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口腔乾燥症と高齢者の肺炎

2021.06.19 | Category: 口腔

口の中には300種類以上の細菌が生息している、体の中でも不潔な場所です。

口腔内を清潔にする為には常に手入れが必要です。

特に高齢者では唾液の量も減り、入れ歯等で歯周病の原因菌も繁殖しやすいので要注意です。

唾液の量の減る症状を口腔乾燥症と呼んでいますが高齢者の約40%は該当すると言う統計もあります。

これは加齢と共に、降圧剤、利尿剤、鎮痛剤など高齢者が常用している薬によって唾液分泌が抑制される事がある為です。

この口腔乾燥症が最近小学生に増えて来ていると言う驚くべき報告もあります。

咀嚼の回数の減少やストレス等が考えられますが、何が原因か今のところ不明です。

いずれにしても口腔乾燥症は口腔を不潔にすると重篤な病気を誘発しかねません。

例えば高齢者の死因に肺炎がありますが、どうやらこれも口の状態と関連しているらしいのです。

健康な人でも誤って唾や食べ物が気管に入る事があります。しかし、むせる事で唾液や食べ物は肺に到達する事はありません。

しかし、高齢者の場合は喉の慟きもスムースでは無くなり、唾液の量も減少する為に誤嚥が起こりやすいのです。

この様な肺炎を誤嚥性肺炎と言いますが、高齢者の肺炎の中でも非常多くなっています。

また、口腔内が不潔な状態で睡眠を取りますと、雑菌が増殖して唾液と一緒に肺に入り肺炎を引き起こす事もあるのです。

肺炎を防ぐ為には、入れ歯や歯肉の手入れをきちんとする事は当然ですが、就眠前に口腔除菌液等を利用する事をお勧めします。


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