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眠りの正体

2020.08.10 | Category:

松果体は、松の実状で長さ8ミリ、径5ミリほどの小さな器官です。

この松果体はセロトニンやメラトニンなどが含まれていますが、この両方の量の差が明暗の変化に対応して、サーカディアンリズムの睡眠周期に深く関与している事が解っています。

しかし、昼間の退屈な会議や電車の中で突然起こる強い眠気は、このリズムとは関係なく起こります。そこで、脳のどこかにこの突然の眠りを誘うスイッチがあるのでないかと研究が進められています。以前から部位的には視床下部にある事はラットの実験で明らかになっていました。

最近になってボストンの病院の研究グループは、ラットの脳細胞に活性化し蛋白質を特定する為の追跡化学物質を用いて、フォスという蛋白質が関与している事を発見しました。

このフォスは眠らせないラットでは脳の大部分にありますが、眠らせたラットには、脳全体には無く視床下部の前部にあるVPNと呼ばれる2~4万個のニューロンに大量に貯蔵されていました。

更に、このVPNは他の脳細胞を活活性化させる神経伝達物質(GAVA)も作り出していますので、覚醒、目荒め、意識に関係する、すべての神経伝達物質を制御していると言われています。

眠りの機能の最も重要な事は脳の組織の再活性ですので、眠りスイッチとしての役割もその一環として考えられる訳です。


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