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がん遺伝子とは

2020.08.06 | Category: がん

細胞が増殖するときは、近隣の細胞がある細胞に「増殖せよ」というシグナルを送ります。

この「増値せよ」のシグナルは分子レベルの伝達で、細胞表面の受容体から細胞質へ、細胞質から核へとそれぞれの遺伝子が作るタンパク質によって順存にリレーされていきます。

一方で「増殖を押さえろ」というシグナルも細胞外から届けられ、これも分子レベルの伝達で核まで届けられます。このとき、リレーのメ ンバーに異常が起こると、その遺伝子はがん遺伝子となるわけです。

つまり「増殖せよ」というシグナルが無いのに、受容体が勝手に 増殖せよ」のメッセージを送ったり、また伝達過程で自分でもメッセージを増幅させたりして過剰に伝達したりすれば、細胞は異常に増殖をはじめます。

また「増殖を抑さえろ」というメッセージを受容体が受け取れ無くなったり、リレ一過程のメンバーの異常で核まで届けられ無くなれば、これも細胞の異常な増殖をもたらす事になるのです。

がん遺伝子というのは、この促進と抑制をつかさどるそれぞれのタンパク質を産生させる遺伝子に変異が起こったということなのです。

ですから、がん遺伝子といっても、促進、抑制それぞれの経路の受容体の部分なのか、細胞質内のどの伝達部分の異常なのかで病型も違ってくるし、がん遺伝子もおびただしい数になるわけです。


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