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スーパー酵素P450

2020.04.22 | Category: 消化器

現在分かっているだけで、肝臓は500以上もの化学反応を瞬時にしています。

化学反応の1行程の特定物質にはーつの酵素しか働かず、「酵素の基質特異性」といっていますが、そんな酵素が肝臓には2千種以上も存在しています。

ところが「チトクロームP450」と名付けられた酵素に限って相手は一つだけでなく、ありとあらゆる化学物質を片っ端から相手にしてゆくのです。

薬や食品添加物やアルコール、有毒物質まで、何でもござれです。ところが体内に入ってくる化学物質の95%はP450によって酸化され無害な物質に変えられるのですが、残りの5%は逆に毒性が高められ、発がんの引き金になってしまうことが分かっています。

例えばタバコのタールや排気ガスのベンツピレン等です。また常習的に酒を飲んでいると、P450がアルコール分解の補助回路に沢山存在するようになり、アルコールを分解する回路で薬もどんどん分解してしまうので、いざ薬が効いて欲しい時にまるで効か無いと言う事になります。

逆に酒を飲みながら薬を飲むと、P450がアルコールの分解に手-杯で、薬の解毒まで手が回らなくなり、今度は効き過ぎて大変な事になりかねないので、くれぐれもご用心を。


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