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私達は日々、食品添加物や汚染された空気や水に晒されていて、これらに含まれる毒物を避ける事は簡単ではありませんが、気付かぬ内に体内に取り込まれてしまう毒物を、無害に近くする方法があります。
至極簡単、それは唾液を十分に出す事です。細胞毒である、DNA変異を起こさせる発癌物質に、唾液を混ぜて30秒もするとその物質の変異原性は数分のlに減少してしまいます。
強力な発癌物質とされるアフラトキシンやAF-2も例外ではありません。唾液には12種類の酵素と幾つかのビタミン、ホルモンが含まれていますが、この中でも酵素のペルオキシダーゼとカタラーゼが強力な毒消し効果を持っているのです。
食事の際に一口30回以上噛んで唾液と食物を十分混ぜ合わせる様にすれば良いのです。
しかし、ペルオキシダーゼ活性にも個人差があって、強力な酵素を持っている人もいれば、殆ど活性の無い人も居て、男女の差は無いものの年令では55才を過ぎる頃から下り坂になり、老人ではその活性が低い事が分かりました。
また強力なペルオキシダーゼ活性の持主でも、徹夜が続いたり重労動等で疲労が激しかったりとストレスが重なると活性が著しく低下してしまうのです。
内臓の痛覚受容器は比較的少なく、例えば肝臓等は沈黙の臓器と言われる位、痛覚受容器がありません。
胃や腸などの中腔臓器の壁の痛覚受容器は伸展に対して感受性が大きいので、炎症や充血などの刺激に対しては激痛を起こします。
ところで、内臓の異常によって、その臓器から離れた部位に痛みが出て来る事がありますが、これを関連痛と言っています。
内臓の異常は自律神経求心性繊維を通じて脊髄後根から脊髄内に入りますが、その分節内には、皮膚や筋肉等の体性感覚の求心性神経がありますので、それらは同一の感覚伝導路(外側脊髄視床路)ニューロンに収束された為に、投射が起こるからだと言われています。
実は関連痛が起こる機序は仮説なのですが、いずれにしても、関連痛はすべて発生学的な神経支配の走行に出て来る事が特徴です。
ですから元の痛みが発生した組織と発生学的に同じ体節または皮膚節に出て来ます。例えば、よく知られている心臓の異常が左腕の内側に痛みを感じさせるのは、上部胸髄神経支配が、腕の神経も支配しているからです。
従来、免疫系は自律的で他の影響を受け無いと言うのが定説でしたが、神経と免疫の関連に注目した「精神神経免疫学」という分野があります。
その研究者のデビット・フェルトンは牌臓の回りにある免疫系の細胞の広がりの中に、一束の神経線維を発見しました。
研究を進める中で、他の部分でも同じ事が分かり、神経線維が実質的に免疫系の全ての器官に通っていて、免疫系の細胞と接触している事を明らかにしました。
また免疫系の細胞の表面には、神経伝達物質のレセプターがある事は、以前から分かっていましたがどうしてあるのか謎でした。
この事から、脳と免疫系に繋がりがある事、精神的な要因が免疫系の活動に影響を与え、更に免疫系の作り出すものが脳にも影響を与えるという考えが成り立つと言うのです。
臍下丹田とは、生命の元気が宿っているとも言いますが、この位置は、腸がある所です。
この腸は、不思議な事に脳死状態になっても働き続けてくれるのです。
これを「腸の自動能」といいますが、腸は食べ物の吸収ばかりでなく、その化学成分を認識して、肺臓、肝臓、胆のうなどに指令を出したり、食べ物を肛門に向かって移動させる為に蠕動運動を起させたりしているのです。
この腸壁の粘膜や筋の層の中には神経線維が縦横に張り巡らされていて、まるで網タイツの様であると形容している専門家がいるほどです。
その神経線絡の結び目には神経細胞があり、腸全体では億単位に昇るとも言われています。
この数は脳には遠く及びませんが脊髄全体の数を凌ぐ程あるのです。
正に腸は「小さな脳」と言われる事もうなずけます。神経系の進化という面からヒドラのように脳の無い生物は、神経細胞は腸の回りに散在しています。
ヒルやミミズに進化すると、腸の始まり(食道)の回りに、神経節が現れます。この神経節が次第に追加され、上に行ったのが脳であるとも説明出来ますし、丹田気が宿る所です。
神経に刺激を与えて興奮を起こさせるとそれからー定期間次の刺激に対して興奮を示しません。
これを不応期といい、これにはどんな強い刺激にも反応しない絶対不応期と、また興奮している時でも正常よりも同値が高く、発生する興奮の大きさも小さい相対不応期があります。
絶対不応期は1000分の1秒(1シグマ)といわれ、この問は興奮性が無くなります。低周波器で周波数の上限が1000Hzになっているのはこの為で、それ以上の刺激が来ても反応しないからです。
改善を必要とする神経は不応期が長くなる場合があり、それに応じて周波数を変える事になります。
周波数が1~250Hzの場合は運動神経を介して麻痺筋の運動練習をします。
慢性化した痛みを取る場合も低い周波数の方が、モルヒネ様物質が多く出るといわれ、改善の後の後効果が長いといわれています。
250~600Hzでは機能促進、鎮静作用。600~1000Hzでは疼痛除去、鎮痛を目的に使われます。神経の伝導が遮断され痛みに対して即効性があります。周波数はその症状に応じて何を期待するかにより使い分けられる事になります。
神経細胞は、シナプス結合で神経伝達物質によって情報を伝達します。
その伝達のやり方は複雑に見えますが、基本的には3種類です。まず相手の標的細胞を興奮させるか、抑制させるかの2種類の伝達方法が基本的なものです。
そしてもうひとつの働き方として、興奮を伝える神経細胞にシナプス結合して、興奮を伝える神経細胞を抑制する、つまり興奮の効率を下げることで興奮を伝えにくくするという「シナプス前抑制」というタイプの働き方をします。
神経伝達物質の種類は沢山ありますが、その働き方はこの3種類に過ぎません。
人の体では生体の恒常性を維持するのは(排卵や出産などを除いて)負のフィードバックが基本ですが、神経の情報伝達もこの例に漏れず、負のフィードバックが基本となっていると言えます。
この場合、(少数の例外はありますが)同じ神経細胞が抑制性や興奮性のシナプスを作る分けでは無く、ある神経細胞は興奮性のシナプスばかり、別の神経細胞は抑制性のシナプスばかりを作る、と言う様に分担をしています。
涙が無ければまばたきがしにくいだけで無く、瞼と眼球が擦れて目玉は傷だらけになるでしょう。
けれども涙の働きは単に潤滑油というだけには止まりません。まずは眼球のライフラインとしての働きがあります。
角結膜には血管がありませんから、栄養や酸素の供給を血液に頼る分けにはいかないので、涙を使って供給しているのです。
しかもその様な養分だけで無く、角膜の上皮を形成したり増殖したりする為の因子をも供給しています。
更にIgAやラクトフェリン、リゾチーム等の成分を含み、外部から侵入した細菌やウイルスなどに対して殺菌作用を発揮します。
そして下水道的な役割として、角結膜の上皮が代謝した老廃物や、大気汚染の成分やバコの煙、花粉などのアレルゲンを洗い流してもくれるのです。
また目は常に紫外線に晒されているので活性酸素の発生を免れませんが、それにしても涙にSOD(スーパーオキサイドディムスターゼ)を含む事によって無毒化する働きを準備しています。
勿論こうしたメンテナンスの働きに止まりません。滑らかに見える角結膜の表面も、実は微絨毛の為凸凹しているのですが、涙はこの凸凹をならして滑らかにする事で、〝見る″機能そのものも支えているのです。正に涙が目の健康を作っているのです。
眼圧と血圧は、どちらも圧が高くなると眼の疾患になります。
血圧が高くなれば眼底出血になり易い、眼圧が高くなれば緑内障が心配です。
血圧が高いと、頭や眼の奥が圧迫を受けたように感じて鈍痛が出てきます。この症状は慢性緑内障の初期症状に大変よく似ています。
そこで患者さんの中には、眼圧と血圧を同一視したり、取り違えてしまう事もある様ですが、眼圧と血圧は直接的な関係はありません。
高血圧があれば眼圧が上がる分けでは無いし、眼圧が高くても、血圧は正常な場合が多いのです。ところでこの眼圧は眼球の硬さを測定した値です。
眼圧は眼球の形を正常に保ち、歪んだりせずによく見える為にある程度の硬さが必要です。その為に房水という液が眼球の中を流れて眼球の外の血管に出ていきます。
その時出と入りの房水の量は常に一定に保たれていて、適度な眼圧になるのです。房水は血液と似た成分ですが、赤血球は無く、蛋白質が少なくてビタミンCが多い透明の液体です。
正常な眼圧は10~20ミリ水銀柱ですが、僅かですが日内変動があります。緑内障の中では、稀に眼圧が正常の人もいる様です。眼圧が30ミリ水銀柱を超えると大変危険な数値といえます。
東洋医学では脈の状態を診る脈状と、脈診の部位によって経絡の虚実を比較して診る方法の二つの脈診があります。
血管を流れる血液の状態を知る事により、脈その物の深浅、緊張度、太さ、調子、速度等から病状を考えます。
そこで脈とは何かという事で循環動態という医学の分野の面白い報告があります。実は脈は波動であるという事です。
海岸に打ち寄せる波は、岸に次々打ち寄せてきます。しかし波間に浮かぶ物はただ上下しているだけで進んでいる様に見えません。進んでいる様に見えた波も波形が連続的に位相を変化させているだけです。
つまり海の表面を粗密波が伝播している現象なのです。
心臓の拍動が伝わる現象を見ると正にこの粗密波の伝播であると言うのです。
この波を起す震源地になるのが大動脈弁口部です。
威勢よく血液が通過する時弁口部に振動が発生して、この振動が血管壁を伝播して行くのです。
と言う事は、手首の動脈で触れた拍動は血液では無く、毎回血液が心臓から飛び出す時に発生する振動が動脈壁を通って手首に行く現象なのです。
因みにこの脈波の伝播の速度は、血流速度のおよそ秒速0.7メートルの約10倍の秒速メートルと言う事です。
特に「素問」の三部九候診にある9か所の拍動を診る古典的な診療法は、各部位の血管壁の波動の微妙な変化を感じた昔の人達の素晴らしい切診技術であった訳です。
粥状動脈硬化の原因は、血管の内皮が傷付き単球やマクロファージ等が血管壁に入り込み、変性したLDLを取り込んで泡沫細胞として粥腫となる、というのが一般的ですが、血管を構成している蛋白質の変性に原因があるという説があります。
動脈の内側には薄い膜があり、その下に内皮細胞が並んでいます。
その細胞の間には微小管孔という赤血球も通せないほど小さな3~5ミクロンの孔があり、その孔は動脈壁に内側から栄養や酸素を与えている、つまり血管の血管であると考えられます。
その微小菅孔は蛋白質で出来ていて、微小菅孔を出入りする血漿成分を取捨選択していますが、それらの組繊蛋白が変性した為に動脈壁は栄養不足、酸素不足になり動脈硬化を起すと訳けです。
組織蛋白(エラスチンやコラーゲン、糖蛋白、グリコサミノグリカンス等)が変性するとヒスチジノアラニンら微量物が出来て変性した蛋白質を繋ぎ合わせます。
更に別の異種蛋白も出来て、この蛋白が脂肪やカルシウムと親和性かある為に、コレステロールなどの粥腫を構成する事なると言うものです。
動脈硬化の原因や促進要因に高血圧、高脂血症、糖尿病があるのは勿論ですが、これらの疾患の全てで動脈硬化が生じる訳ではありませんから、動脈硬化を発症するに至るのは出来の悪い蛋白が作られ易い事があるのかもしれません。