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結合組織は臓器をつないだり、支えたりする組織ですが、結合組織が特殊に分化した軟骨組織、骨組織、血液、リンパを総称して支持組織という事もあります。
結合組織の中を血管や神経等が走っています。
この結合組織や血管壁の重要な成分を線維蛋白質(膠原線維)といいますが、この膠原線維に病変が生じたものが膠原病、つまり膠原病は結合組織の病変の総称です。
膠原病では、結合組織の中でも、特に血管を中心として炎症が起こります。
その為全身に広がりやすく、血管の炎症が起こると、一度にいくつもの臓器に病変が起きてしまいます。
また、その炎症の過程で自己免疫反応が起こる事も膠原病における臓器障害の原因になっています。
さて、膠原病には結合組織の疾患、自己免疫疾患、リウマチ性疾患の三つの顔があります。
結合組織が侵される病気自体は膠原病以外にも沢山あり、これらは結合組織疾患という範疇に含まれます。
また、正常な組織を免疫反応により攻撃してしまうという免疫の異常がみられます。
これは自己免疫と呼ばれていますが、これによって生じる病気は自己免疫疾患という範躊に含まれます。
またリウマチ性疾患は、特に関節が強く侵される全身性の結合組織の炎症性疾患であり、破壊性変形性の関節炎です。
難治性で、原因は不明であり、免疫異常の関与が大きいと考えられています。
このように、膠原病に含まれる病気にはいくつかの共通性がみられますが、一つ一つは独立した病気で、それぞれ特徴的な症状があるのです。
薬に副作用はつきものです。例えば抗がん剤等はがん細胞を殺すために他の健康な細胞を傷つけてもやむ得ないとして選択されますが、その分副作用も強く出ます。
もし薬を標的のがん細胞だけを狙って標的臓器に届けることができたら、しかもがん細胞が活性化する時間に最適な濃度の薬を効かせることができたら副作用に苦しむ事もなくなるでしょう。
この様に、薬が体内で量的、時間的、対象的にコントロールされて最適の投薬効果を目指すのがドラッグ・デリバリー・システム(DDS:薬物配送システム)です。
この考え方自体は1980年頃から研究されてきたのですが、これまで成功したシステムは多くはありませんでした。
ところが最近ではバイオテクノロジーやナノテクノロジーなどの最新技術の発展でより有効な方法が実用化されてきています。
例えばモルヒネのように、耽溺性の副作用を起こさせないで鎮痛効果を得るために、皮膚から適量ずつ吸収させてコントロールする事ができるようになっています。
また経口では吸収できなかった薬剤も鼻などの粘膜からスプレーして吸収させる事もDDSとされています。
さらに経口や経皮では1日から数日しか効かないのが、デポ剤という、1回の注射で数週間もの効果を持続させる事のできる注射等もでてきています。
その他にも超音波を使って皮膚から薬を吸収させたり、マイクロチップを埋め込んで薬をタイミングよく放出させる方法等が期待されており、副作用が少なく、少ない投与量が可能なシステムが開発されていくものと思われます。
尿酸は肝臓でプリン体が分解されてできる老廃物ですが、哺乳類一般にはこの尿酸を分解する酵素があります。
しかし、霊長類には酵素を分解する遺伝子が進化の過程でなくなり、尿酸は体内に溜まる事になりますが、この尿酸には抗酸化作用もあり活性酸素を処理する事で、長寿と関係があると考えられているのです。
しかしこの尿酸が過剰になると痛風を引き起こす事になります。
血清尿酸値中7.0㎎/dlを高尿酸血症といい、9.0㎎/dl以上になると痛風発作をいつ起こして不思議ではありません。
尿酸値を高める原因はプリン体合成の異常を起こす遺伝的な要因もありますが、やはり肥満、アルコール、激しい運動、ストレス等が最も影響します。
更に性格との間に関連かあるといわれています。
痛風の発症は40~50歳の男性に多いのですが、その年代は管理職等に就く事が多く、性格も積極的、活動的、攻撃的、責任感が強いといった傾向がみられます。
当然仕事の為に、暴飲暴食、運動不足等生活習慣も乱れがちになってきます。
最近の栄養学では肉類、卵類、魚卵等の食物由来のプリン体は体内で作られる尿酸の10~20%位、とごく一部である事がわかり、食事の内容は関係が無いと考えられていますが、カロリーを制限する事は大切です。
痛風患者の60%はがっちり型の肥満体で、肥済度が大きいほど尿酸値は高くなるからです。
運動は無酸素運動による激し過ぎる運動ではなく、速歩きや軽いジョギング等の有酸素運動をし、運動後に水分を多く摂り、尿量を増やして尿酸を尿中排泄してしまう事です。
またアルコールが分解されると尿酸が作られるので、尿酸値の高い人にアルコールは禁物です。
高尿酸血症の状態は動脈硬化が進行し、高血圧、心臓疾患等があれば更に悪化します。
検診で尿酸値が高めですといわれたら、生活習慣を見直す事が大切です。
肝臓の働きは、まさに身体の大工場です。身体の中の老廃物や毒を排泄したり、必要な蛋白質の合成、蛋白代謝、糖代謝等、毒性の高い物の解毒、消化補助などの働きがあります。
そして、それらの働きが悪くなると、肝機能検査の数値の異常として出てくるのです。
GOT、GPTは肝臓の細胞が破壊されたときに血液中に流れ出てくる酵素ですが「肝実質系酵素」「逸脱酵素」とも呼ばれて肝臓の中で起きている炎症の程度によって血液中に流れる量が変わります。
しかし、肝臓の炎症は治まっても、病変自体は進行している場合もあるので、GOT、GPTの値が正常値でも油断はできません。
また、最も多いのがγGTPの異常で、アルコール常飲者に高い数値を示すという特徴があります。
γGTPだけでなくALP、LAPは胆管系(胆汁の流出路)と関係が深く、その意味で「胆道系酵素」と総称されます。
何れも、胆汁の流れが悪くなり、血流に入る為に数値が高くなります。
γGTPは細胆管の状態を反映し、肝細胞が膨れて細胆管が圧迫されるような、アルコール性肝障害や薬剤性肝障害等で高くなりやすい性質があります。
薬、アルコール以外では脂肪肝等でも高くなります。
ALPは主に肝臓で作られ胆汁中に排泄されますが、肝炎や黄疸等があると値が高くなります。
TTTやZTTは慢性肝炎の状態が分かる検査です。ビリルビンは胆汁色素で黄疸の原因になり、肝臓の障害で数値が高くなります。
総蛋白、アルブミン、コリンエステラーゼの数値は肝臓が物を作り出す能力(合成能)を検査する指標になります。
しかし、これら数値が高くなるのは肝臓が末期的な状態になってからです。
というのも肝臓の予備力は大変大きく、80%なくても機能できるといわれているのです。
また、その他、肝臓病以外の検査で肝臓の状態を反映しうる検査として、総コレステロール、経□糖負荷試験、血小板数等が挙げられ、血液検査の比重がかなり高いのがみてとれます。
これらの、肝臓の状態を反映する血液検査を通常、「肝機能検査」と呼んでいるわけです。
C型肝炎ウイルスは輸血や予防接種によって惑染し、30年以上もかかって、肝硬変から肝がんへと進行します。年間約3万5000人が肝がんで亡くなり、その8割がC型肝炎ウイルスによるものだとされています。
最新のC型肝炎のガイドラインによると、C型肝炎には大きく分けて、強力な1型ウイルスがいる場合(患者全体の75%)と、比較的弱い2型ウイルスがいる場合(患者全体の25%)があり、それぞれに大量ウイルス(血液1 mlあたり100万個以上)と少量ウイルス(血液1 mlあたり100万個以下)がいるケースに分けられ、その4種のケースに対して方法がやや異なってくるのです。
現在、C型肝炎療法の主役となるのが、従来からある「インターフェロン」、と抗ウイルス剤「リバビリン」と従来の薬剤より強力な「コンセンサスインターフェロン」です。
以前はどのケースもインターフェロンだけで対応してきたのですが、治験成績はよくありませんでした。インターフェロンは副作用も強く、患者の身体の負担が大きかったのです。
強力な薬剤が加わった結果、最も困難な1型ウイルスが大量にいるケースでは、以前は完全駆除は7%以下だったのが、30%近くに上昇しました。
このケースのガイドラインでは、インターフェロン十リバビリンを半年間、またはインターフェロン単独で長期投与(2年間)、またはウイルス量が多い場合はコンセンサスインターフェロンの選択もあり、となっています。
C型肝炎ガイドラインは毎年更新される予定で、これまで医療機関ごとに異なってきた方針を標準化し、ウイルスを排除できない患者の状態を悪化させず、副作用が少ない方法も盛り込まれています。
武蔵野美術大学の色彩心理学者の千々岩秀彰教授の調査によると世界共通の好まれる色は圧倒的に「青」で、次に赤と緑だといいます。
人間の眼には赤・緑・青に感じる視細胞が備わっているので、この3色に敏感なのは当然でしょう。
しかし個々の色に対するイメージは民族によって違いがあって、「幸福」のイメージ色は日本やアジアではピンク、欧米では黄色だそうです。
「家庭」のイメージも日本やアジアではピンクですが、他の国では青だそうです。
アジアでは家庭や幸福に母性的なイメージ、欧米では父性的なイメージがあると分析しています。
ところで、色には暖色と寒色がありますが、心理的な両者の温度差は約3度という実験結果があります。
また、色と時間との関係で、暖色は時間の流れを遅く感じさせ、寒色は時間の流れを速く感じさせるという報告があり、その差は1時間あたり20分もあったといいます。
つまり、暖色の室内では1時間を80分位に感じ、寒色の室内では1時間なのに40分位に感じるそうです。
ということは、施術者は男性も女性も青色とピンクで服をコーディネイトして、院内全体を暖色系にすると患者さんは時間的にはたっぷり施術をしてもらったと感じ、幸福なアットホームな気分になれるかもしれませんね。
血圧は変動して当たり前、ちょっとした事で20㎜Hgや30㎜Hgは変化します。
診察室で測ると高めに出る白衣性高血圧の事は大分知られてきましたが、軽症高血圧の2割位はそうだろうと見られています。
一度位の血圧測定で高い数値が出たからといってすぐに薬を飲み始める事は危険です。
WHOでも本来15分以上の安静座位の状態で血圧測定するのが望ましいとしていますが、実際の受診では無理でしょう。
そこで患者さん白身ができる工夫として、測定前に10回以上の深呼吸をする事です。
また腕で測定するときも衣服の上からで無い方が望ましいのですが、脱げない場合は薄い物の上からにしてマンシェットの中で衣類がゴロゴロしない様に気をつけます。
家庭でも一定の時間に正しく測り、季節の変化や午前、午後の違い、精神状態によってどう違うか等、自分の血圧の傾向を知っておく事も大切です。
家庭用の電子血圧計も様々な物が出ていますが、マンシェットを巻いて上腕で測る物が安定した値が出て最も正確です。
リスト型や指先型では測る部位が心臓から離れているので値の変動が大きいのです。
上腕で測る時は机に腕を置いたりして心臓の位置と近い状態で測ります
健康に良いといわれる日本食のイメージは粗食と受け取られがちですが、血管を強くするには粗食ではいけません。
血管は蛋白質でできているといってもよく、蛋白質の不足は血管をボロボロにします。
飽食はいけませんが、蛋白質は十分に確保すべきです。
またコレステロールは動脈硬化の原因というので目の敵にする人も多いのですが、コレステロール自体はホルモンや胆汁酸の原料や細胞膜の構成として欠かせない成分です。
血中のコレステロールが減り過ぎると血管がもろくなり、脳出血を起こしやすくなります。
必要なのはアテロームを作らせたりそれを不安定なプラークにしないために悪玉のLDLを減らすことです。
そのためにはビタミンC等の抗酸化物質をしっかり摂る必要があります。
抗酸化物質は炎症物質を産生するプラークの破裂を抑えます。
一方、血管そのものを強化する成分としてはフラボノイドがあります。
フラボノイドといっても多くの植物の中から4000以上の種類がみつかっていますが、その中でも血管強化に力を発揮するといわれているのがルチンです。
ルチンはソバの実や葉、茎に多く含まれていて、内膜を厚くし、弾力性を強化するだけでなく、血液その物もさらさらにしてくれます。
ソバの中でもモンゴルや中国産の韃靼ソバは日本ソバの100倍ものルチンを含んでいます。最近ではスーパーでも手に入ります。
脳クモ膜下出血の80%以上は、脳の動脹血管にできた動脈瘤の破裂によるものです。
動脈瘤は、脳底へ向かう動脈が枝分かれする分岐点の股の間にできやすく、破裂する前の自覚症状はほとんどありません。
脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血の死亡率は高く、病院に運び込まれる前に20%が、入院できても30%が出血と合併症のために死亡します。
つまり2人に1人は亡くなります。運よく出血が治まっても適切な処置をしないと3入に1人が再出血で死亡するのです。
対応はほとんどが関頭手術で、破裂した動脈瘤の根元をクリップで挟んで止める方法がとられてきましたが、動脈瘤の場所によっては開頭手術が難しい場合もあります。
新な手術は血管内手術で、先端に細いコイルのついたカテーテルを大腿部付け根の血管から入れて脳底まで進め、コイルを脳の動脈瘤の内部に丸めてつめるのです。
この方法で塞いだ動脈瘤にはもう血液は入らず、圧力がかからないので破裂する心配がなくなります。
欧米の医療チームが発表した論文によると、比較的軽いクモ膜下出血の患者2000入を2つに分け、関頭手術と血管内手術それぞれの方法を実施。1年後の状態を調べると、死亡していたり重い障害が残っている割合は開頭手術が30.6%、血管内手術は23.7%でした。日本でもデータでは、良好な成績が報告されています。
血管内手術は脳に直接触れないため、身体への負担が軽くて回復が早く、重い後遺症が残る割合も少ないのです。
脳動脈瘤の血管内手術の適応例は3割位あるのです。
1.親動脈の直径が2.5~4mm以下 2.動脈瘤のネックが4mm以上またはドーム/ネック比が2未満 3.動脈瘤の最大径が7mm以上 4.抗血小板剤及び抗凝固薬が禁忌でない方 5.未破裂脳動脈瘤である。 脳神経血管内学会があり、認定医制度を設け試験に合格した医師を認定医とした事をしています。
血管内手術ができる医師はまだまだ少なく、今後いっそう期待される手術法です。
循環器疾患というと心臓が第一ですが、その予防に運動は大変有効です。
心臓は収縮期に動脈血を全身に送り、拡張期に静脈血が入り込みますが、運動によって筋肉は緊張時に静脈血を心臓に送り返し、弛緩時に動脈血を引っ張ります。
全身の筋肉が伸縮を繰り返す事は心臓の働きである血液循環を補佐するので筋肉は第2の心臓とも言え、運動で筋肉を鍛える事は大切なのです。
また運動する事で心拍数が増えると共に最大血圧も増加し、最小血圧はやや減少する箏で、脈圧は増加して、血管の弾力性を維持し動脈硬化を防ぎます。
更に新しい毛細血管を作る生み出す力にもなり、全身の血液循環が良くなるのです。
従来循環器疾患において運動は発作を起こす引き金になる事を恐れ、積極的には行われませんでした。
しかし最近では狭心症や心筋梗塞等の再発予防の為に医師が運動のこの能力を促す為に運動処方がされる様になってきたのです。
高血圧、高脂血症、糖尿病等の生活習慣病の予防、脳への血流が増加する事でボケ防止等、運動による効果は数多くあります。
運動は有酸素運動であるウォーキングや水泳等が最も有効で無理なく身体を動かし、30~60分を週に3日行うのが理想です。
運動強度は脈拍を見ながら決め、30代では120~125、40代では115~120、50代では105~115、60代では100~110が目安になります。
汗をかくと血液の粘調度が増すので、必ず水分補給をする事が大切です。
また、循環器疾患の薬を服用している場合は運動を行う前に必ず医師と相談する事です。
いずれにしても運動は身体の血液循環を良くする為には欠かす事ができない予防法です。