- Blog記事一覧 -6月, 2021 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 29の記事一覧

6月, 2021 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 29の記事一覧

血管性痴呆とアルツハイマー型認知症

2021.06.13 | Category: 老化

従来、日本ではアルツハイマー型痴呆症より脳血管性痴呆症(最近は血管性痴呆症と呼ばれる)の方が多いと言われてきました。

しかし、最近の統計では血管性痴呆症が多いというものとほぼ同数だとするものが増えてきました。

痴呆の原因は遺伝性が明らかなのは家族性アルツハイマー型痴呆症ですが、それ以外にも痴呆患者の血縁者に痴呆が高率に出現する事があります。

これはまだ発見されていない遺伝的因子があるのかもしれません。また後天的な素因である環境や生活習慣等の因子による可能性も指摘されています。

特に喫煙や生活習慣病等はもちろんのこと、それ以外の因子の研究も進んでいます。

また、若い頃からわがまま、頑固、短気、感情不安定、非社交的、消極的な人が痴呆症になりやすい性格因子として上げられています。

中年期以降、仕事一筋、趣味が少ない、社会参加に消極的、対人関係が苦手な人等も痴呆症になりやすいという統計があります。

もう一つ見逃せないのは頭部に外傷を受けた事がある人に高率にアルツハイマー型痴呆症が出現する事です。

ところで、アルツハイマー型痴呆症と血管性痴呆症を合わせると痴呆患者の90%になりますが、両者の痴呆症の初期症状はかなり違います。

血管性痴呆症では、不眠、抑うつ感、不定愁訴、まだら痴呆、感情不安定等がおこります。

アルツハイマー型痴呆症では、多幸感、明るい表情や態度、早期から人格の崩壊があり、見当識障害、全般的痴呆が起こります。

また、アルツハイマー型痴呆症では65才以上の女性に多く発症し、血管性痴呆症では50~60才の男性に多く発症して階段状に進行していきます。

高齢者の睡眠と覚醒

2021.06.13 | Category: 加齢

高齢の患者さんが不眠を訴える事は臨床の中で毎日の様に経験します。

確かに高齢になるに従って睡眠の質と量は低下してしまいますが、この府民の問題はうつ病などで起こる心因性の者から脳血管障害などの器質性の者、更に加齢による睡眠覚醒リズムの振幅減少、睡眠覚醒の構造的な変化等様々な原因が考えられます。

しかし深部体温のリズムの変化が不眠と深く関係している事はあまり知られていません。

昔から「早寝早起きは三文の得」という諺がありますが、高齢になるに従って早寝早起きになる人が増えてきます。

しかし、これは健康的な早寝早起きの生活習慣が高齢者になるに従って身に付いたというより、実は加齢に伴い次第に就寝時刻が前倒しになる為なのです。

これは自律神経系に強く影響を与える深部体温のリズムが変化して活動性のリズムとのズレが生じ、早い時間に体温が下がる為に就寝時間が早くなってしまうからです。

また、この体温リズムは若い頃には体温の高低の振幅がはっきりしていて、夜にしっかり低体温期になる為に熟睡できるのですが、高齢者は体温の高低の振幅が小幅な為にどうしても浅い眠りしか取れなくなるのです。

この就寝時刻の前倒し現象により、実際に体温が下がる時間、つまりまだ早い時間に入寝るようになるのです。

更に生物リズムの制御機構が衰えてくる為に24時間周期に身体を調整する同調因子の働きが弱くなり、睡眠覚醒リズムが悪くなる事が睡眠の質を低下させています。

ですから、睡眠の時間と質を確保するには、まずこの体温のリズムにもっとも影響のある昼間に日光を充分に浴びることが必要です。

また、日中に同調因子である活動性のリズムを強化する為の社会的な刺激(熱中できる仕事や趣味)を積極的にする事で、双方の同調を促す事が夜の熟睡の為に必要なのです。

この事からも、睡眠の問題は実は覚醒の問題でもあるといえます。

睡眠度と覚醒度はコインの表裏の関係にあるわけで、昼間の覚醒度を高くする事が睡眠度を高くする事になるのです。

高齢者のうつ病の特徴

2021.06.13 | Category: うつ病,加齢

高齢者のうつ病では、一般に下記にある様な症状が出ますが、不定形に現われる事が多く、身体疾患を伴うのが特徴です。

また風邪、下痢、腰痛、外傷などの一見軽い病気がうつ病の誘因になる事も多くあります。

脳卒中などの脳の器質的、機能的変化も原因になりますし、がん等の重大な病気の数週間前から数ケ月前に先立ってうつ状態があらわれる警告うつ病と言われているものもあります。

また、配偶者や友人や仲間の死、子供の独立あるいは同居、家族の病気の看病、夫婦関係、親子関係等の精神的ストレスが誘因になる事がかなりあります。

またうつ病に伴って被害妄想や幻聴等をきたしやすく痴呆症と間違われる事もあります。

更に高齢者のうつ痢は一般に自殺率が高く、特に不安、焦燥、妄想のあるものは要注意です。また、栄養不良、食欲不振、脱水等をおこしやすいので身体状態に特に注意が必要です。

アメリカ精神医学会のまとめた
DSM-IVの大うつ病性障害の診新基準
以下の症状のうち5つ(またはそれ以上)が同じ2週間の間に;存在して、病前の機能からの変化を起している。
これらの症状のうち少なくとも1つは、抑うつ気分または興味または喜びの喪失である。
(1)患者の主訴(たとえば、悲しみまたは、空虚感を感じる) か、他者の観察(たとえば、涙を流してしているように見える)によって示される、ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分。
(2)ほとんど1日中、ほとんど毎日の、ほとんどすべての活動における興味。喜びの著しい衰退(患者の主訴、または他者の観察によって示される)
(3)食事療法をしていないのに、著しい体重減少、あるいは体重増加(例えば、1ヵ月で体重の5%以上の変化)、またはほとんど毎日の、食欲の減退または増加。
(4)ほとんど毎日の不眠、または睡眠過多。
(5)ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止(他者によって観察可能で、ただ単に落ち着きが無いとか、のろくなったという主観的感覚ではないもの)
(6)ほとんど毎日の筋疲労性、または気力の減退。
(7)ほとんど毎日の無価値観、または過剰であるか不適切な罪責感(妄想であることもある。単に自分をとがめたり、病気になった事に対する罪の意識ではない。)

老年症候群

2021.06.13 | Category: 加齢

病気になった時、若い人にとってはその病気の完全な治癒が目的になります。

しかし高齢者にとっては元の健康体に戻る事は難しく、症状を和らげながら、いかにADLを保つかという事が目的になっていく事が多くなります。

また高齢者に特有の老化という生理現象に加えて複数の疾患等が重なっています。

したがって個々の疾患をターゲットとするより、様々な症状を症候群として捉える方がより正しく高齢者を捉えられるという事で、それらを一括して“老年症候群”という考えで扱うという動きが広まっています。

アメリカの老年学者B.アイザックは高齢者の重大な障害を“4大兆候”として痴呆、転倒、寝たきり、尿失禁をあげていますが、老年症候群の中でも高齢者のADLやQOLを低下させる筆頭といえます。

これらの疾患は、最初はひとつの病気で始まった場合でも不可逆的に慢性化しやすく、老年症候群となり複数の疾患同士が悪循環を作り上げて要介護状態になりやすいのです。

この老年症候群という捉え方は医療やケアの現場でも一般的になりつつあります。

老年症候群
認知障害をもたらすもの   抑うつ、せん妄
廃用性萎縮をもたらすもの   寝たきり、骨折
感覚障害をもたらすもの   視覚障害(老眼や白内障など)  聴力障害(難聴)、味覚障害
その他   低栄養、脱水、褥瘡

ゴムアレルギー

2021.06.12 | Category: 免疫

アレルギーの原因となるアレルゲンは私たちの身のまわりに数多くありますが、その中でラテックスゴムによる喘息や皮膚炎などのアレルギーが問題になってきています。

ラテックスの原料である天然ゴムは、ゴム樹液を採取するのにゴムの木の幹に切り傷をつけて行われます。

これはゴムの本にとってはかなりのストレスになり、ゴム樹液は防御蛋白質といえます。

これがアレルゲンとして体に侵入しアレルギー反応を引き起こしているのです。

アメリカでの1994年の調査よると2000万人の患者がいるという報告があります。

原因として自動車タイヤの磨耗により、空気中に放出される直径10マイクロメートル以下のラテックス粒子を吸引し、それがアレルゲンになっていると考えられています。

また、医療関係者の現場で問題になっているのが、ラテックスゴムの手袋によるアレルギーです。

AIDSや肝炎などの感染症からの感染防止用として、装着が徹底されてから増加してきています。

ラテックスゴムの分子は皮膚から入ることは出来ないと言われてきましたが、表皮に傷がある状態では皮膚中に入り込むことが動物実験で明らかにされました。

主婦が洗剤などで洗うと皮膚の皮脂や角質層にある脂分を流してしまい、皮膚がカサカサになってアカギレのようになって、皮膚の防御機能が低下するとアレルゲンが中に入りこみ、アレルギーを引き起こすことがあるのです。

症状は皮膚がかゆくなり湿疹ができます。アレルギーでこわいのはアナフィラキシーショックによる呼吸不全などです。

手袋装着している医療関係者や、患者の傷口からアレルゲンが侵入してアレルギー反応がおきたら重大な問題が発生します。

そこで現在は素材の違う手袋が開発されてきています。

この患者はアボガド、リンゴ、バナナ、桃、キウイなどの果実に対してアレルギー反応を起こすことが多いことから、植物由来の共通アレルゲンが存在するのではと考えられています。

喉が渇いたら水を飲む

2021.06.12 | Category: 体液

清涼飲料水を大量に飲み続けると急性の糖尿病になるというペットボトル症候群が、10~20代の若者に見られる事が以前からいわれています。

これからの暑い夏には喉が渇きコーラ、ジュース等の清涼飲料水を飲む事が多くなるので注意が必要です。

1.5リットルのペットボトルの清涼飲料水に含まれる糖分の量は、コーラには150 g (スティックシュガー30本分)果汁添加の炭酸飲料水では140 g、スポーツドリンク100 gです。一日の糖分摂取量20g以下と言われていますから、1本で約7倍強を摂取した事になるのです。

最近流行の野菜ジュースや果汁100%の果汁ジュースにも果糖や蜂蜜等もかなり含まれているので、身体に良いからといっても飲む量は控える事です。

砂糖は食物と違って直ぐに吸収されるので血糖値が急激に上がります。

その血糖値を下げる為にインスリンが大量に分泌され、逆に低血糖状態になり、体がだるくなったり、イライラしたりします。

これを習慣的に飲み続けると子供でも糖尿病になります。

口の渇き、身体が痩せてきた、だるいといった症状があれば、直ぐに受診が必要です。

更に糖尿病という事に気が付かず飲み続ければ、急激な血糖値の上昇にインスリンが機能しなくなり、意識がもうろうとして昏睡状態(糖尿病性ケトアシドーシス)となり、ついには死亡するケースもあるのです。

予防としては清涼飲料水を水代わりに飲まない様にして、喉が渇いたら、まず糖分の無いお茶や水等を飲むという習慣を身に付ける事です。

カレーの効用

2021.06.12 | Category: 食事

カレーライスは今や日本の食卓には欠かせない定番メニューで、暑い国の食べ物らしく、食欲の落ちる夏特に8月に最も好んで食べられています。

日本のカレールウは約30種類のスパイスをブレンドし、小麦粉や油脂で固めたものです。

カレーの本場インドでは、人々が好みや習慣に合わせた独自のスパイス・ブレンドでカレーを作るので、いわゆるカレー粉という物は存在しません。

元々スバイスは伝承医学のアーユルヴェーダで薬として珍重されてきたもので、カレーの2~3割を占める黄色いターメリックは、ウコンの根茎を乾燥粉砕したもので、主成分の「クルクミン」に抗酸化作用があり、がんや腎不全・神経障害・動脈硬化の予防、肝機能を促進します。

更にクルクミンは腸管内でテトラヒドロクルクミンに変化して、強力な抗酸化作用を発揮し、生体防御の機能に優れているのです。

赤トウガラシに含まれる「カプサイシン」にはエネルギー代謝促逆効果があり、副腎髄質ホルモンのアドレナリンの分泌を促すので糖質や脂質の代謝が増進されます。

カプサイシンは中枢の温ニューロンと全身の温受容器を剌激し、また辛ければ辛いほど味覚性発汗の作用で反射的に血管が拡張して血流が良くなり汗が吹き出してきます。

ガーリックやクミン、コショウやコリアンダー、シナモンといったカレーに欠かせないスバイスにはそれぞれ、血栓防止・食欲増進・解毒・発汗・鎮咳・解熱・抗菌作用等の様々な薬効が知られ、これらスパイスの集合体であるカレーは病気の予防と対策にも役立っている様で、事実インドでは食遠がんや青がんが極めて少ないのです。

東大医学部の研究で、カレーを食べる前後の脳内の血流量を測定したところ、2~4%血流量が増える状態が持続しました。

これは血管拡張剤のニトログリセリン使用に匹敵する効果があるという事で、脳梗塞や血管性痴呆の心配がある高齢者にこそお薦めの食べ物なのです。

死語?テクノストレス

2021.06.12 | Category: 感情

「ストレス」という言葉は元々は物理学用語で、物体が刺激(ストレッサー)を受けた時の内部の歪み(ストレス)の事を指します。

この言葉はストレス学説のセリエが身体に対する刺激と反応による変化を表現してから、身体や精神に対してしばしば用いる様になりました。

人間に加わるストレスの種類としては、生理学的ストレス(空腹感等)、物理的ストレス(暑い寒い)、社会心理的ストレス(人間関係)の三つあると言えます。

この様なストレスの中で、現代社会で特異に現れてきたのがテクノストレスです。

このテクノストレスという言葉は1984年に米国の臨床心理学者のクレイグ・ブロードが提唱したものです。

コンピュータ関連という事でテクノという言葉を使っていますが、この言葉自体は今日では古臭い感じが否めません。

しかし、言葉は古くてもこのテクノストレスが解消されたわけでは無く更に悪化してきています。

このテクノストレスにはテクノ不安症と依存症があります。

テクノ不安症の初期には眼精疲労、頭痛、首肩のコリが現れます。

そして、第二段階は身体症状では心血管系(動悸、めまい)や消化器系(食欲低下、胃痛)等が現れ、更に不安感やいらいら感が認められます。

それら症状が進行する第三段階になると、日常生活全般にわたって意欲が減退して、『抑うつ感』も目立つ様になり、人によっては会社を無断欠勤するまでに至ります。特に機械の操作に弱いタイプの人がこの様な不適合を起しやすいのです。

またテクノ依存症では文字通り生活の中心がコンピュータになり、完全にのめりこんだ状態になります。

どちらかと言うと対人関係の苦手な人が陥り易い傾向があります。

これも最終的には抑うつ的な状態になります。

ですから、余りにコンピュータ社会が進んでしまった現在、遂にこのテクノストレスという概念は華やかなコンピュータの情報戦略のなかで隠ぺいされてしまった様に見受けられます。

緑内障に注意

2021.06.12 | Category:

大人になってから失明する原因の第1位は糖尿病性の網膜症で、2位が緑内障です。

緑内障は視神経が侵されて視野狭窄が起こり、最後には失明する危険性の高い病気です。40歳以上の30人に1人が発症、患者数は250万人とも言われるほどポピュラーな病気なのに、実際に診療を受けているのは50万人に過ぎません。

と言うのも、発症しても気が付かず、自覚症状が現れた頃にはかなり進行している事が多いのです。

しかも緑内障というのは原因や病型に色々なパターンがあって、ひとくくりにできません。

緑内障が起こるのは眼球の房水の流れが悪くなって眼圧が上がるために視神経が障害されるからで、眼圧が高いという事が一つの目安でした。

しかし日本人の緑内障では眼圧が高くならない「正常眼圧緑内障」が6割を占める為、なかなか気が付かれないのです。

視神経がいったん障害されて起こった視野狭窄はもう元には戻りません。

ですから進行させない為にもとにかく早期発見、早期対応が何より必要なのです。

眼科での検査では眼圧だけでなく、視神経の状態も検査してもらう事が大切です。

内臓脂肪はなぜ悪い?

2021.06.12 | Category: 病気を予防する

これまで脂肪といえば余ったエネルギーの備蓄倉庫位に考えられてきました。脂肪といっても、皮下脂肪と内臓脂肪とがあり、生活習慣病にとって悪いのは内臓脂肪だと言われています。

しかし単なる備蓄組織が何故生活習慣病に関係しているのか、脂肪の追いでなぜ影響の度合いが追うのか、ようやく明らかになって来た様です。

一言でいえば脂肪は単なるエネルギーの備蓄倉庫なのでは無く、様々な生理活性物質を産生する内分泌器官である事が分かってきたのです。

しかも脂肪組織の中でも内臓脂肪には特有の代謝特性があるというわけです。

内臓脂肪というのは腹腔内の、腸管膜周囲にある脂肪組織で、皮下脂肪と違って静脈が直接肝臓に入っています。

この内臓脂肪が蓄積すると、アディポサイトカイン(アディポとは脂肪という意味)を異常に分泌させるのですが、このアディポサイトカインが色々な悪さをする事が突き止められたのです。

例えばインスリン抵抗性を高める事、動脈硬化の悪玉因子として働く事等です。

また反対に、内臓脂肪が増えると糖尿病や動脈硬化を抑える作用を持つアディポネクチンの分泌を抑えてしまいます。

この他にも内臓脂肪は様々な生理活性物質を産生している事が分かって、この蓄積が機能異常になって生活習慣病をもたらすのです。

この内臓脂肪はアドレナリンやノルアドレナリンの刺激に対して皮下脂肪よりも強く反応するので脂肪分解の力が強い上に、過剰なエネルギーを脂肪に合成するのも早いので、付きやすい代わりに取りやすい脂肪ではあります。

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