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リュウマチと肺炎

2021.06.14 | Category: 呼吸器

慢性関節リウマチは、全身の関節が侵されると同時に肺、心臓、腎臓、限、消化器系等に合併症が起こります。

中でも血管や結合組織が豊富な肺では間質性肺炎・肺綴織症が、患者さんの20%~40%にみられ、特にリウマチ因子の高い患者さんによく見られます。

肺の間質とは肺胞と肺胞の間や、絹気管支の周囲、血管の周囲等がある組織全体で、一つの袋である肺を形作っているのです。

肺は弾力性がありますが、炎症が起こると肺胞を繋ぎ止めている間質の結合組織の部分が厚くなり、肺の弾力性が低下して呼吸し辛くなるのです。

これが間質性肺炎ですが原因は不明です。更に肺同質の炎症は後に線雑化を来たし、肺線維症になります。

一度この様な状態になると殆ど元に戻る事はありません。多くは何年もかかって緩やかに進行していきますが、リウマチによる関節炎の進行状態とは必ずしも一致しないので、関節の変形が酷くても肺が悪いわけではありません。

逆に関節症状が軽くても肺の症状が先に出る場合もあります。

症状は、乾性咳嗽(痰のない咳)や激しく動いた時の息切れです。

胸のX線では左右の肺の下方から白い影が出現してきて、段々上の方に広がってきます。

この頃には、呼吸機能検査(肺活量等の検査)でも異常が出てきます。更に進行すると血液中の酸素量が低下し、息切れ等の呼吸困難を感じる様になります。

改善には、リウマチと同じように悪くならない様に上手に付き合っていく事になります。

進行はゆっくりですが、息切れを感じるようになった時は、肺の働きが限界に達しています。

休息して肺に無理をかけないようにします。

じっとしていても息切れを感じるようになれば、酸素吸入が必要になってきます。


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