- Blog記事一覧 -皮膚の色はなぜ違う
人類の分類方法のうち、国や民族で分ける方法もありますが、白色人種、黒色人種、黄色人種という「皮膚の色」で分ける方法がよく用いられます。
色素細胞学では「スキンタイプ」(油性肌・乾燥肌という使い方ではない)という言葉で人種的な皮膚の色調の分類に用いられ、I型からⅥ型までの6タイプに分けています。
一般にスキンタイプI~Ⅲ型は白色人種、Ⅳ~Ⅴ型が有色人種、Ⅵ型が黒色人種ですが、それぞれの境界は厳密なものではありません。
コーカソイドといわれる白人の多くはⅢ型で、Ⅰ型はケルト人、Ⅱ型は北欧の白人に典型的に見られます。日本人は多くがスキンタイプⅣ型で、Ⅲ型も混じっています。
イタリア、スペイン等南欧人もⅣ型です。V型はメキシコ人やインド人など褐色の皮膚をもつ人種に多く、Ⅵ型は黒色の皮膚でアフリカ先住民に見られます。
I型・Ⅱ型は紫外線により色素沈着を起こしにくい反面、皮膚炎を起こしやすく、スキンタイプの番号が大きくなるほど「悪性黒色腫」「有棘細胞がん」「基底細胞がん」などの皮膚悪性腫瘍の発生が減少します。
ところが基本的にメラニンをつくるメラノサイト(色素細胞)の数には人種的な差がありません。
紫外線を浴びた時にメラノサイトはメラニンの合成を始めますが、この合成の過程で働く酵素チロシナーゼの活性能力が人種によって大きな差があり、生まれながらに細胞に蓄えられているチロシナーゼの働きが直接的に皮膚の色を決めていると考えられ人体のメラニンには褐色に見えるフェオメラニンと黒く見えるユーメラニンがあって、ユーメラニンは紫外線を透過させない働きに優れています。
またメラニンは老廃物を吸着する性質もあって、新陳代謝で剥がれ落ちてゆくのですが、皮膚が炎症を起こしてメラニンが真皮層に落ち込むとシミやそばかすとなり、なかなか消えなくなります。