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運動の効用

2021.03.27 | Category: 糖尿病

インスリンが足りなければより有効に働かせなければなりません。

しかし糖尿病および糖尿病予備軍ではインスリン抵抗性も高まっているので働きが悪く、これをいかに改善するかがポイントになります。

糖尿病の改善にとって、運動は食事療法と共に車の両輪です。

極端な食事療法だけで肥満を解消しても体脂肪そのものは減少し難く、脂肪が減らなければインスリン抵抗性も改善し難いのです。

脂肪は単なるエネルギーの貯蔵庫ではなく、インスリン抵抗性を強めるサイトカイン等を分泌させる臓器でもあり、脂肪細胞の数は変わらなくても太った脂肪細胞を細らせればインスリン抵抗性が改善されます。

その運動は無酸素運動では血中の乳酸が蓄積して脂肪の分解が抑えられるのでウォーキングなどの有酸素運動が適しています。

1日の歩数とインスリン抵抗性の改善度は正の関係にあります。

ダンベル等のレジスタンス運動も負荷を軽くして有酸素運動的にすればOKです。運動強度は中以下が良く、軽くても激しくてもインスリン抵抗性の面からいえば効果は変わりません。

また運動効果は3日以内で低下、1週間で無くなりますから1回10~60分を週3~5回というのが無理なく妥当といえます。

特別に運動の時間が取れない忙しい人では日常生活の動きを活動的にし、とにかく歩数を稼ぐ事だけは心がける事です。

ただし1型糖尿病の人、合併症のある人には運動療法は薦められません。

また既に糖尿病薬を飲んでいる人は低血糖の危険性が伴うので、細心の注意が必要です。

糖尿病性の昏睡

2021.03.26 | Category: 糖尿病

インスリン発見の1922年までは、糖尿病患者は軽症以外のほとんどが糖尿病性昏睡で死亡していました。

高血糖性の昏睡にはケトアシドーシス性糖尿病性昏睡と高浸透圧性糖尿病性昏睡があります。

ケトアシドーシス性昏睡は、インスリンの極端な不足で筋肉が血中のブドウ糖をエネルギー源として利用出来なくなり、代わりに脂肪や蛋白質を燃焼してエネルギーとする時、脂肪の代謝産物であるケトン体が血液を強い酸性にします。

すると脳神経細胞への酸素供給が滞って意識が薄れるのです。また高浸透圧性昏睡は高齢者に多く、高血糖で多量の糖が腎臓に流れ込むと浸透圧の関係で血液から多量の水分を吸収して尿量が増え、血糖値が著しく高くなり脱水症状を起こして昏睡に陥ります。

いずれも極めて危険です。逆に低血糖性の昏睡は血液中のブドウ糖が極端に少なくなって起こる物で、インスリン注射や経口糖尿病薬を飲んでから食事までの時間が開き過ぎた時に起こります。

脳神経細胞は低血糖状態に敏感で、70(mg/dl)以下に下がると手足の震えや動悸、吐き気や脱力感が表れ、40以下になるとめまい・精神錯乱・物が二重に見える等の中枢神経症状が現れ、意識障害から昏睡、死に至ります。

意識があれば砂糖水や飴等を与えますが、回復しない場合はすぐに入院が必要です。脳の低血糖状態が長く続くと脳障害の後遺症が残る事があります。

糖尿病とミネラル

2021.03.25 | Category: 糖尿病

糖尿病の対応は食事療法が第一ですが、原則として食べてはいけないものはありません。

しかしカロリーにばかり目がいって軽視されがちな注意点があります。

カロリー制限をしていると食事量が少なくなりどうしてもミネラルが不足気味になる上に、糖尿病では尿への排泄が大変多くなっているので益々ミネラル不足になってしまうのです。

中でも亜鉛、マンガン、クロムは糖尿病にとって絶対に不足させてはいけないミネラルです。亜鉛はインスリンの構成成分です。

膵臓は腸からいち早く亜鉛を吸収します。膵臓はインスリンと亜鉛をβ細胞内に貯めて、むやみにインスリンが分泌されないようにしています。

亜鉛が不足すると膵臓の亜鉛は真っ先に枯渇し、インスリンがどんどん分泌されてしまうのです。

つまりインスリンの血中濃度を調整しているのです。亜鉛が不足すると糖尿病になります。マンガンはインスリン生成に関与しています。

クロムも大変重要なミネラルで、インスリンの作用を助けています。

インスリンが細胞に糖を取り込む時、インスリン受容体に働いて細胞の扉を開けますが、この時クロムが無ければ糖は細胞内に取り込めないのです。

つまり血中にインスリンが溢れていても働かないというインスリン抵抗の状態にさせてしまうのです。

これを食べれば大丈夫という特定の食べ物はありませんが、牡蠣はダントツに亜鉛が多く、上記のいずれのミネラルが多く含まれているものにはカボチャやスイカの種を始め松の実、アーモンド等のナッツ類、豆や精製度の低い穀物等があります。米や麦等、ミネラル摂取の面からだけでなく、インスリンの分泌量の面からも精製度の低い雑穀が望ましいといえます。

糖尿病と酸化ストレス

2021.03.24 | Category: 糖尿病

活性酸素が体に与える影響のことを酸化ストレスといいます。

体は活性酸素を処理するシステムを持っていますが、老化やストレス等によって処理が追い付か無くなる事があります。

その様に酸化ストレスがひどくなると、細胞内の伝達が異常になったり、DNAを傷つける様になります。

酸化ストレスは様々な病気に関係していますが、糖尿病にとっても大きな影響がある事が次々に分かってきています。

グルコースは反応性が高く、高血糖が続くと、蛋白質と反応してその過程で活性酸素が発生するとみられています。

またミトコンドリアでも高血糖の為過剰な活性酸素が作られている様です。

このような酸化ストレスによってインスリンを分泌する膵β細胞が破壊され機能異常が起こる事が確認されています。

更に糖尿病患者の体の中では様々な酸化ストレスが増加していて、反対に抗酸化活性が落ちている事も分かっています。

しかも血糖コントロールが悪ければ悪い程酸化ストレスが溜まっています。

だとすれば、抗酸化物質を摂取すれば糖尿病による障害が軽減されるのでは、と考えるのは当然の事で、実際ビタミンEの投与が効果的であるとの報告があります。

ビタミンEその物は血糖値に影響するわけでは無いのですが、網膜の血涙を改善したり、クレアチニンクリアランスで過剰な濾過が改善してるという様に、症状の改善や悪化を抑えるのに有効だといえる様です。

またβカロチンも改善効果がある様です。既に糖尿病の人はもちろん、境界型の人も抗酸化物質を充分に摂る事が必要です。

不養生はすぐバレる

2021.03.23 | Category: 糖尿病

血糖値が非常に高ければ、それだけで糖尿病と判断できますが、そんなに血糖値が高く無い時にはブドウ糖負荷試験や糖化ヘモグロビン(HbAlc)等、いくつかの精密検査を受ける事になります。

ところがブドウ糖負荷試験は変動が激しく、1週間を隔てて再検査すると前は糖尿病だったのに2度目は境界型という結果が出たりします。

これは検査前数日の生活状態がすぐ検査結果に影響する為で、実際にはブドウ糖負荷試験だけで糖尿病と判定する事は無く、症状や身体的特徴や家族歴など考慮されます。

糖化ヘモグロビンの検査は長期間にわたる血糖値を把握する事が出来、日本ではかなり早くから導入され、研究も進んでいます。

ヘモグロビンは赤血球内の蛋白質の一種で、血糖値が高いと血中のブドウ糖と結合して糖化ヘモグロビンという化合物に変わります。

血糖値が高い期間が長ければ長いほど反応は徐々に進行して糖化ヘモグロビン値が高くなり、赤血球の寿命(約120日)が来るまで消滅しません。

糖化ヘモグロビンを調べれば、過去1~2ヶ月の血糖コントロール状態が分かります。

病院で検査を受ける数日前から食事を制限したり運動したりする人がいますが、血糖値は下げられても糖化ヘモグロビンの値を見れば生活状態は一目瞭然です。

健康な人でも総ヘモグロビン中に4.0~5.8%は存在し、6.5%を越えると合併症が増えてくるので、糖尿病の人は6.5%以下を目標に血糖コントロールを行います。

妊婦と糖尿病

2021.03.22 | Category: 糖尿病

妊娠の10ヶ月の間は、血糖値に充分留意する事が大切です。この期間は母体も大きく変化していきます。

妊娠中特有のホルモン分泌が起こり血糖値に関係する糖代謝も変化します。

胎盤ではインスリン桔抗ホルモンであるエストロゲン、プロゲステロン、プロラクチン等が大量に分泌されます。

また、胎盤ではインスリン分解が起きるので、血中のインスリンが減少する為血糖は上昇しやすくなります。

その為正常な女性では妊娠の過程で膵臓からインスリンを多く分泌する事により、インスリン抵抗性に対応して血糖値を安定させます。

なかでも妊娠中期の36週から38週頃にインスリン需要量が最大の妊娠前の約1.5倍から2倍になる頃が要注意となります。

特に妊娠前に糖尿病であったり、糖尿病になりやすい因子を持った妊婦は妊娠初期から血糖値が上昇する為、母体や胎児に様々な影響が出る可能性が高くなるのです。

例えば、母体では網膜症、腎症の悪化、流産、早産、妊娠中毒症等が起こりやすくなります。

また胎児では高血糖による奇形が発生しやすくなります。この奇形の有無は受胎後第7週までに決定されているといわれています。

妊娠に気付くのは早くても受胎後第3週以降なので、障害を受ける器官形成が終わっている可能性が高いといえます。

ですから、妊娠を望む女性はあらかじめ血糖値をしっかり知っておくことが大切なのです。

また、妊娠中を通して血糖値を安定させるためにも、ストレスのない穏やかな生活が必要なのです。

合併症までの時間

2021.03.21 | Category: 糖尿病

糖尿病の怖さはその合併症の怖さです。網膜症の場合、発症する頻度と症状の重さは糖尿病になってからの期間が長いほど、また血糖のコントロールが悪いほど進行しやすい事が分かっています。

ただしコントロールが良い場合でも罹病期間が10年を超えると急増するのも事実なので、常に目の管理を欠かさ無い様にしなければなりません。

腎症の場合も罹患期間が長ければ発症の頻度が高くなります。

しかし腎症を合併するのはコントロールの如何にかかわらず40%以上には増えない所から、糖尿病性腎症には遺伝的な影響が大きいと考えられています。

家族に糖尿病性腎症を発症した人がいれば、高い確率で腎症を発症するので該当する人は厳密な血糖値のコントロールと早くから腎症に対する警戒をすべきでしょう。

また糖尿病腎症と関係が深いのが血圧です。

血圧をコントロールする事で腎症の進行を遅くする事が出来るので血糖値と共に早くから血圧のコントロールをすべきです。

神経障害は末梢神経障害、自律神経障害とも割合早くから表れます。

神経細胞がエネルギーを取り込むのはインスリンの働きでは無く、糖の濃度の勾配によるものですから、血糖が高い状態が続くと神経細胞は過剰な糖神経細胞の障害へと進むのです。

血糖を良好にコントロールしても神経障害を完全に防ぐ事は困難ですか、コントロールの不良は神経障害の進行と重症化にストレートに結び付きます。

骨に注意を

2021.03.18 | Category: 糖尿病

糖尿病においてカルシウムの摂取は大切です。カルシウムはインスリン分泌調節に影響しています。

食事によって徐々に血糖値が上がっていくと、ラングルハンス島のβ細胞は活動電位を発生させます。

これが電位依存性カルシウムチャンネルを開き、細胞内にカルシウムが入り、インスリン分泌顆粒が刺激されて、細胞外にインスリンが分泌されるのです。

この血中のカルシウムが不足するとインスリン分泌障害が起きるのです。

更にインスリンはビタミンDにも作用して活性型ビタミンDを腎臓で作りますが、インスリンが不足すると活性型ビタミンDが不足して食品からのカルシウムが腸から吸収されにくくなってしまうのです。

また高血糖で細胞の浸透圧が高まると、細胞内の水分が出る事で尿が増え、その時に尿中のカルシウムも一緒に出てしまいます。

その為に骨が脆くなる糖尿病性骨粗鬆症の危険性が高くなるのです。

骨粗軽症には2種類あり、閉経等により急激にカルシウムの流出が多くなる場合と、糖尿病など他の2次的な病気によるものがあります。

骨にはインスリン受容体があり、このインスリンが新しい骨芽細胞を増殖させる作用があるのですが、欠乏すると骨芽細胞の機能や数を低下させ、その為に骨の形成能力が落ちるのです。

また高血糖のためにコラーゲン等の骨に含まれている蛋白質が糖化され、骨の正常な新陳代謝を障害する為に骨の強度を減弱させると考えられています。

1型糖尿病ではインスリンの欠乏が子供の時に発症するので、骨が十分に成長できずに、成人後の最大骨量が少なくなく、健常人に比べ2倍の割合で骨折の危険があります。

2型糖尿病患者では成人後に発症するので骨の減少は無いという事が言われていますが、2型でも糖尿病の罹患期間が5年以上であれば骨塩量が低下しているという報告があります。

骨量減少を防ぐ為には、血糖値のコントロールと食事の時にはカルシウムをしっかり摂る事も忘れないで下さい。

糖尿病とインポテンス

2021.03.17 | Category: 糖尿病

糖尿病の男性のインポテンスは、30~60%いるといわれています。この数字の開きは、性に対するタブーがあり、中々本当の所が分からない為です。

しかし低く見積もっても、その頻度は網膜症や腎症等より高いのです。

その原因は従来から糖尿病の合併症である神経障害と血管障害による物であると指摘されています。

糖尿病性のインポテンスでは勃起はするが、すぐに萎えてしまうと言う場合が多いのですが、その原因は静脈系にあると考えられています。

病院では器質的な神経障害のインポテンスでは険圧式勃起補助具や海綿体内注射などがあります。また血管性では血行再建術があります。

手術する例は日本では少なく、ED薬のバイアグラやレトビアやシリアスがありますがしかし、この様な器質的な疾患の場合もありますが、意外に心因性の物もあるのです。

つまり糖尿病=インポテンスと言う事があまりに有名になった為に、心理的なショックにより勃起不全になってしまうのです。

これらの心理的な要因のインポテンスは精神安定剤の投与で簡単に回復する事もあります。

またもっとも簡便なやり方として注射で勃起不全を回復する場合もあり、これは塩酸パパベリンという血管拡張薬を、直接陰茎海総体に注射して、人工的に勃起させます。

欧米では一般的な方法になっています。いずれにしてもインポテンスと糖尿病は切っても切れない中、最も良い方法は無く、進行する前に血糖値を安定させる予防法が最も大切なのです。

骨に注意を

2021.03.16 | Category: 糖尿病

糖尿病においてカルシウムの摂取は大切です。

カルシウムはインスリン分泌調節に影響しています。食事によって徐々に血糖値が上がっていくと、ラングルハンス島のβ細胞は活動電位を発生させます。

これが電位依存性カルシウムチャンネルを開き、細胞内にカルシウムが入り、インスリン分泌顆粒が刺激されて、細胞外にインスリンが分泌されるのです。

この血中のカルシウムが不足するとインスリン分泌障害が起きるのです。更にインスリンはビタミンDにも作用して活性型ビタミンDを腎臓で作りますが、インスリンが不足すると活性型ビタミンDが不足して食品からのカルシウムが腸から吸収されにくくなってしまうのです。

また高血糖で細胞の浸透圧が高まると、細胞内の水分が出る事で尿が増え、その時に尿中のカルシウムも一緒に出てしまいます。

その為に骨が脆くなる糖尿病性骨粗鬆症の危険性が高くなるのです。

骨粗軽症には2種類あり、閉経等により急激にカルシウムの流出が多くなる場合と、糖尿病など他の2次的な病気によるものがあります。

骨にはインスリン受容体があり、このインスリンが新しい骨芽細胞を増殖させる作用があるのですが、欠乏すると骨芽細胞の機能や数を低下させ、その為に骨の形成能力が落ちるのです。

また高血糖のためにコラーゲン等の骨に含まれている蛋白質が糖化され、骨の正常な新陳代謝を障害する為に骨の強度を減弱させると考えられています。

1型糖尿病ではインスリンの欠乏が子供の時に発症するので、骨が十分に成長できずに、成人後の最大骨量が少なくなく、健常人に比べ2倍の割合で骨折の危険があります。

2型糖尿病患者では成人後に発症するので骨の減少は無いという事が言われていますが、2型でも糖尿病の罹患期間が5年以上であれば骨塩量が低下しているという報告があります。

骨量減少を防ぐ為には、血糖値のコントロールと食事の時にはカルシウムをしっかり摂る事も忘れないで下さい。

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