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日本人に多い痴呆は第一に脳血管障害による痴呆、次にアルツハイマー病ですが、最近ではそれが逆転して来たとも言われています。
しかし、浜松医療センターの金子満雄氏は、はっきりとした病因が見つかるのは全痴呆の7%程度で、大胆にも残りのほとんどが廃用性の痴呆だとみています。
脳卒中後に起こる様に見える痴呆も、直接の原因は脳卒中後の生活態度の悪さによる廃用性の痴呆だという訳です。
痴呆とは大脳が広範に障害を受けた場合に起こる症候群で、前頭前野、海馬、大脳後半部連合野の細胞が侵されやすいので、原因は違っても痴呆の症状や予後には類似がみられます。
その原因というのは広範囲の脳血行障害、広範な脳変性疾患、感染症、萎縮によるとしています。
この様な障害は、一過性の心停止や反復された頭部外傷(ボクシングなど)、首を絞められる、廃用性萎縮等によって、大脳全体、もしくは広範囲に虚血状態にならなければ起こり得ないとしています。
つまり限局された脳出血や脳梗塞では一部の脳の機能が傷害されても、痴呆に陥る筈は無いのです。
従って現在血管性痴呆という診断の多くは信憑性が無いとしています。
高齢で発症するとされるアルツハイマー型の痴呆も同様に多くが廃用性の痴呆とみなせるものとしています(アルツハイマー病は高齢では発症しない)。
つまり多くの痴呆は、左脳優位、感性・意欲が欠如した生活習慣病と言えるので、ライフスタイルこそが本当の痴呆予防のカギを握っていると断言しています。
精神神経免疫学は免疫系と心理的社会的要因の関係を明らかにするものです。
つまり心と体の繋がりを研究する学問だと言えます。この繋がりを示す例としてがん細胞もやっつける細胞性免疫のNK細胞が様々な心のストレスによってどの様な影響があるか調査した報告があります。
それによると免疫細胞数はストレスによって減少する事が分かっています。
配偶者の死や離婚や仕事上のトラブルや対人関係の悩みなど日常的によくあるストレスでもNK細胞は減少します。
感情を抑制したり、したい事がやれない等の抑制的対処行動でも減少します。
また、気分的に落ちこんだり、将来に対する希望が持て無かったり、全てがおっくうになる様な精神症状の時もNK細胞は減少していますし、失感情症でも同様です。
このようにNK細胞は大変ストレスに対する感受性が高い事が明らかになっています。
この具体的なメカニズムが脳の機能との繋がりによって明らかになってきました。
脳の視床下部の前部は副交感神経系を刺激する部位で、休息、生殖等快の感情が伴います。
一方、正中部は交感神経系と関係していて、感情的には不快な怒りや恐怖等を感じています。
脳の破壊実験で視床下部前部が破壊されると肺臓細胞数、胸腺細胞数の減少、同時にT細胞の増殖反応の抑制や、NK細胞の不活性が認められています。
つまり、視床下部の快の感情が伴う部位が破壊されると免疫細胞だけで無く免疫系に深く関与する臓器まで影響がある訳です。
現在ではこれらのリンバ系臓器が交感神経系の支配を受けている事も分かり、視床下部や大脳辺縁系との繋がりが明らかになっているのです。
頚や背中のコリがひどく、筋力低下、筋萎縮などがあり、痺れや疼痛が伴い、頚や背中の可動域が急に悪くなったら靭帯骨化を考慮していいかもしれません。
この靭帯骨化は現在のところ発生原因が不明で国の難病指定疾患になっています。
疾患名の様に靭帯が次第に骨化して行くもので、人種的には白人より黄色人種に多く発症します。
男性に多いのが後縦靭帯骨化症で、部位的には頚椎部に多く見られます。また胸椎部の後縦靭帯骨化症は中年の肥満女性に多く見られます。
また、黄色靭帯骨化症は胸椎部にしばしば見られます。
骨化した所では脊髄を圧迫する為、椎間板ヘルニアに似た痺れ、疼痛、運動麻痺、更に膀胱直腸障害等が出てきますが、一度症状が出ると、進行する頻度がかなり高く、手術が必要なる事もあります。
しかし、手術して症状が改善しても、骨化巣が厚くなったり、新たな骨化巣が出る事もあり、悪化する事もあります。
ですから随伴症状が軽い場合は、温熱療法、装具療法等の理学療法や非ステロイド系消炎鎮痛剤や筋弛緩剤、ブロック療法等で病院では対応しています。
原因不明の疾患ですが、糖尿病との合併率が高く、また肥満も関係している様です。
慢性的に頭痛を訴える人は、日本で3000万人以上いるといわれています。
頭痛のタイプは、ベルトで締め付けられるよ、うな痛みは緊張型頭痛、ズキンズキンと脈打つ痛みは片頭痛で、両方を併せ持つ人も多いのです。
緊張型頭痛はストレスや根をつめる作業からくることが多く、われわれの施術以外では、休養や睡眠で軽快します。
片頭痛は前頭・側頭部の血管が拡張し、拍動を伴って感覚神経を刺激することで起こり、眼の前がギラギラとして眼が見えなくなる「閃輝暗点」という前兆を伴うことがあります。
痛みがひどくなってから鎮痛薬を飲んでもなかなか効きにくく、痛みがひどくて嘔吐する人もいます。今現在使用できる主な片頭痛薬には酒石酸エルゴタミンがあって、片頭痛の原因となる血管の拡張を抑える作用があるのですが、片頭痛の予兆を感じたらすぐに飲まないとよく効きません。
しかも頻繁に飲み続けると、かえって痛みがひどくなる「薬剤誘発性頭痛」になりやすいのです。その様な市販薬が効かない重い場合にはトリプトブタンが処方されるケースがあります。
海外ではすでに100ケ国以上で使用されているトリプタン系の薬剤、コハク酸スマトリプタンとソルミトリプタンで、頭痛発作が最もひどくなってから服用しても効果があるのです。
また片頭痛に伴う吐き気、光や音への過敏症を抑える効果も優れているといいます。患者の選択肢も増えてます。
腸炎ビブリオ菌の仲間のビブリオ・バルニフィカスという菌による食中毒は、人によっては症状も激しく致死率も高いので大変危険です。
健康な人が感染しても激しい症状が起こる事はまず無いのですが、免疫力’の低下している人、糖尿病の人や鉄剤を摂取している人、中でも肝硬変等の肝臓疾患を持つ人、アルコール中毒の人が全身性感染を起こすと致死率は7割にも達します。
症状としては悪寒、発熱、下痢、嘔吐等が表れて、肺血症が起こります。
肝機能に障害を持っている人で汚染された刺身を食べた為この中毒によって亡くなりましたが、いずれもこのビブリオ・バルニフィカスは暖かい海水にいて動物性プランクトンに付いて増殖しながら海水の中にも漂います。
したがって皮膚に傷のあるハイリスクの人が海水浴等で感染する事もあります。
現に裸足で磯を歩き、貝で傷を負って感染したと思える報告もあります。
欧米での感染は生牡蠣によるものが一番多いのですが、日本では寿司や刺身等を食べての感染が多い様です。
統計よりも実際はもっと多くの感染者がいるものと考えられます。ハイリスクの人は夏季には寿司や刺身等は控える方が賢明でしょう。
熱を通す場合でも充分に熱を通すべきです。調理したらすぐに食べるのは言うまでもありません。
また皮膚に傷がある時には海水浴は避ける事、裸足で海岸を歩かない事も大切です。
汗の腺にはエックリン腺とアポクリン腺の2種類があり、普通「汗をかく」と言う時の汗はエックリン腺からの汗の事です。
エックリン腺は外耳道や爪で被われている部分や唇など、限られた部分以外身体のほとんどの部分に広く分布しています。
エックリン腺は少ない人で約1200万個、多い人で500万個と差がありますが、全てが汗を出しているわけでは無く、実際に活動しているのは半分程度です。
汗の成分は99%以上が水で、極少量の塩化ナトリウムやカリウム、カルシウム、重炭酸イオン等の電解質、尿素、アンモニア等が含まれ、血漿から作られるので血漿の成分とほぽ同じです。
最初汗の原液は血漿と同じ位塩分濃度が濃いのですが、エックリン腺の導管を通る段階でイオン類が血漿に再吸収されます。
夏の始め頃はかなり濃度の濃い汗を分泌していますが、ひと夏が過ぎる頃には大切なミネラル分は上手く回収、体温調節には水分の多い汗をかく事が出来る様になります。
さてエックリン腺に分布している自律神経は交感神経だけで、その神経伝達物質はアドレナリンとノルアドレナリンですが、エックリン腺のみ例外的にアセチルコリンです。
体温調節に不向きでノルアドレナリンに反応する原始アポクリン腺からエックリン腺が進化した時、伝達物質も皮膚の血管を収縮させないアセチルコリンに変えたのです。
これは人が進化の過程で、体温上昇に弱い脳細胞を異常に発達させた為、求愛行動に不可欠なアポクリン腺からの性的アビールを犠牲にしてまでも、エックリン腺という体温調節器官を発達させる必要があったからなのです。
新築住居の建材等から発生する化学物質が原因で身体の不調を引き起こすシックハウス症候群がありますが、安全である筈の学校の校舎に使っている建材や壁紙等に使用してある接着剤、印刷物のインク、床ワックス、樹木の殺虫剤、トイレの芳香剤等の化学物質が原因で起きるシックスクール症候群があります。
学校に行くと頭痛、脱力感、鼻血が出る、手足のシビレ、記憶力の低下、視力の低下等の症状を訴えるのです。
原因物質が多く特定出来ない為に症状も様々で、その為に病気が理解されない場合があります。
身の回りには膨大な数の化学物質がありますが、身体にはその物質の受け入れる能力の限界があり、これをトータル・ボディ・ロードと言います。
この限界を超えると微量な化学物質でも反応してしまうので、軽症だからと言ってそのまま放置すれば、重症な化学物質過敏症になるきっかけになるのです。
学校は子供たちが一日の大半を過ごす場所だけに改善が必要です。
一般的な対策としては症状を引き起こす化学物質を身の回りから無くす事や換気を充分に行う事です。
文部科学省も天然素材を利用する様に各都道府県に依頼文を出しました。
化学物質を解毒する方法としてフィルターで水や空気を浄水、浄化する、ヒダミンやミネラルを補給して解毒作用を高める、低温サウナで汗と共に排出して新陳代謝を良くする事等が考えられますが、決め手には欠ける様です。
西洋医学では舌によって体の状態を判断する事は余りありませんが、漢方では望診の一つとして視診と共に舌診は重要視されています。
北里研究所の東洋医学総合研究所では西洋医学的な診断と合わせて舌診が病気や身体の状態を判断するのに有効である事を示しています。
正常な舌は淡紅色ですが、凰邪の引き始めや発熱時、脱水状態になると赤くなります(紅舌)。
赤味が更に強く、どす黒いほど(暗紅舌)では舌の毛細血管の循環障害を起こしていると考えられ、更に紫色に近く(紫舌)なると舌の静脈が拡張した状態で冷えがあり、汚血が強い状態であると言えます。
ただ、同じ汚血と言っても、若い女性に対する観察では暗紅舌では細胞内も細胞外の水分も足りない状態の汚血であるのに対して、紫舌や淡白舌では細胞内の水分量が多い、むくんだ状態になっていると見られます。また舌は当然胃腸の異常が表れやすいのですが、舌苔の無い人では胃酸が少なかったり無酸の人も多くなります。
一方白い苔が強い舌では全てではありませんが過酸傾向が強く、びらん性胃炎や十二指腸潰瘍、胃潰瘍が見られる事もあります。
まれに白い部分に赤い部分が地図のようにまだらになっている事がありますが、これは糸状乳頭の発育の差によるもので、原因ははっきりしませんが、自律神経の障害で起こる事が多い様です。
舌苔は舌の糸状乳頭の細胞が角化して舌に残ったもので、言ってみれば舌の垢といえます。
この舌苔を掃除するグッズ等が出ています。舌の粘膜を傷つけ無いように優しくしましょう。
現在は重篤な問題飲酒者で無くても、将来に危険性をはらんだ問題飲酒予備軍は2割近くもあると言う報告があります。
アル中と言えば幻覚やせん妄、痙撃等の恐ろしいイメージがあるので、そのイメージに照らせば「自分はアル中では無い」と、かえって問題飲酒を見えにくくしている面がある様です。
自覚のないアルコール依存症者は、・酒はいつでも止められる・仕事等で飲まざるを得ない・多くは飲んでいない・禁断症状が無い・暴力的ではない、等の理由で自分の飲酒の問題を否定する傾向があります。
しかし、アルコール依存症は不可逆的に進む病気で、生活に支障が出たり身体的に離脱症状や幻覚が表れるに至っては末期と言えます。
自分に対する問題飲酒の否認は病気そのものだと認識しなければなりません。
つまりアルコール依存度は、飲酒の機会や量を抑制したりコントロール出来なくなった主観的状態が問題なのです。
・飲む量を減らさなければならないと思っている・飲酒を注意されて腹を立てた事がある・飲酒に後ろめたい事がある・朝酒や迎え酒をした事がある、に2つ以上該当すればアルコール依存症の危険性大です。
また身体的な理由(糖尿病等)や社会生活上(仕事や運転など)飲んではいけないのについ飲み続けるというのは既にアルコール依存症です。
人口に対する高齢化により、成人一人当たりの酒の消費量は減少傾向にはありますが個人差もありますので個別の注意が必要です。
アルコール換算で1日に150ml(日本酒なら5合半)の常習飲酒は大量飲酒者といい、全国で240万人はいるとみられています。
厚生労働省ではこれらの人達をアルコール依存症予備軍だとみなしています。
生体内には多くの金属元倶がありますが、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等はその量も多く、身体の構造、代謝、生理機能に欠く事が出来ない重要な役割をしています。
また、僅かな量しか無いのですが必須の金属元素があります。微量金属元素と呼ばれ、鉄、亜鉛、マンガン、銅、セレン、モリブデン、ニッケル、コバルト、バナジウム等があります。
例えば、血液の構成成分であり、血色素ヘモグロビンに含まれている鉄は70 kgの体重の男性で約6gに過ぎません。
亜鉛は約2g、免疫促進や制がん効果で注目されているセレンは僅か12mgしかない超微量金属元素です。
また、ニッケルとバナジウムについては動物では必須である事は認められていますが人間では確定していません。
これらが身体にとって必須であるかどうかを判定する時に3つの条件があります。
ある微量金属元素を食べ物から取り入れる量が低下すると、身体に重大な機能的障害が現れ、時には死んでしまう。
ある微量金属元素を身体に取り入れると他の元素や他の方法では見られない身体の状態が改善した。
最後にある微量金属元素を含む金属蛋白質や金属酵素が生物体や組織から取り出す事ができる。
これらの条件の中で特に重要な判定条件である、生体内において金属蛋白質、金属酵素、半金属酵素やビタミンの構成成分として存在している事が明らかになったているのが上記の微量金属元素です。
近い将来、分析化学技術や生物光学の進歩により、もっと多くの必須の微量金属元素や超微量金属元素の生体内での役割も明らかになりそうです。