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廃用性痴呆

2021.06.16 | Category:

日本人に多い痴呆は第一に脳血管障害による痴呆、次にアルツハイマー病ですが、最近ではそれが逆転して来たとも言われています。

しかし、浜松医療センターの金子満雄氏は、はっきりとした病因が見つかるのは全痴呆の7%程度で、大胆にも残りのほとんどが廃用性の痴呆だとみています。

脳卒中後に起こる様に見える痴呆も、直接の原因は脳卒中後の生活態度の悪さによる廃用性の痴呆だという訳です。

痴呆とは大脳が広範に障害を受けた場合に起こる症候群で、前頭前野、海馬、大脳後半部連合野の細胞が侵されやすいので、原因は違っても痴呆の症状や予後には類似がみられます。

その原因というのは広範囲の脳血行障害、広範な脳変性疾患、感染症、萎縮によるとしています。

この様な障害は、一過性の心停止や反復された頭部外傷(ボクシングなど)、首を絞められる、廃用性萎縮等によって、大脳全体、もしくは広範囲に虚血状態にならなければ起こり得ないとしています。

つまり限局された脳出血や脳梗塞では一部の脳の機能が傷害されても、痴呆に陥る筈は無いのです。

従って現在血管性痴呆という診断の多くは信憑性が無いとしています。

高齢で発症するとされるアルツハイマー型の痴呆も同様に多くが廃用性の痴呆とみなせるものとしています(アルツハイマー病は高齢では発症しない)。

つまり多くの痴呆は、左脳優位、感性・意欲が欠如した生活習慣病と言えるので、ライフスタイルこそが本当の痴呆予防のカギを握っていると断言しています。


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