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炎症と癌

2020.09.19 | Category: がん

細胞が癌化する原因は、化学物質、放射線等の物理作用、ウイルスや細菌等による生物作用等様々ですが、こうした外からの要因だけで無く、体内で作られる活性酸素も細胞を癌化させる大きな原因です。

体内で活性酸素が大量に発生するのは第一に炎症の場合が考えられますが、炎症によって作られるのは活性酸素だけで無く、サイトカインもまた作られ、そのサイトカインも遺伝子の異常を引き起こして癌化を促進すると考えられます。

B型やC型の肝炎などウイルスが癌を引き起こすと言う事は分かって来ていますが、直接的にウイルスが癌化させるのでは無くても、感染によって引き起こされた慢性的な炎症が癌化を促進すると言う事が考えられるのです。

こうした慢性炎症による癌の発生は細菌やウイルス感染による物も含めて1割はあると考えられます。

癌が出来ればサイトカインが分泌され炎症も起こります。

するとそこでまた活性酸素が発生すると言った具合に炎症は癌を作り、また癌によっても作られて状況を悪化させてしまうのです。

アスピリンなどの抗炎症剤が大腸癌を抑制すると言う事が分かりましたが、炎症を抑える事がひいては癌を抑制する事になるからでしょう。

生活のレベルが上がるに従って胃癌(多くはヘリコバクター・ピロリ菌と考えられます)や子宮癌、肝臓癌等が減って行くのも衛生状態が良くなるに連れ感染症が減り炎症に晒される事が少なくなるからだと考えられます。

炎症を無くせばかなりの癌が抑えられる筈です。


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