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血栓と動脈硬化

2019.12.28 | Category: 動脈硬化

血栓が起こる要素は、血流と血液性状と血管壁の変化によって起こります。血液の中の血漿には凝固抑制因子の物質や蛋白質の繊維素であるフイブリン網を溶かすプラスミン等があり、血が固まらない様にしています。また、正常な血管では抗血栓活性がありますが、それは血管内皮細胞に血小板凝集抑卸、凝固阻止、フィブリン溶解等に関わる物質があるからです。このように絶えず血液が固まらない様に万全の備えが出来ているのですが、動脈硬化が進行していく過程において、血液が固まるリスクが次第に増えてしまいます。血栓が出来やすくなるのは血管壁の肥厚や狭窄によって血の流れが不規則になる事と好発部位である分枝の所や曲がった内壁に絶えず力学的な力が加わる事が挙げられます。また、内皮細胞自体も障害されて行きますので抗血栓活性が低下していきます。更に動脈硬化の部位の粥腫(プラーク)が破裂したり、裂け目が出来ても血栓が起こります。それは血波の中の血漿成分が粥腫の中に沢山集まっているマクロファージと接触する事になりマクロファージ上にある血液凝固外因系が作動してしまうからです。この典型的な症状が急性心筋梗塞なのです。


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