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最近は住宅事情から密閉構造の家屋で小型動物の犬・猫を飼育する事が多くなっています。
その為ペットの体毛や唾液、尿、汗等の分泌物やふけ等がアレルゲンとなってアレルギー症状を起こす人が増えています。
症状別では80%が気管支喘息を訴えます。特に猫のアレルゲンはダニより小さく、直径が2.5ミリミクロン以下の浮遊粒子です。
例えば掃除機で部屋を掃除してから20分後にアレルゲン量を測定すると、ダニ抗原は大きい為早く落下するので検出されませんが、猫抗原は数時間たっても空中を漂よっているのです。
実際に空気中から捕集されるアレルゲン量もダニ抗原よりも多いとされています。
その事を考えると、ダニよりも下気道へ吸入されるアレルゲンとしてはダニ以上に問題になります。
更に遅発型喘息反応で気道過敏性を起こすので、喘息が重症化、慢性化する危険性が高いのです。
ところで今人気のハムスター等のげっ歯類は、正常でも尿中に蛋白を排泄する事が多く、この尿蛋白が主要アレルゲンとなり、喘息の引き金となり、他のペット類より感作力が強い事が分かって来ました。
室内ではペットを飼わない方が無難ですが、もし飼育する場合は身体を洗う、部屋の掃除や換気、空気清浄機を入れる、床をフローリングにする等の工夫が必要です。
ラテックスアレルギー患者における果物アレルギーの合併が問題になっています。
これはエイズの感染予防等でラテックス手袋の使用頻度が急激に高まった80年代後半から医療従事者の間で急増している物です。
植物には病原菌、傷害、化学物質等のストレスが加わると生体防御蛋白質と言う物質が誘導され、これが抗原になるのです。
ラテックスアレルギーは天然ゴム製品に含まれるラテックス抗原による即時型のアレルギーで、ラテックス製品の粘膜への直接接触やアレルゲンの吸着した手袋のパウダーを吸入する事で感作しラテックスアレルギー患者における果物アレルギーの合併が問題になっています。
これはエイズの感染予防等でラテックス手袋の使用頻度が急激に高まった80年代後半から医療従事者の間で急増している物です。
植物には病原菌、傷害、化学物質等のストレスが加わると生体防御蛋白質という物質が誘導され、これが抗原になるのです。
ラテックスアレルギーは天然ゴム製品に含まれるラテックス抗原による即時型のアレルギーで、ラテックス製品の粘膜への直接接触やアレルゲンの吸着した手袋のパウダーを吸入する事で感作します。
予防はパウダーレスの蛋白含有量の少ない物に替える事す。
このラテックスアレルギーの患者さんは果物や野菜に含まれる抗原と交差反応を起してアレルギー症状を引き起こす事があります。
通常のアレルギーは経口摂取した食物抗原により感作が成立し、その食べ物を食べるとアレルギー症状が出るのですが、ラテックスアレルギー患者では特定の果物や野菜を摂取すると交差反応を起して、口腔や咽頭、口唇の腫脹や搔痒感等をきたします。
バナナやアボガド等の果物や花粉や薬草とも交差反応を起す事が知られています。また交差反応検査時に特定の果物のlgEが陰性でも、その果物を食べると突然、交差反応を起す事があります。
蕁麻疹はよく起こる病気ですが、実はその原因が明らかなのは急性蕁麻疹の20~30%、慢性蕁麻疹は5%以下で、後は原因不明の物が多い病気なのです。
例えば鯖アレルギーは知られていますが、それでも鯖の鮮度によるアレルギー原数値ばかりで無く自身の体調によって出たり出なかったりします。
蕁麻疹は、膨疹と呼ばれる皮膚の局所性の浮腫が出現して、その周りに赤い斑(紅斑)が形成されている状態をいいます。
大体、24時間以内に、多くは数時間で紅斑だけが残り、この紅斑も24時間以内に消失するのが普通です。
しかし、それが暫く繰り返し出没して慢性化する事があります。この蕁麻疹が声門部に起こると、呼吸困難になる事もあり、油断は出来ません。
また、蕁麻疹が皮膚の中でなく、皮下脂肪組織に起こると、皮膚に大きな腫脹が出て来る事もあり、特に口唇や眼瞼等に出現するものを「クインケの浮腫」と言います。
また、風邪等の上気道感染症に引き続いて蕁麻疹が発症すると慢性的になりやすく、
歯周囲炎や副鼻腔炎、扁桃炎等も症状を長引かせる事があります。
蕁麻疹というとアレルギー反応と考えがちですが、本態性の蕁麻疹はアレルギー反応では無く肥満細胞のヒスタミン遊離で起こる事が知られています。
老年病と言えば白内障や変形性関節炎、骨粗鬆症、痴呆等の疾患を指しますが、最近では特定の疾患と言うよりも老化が進む事で生じる様々な症状をひっくるめて老年症候群として捉える様になっています。状態としては転倒、痴呆、せん妄、低栄養、脱水、寝たきり、褥瘡、医原性の疾患等を指し、その原因は一つだけで無く複合的な物がほとんどです。特に75才以上になると高い確率で表れ、日常の自立を妨げる事になります。これらの老年症候群や老年病の特徴としては
・複数の臓器に疾患が起こる
・症状が現れ無かったり、定まらないで精神障害が起こる事もある
・回復が遅く合併症を起こしやすい
・投与される薬が多く副作用が出やすい
・恒常性や制御系が乱れやすい
と言う事があげられます。そして老年病や老年症候群等は肺炎、敗血症、血栓、せん妄、腸閉塞、脱水、心不全、消化管出血、尿路感染症等に容易に結び付いていきます。しかも無痛性心筋梗塞、無熱肺炎、甲状腺機能異常、結核、うつ病等は倦怠感や虚脱感、時にはせん妄等の意識障害等を起こす事もありますが、高齢者だから、と言う事でかえってその徴候を見落としやすいので特に注意が必要です。
心臓の筋肉細胞は再生し無いので加齢によって少しづつ衰えていきます。
運動や感情の高ぶりで心臓の心拍数は増減しますが、その最高脈拍は1年加齢する毎に1拍ずつ減少しています。
乳児期の最高脈拍は220ですが、50才になればどんなに激しい運動をしても170以上打つ事はありません。
これは心筋細胞がゆっくりと死滅して行く事で心筋層が次第に硬化する事が原因ですが、その為循環の速度も落ちて行きます。
左心室に血液が充満するのにも時間がかかる様になり、収縮した後で緩むのにも時間がかかります。柔軟性の無い心筋によって1回毎の鼓動で抽出する血液の量も減ってしまいますので、次第に血圧が上がりやすくなります。
又心臓の神経刺激伝導系も老化して行き75才までに洞結節やHIS束の繊維も半分以下に減少して行きます。
又心臓の内層や弁も肥厚して石灰化が起こる事もあります。更に心臓その物も黄茶色のリポフスチンが色素沈着して、老人の皮膚の様な色になっているのです。
また、心臓その物だけで無く、血管も同じ様に硬化していきますので、臓器や筋肉に行く血液のコントロールも難しくなってしまいます。
ですから、75才以上で心不全にかかる人が激増してしまうのです。
神経細胞は1日に10万個死滅していると言います。確かに私達の脳の重さは20才代で最大になり、それ以降減少しています。
しかし50才代までは非常に僅かな減少であり、それ以降は急激に減少して、隣り合う年代との差がハッキリ現れます。
80才代をピークに、その後の萎縮は軽減して、90才も100才もあまり変化していません。
この様な計時的な変化を見るとこの1日10万個という数字はどうも信用出来ません。
とは言え高齢になると脳の機能的衰えは確実に起こって来ます。感情や記憶を司る海馬の細胞も60才代では20%が失われると言われています。
しかし、高齢になるほど脳の萎縮に個人差がハッキリ出て来ます。その中で100才までしっかり元気で知的な生活をしている人の脳は萎縮も軽く、なにより重要なのは脳全体のバランスが大変よく保たれているのです。
特に大脳皮質では6層の円柱が無数に林立している形態をしていますが、その6層の階層がまとまって消失している場合はネットワークにほころびが起こりません。
しかしこの消失が地震で見られる様に2階3階だけが崩れた状態になると病的な症状が起きてしまいます。
その様な状態になる主な原因は梗塞や血栓や出血等の血管障害です。つまり脳細胞に行き渡る栄養のバラツキや片よりが生まれたり、血液の毒性により脳細胞がやられてしまうからです。
ですから、身体の健康を維持する事が脳のバランスを保つ、一番の健脳法である訳です。
人が生きて行く上でストレスの無い生活は有り得ず、精神的、肉体的、生物学的、化学的な様々なストレッサーと直面して生活しています。
肉体的にストレス耐性が有ると言うのは、例えばアルコールを飲み過ぎても悪酔いし無いなら、アルコール耐性を持っている、つまり肝細胞にアルコール分解酵素が有り代謝能力が高いと言う事です。
生物学的ストレス耐性が有るとは、ダニや寄生虫など有害な生物に対して抵抗力が有ると言う事で、化学的ストレス耐性は活性酸素やダイオキシン等、毒性が有る物に侵され難い事を示しています。
加齢と共にこれらの耐性や免疫力も弱まって来るので、高齢になるとコロナやインフルエンザ等のウイルスやO-157などの病原菌に感染しやすく、感染すれば死につながる危険性が高くなります。
高齢者のストレス耐性は青壮年期に比べると約3分の1に低下し、新しいストレッサーヘの適応力は半分以下と言われます。
ところが過去に経験した精神的ストレスに対してだけは飛び抜けて強い事が知られています。
実際には80才以上の高齢者でも、元気な時は現役で仕事がこなせる人は数多くいますが、病気になった時の予備能力がとても低いのです。
健康な若い人の各臓器は、普段2割程度しか使われておらず、8割は予備の能力として温存されていますが80才以上の高齢者になると、風邪を引いても重症化したり改善が遅かったり、予備能力の無さが問題となるのです。
臨床経験が長いと患者様が薬でろれつが回らない状態でぐったりされている現場を何度か経験しています。脳疾患の可能性もあるので救急医療に連絡しますが、結果は全て薬の作用によるものでした。高齢者は複数の疾患を持っている事が多く、飲んでいる薬も多種類、多量である事は少なくありません。元になる疾患に加えて老化による生理的変化も重なるので、壮年期とは違った薬の効き方になります。一般的に高齢者は体内脂肪率が増える上に脂肪の代謝が落ちるので脂溶性の薬が体内に蓄積されやすくなります。また体内水分量は減りますから、水溶性の薬も濃度が上がります。加えて肝臓での薬物代謝酵素が減ったり肝血流量が減って機能が落ちる為に薬の代謝が悪くなり血中濃度が上がります。更に腎機能が落ちて老廃物が尿中に排出され難くなっても血中濃度は上がります。この様に高齢者の生理は薬の効き方が強くなり過ぎる傾向があり、それだけ副作用も強く現れたりします。詳しい統計では無いのですが、ボケ症状で受診する高齢者の2割位は薬による副作用だとみなす事が出来るとも考えられます。整体院に来る高齢の患者さんが日常どの様な薬を飲んでいるのかを把握し、症状の変化にも副作用の可能性を常に考えておく事が大切です。
要注意 高齢者の薬による副作用
睡眠薬→ せん妄、記憶障害
抗不安薬・抗うつ薬→ パーキンソニズム
ステロイド→ 糖尿病、消化管出血、白内障、緑内障、骨組穀症
カルシウム桔抗剤→ 急激な降圧、便秘、浮腫
利尿降圧剤→ 低K血症、尿酸値上昇、血糖値上昇
β遮断剤→ 心不全、うつ病
ベンザミド誘導体の消化薬→ パーキンソニズム
H2ブロッカー→ せん妄、昏迷
難聴には外耳や中耳の障害による 伝音難聴、その奥の内耳や聴神経の障害による感音難聴があります。
伝音難聴は原因を取り除けば治りますが、感音難聴は今のところ有効な解決法はありません。
高齢になって耳垢の掃除が上手く行か無くなる等で耳垢が溜まると伝音難聴を起す事がありますが、その場合機能回復が可能でしょう。
しかし加齢と共に内耳の蝸牛の機能低下が起こって来ると音が聞こえ難くなる感音難聴、いわゆる老人性難聴が起きて来ます。
音の強さはdB(デシペル)で表され、40dB以下の音が聞こえ無くなると老人性難聴と言われます。
ヒソヒソ話で10dB、普通の会話は40~60dBですから、生活に支障きたす事になります。
また、聴神経から大脳に至る神経全体も加齢現象の為に「音は聞こえるが、内容が分からない」と言った言葉の判断力も悪くなってく来ます。
老人性難聴のある人に話しかける時は、正面から同じ高さで、ゆっくり、ハッキリ話して、理解したか否かを問いかけて確かめる事が必要です。
また老人性難聴があると補聴器を使用しますが、上手く調整された補聴器で無いと、ガーガーとやかましかったり、また周りに雑音が有るとノイズも拾って聞き取り難い等、補聴器に慣れるにはかなりの時間と訓練が必要な様です。
骨粗鬆症は骨量の低下と骨組織の微小構造の破綻が尤進する疾患であり、骨の脆弱性により常に骨折の危険が伴います。
この骨粗鬆症は単一の疾患では無く、原発性と続発性に分けられます。
この骨粗鬆症は圧倒的に女性が多い疾患で閉経後に多く認められますが、70才以降の男性にも大腿骨頚部骨折の発症率は女性の数分の一程度ですが増加していきます。
高齢者の骨代謝状態は一般に骨形成、骨吸収ともに低下していき、低骨代謝の状態で、骨量の減少が進むと考えられています。
高齢者のカルシウム代謝の特徴として、カルシウム摂取量や腸管からの吸収力低下、それに体内ビタミンD量の低下により2次性の副甲状腺機能亢進症とそれによる骨量低下という機序がー殼的です。
また、図にある様に薬物の常用や内分泌疾患や栄養傷害や糖尿病等の生活習慣病に伴い出てきますので、高齢者の洽療には問診をしっかりして、圧迫骨折などの医療過誤を起さ無い充分な配慮が必要です。
骨折予防には骨量の安定が何より重要ですが、筋力の増強や関節可動域確保といった運動能力の維持や増強も大切です。
また、転倒を防止する為の居住空間のバリアフリー化や杖などの補助用具の適切なアドバイスを心がける事も必要です。