- Blog記事一覧 -昼間の眠気
昼下がりに眠気が高まる事は誰にも起こる生理的な現象ですが、日常生活に差し障るような眠気は病気とみなければなりません。
新幹線の運転士の居眠りが睡眠時無呼吸症候群によるものだと分かってその危険性が意外に多い罹患率が一躍クローズアップされました。
こうした昼間の眠気は過眠症といいますが、軽いものから重いものまで様々です。過眠といっても夜の睡眠が障害されている為に昼間の眠気が起こるものも多く、睡眠時無呼吸症候群はその代表的なものです。
もちろん睡眠の絶対時間が足りなかったり疲労によって昼間の眠気が起こるのは当然です。
過眠症の中でも極端なものはナルコレプシーという睡眠が過剰になるための慢性発作性疾患で、突然居眠りの発作を繰り返します。
体質的な病気で、白血球の血液型と関係があり、脳内のオレキシンという物質が低下している事が分かっています。
青年期に表れる事が多く、居眠りの発作だけでなく、笑ったりして感情が大きく高まった時に全身から力が抜けるというような情動脱力発作を起こします。
いわゆる金縛り状態になる事も多く、夜の睡眠はかえって少なくなる事もあるようです。
その他の過眠症には慢性的な飲酒、あるいは薬物の離脱後にも起こります。
また季節性のうつ病でも昼間の強い眠気が表れる事があり、髄膜炎や頭部外傷がきっかけで過眠が起こる事もあります。
服用している薬の影響も大きく、風邪薬で眠くなる事があるのはよく経験していますが、抗不安薬、抗うつ薬や抗精神病薬でも過眠が表れる事があります。
また睡眠薬の持ち越し効果で昼間も眠くなる事があります。
特に高齢者は代謝が落ちているので、持ち越し効果が表れやすいといえます。