- Blog記事一覧 -6月, 2021 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 4の記事一覧

6月, 2021 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 4の記事一覧

ワーファリンに注意

2021.06.19 | Category: 循環器

動脈硬化や心筋梗塞などの循環器系の薬にワーファリンがあります。

この薬は血液凝固に必要な血漿蛋白質合成に必要なビタミンKの働きを抑える事で、血液を固まりにくくさせる物です。

しかしこのワーファリンを服用するには細心の注意が必要です。

まず服用を忘れると心筋梗塞等の症状が悪化したり、反対に飲み過ぎると出血しやすくなります。

更に様々な食べ物、薬の相互作用が大変大きいのです。

食べ物の筆頭は納豆で、ビタミンKを多く含む上に納豆菌が腸内でビタミンKを作る為に最も禁忌の食べ物とされています。

他にブロッコリー、ほうれん草、トマト、アスパラガス、キャベツ、レタス、海藻類がビタミンKを多く含みます。

更に他の薬との飲み合わせに問題が多く、例えばH2ブロッカー系の胃薬を一緒に飲むとワーファリンの分解が遅くなり、その為に薬効が増強され出血傾向となります。

効果が増強する物には他にアルコールや解熱鎮痛剤、抗生物質、消炎剤、アスピリン等があって、消化管・鼻・歯茎からの出血、傷口からの多量の出血、月経過多、血痰、赤色またはコーラ色の尿、赤色又は黒色便、立ち眩み、ふらつき、皮膚の内出血等の副作用が出る事があります。

歯科で抜歯後等は解熱鎮痛剤のボルタレンを処方される事があるのですが、致命的な合併症を引き起こす事もあり、大変危険です。

その他糖尿痢、痛風、甲状腺等の薬との飲み合わせも注意しなければなりません。

こんな薬が薬の名に値するのか疑問ですが、実際には多くの人が飲んでいる薬なのです。

血管の病気とその兆候

2021.06.19 | Category: 循環器

既往歴、生活習慣病の有無、血液の検査数値等の問診で血管の病気はある程度推測出来ます。

しかし、実際の身体に表れる身体の変化は視診や触診がなにより大切です。

血管は先天性の異常もあるし、動脈硬化、血栓症、感染、血管の炎症、腫瘍、外傷等様々な原因で障害されます。

血管の障害により血栓や塞栓が生じると、血液の循環が阻害されてその先の末梢の部位が虚血になったり、その部位が心臓や脳であれば致命的な梗塞が起こります。

また血管に表れる病気は血管が詰まる閉塞性病変だけで無く血管が膨らんでしまう動脈瘤や静脈瘤のような拡張性病変もあります。

特に四肢に表れる血管病変は視診が重要です。

血行に何らかの障害があれば、下肢などの皮膚に色調の変化(蒼白あるいは紅斑)、チアノーゼ、腫脹、浮腫、硬化、肥厚、乾燥等が表れます。

更に手足の先の潰瘍や壊死の形成に進む場合もあります。

慢性的な動脈病変の場合には、栄養が障害され足が細くなったり、爪の変形、脱毛もよく起こります。

また虚血の状態を知るには重力に抗するように手足を挙げると皮膚は蒼白になり、下げると暗紫色に変色する事もあります。

更に正常の足に比べると皮膚の色の回復する時間が長くなります。

また、血管の病気がある側の皮膚温はおおむね冷たく、両手で両下肢を触り皮膚の温度の左右差を見る事も大切です。

動脈を触知できる脈の強さも左右で違ってきますから、脈を見る事も重要です。

この様な視診や触診で四肢に表れた状態は全身の状態を知る上でも大切です。

隠れ水虫

2021.06.19 | Category: 皮膚

自分は水虫では無いと思っている人の中にも実は水虫に感染していると言う人は多いのです。

水虫の症状と言えば強い禅み、趾の間のジクジクやカサカサの皮膚症状が特徴ですが、そういう症状の無い痒く無い水虫があります。

その様な痒く無い水虫には角化型(足の皮が厚くなるタイプ)と爪に菌が住み付く爪白癬のタイプがあり、角化型は足の裏や踵がガサガサになり、爪白歯では爪が濁ったり厚くなったりします。

踵がガサガサでストッキングがすぐに伝染すると言う女性は多いですが、加えて爪が濁ったりしていればほぼ隠れ水虫と言えるでしょう。

また老人の中には爪が厚ぼったくなっていても老化現象だと思っている人がいますが、これも爪白癬と言う水虫である事が多いのです。

この水虫には塗り薬を使っても爪や踵には浸透し難いのでなかなか改善しませんが、菌だけは撒き散らすのでこうした一見水虫でないような水虫も他人に感染させます。

しかも同じ白癬菌でも人によって症状の出方が違うので、染された人が痒い水虫になる事もあります。

こうした隠れ水虫を治すには皮膚科できちんと診断を受けて飲み薬を処方してもらうしかありません。

リハビリをやり過ぎの注意

2021.06.19 | Category: リハビリ

リハビリに消極的な人も困りますが、頑張り過ぎる人は早く治そうと思ってやり過ぎる事があります。

筋力を鍛える場合、筋肉を使えば一時的に筋肉は疲れ、その疲れが回復する時にはその前の段階よりも強くなるので、トレーニングはその事を応用して筋力を強くします。

しかしハードな訓練では疲れがすぐに回復せず、2、3日休んでようやく回復すると言う様な過用性筋力低下の状態になる事があります。

それどころかもっとハードな訓練では過用性筋損傷と言って完全には回復しない事すら起こります。

これは筋力の訓練だけで無く、心肺機能等の全身的な訓練についても言える事で、通用性の体力消耗が起こると機能回復どころでは無く状態はかえって悪くなってしまいます。

早期にリハビリを開始する事は大切ですが、安静による廃用症候群を防ぎつつ、過用症候群をも防ぐと言う微妙なバランスを取らなければなりません。

その方法は、リハビリは“少量頻回”で行うと言う事です。

例えば1回につき10分~15分の訓練を1日に10回と言う様に、集中的に行うのでは無く、充分な休養を間に挟んで回数多く行う様にすると良いのです。

尿失禁を治す

2021.06.19 | Category: リハビリ

尿漏れで悩んでいる人は結構いる筈ですが、恥ずかしくて相談出来ない事が多い様です。

圧倒的に女性に多く、中でも多いのは腹圧性尿失禁です。骨盤底筋群、尿道の括約筋や平滑筋が弱る事で膀胱に尿を止めておく力が弱くなり、くしゃみをしたり重たい物を抱えたりした瞬間に尿が漏れてしまいます。

一般に40才を過ぎると急激になりやすくなりますが、太っている事、お産の経験等によってもなりやすくなります。

重症の場合は手術やアドレナリン受容体刺激剤、抗コリン剤、女性ホルモン等の薬によって改善する事になりますが、軽症の場合、多くは骨盤底筋体操で軽快します。肛門に力を入れて締め、膣と尿道の回りも締めます。膣から肛門の辺り全休を腹部の中に引き上げる感じで力を入れます。

そのまま10秒ほど締めたらゆっくり緩めます。短い間隔で収縮させるのでは無く、ゆっくり、じんわりと収縮させる方が効果的です。

また腹筋や背筋、膣の筋肉を使わないで骨盤底に神経を集中したほうが骨盤底の筋肉はよく動くので、仰向けに寝て膝を立てた状態で行うのがより効果的です。

1日に50~100回、何度かに分けて行ってもOKです。最初は上手く出来ませんが毎日トレーニングしている内に上手に出来る様になります。

おしっこを途中で止める方法は、頻尿等の排尿のトラブルに結び付くのでよくありません。

嚥下障害のリハビリ

2021.06.19 | Category: リハビリ

嚥下は口、喉、食道を経由して胃までの一連の運動でなされ、極短時間に行われます。

脳卒中による嚥下障害は左右大脳の両側損傷によって、喉が麻痺する(仮性球麻痺)事で起こります。

この障害では喉の神経が麻痺しているので、食べ物が上手く飲み込めずにつかえてしまったり、流動物が誤って気管の方へ入ってむせたり、飲み込んだと思った食べ物が鼻の方に戻って来たりします。

又よだれがいつも口から垂れていると言った事が起こります。

重症の仮性球麻痺の場合は、食べ物がむせて肺に入り込み肺炎を起こす事を防ぐ為に鼻腔チューブを使用したり、お腹から胃に直接チューブを通す胃瘻手術をする事もあります。

中等度の仮性球麻痺では、固形物はむせる事が少なくなり、栄養補給は出来ますが、流動物にはむせやすい為水分不足で脱水となる事があります。

このような場合は寒天やゼリーや市販の食品増粘剤を利用して、半流動物状にすればむせるのを防ぐ事ができます。

嚥下障害が軽ければ、専門の訓練士と相談しながら嘸下のリハビリをすればよいのですが、患者本人が「口から食べたい」という欲求とリハビリに費やす時間と労力が必要なのです。

リハビリの最初は食べ物を用いず、むせずに唾を飲み込む事から始めます。

次には少量の固形物、次に半流動物、そして液体と段階を追って行いますが、リハビリは必ず医師か訓練士が吸引装置を常に準備して行います。

リハビリに携わる専門職

2021.06.19 | Category: リハビリ

患者に器質的な機能障害がある場合、リハビリ訓練のプログラムを組み、これを実践しながら患者や障害者が積極的に生きていける様に援助を行う専門職には様々な物があります。

理学療法士(Physical Therapist)は、脳卒中で運動機能や感覚や高次脳機能が低下した患者や、交通事故や怪我等で筋肉・骨や脊髄を損傷した患者に対し、座る事や立つ事や歩く事と言った、基本的な動作能力の回復を図ります。

かつては症状が落ち着いた慢性期の患者に対してリハビリを行ったのですが、最近では急性期や手術の術前術後・救急患者・重症患者、新生児等に対して早い時期から理学療法を実施するケースが増えています。

作業療法士(Occupational Therapist)は、身体障害・精神障害・発達障害・老年期障害を持つ人達に対して、日常生活に適応する為の動作能力の回復を図ります。

機能的作業療法では粘土細工や手工芸等の作業を通して上肢や手指の訓練を行い、応用として食事や洗面等身の周りの日常生活動作訓練を行います。

言語聴覚士(Speech Therapist)は平成9年に国家資格となった新しい資格で、事故や脳卒中の後遺症として発生する失語症、子供の場合は口蓋裂や難聴・吃音・自閉症等による言語発達の遅れが対象となります。

また発声器官である口腔の機能が低下すると摂食障害や嚥下障害が起こるので、これも言語聴覚士の役割となります。

なお、他にも義肢装具士、視能訓練士、精神保健福祉士等の専門職があります。

リハビリと義足

2021.06.19 | Category: リハビリ

義足のオスカーピストリウスが両足切断クラスの世界記録者の選手が殺人事件で有名になりました。

今は障害者の100m200m400mの世界記録で健常者記録の逆転がいつの時期になるかが話題になっています。

両足にカーボン素材のばねを付けて走る事から可能性が非常に高くなっています。

この様な記録をつくれるのも競技用の義足の開発があればこそです。

義足の歴史は古くルネサンス時代には考案されていますが、長い間中々良い義足は作られていませんでした。

しかし、第二次世界大戦で足を無くした沢山の負傷兵の社会復帰の為に、新しく考案された義足が作られる様になったのです。

従来の大腿切断の場合では、歩くだけでも大変な負荷がかかっています。それは切断の先端部で体重を受ける構造になっていたからです。

最近では坐骨結節で体重を受ける様に改良されているのです。つまりお尻の部分で受けているので、負荷に耐えられるのです。

それに現在は油圧シリンダーやカーボン繊維等でよりスムースな動きが出来る様になっているのです。

また、下腿切断の場合も先端部ではなく、膝蓋骨のすぐ下の膝蓋腱の部位で体重を受ける様な構造になっています。

いずれの場合も先端部より、はるか上の所で体重を支えているので、歩いても走っても痛くない訳です。

これも、体重の分散を考えた義足作りの中で生まれた技術革新があれぱこそなのです。

現在の義足の進歩は目ざましく、股関節から足を全部取ってしまった場合や更に骨盤を半分取ってしまった場合でも、それに適した義足が開発されています。

失語症

2021.06.19 | Category: リハビリ

失語症は大脳の左半球にある言語中枢が障害されて、言葉を用いて考えたり、話したり、書いたりする事が出来無くなる事を言います。

普段使う言葉には、声で話したり聞いたりする話し言葉と、読んだり香いたりする文字言葉があり、失語症では程度差はありますがこれら全てが障害されます。

主な症状としては、頭で思ったイメージを言葉に出来ない喚語障害、間違った言葉を言ってしまう錯語、「てにをは」が抜けた様な話し方をする文法障害、長い文章を聞いて理解する事の障害、数字を間違えたり計算が出来ないと言った事があります。

またウェルニッケ失語(感覚性失語)という失語症では、話し言葉は流調に出て来るものの何をしやべっているのか意味不明の「ジャーゴン失語」という特徴的な話し方をします。

失語症で不思議な事の一つに、漢字は良く分かるのにひらがなやカタカナは良く分からないと言う事があります。

漢字は文字その物に意味がある表意文字で、大脳のあちこちの分野で色・形のイメージ等を記憶している為、ひらがなやカタカナのように表音文字で一字一字には意昧の無い文字に比べて良く理解出来るからです。また、言葉が話せなくても歌は歌えると言う事があります。

言語中枢は大脳の左半球ですが、歌う能力は右半球にあり、歌は言葉と言うよりも記憶の形で脳にしまわれている事が多いからです。

失語症の回復は、発症1~3ヶ月位までは急速に改善し、その後はゆっくりとした改善になります。

聞く・話す・読む・書くの順に回復し、計算する能力は最後まで回復が遅れます。

早期離床のすすめ

2021.06.19 | Category: リハビリ

病気や怪我の急性期には安静にしていなければなりません。

しかし、安静にしている間にも心身を使わ無い為の機能低下=廃用症候群は起こっています。

この廃用症候群は老若にかかわらず起こりますし、一般に考えられているよりも深刻な状態に結び付きます。

廃用症候群は、局所的には関節拘縮、筋萎縮(筋力低下・耐久性低下)、皮膚萎縮、褥瘡等が、全身的な物では心肺機能の低下、消化器機能低下(食欲不振・便秘)、易疲労性が起こり、精神的な面では知的活動低下、うつ傾向、自律神経の不安定等が見られます。

つまり心身共にあらゆる機能が低下する訳です。

これらの廃用症候群を予防する為にはとにかく早期の離床が大切で、欧米では以前から「安静の害」が言われています。

虫垂炎や普通の出産であれば1泊程度の入院で済ませるのも、この考え方によるものです。日本では病気になったら安静に寝ている事が良しとされていますが、それが“必要以上の安静→廃用症候群による体力低下→易疲労→安静→寝たきり”という悪循環をもたらす事になり、リハビリの開始を遅らせる事にもなっているのです。

離床が遅れれば遅れるだけ回復は困難になってしまいます。

状態が非常に悪い時以外は日中は臥位をとらず座位でいる事、とにかく早く歩き始める事が大切です。

この廃用症候群の予防はリハビリの前提となる物で、廃用症候の予防無くしてはリハビリの効果を上げる事は出来ません。

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