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血管新生と動脈硬化

2019.12.22 | Category: 動脈硬化

血管新生は通常は既存の毛細血晋から新しい血管が生まれる現象です。正常な状態では女性の生理過程等で起こりますが、組織が病的な状態になっても起こります。最も知られているのが癌の増殖や転移の時ですが、他にも糖尿病性網膜症、リウマチ性関節炎等でも見られます。動脈硬化の場合血管の外膜と内膜へ栄養を供給する血管栄養血管(毛細血管)から新たに血管新生が起こって来ます。すると血管の内側にある内皮細胞は増殖を開始して肥厚して行きます。この血管新生は、促進因子と抑制因子のバランスが崩れて促進因子が優位に立った時に起こります。促進因子は沢山ありますが、その中でも重要な物が2つあります。1つは動脈硬化の進行の過程において、毛細血管の内皮細胞にある特異的な増殖因子である血管内皮増宿因子(VEGF)が活性化する事が明らかになっています。もう1つは動脈硬化の血告部位は局所的に虚血になる為低酸素状態になりますが、その酸素濃度の低下も重要な因子なのです。癌を始めとして生活習慣病の行き着く先にある動脈硬化もこの血管新生が深く関与している訳です。


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