- Blog記事一覧 -6月, 2021 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 41の記事一覧

6月, 2021 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 41の記事一覧

がんの緩和医療

2021.06.10 | Category: がん

緩和医療とは、病気やその改善の過程で起こる様々な症状を和らげて日常生活をサポートするための医療です。

痛みを始め吐き気や食欲不振、だるさ等の身体症状を和らげるだけで無く、精神的ケアやリハビリ、家族を含む社会的援助までも含みます。

この緩和医療という考え方が定着しましたが、まだ誤解が多い様です。

というのも、日本では特に根治が優先されがちで、緩和医療を敗戦処理、終末期医療の様に理解されているのです。

一般にがん医療では手術を第一とし、抗がん剤、放射線療法等で徹底的にがんを叩く方法がとられます。

この根治至上主義が、副作用を仕方のない物とみなしたり、苦痛を伴う延命がいつまでも続けられという事態をもたらしています。

しかしがんの場合、転移の可能性や進行度合いからみても100%の完治は少ないというのが現実で、完治に向けた過酷な方法がかえって命を縮めたりQOLを著しく低下させている事も少なくありません。

多くの場合がんとは上手く長く付き合う事が大切で、更に医療とも上手く付き合う事がQOLを保つ事になります。

したがって、がんと分かった段階から緩和医療は根治と共に用いられるべきなのです。

■積極的緩和医療
・手術(消化管のバイパス手術等)・内視鏡療法・ 放射線療法・温熱療法・薬物投与
■支持的緩和医療
●痛みのコントロール
・鎮痛薬(NSAID→コデイン→モルヒネ)・ 鎮痛補助薬(抗てんかん薬、抗うつ薬)・神経ブロック・理学療法
●症状のコントロール
・薬物療法(抗生剤、吐き気止め、便秘・下痢薬、睡眠薬、抗不安薬等)・皮膚(褥瘡のケア等)・輸液・ 輸血・酸素吸入・穿刺や利尿(胸水や腹水のコントロール)など
●副作用の軽減
・吐き気のコントロール・骨髄機能低下のコントロール・放射線副作用のコントロール・モルヒネの副作用のコントロール
NSAID:非ステロイド抗炎症薬

うつ病予防対策

2021.06.10 | Category: うつ病

うつ病では情動と関連する神経伝達物質であるセロトニンが減少している事が確かめられています。

ストレスや不安や悩み等があると情動に関連する帯状回や扁桃が刺激されセロトニンの分泌が抑制され、この状態が続くとうつ状態になっていくのです。

このセロトニンの分泌を促すのに運動、光、睡眠等が有効です。運動は不安や悩みで興奮している神経回路と違う神経回路を使う事で、不安な神経回路を抑制し、気分が向上してセロトニンの分泌を促すのです。

その運動量は週2~3回、30分程度のウオーキングで効果があります。

また眼から入る光は視床下部を刺激し、セロトニンの分泌を促し、松果体に溜めます。そして夜になると酵素が働いてセロトニンが睡眠物質であるメラトニンに変化し、睡眠を与えて心を安定させたり、不安を解消させて脳に活力を与えるのです。

このセロトニンは肉、魚、大豆といった食品に含まれる必須アミノ酸のトリプトファンを材料にして作られますが、特にトリプトファンは肉等の動物性蛋白質に含有量が多く、最も効率的です。

更にトリプトファンを脳に送り込む為にはブドウ糖が必要で食後の甘い物も大切なのです。

肉や食後の糖質は生活習慣病の最大の敵にみられていましたが、セロトロニンの研究によって、肉食は精神を安定させる為に必要だという事が分かってきたのです。

まず肉を食べてセロトニンの材料であるトリプトファンをとり、太陽の下で運動がする事がうつ病を予防するのです。

皮膚の色はなぜ違う

2021.06.10 | Category: 皮膚

人類の分類方法のうち、国や民族で分ける方法もありますが、白色人種、黒色人種、黄色人種という「皮膚の色」で分ける方法がよく用いられます。

色素細胞学では「スキンタイプ」(油性肌・乾燥肌という使い方ではない)という言葉で人種的な皮膚の色調の分類に用いられ、I型からⅥ型までの6タイプに分けています。

一般にスキンタイプI~Ⅲ型は白色人種、Ⅳ~Ⅴ型が有色人種、Ⅵ型が黒色人種ですが、それぞれの境界は厳密なものではありません。

コーカソイドといわれる白人の多くはⅢ型で、Ⅰ型はケルト人、Ⅱ型は北欧の白人に典型的に見られます。日本人は多くがスキンタイプⅣ型で、Ⅲ型も混じっています。

イタリア、スペイン等南欧人もⅣ型です。V型はメキシコ人やインド人など褐色の皮膚をもつ人種に多く、Ⅵ型は黒色の皮膚でアフリカ先住民に見られます。

I型・Ⅱ型は紫外線により色素沈着を起こしにくい反面、皮膚炎を起こしやすく、スキンタイプの番号が大きくなるほど「悪性黒色腫」「有棘細胞がん」「基底細胞がん」などの皮膚悪性腫瘍の発生が減少します。

ところが基本的にメラニンをつくるメラノサイト(色素細胞)の数には人種的な差がありません。

紫外線を浴びた時にメラノサイトはメラニンの合成を始めますが、この合成の過程で働く酵素チロシナーゼの活性能力が人種によって大きな差があり、生まれながらに細胞に蓄えられているチロシナーゼの働きが直接的に皮膚の色を決めていると考えられ人体のメラニンには褐色に見えるフェオメラニンと黒く見えるユーメラニンがあって、ユーメラニンは紫外線を透過させない働きに優れています。

またメラニンは老廃物を吸着する性質もあって、新陳代謝で剥がれ落ちてゆくのですが、皮膚が炎症を起こしてメラニンが真皮層に落ち込むとシミやそばかすとなり、なかなか消えなくなります。

自殺は減らせる

2021.06.10 | Category: うつ病

日本は世界の中でも自殺率が高い国です。 WHOの2014年の調査では90ヵ国中6番目、先進国の中では日本はトップといえます。

またどの国でも女性の自殺率は男性よりも少ないのですが世界的にみると日本の女性は自殺率が高く(3位)、先進国としては特殊な部類に入ります。

自殺者が最悪だったのは2003年、34.427人で、2016年21.764人で減少をしています。動機は健康問題がほぼ半数を占めていて動機の増加率としてはあまり変化はありません。

一方経済問題や勤務問題の増加率が高くなっているのは予想される通りで、無職の男性は職を持っている男性よりも自殺のリスクは10倍にも跳ね上がっています。

また中年の自殺が増えていますが、自殺率が最も高いのはやはり80歳以上です。北欧は福祉国家であるのに自殺が多いといわれていましたが、現在では日本より減少しています。

いずれも国レベルで自殺予防策がとられたためで、フィンランドでは関係機関のネットワーク形成、ワークショップの開催等40のプロジェクトが実施されて1割減少。

スウェーデンでは国立の研究・防止対策センターが作られ様々なプログラムが実行されて2割もの滅少がみられています。

アメリカを始め欧米でも様々な教育・啓発事業によって自殺率の低下に成果をあげています。

日本では新潟県松之山町が自殺予防の取り組みに成功していて、高齢者のうつ病スクリーニングを行う等の対策によって自殺率は3割も減少しています。

自殺の多くがうつ病と関係が深い事が認識されてきましたが、きちんとプログラムを組んで実行すれば厳しい経済状況の中でも確実に自殺は減らせるのです。

骨粗鬆症の改善

2021.06.10 | Category: 老化

更年期以降の女性に多い骨粗鬆症の予防や改善には、エストロゲンを中心としたホルモン補充療法が有効だとされてきました。

閉経後のエストロゲン投与は骨密度の低下を抑えるだけでなく若さを保つという事で、欧米ではポピュラーな療法になっています。

米国のいくつかの医療専門家からホルモン補充療法に対してイエローカードが出されています。

ホルモン補充療法は骨粗鬆症や痴呆、大腸がん等も予防的に押さえるのですが、乳がんや心臓発作、脳卒中、血栓のリスクはメリットを上回るので控えるようにとの勧告が出されています。

骨は、破骨細胞による骨吸収と、骨芽細胞による骨形成を繰り返していて10年ほどですっかり入れ替わりますが、骨形成が骨吸収に追いつかなくなると骨はスカスカになってしまいます。

エストロゲンは骨芽細胞にくっつくと骨を形成する様に働くだけでなく、破骨細胞の働きにブレーキをかけます。

したがって閉経によってエストロゲンが減るとブレーキが効かずに骨吸収が激しくなって骨密度が低下するというわけです。

警告はホルモンの利用が一筋縄ではいかない事を示しているといえます。

そこでエストロゲンの補充療法に変わるものとして注目されているのがビスホスホネート製剤です。

ビスホスホネートはエストロゲンと同じように破骨細胞の働きを抑制して骨吸収を抑えます。

骨の形成まで抑制する事があって使い方が難しいのが難点でした。

最近では骨吸収抑副作用が5000倍も強いという第3世代のビスホスホネート製剤が開発されています。

過敏性腸症候群

2021.06.10 | Category: 消化器

下痢や便意等が頻繁に起こるために、外出するのが恐くなったり、行く先々のトイレを確認しないと落ちつけない等、過敏性腸症候群(I B S:irritable bowel syndrome)に悩んでいる人が増えています。

このIBSは器質的な疾患ではなく、大腸を中心にした機能異常で便通異常、腹部不快感、腹痛等が起こり、更に不安感や抑うつ感などの精神症状を伴う場合もあります。

疫学的な調査で一般の健常者の中でも14~22%はこのIBSの症状をもっていると言われ、消化器疾患の中でも最も高い頻度の疾患なのです。

この症状を持っている中で約20%の人が受診するそうです。男性より女性の方が1.5倍多く、若い時期に多く半数以上は35歳以前に発病します。

便通異常でみると男性は下痢型、女性は便秘型が多い事が分かっています。IBSの特徴として、刺激に対して知覚が過敏で、腸管も過敏な反応をする事が明らかになっています。

ですから一寸した刺激で疼痛や排便を促されてしまったり、腸管の拡張や伸展でも、知覚して脳に伝えられ腹痛を引き起こし、神経反射を介して消化管運動の過剰反応を誘導してしまうのです。

また、症状は下腹部にとどまらず、頭痛、月経異常、倦怠感、頻尿等も引き起こす事から、単に腸管平滑筋の機能異常と考えるより、全身の平滑筋臓器の機能異常として把握する方がこの疾患を理解しやすいという考えもあります。

器質的な疾患がなく吐き気、嘔吐、食欲不振、上腹部痛等の上部消化器の異常が起こる場合をN U D : non-ulcer dyspepsia といいますが、これも平滑筋の機能異常であるのです。

ですから、これらの両方の症状を併せ持つ患者さんも当然いるのです。

そこで、最近になり消化管の機能異常を総称して、irritable gut(過敏な消化器)という概念が提唱されてきたのです。

高血圧薬の効果

2021.06.10 | Category: 高血圧

高血圧症の改善の基本的なやり方は生活習慣の改善の為に食事療法や運動療法等を指導して、それでも下がらない時に薬物療法に切りかえる、となっています。しかし、実際は最初から薬物療法を始めるケースがかなりあります。1999年にはWHOと国際高血圧学会が、また2000年に日本でもそのガイドラインに習って、高血圧の基準がかなり低く設定(一般成人130/85㎜Hg)された事もあって、益々薬物療法が加速しています。薬をチェックする民間機関の医薬ビジランスによれば、新基準によって血圧降下剤を必要とする人が日本だけでも3000万人以上増えて、1兆円の薬剤費が必要になるといいます。もちろん、高血圧の改善は心臓疾患、脳卒中、腎臓病などの合併症を予防する為であり、薬物療法を否定するのではありません。ただ、これらの合併症は加齢、閉経、糖尿病、痛風、高コレステロール、高脂血症、家族歴等の他の危険因子も関係するので、血圧だけを下げたからといって、予防できるものではないのです。高血圧を改善すると確かに上記の疾患で死亡する人が少なくなる事は疫学的に証明されています。しかし、そこには数字の落とし穴があります。つまり、元々高血圧になるは臓器に血が足りなくなった為でもありますから、一種の生体システムの防衛反応であると考える事ができます。その状態を薬物で低くするということはある意味で循環を悪くすると言いかえる事もできるのです。特に高年齢者の場合には急激に血圧を下げたりすると、かえって脳や心臓への血流量が減り、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす危険性もあります。このようにむやみに降圧剤を使用する事は、結果的に他の疾患を増やす事が考えられます。新基準による高血圧投薬により、心筋梗塞等は減少しても全体の死亡数は変わらない、むしろ逆に増加すると警鐘をならす研究者もいるのです。

アロマの使用は慎重に

2021.06.10 | Category: 呼吸器

良い香りを嗅ぐと気分が落ち着く芳香浴や、精油をベースオイルで希釈して使うアロママッサージなど、アロマテラピーに人気があります。

それに使用される精油は100%天然だから安全だと考えがちですが、中にはアレルギー反応を起こす人もいます。

精油の化学成分の分子は、皮膚から吸収されて血液中に入ります。また、芳香浴も揮発した成分が肺に取り込まれる等して、全身に運ばれます。

この化学成分に花粉症、食物アレルギー、鼻炎、喘息、過敏症等の体質の人が接触性皮膚炎などのアレルギー反応を起こす可能性が高いのです。

マッサージオイルで精油を初めて使う場合にはパッチテストを必ず行い、感作性のある物質でないか検査することが大切です。

使用するオイルを1滴、腕の内側等の皮膚の薄いところに少し擦り込み、24時間おいて、赤くなったり、かゆくなったりしなければ大丈夫です。

しかし、パッチテストで安全でも5~7日経った頃から、アレルギー反応を起こす体質の人もいます。

精油に含まれる成分がアレルゲンとなり、抗体がつくられて抗原抗体反応が起るので、精油を使う場合にはアレルギー反応が起きていないか必ず確認する事です。

施術家も、精油が手の皮膚から吸収されたり、揮発した精油を呼吸と共に鼻粘膜から吸収し、長期間たえず暴露される事で、皮膚炎、頭痛、発熱、吐き気等のアレルギー症状を呈する事があります。

改善には抗原である精油から離れる事しかありません。

アロマの効果が注目されていますが、アレルギー体質の人や、敏感肌の人に使用する場合には注意することです。

また精油は大変種類が豊富で、中には高血圧等の慢性疾患や妊娠中など身体の状態で使用すると危険な精油もあるので、十分理解してから使用する事が重要です。

期待される再生医療

2021.06.10 | Category: 未分類

IPS細胞の利用は角膜等から応用され将来的にはあらゆる臓器の再生を可能にするかもしれませんが、現時点ではまだ皮膚や骨や血管といった部分組織の再生が実用化に至った段階で、内臓や手足などの高度な複合組織の再生は、研究が始まったばかりです。

組織の再生には、①細胞、②細胞の足場となる支持体、③細胞増殖・分化因子の3つの要素が必要です。

皮膚を再生するには、コラーゲンのスポンジシートに皮膚のもとになる細胞を播いて培養したものを使ったり、シートを皮膚が欠損した部分に直接張ればよく、その周辺の正常な皮膚から繊維芽細胞がスポンジ内に入り込み、真皮組織が再生されていきます。

他にも関節軟骨の再生や歯周病で失われた歯周組織の再生は臨床に応用され、心臓の部分組織や食道・気管・小腸・膀胱・角膜や網膜や毛髪などほとんどすべての組織の再生が研究されています。

また今まで方法が見つからなかった病気医療の応用にこの再生医療が注目されています。

バージャー病は喫煙者に多く、手足などの血管に血栓が詰まり、血流が悪くなって激しい痛みや痺れが起こり組織が壊死してしまう病気ですが、血流を改善する薬やバイパス手術でも治る人は少なく、悪化して手足を切断するケースも多い難病です。

骨髄に存在する血管内皮前駆細胞を利用した再生医療が「血管新生」で、集めた前駆細胞を患部の手足の病変部にまんべんなく注射するだけです。

両足だと150ケ所程度、数日後には血流が改善して痛みも治まってくるといい、8割もの高い効果が出ています。

また骨髄をとるための技術や設備が必要な腰椎穿刺ができなくても、血液中にもわずかに含まれる前駆細胞を集める方法でも可能で、糖尿病などの慢性閉塞性動脈硬化症にも活用されています。

昼間の眠気

2021.06.10 | Category: 呼吸器

昼下がりに眠気が高まる事は誰にも起こる生理的な現象ですが、日常生活に差し障るような眠気は病気とみなければなりません。

新幹線の運転士の居眠りが睡眠時無呼吸症候群によるものだと分かってその危険性が意外に多い罹患率が一躍クローズアップされました。

こうした昼間の眠気は過眠症といいますが、軽いものから重いものまで様々です。過眠といっても夜の睡眠が障害されている為に昼間の眠気が起こるものも多く、睡眠時無呼吸症候群はその代表的なものです。

もちろん睡眠の絶対時間が足りなかったり疲労によって昼間の眠気が起こるのは当然です。

過眠症の中でも極端なものはナルコレプシーという睡眠が過剰になるための慢性発作性疾患で、突然居眠りの発作を繰り返します。

体質的な病気で、白血球の血液型と関係があり、脳内のオレキシンという物質が低下している事が分かっています。

青年期に表れる事が多く、居眠りの発作だけでなく、笑ったりして感情が大きく高まった時に全身から力が抜けるというような情動脱力発作を起こします。

いわゆる金縛り状態になる事も多く、夜の睡眠はかえって少なくなる事もあるようです。

その他の過眠症には慢性的な飲酒、あるいは薬物の離脱後にも起こります。

また季節性のうつ病でも昼間の強い眠気が表れる事があり、髄膜炎や頭部外傷がきっかけで過眠が起こる事もあります。

服用している薬の影響も大きく、風邪薬で眠くなる事があるのはよく経験していますが、抗不安薬、抗うつ薬や抗精神病薬でも過眠が表れる事があります。

また睡眠薬の持ち越し効果で昼間も眠くなる事があります。

特に高齢者は代謝が落ちているので、持ち越し効果が表れやすいといえます。

当院のスケジュール