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パーキンソン病の主症状は、振戦、固縮、無動、姿勢保持障書の4大症状です。
中脳の黒質一線状体系のドーパミンを分泌する神経細胞が変性・脱落し、線状体のドーパミン含量が20%以下になると発症します。
進行すると脳幹などのノルアドレナリン系神経も障害される為、様々な自律神経症状が起こってきます。
薬物療法としてドーパミンその物は血液一脳関門を通過出来ないので補えず、代わりにL-ドーパ(ドーパミンの前駆物質)を主に用います。
長期渡ってLドーバを服用していると、ドーパミンレセプターが壊れて減少し効果が落ちるぱかりで無く、ジスキネジア(不随意運動)や幻覚などの副作用が起きやすくなります。
改善法として、黒質の近くの尾状核に小さな穴を開け患者白身の副腎髄質の断片を入れるという組織移植術が試され効果があるそうです。
欧米では80年代後半から、人工妊娠中絶した胎児の脳細胞を培養した物の移植が行われており、一定の効果を上げている様です。
日本では自治医科大学でLドーパの変換酵素を作る遺伝子をウイルスに組み込み再生させる取り組みを行なっています。
岡山大ではメラノサイト(チロシナーゼ)を脳内に細胞移植する事でドーパミン細胞に代わってドーパミンが産生される研究をしています。
身体の現象を遺伝子の配列とそれによって作り出される蛋白質という物質に還元しますが、記憶という現象はどうでしょう。
記憶は脳の中の物理的な痕跡として永久に保存されているという仮説を元に多くの研究者がその記憶痕跡{エングラム}を探しています。
長期記憶は、今のところ大脳皮質が関与しているという説が有力ですがその決定的な特定にまで至っていませんし、記憶痕跡という仮説そのものに異議を唱える学者もいます。
ただ、短期の記憶はかなり解明されてきました。
大脳辺縁系の一部にある海馬に短期記憶が保存されていると言う事は、海馬を損傷した患者さんが短期記憶を失う事で部位的には解っていました。
この海馬は下等な脊椎動物では最も重要な部分であり、ラットでは海馬は大脳とほぼ同じ大きさです。
ノーベル賞を受賞した利根川進を中心にしたMIT{マサチューセッツ工科大学}のグループは海馬に記憶回路を作る蛋白質の存在を明らかにして、更にその蛋白質を作る事を指令する記憶遺伝子を特定しました。
正常な状態で空間記憶を生み出す海馬のニューロンに対して、そのニューロンが繋がり合う時に必要な蛋白質が作られ無い欠陥遺伝子をもつノックアウトマウスを作り、そのマウスが全く短期記憶を持つ事が出来ない事で証明したのでした。
身体だけで無く感情や思考にも男女の差はありますが、脳にも違いがあります。
脳の男女差の一番大きな違いは脳梁の太さで、女性の脳梁は男性に比べて太く、特に後ろの方が太くなっています。
脳梁には左右の大脳を繋ぐ2億もの神経細胞が詰まっていて、ここを通じて色々な情報をやり取りしています。
特に太くなっている脳梁の後ろの部分では、視覚神経がある後頭葉や、聴覚中枢や言語中枢等がある側頭葉後部から来た神経線維が通っています。
女性のこの部分が太いと言う事はそれだけ左右のの情報が頻繁にやり取りされ、情報処理に脳全体を活用していると考えられます。
一般に(個人差はありますが)女性の方が細かい事に気が付き易く、目が届きやすいと言うのも左右脳の情報の処理の仕方にあるのでしょう。
いわゆる言葉の脳と言われているのは左脳ですが女性の場合は男性よりも両方の脳を活用している事が脳波でも解っています。
女性の方が口が達者だと言うのもその為でしょう。
男性の脳は、色々な働きにおいて万遍無く脳を使うよりも、働く部分がくっきりと特化する傾向になります。
女性に比べて特定の才能を持った天才が男性に多いのも脳の使い方の違いによるものなのでしょう。
アルツハイマー病は神経細胞が変性し脱落が起こり、大脳皮質が萎縮する大脳変性疾患です。
1906年にドイツの神経生理学者のアルッハイマー氏によって発見されました。
アミロイド変性原因は、遺伝的要因、代謝異常。ウイルスの感染症、アルミニウムの中毒ではと考えられていましたが未だ決定的な事は分かっていません。
神経病理学的には脳の神経細胞に特殊な蛋白質が沈着して出来る老人斑、神経線維変化が特徴的です。この変化は健常老人の海馬にも見られるのですが、アルツハイマー患者では脳全体に著しく見られます。
しかしこの病理的変化の程度と知的機能障害の程度とは必ずしも一致せず、症状は身体的、心理的要因や環境要因によって大きく影響を受けて発病する事があるのです。
症状としては物忘れから始まり、次に思考力の低下、人格崩壊までと段階的に進んでいきます。
根本的な改善や予防にはまだ時間がかかりそうですが、研究で、北アジア、北アメリカ、ヨーロッバ等で異なる人種におけるアルツハイマー痢の罹患率を調べた所、いずれも学歴の高い方がかかりにくいという結果がでました。
脳細胞を刺激してシナプスを多く作る事が一番の予防になるのかもしれません。
松果体は、松の実状で長さ8ミリ、径5ミリほどの小さな器官です。
この松果体はセロトニンやメラトニンなどが含まれていますが、この両方の量の差が明暗の変化に対応して、サーカディアンリズムの睡眠周期に深く関与している事が解っています。
しかし、昼間の退屈な会議や電車の中で突然起こる強い眠気は、このリズムとは関係なく起こります。そこで、脳のどこかにこの突然の眠りを誘うスイッチがあるのでないかと研究が進められています。以前から部位的には視床下部にある事はラットの実験で明らかになっていました。
最近になってボストンの病院の研究グループは、ラットの脳細胞に活性化し蛋白質を特定する為の追跡化学物質を用いて、フォスという蛋白質が関与している事を発見しました。
このフォスは眠らせないラットでは脳の大部分にありますが、眠らせたラットには、脳全体には無く視床下部の前部にあるVPNと呼ばれる2~4万個のニューロンに大量に貯蔵されていました。
更に、このVPNは他の脳細胞を活活性化させる神経伝達物質(GAVA)も作り出していますので、覚醒、目荒め、意識に関係する、すべての神経伝達物質を制御していると言われています。
眠りの機能の最も重要な事は脳の組織の再活性ですので、眠りスイッチとしての役割もその一環として考えられる訳です。
絶対音感とは楽器などの助けを借りずに、音の高さや音名を識別する能力の事を言います。
普通の人の音感は相対音感で、前後の音との比較をしなければその音の高さは分かりませんが、絶対音感ではある音を聴いただけで、その音の周波数を判断してドなのかミなのか、言い表す事が出来るのです。
耳から入って来た音は鼓膜を振動させ、三半規管のリンバ液に伝達され聴細胞に伝えられます。
聴細胞に達した振動はそこで電気信号変換され、大脳の聴覚野から連合野に伝えられて情報処理されます。
絶対音感のある人の脳は、聴細胞のどの部分に電気信号が付いたのかをデジタル的に理解しているのです。
普通、言語は左半球優位で、音楽は右半球優位で聴いているのですが、絶対音感を待つ人の器合は全ての音を左半球で聴いているとか。サイレンや鳥のさえずりや雑音さえも全て音階で聴こえるのです。
この絶対音感は、3~6歳頃の幼児に音感教育をする事で身に付くと言われそれ以降はどんなに努力しても身に付かないのは、聴覚野の発達過程で臨界期があるからです。
乳幼児期に片方のみ一定期間眼帯をしているとその方の視力に回復出来ないダメージを与える様に、絶対音感の臨界期は6歳頃だと言えます。
脳の病気は、X線CTやMRIで脳の断面や脳血管の様子が分かり、どの部分に病変があるのか正確に診断出来る様になりました。
更に、脳のどの部分がどんな働きをしているのかも短時間で分かります。ブロードマンが大脳皮質の構造を顕微鏡で調べ、その細胞の形態や配列状態等の違いから48個の皮質領域に番号を付けて分類した脳地図があります。
この地図は運動野や感覚野などと適合すると言う事で長い間使われていましたが、これからは磁気を利用した脳磁図で一人一人のより精密な脳の機能が分かる様になって来ました。
神経細胞が興奮して活動電流が発生すると頭皮表面に磁場を作ります。その磁場の大きさは10兆分lテスラ。地球磁場が10万分の1テスラですから、極めて微弱な磁場なのです。
この磁場の検出は超伝導量子干渉素子SQUID(スクイッド)という高感度の磁場センサーで可能になりました。例えば、患者さんに視覚、聴覚、体性感覚等の刺激を与えたり、文字を読むとか、単語を聞くと言う様な刺激を与える事で脳の機能を診断して、脳磁図が作製されるのです。
この脳磯回とMRIで診断した脳の構造を組合わせる事で、1人1人の正確な機能部位を把握して改善に役立てるのです。
世紀中にはがんは制圧されるという希望的観測もありました。
しかしそのメカニズムが明らかなるにに連れてそう簡単な事では無い事も分かってきました。
現在の医療をみても、手術とその周辺的な分野として放射線療法、化学療法、免疫療法がメインであり飛躍的な進展はしていません。
遺伝子研究によるがん関連遺伝子の存在やウイルス 感染と発がんのメカニズムなどの解明により、可能性として遺伝子診断や遺伝子療法などの新たな方法もでてきました。
しかし、がん医療の劇的な展開を迎えるにはまだ先のようです。
確かに技術レベルの向上とノウハウの蓄積によって胃がん等の様に生存率が高くなっているがんもありますが、それでもがんによる死亡率が抑えられ無いのはなぜでしょう。
寿命が延びれば遺伝子が異常になりやすい為 がんが増えるという極めて当たり前の理由も ありますが、やはりがんを誘発する因子が我々の外都環境で増えつづけていることと身体の内部環境の悪化も見逃すことはできません。
がんが増え続ける原因を考えるとやはり、この環境という言葉に突き当たります。現在のがん医療はどれも決定打でほありません。
だからこそ色な予防法や改善法が模索されています。心理療法・内分泌療法、温熱療法、漢方療法、食事療法、我々の施術も含めて代替療法と言われる部分も多く存在しているのです。
細胞が増殖するときは、近隣の細胞がある細胞に「増殖せよ」というシグナルを送ります。
この「増値せよ」のシグナルは分子レベルの伝達で、細胞表面の受容体から細胞質へ、細胞質から核へとそれぞれの遺伝子が作るタンパク質によって順存にリレーされていきます。
一方で「増殖を押さえろ」というシグナルも細胞外から届けられ、これも分子レベルの伝達で核まで届けられます。このとき、リレーのメ ンバーに異常が起こると、その遺伝子はがん遺伝子となるわけです。
つまり「増殖せよ」というシグナルが無いのに、受容体が勝手に 増殖せよ」のメッセージを送ったり、また伝達過程で自分でもメッセージを増幅させたりして過剰に伝達したりすれば、細胞は異常に増殖をはじめます。
また「増殖を抑さえろ」というメッセージを受容体が受け取れ無くなったり、リレ一過程のメンバーの異常で核まで届けられ無くなれば、これも細胞の異常な増殖をもたらす事になるのです。
がん遺伝子というのは、この促進と抑制をつかさどるそれぞれのタンパク質を産生させる遺伝子に変異が起こったということなのです。
ですから、がん遺伝子といっても、促進、抑制それぞれの経路の受容体の部分なのか、細胞質内のどの伝達部分の異常なのかで病型も違ってくるし、がん遺伝子もおびただしい数になるわけです。
徹底的な温熱療法で末期の妻を救ったという鍼灸師の先生の例がありました。
確かに、がん組織は熱に弱く、例えば42度くらいの熱でも壊死させることが可能なのです。というのもがん組織周辺に熱を与えても正常な組織は血流によって熱は運びさられてしまいます。
しかし、がん組織の新生血管は正常組織の血管より貧弱なため熱を運ぶ事がたいして出来ないので腫瘍部分だけが余計に温度が高くなります。
この事を利用して、深部加湿装置を使ってがん医療を都立駒込病院では実際に行っています。
ここではサーモトロンという温熱装置を使いますが、直径25センチの電極を上下、あるいは左右にあてて、8メガヘルッのラジオ波を照射する仕組みになっています。体は電気抵抗がある為ラジオ波が入ると熱を発生させます。
同病院の放射線診療科では患部組織に42度位の熱を与えるこの温熱療法と放射線療法を併用して手術を嫌がった、患者さんの子宮がんの改善に成功しています。
今のところ、この療法は患者さんに熱によるハードな負担をかけるので、基本的には手術不能か手術拒否または放射線単独では根治が望めない場合に限りやっているそうです。
また、皮膚がんのメラノーマに血液を体外循環装置で加温して病巣部に流す温熱灌流療法が効果をあげています。