変性し麻痺になる場合があります。
この拘縮は固定包帯後24時間以内に見られるので指先の腫脹、チアノーゼ、知覚異常が起きていないか注意深く経過を見る事が大切で、不適当に行われたギプス固定はこの変化を助長する事になります。
頚、肩、腕の痛み、しびれの原因の一つに頚椎椎間板ヘルニアがあります。
ご存じの様に椎間板ヘルニアは椎間板が断裂してそのすき間から髄核が脱出して神経机を圧迫し神経症状を出します。
改善は薬物療法、温熱療法、牽引療法といった保存療法や、手術療法になるのですが、そこにレーザーを使った改善法が注目されているのです。
これはPLDD、(椎間板ヘルニア減圧術・Percutaneous Laser DiscDecompression)という改善法で、MRIでヘルニア箇所を確認して針を椎間板に刺し、その針の中に絹いファイバーを挿入してレーザーを誘導して照射します。
レーザーの熱エネルギーで髄核を蒸散させて空洞を作り、内圧を下げて脱出している髄核が元に戻り神経根の圧迫をなくそうという改善法です。
この改善法は腰椎のヘルニアにおいては普及してきていますが、頚椎に関してはかなりの熟練が必要です。
今までの頚椎椎間板ヘルニアの手術は4~6週間の入院とその後のリハビリが必要ですが、レーザー療法は局部麻酔で、10数分間のレーザー照射と2日間の入院で済み改善効果も良いそうです。
ただしヘルニアの初期、中期の段階では効果があるのですが、ヘルニアが長期化して軟骨が骨化した物や、極めて大きな物は困難です。
現在のところこの改善法には保険適用もなく、一回のレーザー療法は20~30万円の費用が必要です。
腰椎の最新のヘルニア手術ではベアリングを入れる手術があります。
腰椎の椎体固定術では固定関節の上位関節に負担がかかり私の所に4.5間3.4間2.3間の3度手術をされて医師から今度1.2間の手術を勧められ断った患者さんがいました。
最近は人工椎間板置換術が出来て海外では行われています。
人工椎間板置換術は椎間板の変性による症状を改善し、脊椎の可動性を最大限保存する手術法です。
ドイツのカリン・ビュートナー(Bttner)-ヤンツが1980年代初に開発した方法で、手術器具及び技術の発展により患者の満足度もとても高い方法です。
手術方法は最小侵襲無出血手術法で約4~5cmほど微細に腹部を切開し患部に接近する為、出血及び筋肉損傷が小さいです。
損傷した椎間板をハイドロジェットなどの自動吸引機を利用して早く安全に除去し、その部位に人工椎間板(Artificial Disc)を挿入します。
輸血は必要無く、挿入した人工椎間板の位置を確認すると手術が終わります。最大の長所は人工椎間板置換術は関節の可動性をそのまま維持する為、動きが自由である。
手術した翌日から歩く事が出来る。隣接した脊椎も退行性変化を最小化し、脊椎再手術の確率を減らす事が最大の利点です。
歯並びや噛み合わせといった口腔の問題から頭痛、屑コリ、腰痛、めまいといった不定愁訴が起きる事が分かってきました。
虫歯や歯周痢によるグラグラの歯があったり、歯並びの悪さがあると、私達の体は無意識の内にその歯をかばい、避けて噛む様になります。
不正な噛み癖が起きると、歯茎や筋肉に不快感が生じたり、バランスを保とうとして歯の安定した位置で食い縛る事が多くなります。
捻じれて食い縛る為に咬筋、側頭筋や外側翼突筋と言った咀嚼筋や、首筋の胸鎖乳突筋に無理が生じて筋肉を緊張させます。
また顎関節の開閉にも影響して左右非対称性になる事で顎関節症にもなります。
その為に体は脊椎を歪める事でバランスを取ろうとするのですが、その為に首、肩、背中、腰の痛みとして出て来るのです。
長年、頚の痛みや肩こりが続く患者さんには歯や顎関節に問題が無いかの確認が必要です。
ところで睡眠中の歯ぎしりはこの捻じれを自動的に修正しようという働きもありますが、激しい歯ぎしりは肩コリの原因にもなります。
この食い縛りは姿勢が悪いと体のバランスを取ったり、また心理的ストレスがかかって緊張した時に起きています。
食いしばる事は無意識の内に起きていて顎関節や筋肉に異常な力が加わる事になるのです。
VDT(ビデオ・ディスプレイ・ターミナル)症候群は、パソコンの普及に歩調を合わせる様に激増している疾患です。
特に長時間仕事でパソコン作業をする人、軽い人まで含めるとほとんどの人が自覚している疾患であると言いきれます。
当初問題になったのが電磁波、紫外線、放射線等が人体に及ぼす影響で、癌や流産の危険性が指摘されていました。
しかし、IT革命、パソコン社会と言われる程普及して来るとその問題は解明された訳では無いのですが下火になり、より目先の問題として眼精疲労、肩コリ、腱鞘炎等がクローズアップしてきました。
この中で特に問題なのは眼精疲労です。単なる目の疲れから始まり肩コリ、全身倦怠や’自律神経失調症まで伴います。
眼精疲労の原因として屈折異常である近視、遠視、乱視や調節異常である老眼によって起こると言われましたが、VDT症候群の多くは別の原因によって起こる事が分かってきました。
元々屈折異常や調節異常があればよりなりやすいのはもちろんです。次にブルーライトです。
波長が380~500nmの領域にある青色の可視光線を長時間の暴露(浴びる事)によって、メラトニンの生成が抑制されるそうです。メラトニンとは脳内で分泌されるホルモンの一種で、人間の眠気を誘う物質です。
メラトニンが抑制されると言う事は、つまり体内時計(サーカディアンリズム)が狂ってしまう事に繋がります。
そしてはドライアイです。コンピュータの作業時の「まぱたき」回数は、日本人平均1分20回が、1分5~7回という報告があります。
さらにパソコン作業は凝視の為目を大きく見開く傾向があり、それが露出面積を大きくしてドライアイに拍車をかけているのです。
その予防は目の表面の湿度を保つ為の点眼と「まばたき」なのです。対策としてはディスプレーを長時間見ないで休憩を取りながら目を休める事です。
女性が更年期になるとひどい肩コリを訴える事がありますが、更年期の屑コリは女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌異常から来る血管運動障害で起こります。
卵巣は他の臓器(胃・肝臓・心臓)に比べて老化が早く、35歳位からその徴候が始まり、40代後半になると老化が急速に進み、女性ホルモンも急に減って、やがて閉経を迎えます。
平均50歳を中心にして前後10年位が更年期です。エストロゲンは40代後半から次第に減少、閉経を境に急激に低下します。
プロゲステロンはエストロゲンよりも排卵が無い分だけ激しく滅少します。
これらの女性ホルモンの分泌異常が、自律神経中枢に影響し、様々な症状が起こる様になります。
血管運動障害を起こすと、顔は異常に発汗したり紅潮するのに手足が非常に冷たくなったり、肩コリや腰痛、関節の痛み等が起こります。
更年期によく見られる精神的な不安や心因性の欝症状が加わったり、運動不足がちだと、非常に頑固な肩コリになります。
精神的なリラックスをアドバイスし、軽い体操やストレッチングがお勧めです。
肩コリを訴える患者さんが更年期だと思われる時は、婦人科系疾患の改善を行う事が当然必要になる訳です。
身体を構成する細胞は、情報ネットを作りお互いに緊密に連絡し協力しています。
どの細胞も孤立しては当然生きてはいけません。正に運命共同体なのです。
臓器から臓器へ、あるいは神経系の中枢から末梢へと様々な情報が流れています。
長い距離の連絡には細胞は血液や神経系を介してメッセージを送っています。
しかし、例えば重層的に組織を作り上げている皮膚等の臓器の場合、隣り合う細胞同士では、どの様な連絡の取り方をしているのでしょうか。
これらの細胞はコネクソンという小さな孔を通して連絡を取り合っているのです。
重なり合った細胞はギャップ結合と呼ばれる繋ぎ目にある何千ものコネクソンによってお互いの情報を確認しています。
それぞれのコネクソンは相同の六個の蛋白からなり、膜を貫く管を作っています。そこから細胞から細胞へ、糖やアミノ酸やATP等の小分子をお互いに融通してます。
しかし蛋白の様な大分子は、その狭い管を通過する事が出来ません。
ですから、それぞれの細胞は自身を保持する事が出来るのです。緊急事態が発生するとその管は自動的に閉じる仕組みになっています。
例えば細胞内のカルシウム濃度は通常は低く保たれていますが、隣の細胞から大量のカルシウムが流入すると、危険を察知してコネクソンを閉じてしまうのです。
様々な情動を引き起こす中心的な役割を担っているのは脳である事は間違いありません。
例えば、大脳生理学者ウォルター・ヘスは、猫の視床下部の各部位に電気刺激を与え、攻撃行動や逃避行動などの情動行動を引き起こし、更にそれに伴う自律神経系の反応を起こす事でノーベル賞を与えられました。
情動研究の父と呼ばれているウイリアム・ジェームスは約100年前に「情動体験は刺激により誘発された身体変化を大脳皮質が認知する事で起こる」と考えていました。
脳の刺激だけで情動が起こると言うヘスの実験で、この考えは否定されたかの様に見えます。
その事で、興味深い報告があります。
癌の改善の為に片側の交感神経を切断された患者さんが、好きな音楽を聴いた時、切断されていない側では以前と変わらない身体から沸き起こる感動を感じたのですが、切断された方の側では感動を感じ無かったと言います。
つまり、身体の変化を伴わない情動は、本当の情動反応では無いと言えます。
つまり、音楽等によって引き起こされる、身体に起こる興奮と大脳皮質が関与する認知が結びつく事で、感動が生まれるのです。
人間の情動反応は動物に比較してより高次の物が多く、人間の「心身一如」という心と身体の微妙で密接な関係を知った貴重な報告です。