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検診による早期がんの発見が増えたこともあり、がんと診断された患者さんの約半数は5年以上生存する時代になっています。
以前は、目前のがんの根絶の為に過剰とも思われるような抗がん剤や放射線による医療が当然のように行われてきました。
しかし、最近問題化してきたのが二次がんです。最初のがんが転移もなく根治したにもかかわらず、またがんになってしまう症例が増えてきています。
そこで、最初のがんに行われた医療の影響がなかったかどうかが問われてきているのです。
もちろん、二次がんは、元のがん同様の遺伝的な要因や環境要因などもあり、更に、同一の原因で時期がずれたがんや複数のがんが別の原因で起こる事もあります。
しかし、wH0の下部組織である国際がん研究機関が91年にまとめた約50種の抗がん剤の発がん性についての疫学調査と動物実験などによりアルキル化剤系などの複数の抗がん剤が危険であると報告しています。
また補助化学療法をうけた患者さんに二次がんの頻度が高いという大阪大学の研究もあるのです。今後二次がんを起こさせない為の原因解明と一次がん医療における基準作りが急務になって います。
サルモネラ菌は代表的な食中毒菌で、これによる食中毒の発生は年問約90 件、患者数3000 人にも昇ります。
発熱,嘔吐・腹痛・下痢の他に乳幼児では痙攣やショック症状を起こし、特には死に至る事もあります。
特に夏場の鶏卵は生で食べたりせずに過熱をした方が安全です。
サルモネラ菌は体内に入ると標的とする細胞を見つけてその中に潜り込んで増殖するという性質があり、それが最も恐れられている点です。
ところがこの「特技」を上手く利用して、がん細胞だけ標的にする様に遺伝子を改造することに成功しました。
米国のエール大の研究によると、サルモネラ菌からがん細胞だけを攻撃する様に3つの遺伝子を取り去り、抗がん剤の作用を増強させる遺伝子を加えました。
こうして改造したサルモネラ菌でマウス実験すると、100%がん細胞だけを狙えたのです。
がんが小さすぎで発見もできず、従って手術でも取れないがん細胞でも、この方法なら捜し出してやっつける事ができます。
また酸素無しでも生存できる嫌気性菌の性質ががん医療には最適なのです。
更年期に入ると老化現象として性ホルモンの分泌が不足したり、逆に過剰になったり不安定になってきます。
このホルモンの分泌異常ががんの発生に深く関わっています。例えば閉経前にエストロゲンの過剰分泌で起こるのが子宮体がんです。
この改善には基本的には手術が中心ですが、中にはホルモン剤と抗がん剤の併用により好結果をもたらした症例もあります。
この時使用したのがエストロゲンの作用に拮抗する黄体ホルモン(プロゲステロン)でした。もちろん女性だけで無く、例えば男性の前立腺がんは男性ホルモンの過剰分泌でより悪化する事は知られています。
この場合は、男性ホルモンを抑制する為に女性ホルモンのエストロゲンを投与する療法が非常に有効なのです。
更年期障害の為のホルモン療法をする場合には、乳がんや子宮がん等の定期検査が欠かせないのも、このホルモンの過不足によってがんが発生するからです。
ところで、乳がんの細胞はエストロゲンによって増殖する事が明らかになっています。そこで、乳がん細胞は思わぬ所で利用される事になりました。
実は性ホルモンと同じ働きをする化学物質で ある「環境ホルモン」の究明の為培養された乳がん細胞が利用されているのです。
1990年に米国国立癌研究所が発表した「デザイナーズフーズ計画では、がん予防に効果のある約40種 類の野菜や果物、香辛料、嗜好品がリストアップされました。
緑黄色野菜ががん予防の代表選手として挙げられていますが、他にもがん予防に大変有効な植物成分があり、特に注目を集めているのが、日本人の食生活に関係の深い緑茶です。
お茶に含まれるがん予防物質は「タンニン」から抽出された「カテキン」と呼ばれる独特のポリフェノールです。
ポフェノールは殺菌効果を持つ物質でフェノール基が沢山連なった化合物ポリフエノール類に、がん抑制効果の高い物が多数発見されています。
緑茶の「エピガロカテキン」、 紅茶の「テアフラビン」等はがんの 進行を抑える事が動物実験で示されました。
お茶の生産県で茶の消費量が格段に多い静岡県では胃がんの発生頻度が極めて低く、お茶の有効性が証明きれました。
緑茶にはカテキンだけで無く、がん予防に効果ありとされるビダミ ンC、ビタミンE、カロチン、食物繊維のどれをとっても非常に多く含まれています。
それもお茶の抽出液ではなく、茶葉に多く含まれているので、抹茶にする等、ぜひとも茶葉を利用したいものです。
食生活が高脂肪食になるにしたがい、大腸がんが増加傾向に転じています。
高脂肪の食事をすると、脂肪を分解する為に胆のうから胆汁が出ます。
胆汁酸の大部分は小腸から再吸収されますが、約10 %は大腸に行き、そこで悪玉腸内細菌が作用してがん促進物質に変貌させ、大腸の粘膜を刺敵するのです。
脂肪の多い食事をするとそれだけ胆汁が多く出て、大腸に行く胆汁も多くなるのです。
その予防には食物繊維を多くとる事です。
食物繊維とは人間の消化酵素では消化されない多糖体の事で、野菜や豆類に含まれるセルロース、ヘミセルロース、リグニ ン、果物ではペクチン、海藻類に多いアルギン酸などがあります。
水分を吸収して便を柔らかくし便通を良くする働きがあります。
また食物繊維の多い食事はおおむね脂肪も少ない事と便通を整えるので便が大腸に滞留する時間を短くさせる事でがん物質の働きを無くす事ができます。
また食物繊維は善玉腸内細菌のビフィズス菌や乳酸菌のエサとなり、その菌を増やします。
その菌は腸内の代謝改善、胆汁酸の分解を高めます。肉類などの脂肪を好む人は食べ合わせに食物繊維を必ず摂るようしてください。
がんを分子レベルでみると、複数の遺伝子の変異が体細胞に起こり、その結果として細胞の増殖制御が効か無くなる遺伝子疾患、という事ができます。
その遺伝子の中でもp53が注目されています。このp53は1979年にDNA腫瘍ウィルスの蛋白質と結舎する細胞内蛋白質として発見されました
80年代には人のがん細胞にp53遺伝子がある17番染色体短腕が高頻度で欠落している事が見つかりました。
更に、その後がん細胞を増殖させるp53遺伝子は変異していて、正常型は逆に細胞増殖を抑制する機能がある事も分かったのです。
最近、このp53遺伝子が転写制御因子として多くの標的遺伝子の発現制御を行っている事が明らかにされています。
更に、この異常によりがんの悪性度、抗がん剤、放射線療法抵抗性、転移、血管新生結にも関わっている可能性があると見られてきました。
分子レベルでがんの予後が分かり、変異が高頻度のがんは悪く、放射線や化学療法に対する効き目が低く、変異の少ないがんは逆に効果が高い事が明らかになりました。
がんの診断や遺伝子療法の分野でこのp53伝子の更なる解明により、飛躍的な発展の可能性が出てきています。
我々の施術法にも,微弱電流を流すハリ通電や低周波施術等がありますが、がん医療にもこの通電療法があります。
話しは結構古くスウェーデンの医師が35年前に最初に試みました,
腫瘍の中心部位に直接、一本の白金のハリの電極を差し込み、他の一本は腫瘍近くにいれ・数ミリアンぺアという微弱な電流を流すというものでした。
肺の転移性悪性腫瘍と肺がんに試みています。ハリの本場の中国でも89年に導入されて患者さんに実施しています。当時中国ではその成果は完全消失も含めて、7O%以上の有効率を示したと誇張して報告しています。
日本では、90年代に名古屋大学医学部の伊藤医師によりラットによる動物実験がおこなわれて、16匹中は13匹で腫瘍が消失、縮小した報告があります。
通電するとなぜがん化した細胞だけが消失したり縮小したりするのか科学学的根拠は明らかではありませんが、通電によって正常細胞の成長を早めたり遅らせたりできる事が1950年代から分かっていました。
またがん細胞に通電するとアポトーシス(細胞の自殺メカニズム)が動作することが実験では明らかになっています。我々の施術とも深く関わりのある微弱電流が、がん医療の分野でも利用されているのです。
体内ではエネルギ一代謝の過程で活性酸素が発生しますが、この物質はたいへん活性の高い物質です。
体内に細菌などが侵入してくると白血球がこの活性酸素を放出し、その侵入者を溶かして身体を正常に保つ生体防御システムがあります。
この活性酸素はタバコ、放射緯、紫外線、化学物質、ストレスなど環境因子によっても発生します。
身体の中で殺菌的に働きますが、その因子が継続的に続く事によって活性酸素が過剰に作られると、DNA、核酸、蛋白賈、脂質などを破壊し人体に害を与える事でがん発生に深く関与していきます。
ですから、この活性酸素を無毒化する抗酸化作用の働きががんの予防には重要なわけです。スーバーオキサイド, ディスムターゼSOD、カタラーゼの高分子抗酸化物、カロチシ、VC・VE,フラボノイドといった低分子抗酸化物があります。
この中で-番強力な抗酸化物はSODですが、年齢と共に出る量が減る事から、高齢者にがんが多いのはこの為で、寿命を伸ばすにはSODの量を多くする事が重要なわけです。
しかし、早期老化症の一つであるダウン症候群のSODの油性化は正常の人の1.5倍と高いとか、活性酸素を無害にすると言われているのに、SODが反応性の高い油性酸素であるヒドロキシラジカルを形成するという報告もあり、過剰摂取にも問題がある様です。
がんになりやすいかどうかは、性格がかなり影響しているという考えはこれまでにもよく指摘されてきましたが、がんを発症して何らかの改善をした後の生存率と性格との関係についての研究はあまりありませんでした。
神奈川県立がんセンターの岡本臨床主任研究員らとQOL(生活の質研究会が、喉頭がん頭頚部がんの患者96人に 対し、入院時に質問紙エゴグラムで性格を判定し、9つのタイブ別に患者の生存率を調べました。
その結果、責任感は強く几帳面だが自己中心的で思いやりに欠けるタイプ7と、過保護で自己主張が弱く冗談や遊びが下手なタイプ8の患者は生存率の低下が早かったそうです。
さらに進行がんの患者57人をタイプ別に調べてみると、タイプ7と8のほとんどが2年以内に、他のタイプは半分が4年間生存しました。
特に、わがままだがあけつひろげで自分の意見を医者や看護婦によく伝える気楽な性格の患者では、5年間の生存率が80%近くになり、やや神経質で悩み事を抱えやすい患者の生存率は中間でした,
がん患者は不安や悩みをため込まずにどんどん医師や看護婦に話し、ストレスを解消してリラックスした方が良く、その後のQOLにも格段に差が出るようです。
脳や心筋の細胞以外は増殖したり死んだりを繰り返していますが、その細胞も無限に増値するわけではなく、ある回数しか増殖しません。
当然細胞は自分が何回複製したのか記憶しておかなければならないのですが、その記憶場所は遺伝子のしっぼにあります。
遺伝子の未端にあるテロメアとよばれるDNAの断片がそうで、染色体の端を守っているといわれています。
テロメアは細胞が複製される度に短くなり、ある程度短くなると自らの遺伝子をばらばらにして自殺してしまう、つまりアポトーシスを引き起こすのです。
また決まった回数を複製していないDNAに傷がついたりしてもアポトーシスを引き起こして自殺し、個体を守るのです。
ところがこのアボトーシスを引き起こす因子(p53など) が不治性化したり、アポトーシスを上手くかわすことのできるタンパク質(Bcl-2など)を過剰生産する事によって細胞はテロメアが短くならずにアポトーシスから逃れる事ができるようになり、それががんとなるのです。
放射線療法や化学療法の多くはがん細胞にアポトーシスを起こきせる事を目的としたものでずが、アポトーシスから逃れる能力を獲得したがん細胞はこれらの療法に 抵抗力を持つ事にもなり、がん医療としての効果が出ない事が多いのです。