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「痛み止めってちっとも効かない」「続けて飲んでいるけど効いている感じが全く無い」と老人の方から声を聞きます。それも大多数意見でです。薬種商資格を持ち薬理学の知識を持つ私が薬の側の肩を持つわけではありませんが『くすりは十分にあなたに効いていますよ』とこれは言えます。
私が日常生活で痛みや熱が出た時に頓服で服用したら数時間は全く完全に痛みの自覚が無くなります。くすりは皆平等に血液中に入り込み血中濃度はくすりは存在します。ただ「効いているか」「効いていないか」の自覚は別問題です。
痛みのレベルが強ければ薬による緩和作用は自覚できずに「効いてない」と感じてしまうのです。その痛みを抑えるだけのもっと強い疼痛緩和作用をもった薬剤を使用しなければ効果を感じられません。この例ががんによる痛みの疼痛緩和ケアーでモルヒネなどを使った痛みのターミナルケアで麻薬を使用しています。
「痛み止めが効かない」=「強い痛み」・「重症」・「悪化」
等と言えなくもありません。多くの痛み止めを病院でもらい真面目(笑)に飲み続けている事はありません。長期服用の痛み止め自体が体の機能を落として更に痛みを誘発しているケースもあります。
痛み止めの代表の「ロキソニン」を例にします。1日3回服用ですが、皆さんは3回で効果がずっと続いていると思っていますが、非常に薬理効果の時間は短く飲んですぐに最大数値に達し、その後2時間で3分の1にまで減少し4時間でほとんど無くなり6時間で消失します。添付文書は今はネットでも見れますので検索でもしてみてください。ロキソニンの効いている時間は1日のほんのわずかな時間だともいえます。
「痛み止め効果を感じられない」くすりを「わずかな時間しか血液中に存在できない」ものを飲み続けて副作用を起こしているのです。副作用は肝臓、腎臓、胃腸障害と言った明らかな副作用ではなく、何か体調がすぐれない、健康では無い、もくすりの副作用として出ているケースなのです。薬疹や急激な反作用が出た場合は薬が原因と特定できますが、問題はこれといった自覚がまったくない為に医者に言われるまま長期服用をする事なのです。
腰痛は整形外科的には85%は原因不明の疾患です。通常何らかの徒手療法、理学療法で改善するとされています。腰痛が起こると患者さんの選択肢は整形外科に行く事をしますが、整形外科は腰痛は不得意でひたすら保存的療法をして痛みが改善するのを待ちます。患者さんは整形外科に通い続けて医師に痛み止めとシップを渡されて長期に渡り通わされるのです。
痛み止めとシップは医療行為と言えるのでしょうか?その根拠が間違っています。何らかの医療行為により回復を図る事を方法と呼ぶのなら痛み止めを回復を図るツールとは言えないでしょう。更に回復という到達地点を仮に100メートル先にあったとした場合、痛みがあり腰をかばいながら生活する事により日薬という本来の人の持つ自然治癒力により95メートル・・・50メートル・・・30メートル・・20・10・・54・・2・1と正常な治癒能力で改善する可能性があります。
ですが痛み止めは確実に痛みをコントロール変化させるために、あくまでしてはいけない動作や姿勢、腰に対する負荷を正常時と同じにかける事を前提としています。痛み止めを飲んで痛みが減った分だけいつもと同じ動作をするだけです。痛み止めで痛みが消えた状態で重症な腰痛状態のように安静固定して動作も細心の注意を払いながら生活している人など見た事もありません。
痛み止めを飲んだ時点でその場は少し楽になる仮に痛みが100だったとしたのが50になったとします。それは先に書いた100メートル先の治癒のゴールを自ら150メートルにしているのです。つまり痛み止めやシップを使った医者の医療行為(私は医療行為とは思わず逆医療行為です)により慢性腰痛患者を増産し続けているのです。
当院に来る患者さんは当院に直接来ないで、その前に整形外科に行く場合が多く、レントゲンと痛み止めとシップをして数か月も経って改善しないと言った理由で来院するのが一般的です。要は腰痛を整形外科でこじせて悪くさせてしまい、慢性腰痛症までさんざ悪化させてから来院している現実があります。
痛み止めなら放置していた方がよほどましだと思います。