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うつ痢になる人は、性格的に几帳面で責任感が強い、正直で良心的、他人に対しても調和を取る、等のパターンがあると言われています。
こうした性格は社会生活を営む上では理想的とも言える訳ですが、こうした長所が弱点ともなるのです。
つまり社会の中での役割に過剰に適応してしまおうとする傾向になり疲れてしまうのです。
すると自分に確信が持てず、自信が無かったりして過度に失敗を恐れてしまい、柔軟性を失ってバランスを崩して不安に陥ってしまうと言うわけです。
大切な人が亡くなったと言う様な場面だけで無く、昇進など本来はプラスの状況がうつのきっかけになってしまうというのも理解出来るでしょう。
更に最近では、若い人の中うつ状態の中には未熟さによる現実逃避的な抑うつが増加している事も指摘されています。
過保護や葛藤が無い成長過程によって精神的な自立が出来ていない為に、対人関係に過敏となったり、小さな事で葛藤を抱えてしまうと言うのです。
こうした傾向では社会的な適応も悪く逃避的になり、依存性が強く自己中心的な性格が見られます。
この様なうつの場合は抗うつ薬が効きにくく、性格や環境がより強く影響していると考えられます。
日本人、1億2千万人の内3%にあたる360万人がうつ病で、うつ病の前段階とも言えるプレうつ病は1千万人、潜在的にはもっと多いと言われています。
以前は30~50代の中年の人が多かったのに、最近では男女ともに20代の若者も多くなっています。
年々患者数は増える傾向にあるのに、日本では精神科医にかかる事は恥ずかしいという観念が根強く、我慢したり、会社に内緒で人知れず通院すると言う事が多いようです。
一方アメリカ人は、いつもパワフルで陽気というイメージがありますが、実は毎年1700万人もの人がうつ病と診断されて医療を受けています。
日本と大きく違うのは、かかりつけの精神科医がいる事がステイタスの様に見られる為、医療を受けるのも抵抗がありません。
薬に対しても、服用する事にほとんど抵抗感は無い様で、ビタミン剤感覚で抗うつ薬が使用されているのが現状です。
アメリカ全土で処方される薬の内、抗うつ薬のプロザックが胃薬等を差し置いて3位となっています。
アメリカ社会では結果が全てとされるので、早く効く抗うつ薬で些細な感情の落ち込みをもコントロールしてしまう傾向があります。
日本でも近年抗うつ薬の使用量が急増しています。
アメリカの様に簡単に抗うつ薬に頼ってしまうのは問題ですが、患者が周囲に気兼ね無しに精神科医にかかれる様になる事は大切な事です。
以前は子供にはうつ病は無いとされていました。
子供は精神と肉体の分離が不完全なので、心の不調はすぐ身体に影響を与え、精神症状としてよりも、チック・おねしょ・爪を噛む・どもると言った身体症状で心の悩みを表現すると考えられるからです。
しかし近年、明らかなうつ症状を表す子供が増えています。問題になっているのがうつ状態による不登校(登校拒否)の場合ですが、神経症性の不登校との違いを見分ける必要があります。
神経症性の不登校では、学校に行きなさいと言う親の催促等には過敏に反応して口答えしますが、うつ状態の場合にはそう言う事はありません。
うつ状態の子供は、学校へ行く準備等していたのに、登校時間になると頭痛や腹痛が起きて学校に行け無くなり、下校時間になると痛みが治ったりします。
また不登校だけで無く、好きなテレビゲームもしないでぼんやりしている、好物のお菓子も食べたがら無い、眠りが浅い、朝は調子が悪いのに午後は元気になる、と言う様に生活全体に渡ってうつ傾向が見られます。
ただ小学校低学年の場合には親との分離不安やストレスが原因になっている事もあります。
子供が学校に行けず、うつ状態を示す時は小児精神障害の専門医を訪ねるのが一番ですが、心身症を扱っている小児科でも対応出来る様です。
1958年に売春防止法が施行されて以来性病は半減しました。その後社会や性風俗の変化等によって増加傾向にありましたが、エイズの出現以来STDの患者は減少していました。
ところが95年頃からまたSTDの感染者が増えていて、疾患の内容も種類もこれまでの、いわゆる性病とは違って来ています。
以前は局所に強い症状が現れて感染を知る事が出来たのが、最近ではクラミジアの様に無症候性のSTDが多くなって、感染に気付きにくくなっています。
例えば性器クラミジア症は男性の場合にはほとんど症状がでない事もあって女性への感染を増やす結果となり、女性ではSTDの半分近く、第1位になっています。
初期には軽い風邪位の症状しか表わさないHIVも無症候性と言えるでしょう。また感染部位が性器だけに留まらず口腔、肛門等に及んでいる事も特徴として注目されます。
性風俗においてはエイズキャンペーン以来性交によるSTDの感染が減少する傾向にあるものの、フアッションマッサージ等性交を伴わない新たな性サービス等の出現で咽喉等性器以外の感染をもたらし、またそれが感染源になって増加しています。
また年齢的には20才代の患者数が最も多いのですが、10代後半の患者も増えて来ています。
これはSTDが歓楽街の特殊な疾患では無く、一般家庭へ広がっている事を意味しています。更に東京都で言えば全国平均の2倍もの感染率であり、STDは大都市集中型の疾患である事も特徴と言えるでしょう。
感染症には空気感染や経口感染更に接触感染など様々な感染ルートがあります。
病原体からみれば、感染しても宿主から新たな宿主に伝染するルートが必要であり、そのルートが無い限り、病原体は生き残る事が出来ません。
新たな宿主に伝染する繰り返しが起こる事を感染環といいます。ですから、伝染病の予防は原理的に、この感染環を断ち切る事にあります。昔は患者の隔離というやり方や、予防接種もまた感染環を中断させる方法である訳です。
一方、病原体からみれぱ宿主を致命的な所まで追い込む事は自殺行為でもある訳ですから、最も理想的には常在微生物として宿主と共生する事です。
性病の性交感染がSTDというより広い概念になったのは、性的活動の多様化によって病原体の感染ルートが性器だけで無くなったからです。
人間以外の動物では活発な性的活動をしていませんので、性的接触は感染環として効率的なルートとはいえません。動物の世界ではSTDは基本的には起こらないとも言えます。
つまりSTDはすこぶる人間的な病といえます。またSTDの感染環の維持にはもう1つの特徴として二次的病巣があります。
これは梅毒や淋病もそうですが感染は粘膜ですが、関節や骨や血管など別の臓器に病変を作ったり、あるいはエイズウイルスやB型C型ウイルスや性器ヘルペスの様に別の臓器に潜伏しながら感染の機会をうかがっている物もあるのです。
これらの事を考えると感染環を作り上げる新たな病原体がSTDに加わる事は間違いのない所だと思います。
施術は常に患者さんと接触するので、様々な感染症にさらされる事が多いと言えます。患者さんの中には当然STDの患者さんもいて、患者さん自身STDに感染している事を知ら無いと言う事もありえます。
STDを見逃さない事は患者さんにとっても施術師の身を守る上でも大切です。一番の判断の材料になるのは皮膚症状と言う事になりますが、普通見かけない様な発疹に接した場合、まず梅毒やHIVの可能性を考えます。
梅毒では感染後3ヵ月から3年位までの間に爪の甲大の淡い紅斑、いわゆる梅毒性のパラ疹が体幹に出ます。その後紫紅色の丘疹が多発しますが、いずれも自覚症状はありません。
また後頭部から側頭にかけて不完全な脱毛をきたす場合もあります。淋菌に感染すると、悪寒や関節痛など風邪の様な症状と一緒に四肢の関節の周囲に出血性の丘疹や水泡、膿泡等が見られますが、この症状は女性に多いものです。
サイトメガロウイルスやヘルペスウイルスに初めて感染した場合、伝染性の単核症様の症状(悪寒発熱、頭痛、吐き気、リンパ節腫脹疼痛など)が見られ、抗生物質の投与によってじんま疹が誘発される事があります。
HIVの感染でも単核症様の症状がありますが風邪くらいに思われ見逃される事が多い様です。HIV感染では3~6週間後に5~10mm位の紅斑や浮腫性の紅斑が、体幹の上の方や手掌・足の底に見られる事があります。
これらSTD感染の可能性は患者さんの風体や身なりで判断する事は危険で、子供や高齢者でもSTDの可能性がない訳では無い事も頭においておく必要があります。
クラミジアは細菌の一種で、トラコマティス、シッタシイ、ニューモニエ等全部で4種があります。
この内トラコマティスはかつて戦後の日本で、トラコーマ結膜炎を起こす事で知られていました。しかし現在では、若い女性を中心に世界的に最も蔓延しているSTDの一つとみなされています。
男性が感染した場合は排尿時にしみたり膿が出たりという尿道炎や副睾丸炎の症状で気付く事もありますが、半数は症状が出ません。女性の場合は4分の3は自覚症状が無く、気付か無い内に卵管炎等を起こして卵管がつまり、不妊症になってしまいます。
更にそのまま放置してしまうと、癌になるという報告もあります。気付くのは下腹部が痛んだりした場合で、卵管性の不妊症の6~7割にクラミジアが関係しているのです。
愛知医大の婦人科外来患者1700人以上のデータによると、平均13%がクラミジアに感染していて、特に20才未満の若い女性の感染率が高かったのです。
妊婦がクラミジアを持っていると、出産時に新生児が産道で感染して結膜炎や肺炎になる事があります。妊婦の尿中には病原体が出て来るので、遺伝子診断法で調べる事が出来ます。
男性で精液に血が混じる「血精液症」がありますが、ほとんどが細菌感染による炎症で、80%にクラミジア抗体が見つかっています。
性風俗業の女性はかなりの高率で口の中にクラミジアや淋菌等を持っていると言う事です。
癌の発生には、素因(遺伝的な体質)に環境的な因子が加わって発生するという説や、化学物質や放射線等が突然変異を引き起こす説等色々とあります。
ウイルスによって癌が引き起こされると言う説は、科学的に認められるまでには50年以上もの長い年月がかかりましたが、今では数多くの癌ウイルスが発見されています。
その中でも医学的に因果関係が立証された人の癌ウイルスは5種類です。
肝臓癌を起こす感染力の強いB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルス、バーキッド・リンパ腫と言う悪性のリンパ腫や上咽頭癌等を起こすEBウイルス、子宮頚癌を起こすヒトバピローマ・ウイルス、そして成人T細胞白血病(ATL)を起こすHTLV- I ウイルスです。
これらのウイルスの他にも尖圭コンジローマを起こすウイルスも、陰茎癌や子宮癌を引き起こすのではと考えられています。
これら癌ウイルスが、細胞をどの様に癌化させるのかと言うメカニズムについてはまだよく分かってはいませんが、問題なのはこれらのウイルスのどれもが性行為によって感染する事です。
EBウイルスはSTDの範囲には入れられていませんが、EBウイルスが原因の伝染性単核症は別名「キス痢」と呼ぱれ、唾液で簡単に感染してしまいます。
STDで最も恐るべきはエイズだと思われていますが、癌になるおそれのあるSTDが沢山ある事は知って置くべきでしょう。
性器ヘルペスウイルスには単純ヘルペスウイルスの1型と2型があります。
この性器ヘルペスは男女共にこの10年間で漸増していて、STDの中でクラミジアに次いで第2位を占めています。
性器ヘルペスは性行為やそれに類似する行為でも感染し、2~7日位の潜伏期があり、その後に様々な症状が出て来ます。
初感染の症状は、発熱、リンバ節腫脹等の全身症状を伴い、ヘルペス一般の特徴である神経走行に必ずしも一致せずに左右対称性に性器とその周辺に小水痘が現れます。
また排尿困難や排尿痛が起こり、次第に患部がびらんし、不規則な形状になって行き、膿を持ったり、潰瘍性の病変になったり、かさぶたが出来たりします。
また、口内炎や咽頭炎を併発する事も多く、頭痛や頚部硬直が表れたりします。
全軽過2、3週間で自然治癒しますが、性器ヘルペスウイルスは仙髄神経節に行き潜伏していて、疲れ、精神的ストレス、性交、紫外線等で再発します。
約8割が腰痛や下肢の痺れ等の前駆症状が数日前から起こり、性器の痒みや違和感や疼痛を感じます。
元々、単純ヘルベスの生物学的な特徴として、人に感染する部位が1型は上半身で2型は下半身という棲み分けになっていたのですが、オーラルセックス等性行為の変化によって領域が曖昧になって来たと言われています。
女性のSTD感染で問題になるのは妊娠・出産時に母から子への垂直感染が起こる事です。
一般的に胎児は胎盤によって病原菌から守られていますが、胎児は免疫その物が不十分な事、母親自身が妊娠中は免疫許容の状態にあって免疫が低下する為、感染が憎悪し易くなっています。
垂直感染のパターンは様々ですが、胎盤感染では梅毒の先天梅毒がよく知られている所です。
梅毒は細菌と原虫の間の微生物=トレポネーマによる物ですが、胎盤を通して感染する物にはウイルスによる物が多く、妊娠初期の感染では胎児の奇形や先天異常等が起こります。
クラミジア、カンジタ、単純ヘルペス、淋菌、トリコモナス等の細菌や真菌の場合は分娩時の産道感染によって感染が起こります。
産道感染が懸念される場合には帝王切開で出産しなけれぱならない事もあります。
また母乳による感染が心配される物には成人型T細胞白血病、B型肝炎等があり、キャリアの母親の授乳は避け、人工栄養にせざるを得ません。
HIVの場合は胎盤、産道、母乳の全てから感染し、小児AIDSを発症させるので深刻です。
新生児が垂直感染を受けているかどうかは成人の様な所見を表わさないので中々見分けが難しいのですが、早発陣痛、早期・前期破水、羊水の異常(混濁や異臭)、胎児の仮死、母体の発熱等が見られます。