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VDT(ビデオ・ディスプレイ・ターミナル)症候群は、パソコンの普及に歩調を合わせる様に激増している疾患です。
特に長時間仕事でパソコン作業をする人、軽い人まで含めるとほとんどの人が自覚している疾患であると言いきれます。
当初問題になったのが電磁波、紫外線、放射線等が人体に及ぼす影響で、癌や流産の危険性が指摘されていました。
しかし、IT革命、パソコン社会と言われる程普及して来るとその問題は解明された訳では無いのですが下火になり、より目先の問題として眼精疲労、肩コリ、腱鞘炎等がクローズアップしてきました。
この中で特に問題なのは眼精疲労です。単なる目の疲れから始まり肩コリ、全身倦怠や’自律神経失調症まで伴います。
眼精疲労の原因として屈折異常である近視、遠視、乱視や調節異常である老眼によって起こると言われましたが、VDT症候群の多くは別の原因によって起こる事が分かってきました。
元々屈折異常や調節異常があればよりなりやすいのはもちろんです。次にブルーライトです。
波長が380~500nmの領域にある青色の可視光線を長時間の暴露(浴びる事)によって、メラトニンの生成が抑制されるそうです。メラトニンとは脳内で分泌されるホルモンの一種で、人間の眠気を誘う物質です。
メラトニンが抑制されると言う事は、つまり体内時計(サーカディアンリズム)が狂ってしまう事に繋がります。
そしてはドライアイです。コンピュータの作業時の「まぱたき」回数は、日本人平均1分20回が、1分5~7回という報告があります。
さらにパソコン作業は凝視の為目を大きく見開く傾向があり、それが露出面積を大きくしてドライアイに拍車をかけているのです。
その予防は目の表面の湿度を保つ為の点眼と「まばたき」なのです。対策としてはディスプレーを長時間見ないで休憩を取りながら目を休める事です。
女性が更年期になるとひどい肩コリを訴える事がありますが、更年期の屑コリは女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌異常から来る血管運動障害で起こります。
卵巣は他の臓器(胃・肝臓・心臓)に比べて老化が早く、35歳位からその徴候が始まり、40代後半になると老化が急速に進み、女性ホルモンも急に減って、やがて閉経を迎えます。
平均50歳を中心にして前後10年位が更年期です。エストロゲンは40代後半から次第に減少、閉経を境に急激に低下します。
プロゲステロンはエストロゲンよりも排卵が無い分だけ激しく滅少します。
これらの女性ホルモンの分泌異常が、自律神経中枢に影響し、様々な症状が起こる様になります。
血管運動障害を起こすと、顔は異常に発汗したり紅潮するのに手足が非常に冷たくなったり、肩コリや腰痛、関節の痛み等が起こります。
更年期によく見られる精神的な不安や心因性の欝症状が加わったり、運動不足がちだと、非常に頑固な肩コリになります。
精神的なリラックスをアドバイスし、軽い体操やストレッチングがお勧めです。
肩コリを訴える患者さんが更年期だと思われる時は、婦人科系疾患の改善を行う事が当然必要になる訳です。
身体を構成する細胞は、情報ネットを作りお互いに緊密に連絡し協力しています。
どの細胞も孤立しては当然生きてはいけません。正に運命共同体なのです。
臓器から臓器へ、あるいは神経系の中枢から末梢へと様々な情報が流れています。
長い距離の連絡には細胞は血液や神経系を介してメッセージを送っています。
しかし、例えば重層的に組織を作り上げている皮膚等の臓器の場合、隣り合う細胞同士では、どの様な連絡の取り方をしているのでしょうか。
これらの細胞はコネクソンという小さな孔を通して連絡を取り合っているのです。
重なり合った細胞はギャップ結合と呼ばれる繋ぎ目にある何千ものコネクソンによってお互いの情報を確認しています。
それぞれのコネクソンは相同の六個の蛋白からなり、膜を貫く管を作っています。そこから細胞から細胞へ、糖やアミノ酸やATP等の小分子をお互いに融通してます。
しかし蛋白の様な大分子は、その狭い管を通過する事が出来ません。
ですから、それぞれの細胞は自身を保持する事が出来るのです。緊急事態が発生するとその管は自動的に閉じる仕組みになっています。
例えば細胞内のカルシウム濃度は通常は低く保たれていますが、隣の細胞から大量のカルシウムが流入すると、危険を察知してコネクソンを閉じてしまうのです。
様々な情動を引き起こす中心的な役割を担っているのは脳である事は間違いありません。
例えば、大脳生理学者ウォルター・ヘスは、猫の視床下部の各部位に電気刺激を与え、攻撃行動や逃避行動などの情動行動を引き起こし、更にそれに伴う自律神経系の反応を起こす事でノーベル賞を与えられました。
情動研究の父と呼ばれているウイリアム・ジェームスは約100年前に「情動体験は刺激により誘発された身体変化を大脳皮質が認知する事で起こる」と考えていました。
脳の刺激だけで情動が起こると言うヘスの実験で、この考えは否定されたかの様に見えます。
その事で、興味深い報告があります。
癌の改善の為に片側の交感神経を切断された患者さんが、好きな音楽を聴いた時、切断されていない側では以前と変わらない身体から沸き起こる感動を感じたのですが、切断された方の側では感動を感じ無かったと言います。
つまり、身体の変化を伴わない情動は、本当の情動反応では無いと言えます。
つまり、音楽等によって引き起こされる、身体に起こる興奮と大脳皮質が関与する認知が結びつく事で、感動が生まれるのです。
人間の情動反応は動物に比較してより高次の物が多く、人間の「心身一如」という心と身体の微妙で密接な関係を知った貴重な報告です。
脳の病気で多いのが脳出血や脳梗塞の脳血管障害です。
その障害が起こると運動麻揮、失語症といった後遺症があるので、早期から積極的なリパビリが重要になってきます。
その時に鍼療法が有効である事が報告されました。97年I1月に米国立衛生研究所(NIH)から、鍼療法に関して脳卒中後のリハビリにおいて代替医療的療法、あるいは総合的な管理計画の中に含めて鍼を利用すれば役立つ可能性があるとしています。
また、98年に第47回全日本鍼灸学会で脳神経外科の専門病院禎心会病院物理療法科の石井睦宏氏らは、「脳血管障害に対する中医学的鍼療法」と題して、95年1月から96年12月までに脳血管障害で同病院に入院した患者237名のうち、197名(脳梗塞137名、脳出血60名)にリハビリと中国式鍼療法を行ったところ脳梗塞は78%、脳出血は71%で麻痺状態が自覚的、他党的に改善。手の開きや、上肢挙上などの機能改善は35%、下肢の機能改善は90%にみられたと報告し、脳血管障害後遺症の麻痺に高い効果があると発表したのです。
この時の中国式の鍼療法とは、天津中医薬大学第一附属病院の石学敏院長が脳血管障害の改善に開発した醒脳開竅法という独特なものです。
内関・人中・三陰交のわずか3つを主穴とし、症状により若干のツボを補助穴として用いる療法で、中国では約3000名の入院患者で改善と著効が75%もあると報告されています。
細胞が癌化する原因は、化学物質、放射線等の物理作用、ウイルスや細菌等による生物作用等様々ですが、こうした外からの要因だけで無く、体内で作られる活性酸素も細胞を癌化させる大きな原因です。
体内で活性酸素が大量に発生するのは第一に炎症の場合が考えられますが、炎症によって作られるのは活性酸素だけで無く、サイトカインもまた作られ、そのサイトカインも遺伝子の異常を引き起こして癌化を促進すると考えられます。
B型やC型の肝炎などウイルスが癌を引き起こすと言う事は分かって来ていますが、直接的にウイルスが癌化させるのでは無くても、感染によって引き起こされた慢性的な炎症が癌化を促進すると言う事が考えられるのです。
こうした慢性炎症による癌の発生は細菌やウイルス感染による物も含めて1割はあると考えられます。
癌が出来ればサイトカインが分泌され炎症も起こります。
するとそこでまた活性酸素が発生すると言った具合に炎症は癌を作り、また癌によっても作られて状況を悪化させてしまうのです。
アスピリンなどの抗炎症剤が大腸癌を抑制すると言う事が分かりましたが、炎症を抑える事がひいては癌を抑制する事になるからでしょう。
生活のレベルが上がるに従って胃癌(多くはヘリコバクター・ピロリ菌と考えられます)や子宮癌、肝臓癌等が減って行くのも衛生状態が良くなるに連れ感染症が減り炎症に晒される事が少なくなるからだと考えられます。
炎症を無くせばかなりの癌が抑えられる筈です。
体重が約60kgの男性で約4gの鉄が体内にあります。鉄は身体の代謝に欠かせないものですが、中でも一番知られているのが赤血球のヘモグロピンで65%の2.6gあります。
次に多いのが鉄貯蔵蛋白質のフェリチンやヘモシデリンで、この2つで20%の約0.85gの鉄を含んでいます。
筋肉中には酸素分子を貯蔵するミオグロビンや血清中のトランスフェリンという蛋白質が4%の約0.14gで、残りの10%が細胞内の酵素群の蛋白質にあります。
その中のシトクロム類の非ヘム鉄蛋白質酵素には極微量(0.008g)の鉄が含まれていますが、中でも肝臓の細胞中に存在しているチトクロムP450は抗生物質や汚染物質や化学溶剤無 度の何百種類もの分子を捉え、これに酸素原子を加えさせます。
これらの雑多な分子は比較的不溶性ですが、酸素原子が加わる事で比較的水に溶け易くなります。
またこれらの酵素はビタミンAやEを活性型に変換したり、コレステロールを性ステロイドホルモンに 変換したりします。
しかし、煙草の煙に含まれているベンツピレン等の多くの発癌物質は水酸化する過程でそれが発癌性の物質に変換してしまう事もあります。
両刃の剣の様な酵素ですが、肝臓では現在約20種類以上の似た構造をもつチトクロムP450が見つかっています。
現在はそれぞれが 特定の化学構造を認識して反応するのでは無いかと考えられています。
老化の原因としては体内で発生するフリーラジカルの影響が大きいと言う事は明らかですが、中でも脳はそのフリーラジカルの影響が他の臓器に比べて大きいと言えます。
脳はブドウ糖のみを栄養源にしている上に、酸素を大量に消費するため活性酸素が発生し易いのです。
しかも神経細胞は酸化しやすい不飽和脂肪酸やアドレナリンやドーパミン等のカテコールアミンが大量にある為にフリーラジカルが発生し易いのです。
活性酸素の中で反応性が弱い過酸化水素でも金属等と触れると反応性が高いラジカルを発生させます。
ですから例えば脳内出血等があれば鉄と反応してより酸化されやすく神経細胞へのダメージが大きくなるのです。
普通ラジカルが発生しても生体に備わっている防御機構、SOD(スーパーオキシドジムスターゼ)やグルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼ、また抗酸化物質であるビタミンCやEが処理してくれます。
ところが脳の中ではカタラーゼの活性は低く、ビタミンCより抗酸化力の強いEはあまり働きません。
つまり脳は酸化を受けやすいのに酸化を避ける事が出来にくい臓器なのです。
脳を守るには動脈硬化を予防して血圧をコントロールすると共に、頭に内出血を起こす様な外傷を受けない様にしなければなりません。
毛髪には一般的に寿命があり、2~6年間の初期成長期と後期成長期、2~3週間の退行期、3~4ヶ月の休止期と、自然に抜けてまた生えるという毛周期(ヘアサイクル)を繰り返します。
成長期には、頭皮の下にある毛包が大きく成長し、その中で毛髪の元になる毛母細胞が活発に細胞分裂をして毛髪を伸ばします。
退行期、休止期は毛包も小さくなり成長は止まります。
毛髪は通常10万本はあると言われ、髪が一日に100本位抜けるのが自然脱毛で、200本抜けると髪のトラブルの発生の目安になります。
この脱毛も高齢であれば毛母細胞の老化現象といえますが、20~30歳代の男性でも脱毛する人が増えています。
この男性の毛包は成長期においてミニチュア化し、毛髪がしっかり育たないのです。
原因は遺伝的要因と過剰なストレスだと言われているのですが、解っているメカニズムは毛母細胞に存在している酵素である5αリダクターゼが男性ホルモンのテストステロンを還元して、5αジヒドロテストステロン(DHT)を作り出し、このDHTが毛母細胞の活性を低下させたり、毛の成長期間を短縮するなどの働きをして脱毛症を起こす事です。
育毛剤の「リアップX5」は成分にミノキシジルという成分5%含み、この薬が小さくなってしまった毛包に直接作用して、毛母細胞の増殖や蛋白質の合成を促進する事によって発毛作用を促すと言う物です。
心臓疾患は午前中に起きやすい事は一般の人にも知られてきました。
事実、狭心症、急性心不全(突然死)、急性心筋梗塞等の発症は疫学的な調査でもはっきり他の時間より多発しています。
目覚めると言う事は自律神経系で主従が逆転する事だと言うことも出来ます。
その目覚めの時、副交感神経優位から交感神経優位にスイッチしますので、明け方頃は心拍数も最低になり血圧も低い状態から交感神経優位になるといきなり心拍数の増加、血圧上昇、そして血液の粘度も上昇してしまうのです。
その時血管にかかる負荷が動脈硬化がある場合には、動脈硬化の粥腫の部分と健康な動脈の部分の境目に強い力が加わわり、そこが折れて動脈の内膜にヒビが入ってしまいます。
すると血小板がフィブリンという目の細かい網を張りヒビの修復に当たります。
しかし、その修復がかえって血管そのものを塞いでしまい、それが冠状動脈で起これば心筋梗塞の発作になるのです。統計的に突然死の多いのは月曜日と木曜日の午前中です。
時間ギリギリまで寝て、目覚めていきなりセカセカと動き回る様な事は特に生活習慣病患者さんや不規則な生活や疲労を感じている人は慎むべきです。
ベッドの中で軽いウオーミングアップをして身体が副交感神経支配から交感神経支配に上手くバトンタッチ出来る様にする事が大切です。