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人は誰でも緊張の高まった状態になると、どうしても自律神経系の交感神経優位の状態になります。
欝病の状態は、それ自体が強い緊張とストレスを生体に与え続けてしまいます。
当然、自律神経のバランスは崩れ、交感神経優位の状態が恒常的に続きます。内臓の働きを促す副交感神経の働きは抑制され、その結果便秘に悩まされる事になります。
ですから、欝病かそうで無いかは、便秘があるか無いかで見分ける事が出来るとも言われています。
また、欝病の薬である向精神薬の中には、アセチルコリン作動性を抑制する効果(抗コリン作用)を持っている物が多いのです。
このアセチルコリン系は、自律神経の神経伝達物質であり、副交感神経に作動します。
この抗コリンの副作用として、口の渇き(口腔粘膜の粘着性の分泌による)と便秘です。この事で、欝病の患者さんは、薬を飲むと、益々便秘に苦しめられてしまうのです。
強いストレス状態にあると、脳下垂体前葉では副腎皮質刺激ホルモンを大量に作らなければなりません。
脳下垂体前葉では他にも成長ホルモン、生殖腺刺激ホルモン、泌乳刺激ホルモン、炭水化物代謝ホルモン、甲状腺刺激ホルモン等、他の内分泌を刺激する重要なホルモンが作られているのですが、その生産能力には限界があります。
そこで副腎皮質刺激ホルモンの生産を維持するために、他のホルモンの生産が犠牲になってしまうのです。
つまり、種の保存を犠牲にしてもまずは我が身の個体の生命維持を計ると言う分けです。
ですから、長期の強いストレスが続くと、痩せや発育の遅れ、中性化を伴う睾丸や卵巣の萎縮、乳汁の分泌停止、月経停止、性欲の減退等が起こる様になります。
最近多くなったといわれるセックスレスのカップルや若い人の間で流行し続けているユニセクシュアルなファッション等は慢性的なストレス社会が生んだ当然の現象なのかもしれません。
胃や腸等で吸収された栄養分や毒素などの様々な物質を含んだ血液を運ぶのが門脈です。
肝臓には1分間に約1.5リットルの血液が流れ込んでいますが、その血液は代謝や解毒等の作用を経て肝静脈から心臓へと流れています。
しかし、肝硬変になると肝臓の雌雄化が進み、肝臓内の血液の流れは非常に悪くなります。
毎分約1.5リットルの血液が流れ込む為肝臓はオーバーフローして、門脈内の血圧が上がっていきます。
行き場の無くなった血液は、 心臓に向かって戻ろうとしますので、腹壁の静脈や食道や胃等の細い血管に迂回する事になります。この大量の血液によって細い血管に無理が生じ、膨らんで静脈瘤が出来ます。
このような状態が持続すると破裂してしまい大出血を起こします。特に多いのが食道静脈瘤です。
これにより、肝臓内の血液は益々減少する為、肝臓の働きが急激に悪くなり肝不全を起こしてしまいます。
胃や食道の静脈瘤は気付きにくいですが、肛門の静脈瘤や痔核の悪化は分かりますので、静脈瘤の破裂を防ぐには、肛門の状態を日々注意する必要があります。
現在分かっているだけで、肝臓は500以上もの化学反応を瞬時にしています。
化学反応の1行程の特定物質にはーつの酵素しか働かず、「酵素の基質特異性」といっていますが、そんな酵素が肝臓には2千種以上も存在しています。
ところが「チトクロームP450」と名付けられた酵素に限って相手は一つだけでなく、ありとあらゆる化学物質を片っ端から相手にしてゆくのです。
薬や食品添加物やアルコール、有毒物質まで、何でもござれです。ところが体内に入ってくる化学物質の95%はP450によって酸化され無害な物質に変えられるのですが、残りの5%は逆に毒性が高められ、発がんの引き金になってしまうことが分かっています。
例えばタバコのタールや排気ガスのベンツピレン等です。また常習的に酒を飲んでいると、P450がアルコール分解の補助回路に沢山存在するようになり、アルコールを分解する回路で薬もどんどん分解してしまうので、いざ薬が効いて欲しい時にまるで効か無いと言う事になります。
逆に酒を飲みながら薬を飲むと、P450がアルコールの分解に手-杯で、薬の解毒まで手が回らなくなり、今度は効き過ぎて大変な事になりかねないので、くれぐれもご用心を。
女性で尿失禁に悩まされている人は、30畿代で10人に2人、60歳以上では10人に4人とも言われています。
咳やくしゃみの時にお腹に力が入ってしまい、まだしてはいけないと思っても膀胱が勝手に縮んで尿が漏れてしまうという「腹圧性尿失禁」が70%以上です。
女性に尿失禁が多いのは、骨盤の筋肉が出産や運動不足等で弱くなる事が原因です。
健康な女性は膀胱と尿道の角度は110度ですが、骨盤底筋群が緩むとその角度が徐々に広がるからです。
それと膀胱出口の膀胱頚部の平滑筋をみると男性では括約筋の輪状構造となっていますが、女性では筋繊維が斜め方向の構造の為に膀胱出口の締まりが悪くなっているので、漏れ易くなっています。
それと、尿道の粘膜および粘膜下組織の弾力性はエストロゲンの影響を受けていて、閉経するとエストロゲンが欠乏し弾力性が失われ、益々締まりが悪くなり失禁し易くなるのです。
改善法には、失禁の程度に応じて、運動、薬物、手術療法の三つがあります。軽度の人や予防の為の対策としては、骨盤底筋の訓練や膀胱訓練を行うと95%が改善されるそうです。
糖尿病の三大合併症のひとつに、「神経障害」があります。これは高血糖が長く続く為に毛細血管が障害されたり、大小の動脈の硬化症によって神経が障害を受けるからです。
初期の頃は、末梢神経の中の知覚神経が異常を起こします。起こる部位としては血流の悪い足から起こって来ます。
特に、足先が冷たかったり、痺れたり、感覚が鈍くなったり、反対に足先が熱くなったり、異常に敏感になったりします。
加えて、筋肉のこむらがえりや萎縮等も起こっていれば、まずは糖尿病を疑います。それに、糖尿病の神経障害の特徴として、両側に同じ程度に起こる事が多いので、それも他の疾色と区別する時の目安です。
その状態がもっと悪化すると、症状は全身に広がっていきます。眼球を動かす脳神経の障害(物が二重に見える)や発汗異常(下肢の無汗症と上半身の多汗症等)や便秘、下痢、インポ、膀胱機能障害等の自律神経系の障害が出てきます。
血糖値の高い方は足の症状には要注意です。
糖尿病の恐ろしい合併症のひとつが腎症で、人工透析に至った糖尿病患者は10万人を超えています。
以前は糖尿病性の腎症は尿蛋白が陽性になってから(第3期)診断・改善されていましたが、その時点では腎症の悪化を阻止する事は難しく、10年程で末期腎不全(第4期)に進行していました。
しかし、尿蛋白に先行して尿の中に微量のアルブミンが増加する時期があり、(第2期一早斯腎症)、この時期に厳格な血糖と血圧のコントロールと蛋白質の制限をすれば、腎症から腎不全へと進行する事を防げる事が分かってます。
この時期では、血糖と共に、特に血圧の管理が重要で、140/90mmHgを目標に、まず減塩、運動、肥満解消、を徹底し、それでも血圧が下がらなければ降圧剤を使ってでも下げる必要がある様です。
また、蛋白質も早期から制限する事が糖尿病性腎症の進行を抑制させる様ですが、早期であればあまり厳格で無くても良く、体重lkgに対して1~0.8g程度の蛋白質に抑えれば良いでしょう。
糖尿病性網膜症は、後天性失明の原因の第一位で、年間3000人もの人が失明しています。
糖尿病歴10年で50%が網膜症を合併すると言われていますが、最初は自覚症状が殆ど無い単純網膜症で、血糖値が正常化すれば症状が消える可能性があります。
まず糖尿病によって網膜の毛細血管に瘤が出来たり、小さい出血や侵出斑が出来たりします(単純網膜症)。
しかし、この時期を過ぎて、循環障害で酸素不足になった網膜の上に、酸素を補うために新たに血管が伸びて来る「増殖期」になると悪化はいっきにスピードアップして網膜剥離を起して失明してしまうのです。
この増殖期になる前なら、しっかりした血糖のコントロールによって改善させたり、進行を止めたりする事も可能です。
また、光凝固法という、レーザーで酸欠になった神経の一部を焼いて新生血管が出て来るのを予防する方法も可能です。
自覚症状が無いだけに、いっきに失明もあるので、糖尿病になったら、必ず定期的に眼科の検診を受けて網膜症の早期発見を心掛けなければなりません。
大腸は中腔臓器であり、腸内には沢山の細菌が常在しています。
口から肛門まで、腸管は丁度ちくわの内側がそうである様に身体の中の外部環境である訳です。
口腔には、粘膜細胞やアデノイドや扁桃腺がある様に大腸にも外敵からの侵入を防御する為のリンパ組織が粘膜の下に沢山あります。そればかりで無く、大腸には腸神経系と呼ばれる神経細胞の集まりがあり、網の目のように張り巡らされています。
また、腸の粘膜には、脳下垂体や膵臓で作られるホルモンと同じ作用のあるセロトニンやソマトスタチン等の腸内分泌細胞があります。
これらの働きによって、日々複雑に変化する腸内の状態を一定にしているのです。腸の蠕動運動、水分のコントロールや様々な腸内殺菌による化学的な変化に対応する様子は、さながら、脳による身体のコントロールに匹敵する様に見えます。
正に神経系、ホルモン系、免疫系を備えた大腸は身体の中の独立組織であると言っても良いでしょう。
医学の始祖ヒポクラテスの言葉に「柔らかい食品は固い便を、固い食品は柔らかい便を与える」とあり、便秘の患者に小麦ふすまを与えて改善をしたそうです。
小麦ふすまは、小麦の外皮の事で食物繊維を多く含んでいます。食物繊維は従来の栄養学で考えると何の意昧もないカスとしていましたが、最近では栄養過剰による肥満や高脂血症を予防する上で大切な第6の栄養素と言われています。
食物繊維は梢化酵素に消化されず水を沢山抱え込む性質がある為に便の容量を増やし、腸を通過する時間を短縮する作用があるので、便秘の予防に大切な栄養素です。
増えている大腸癌は、肉食中心の食生活になった為に胆汁酸を多く含んだ便の滞留時間が長くなり、それが直腸などの粘膜を刺激して癌になると言われています。
食物繊維を多く含む食べ物としては切り干し大根、ヒジキ、干し椎茸、豆類などです。指標では1日20~30g摂る事を目安としていますが、現代人は5~15gしか摂って無いそうです