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人間の身体の60%は水です。その・内訳は細胞内に72%、細胞外に20%あります。
骨でさえその30%は水なのです。乳幼児では体重の80%が水分ですが、老人になると50%以下に低下しています。
段々水気が無くなる事が老化だという事も出来ます。
つまり老化によって身体の新陳代謝が衰えると、体内で作られる水の量が減少して、消化器での水分の吸収効率も悪くなり、おまけに水分は尿として出て行きやすくなる為に、益々体内の水分が失われる事になります。
その過程で水分不足から来る血液濃度の高まりが血液を流れ難くさせ、それに伴って不定愁訴も起こる訳です。
また、その様な状態が長く続くと血管壁も硬化しやすくなります。老人の不定愁訴の裏にはこの慢性的な水分不足が隠れている事があります。
特に喉の渇きに鈍感になり、水分補給を怠る傾向があります。
寄生虫の研究者として知られている藤田紘一郎さんは、世界中の水を実際に飲んで研究していますが、「良い水」を補給して老化を防ぐ事を提唱しています。
良い水の条件は、有害な物質を含まない。ミネラル成分をバランス良く含む。水の硬度は極端に高過ぎない。酸素と炭酸ガスが充分溶け込んでいる。弱アルカリ性の水。水分子のクラスターが小さい。酸化・還元電位が低い事をあげています。(クラスターとは水の構造の最小単位の事。水は現在5~10個の水分子が水素結合で結ばれていると考えられています)
太陽はl1年周期で活動が活発になると言われて活動が活発だと、紫外線の量もかなり多くなります。
紫外線にはA(400~321)B(320~281)C(280以下)の3種類の波長があり、オゾン層を通過して地表に来るのはA・B波です。
紫外線の多い地域では皮膚癌が増えている事は疫学的に判っていますが、特に皮膚へのダメージが強いのがB波320~281ナノメーターの中波長です。
皮膚のDNAを損傷する力が強く、皮膚癌を引き起こします。オゾン層の破壊が進み、波長の短い紫外線(260~320ナノm)が漏れて来ています。
オゾン層が1%破壊されると地上に到達する有害紫外線が2%程度増え、皮膚癌が14%程増えると言われています。
特に注意しないといけないのは、高血圧、心臓病、抗癌剤、抗性物質等を長期間服用している人です。
薬の代謝産物が皮膚に沈着して紫外線と化学反応を起こして日光過敏症になり、それから皮膚がザラザラする日光角化症に移行し、それが癌化する確率は服用していない人に比べ10倍高いと言われています。
薬を長期間服用している人は紫外線対策を欠かせません。
「肌をさらさない事」が原則で、つばの広い帽子、サングラスの着用、袖の長い衣服でなるべく肌を覆う事です。露出する部分は、日焼け止めクリーム(UVクリーム)を塗ります。
サプリメントは生活の中に定着していますが、飲み方のタイミングで、より効果を上げる事が出来ます。
基本的に、サプリメントは食後に飲みます。食後は消化液も沢山出ているので成分もより吸収されるからです。
ビタミンA、D、Eは脂溶性で、体内に留まるので1日に1回でも良いのですが、ビタミンCやB群は水溶性で3時間もすれば余分な量は排泄され始めます。
ですから1日の内でも分散させ、少量を毎食後に飲むのが理想です。
飲み合わせの点で言えばビタミンB群はどれもが協同して働きますから、B1だけとかB2だけと言うよりもB群が万遍無く入っている物が良いでしょう。
又ビタミンA、C、Bは協同して抗酸化の力をより発揮しますから一緒に取りましょう。
その時、鉄剤はビタミンEと一緒に摂ると効果を消し合ってしまいます。両方飲んでいる人は8時間以上の時間以上の時間差を取って飲むべきです。
もっとも鉄剤は自己判断で飲むミネラルではありません。
鉄の過剰摂取は免疫を傷め、癌の発生に関係するのであくまで医療上必要となった場合にだけ飲むべきです。
カルシウムの場合は午前中と寝る前に飲むのがベターです。
ビタミンCやビタミンDと一緒に摂るとより効果的ですが、ビタミンDはあえてサプリメントとして摂る必要は無いでしょう。
全体にミネラルは食物繊維と一緒だと吸収され難くなりますが、これはサプリメントの成分だけで無く食品の場合でも同様です。
運動は誰にとっても必要ですが、若い人と高齢者では条件や、やり方が違います。
体の機能としては高齢者では脚筋力、柔軟性、歩行能力、持久力、平衡機能等の衰えが目立ち、特に下肢の衰えは70代では20代の60%しかありません。
中でも股関節外転筋力、足関節の背屈力や底屈力が一様に低下しています。
平衡機能も低下し、閉眼片足立では若者の20%しか出来ません。
従って高齢者では体力向上を目的とするよりもQOLを高める事に重点が移ります。
つまり筋力増強その物を目指すと言うよりも、神経筋回路を剌激したりバランス感覚を高める事で転倒(→寝たきり)を予防したり、全身の恒常性を維持する事が期待出来るのです。
また運動機能の高い高齢者ほど意欲や根気、勇気等を持っていて、不快、苦痛、不満、恐怖等に対する抵抗力も高いと言われているので精神面に与える影響も見逃せません。
運動としてはやはりウォーキングが一番ですが、やや早歩きを目指すのが良く、1週間当りの歩行距離が長いほど脚筋力は高くなります。
その場合、歩幅を広くすると地面からの反発力が大きく、膝や足関節に与える衝撃が大きいので初心者は無理に歩幅を広くしない様に気を付けなければなりません。脚筋力が付いて来ると自然に歩幅は広くなります。
不老長寿の研究人の細胞を培養すると、約50~60回の分裂で寿命が来て活動を停止します。
染色体の両端にテロメアと言うDNAと蛋白質の複合体があり、細胞が分裂して染色体が複製される度にテロメアが短くなって行きます。
短くなり過ぎると細胞が不安定になり、細胞が自衛の為分裂を止めてしまうので、テロメアの事を「命の回数券」と呼ぶほどです。
赤ん坊から老人まで様々な年代の人の細胞を調べてみると、テロメアの長さは赤ん坊では長く、老人では短くなっています。
しかし生殖細胞や癌細胞の様に無限に増殖出来る細胞はテロメアが短くなりません。
テロメアの短縮を抑えるテロメラーゼと言う酵素を備えているからです。
普通の細胞にテロメラーゼの働きを持たせれば細胞は死な無くなり、癌細胞からテロメラーゼの働きを奪えば癌の増殖を抑える事が出来ます。
1998年アメリカのベンチャー企業のジェロン社が、遺伝子操作でテロメアを長くしたり、テロメラーゼの働きを抑えたりする事に成功したと発表、同社の株価が急騰して取引停止となる騒ぎが起こりました。
アメリカ国立老化研究所は老化した細胞を分裂させた若い細胞に置き換えれば平均寿命を120歳まで延ぱせると見ているそうですが、一つひとつの細胞を不老不死にしても長寿にはなら無いとの見方もあります。
寿命は細胞の寿命だけで無く遺伝的素因のホルモンや免疫の働き、環境要因の活性酸素など様々な因子が絡んでいるからです。
特に活性酸素はテロメアを傷つけると言う報告があります。
疲労は誰にでも起こり休めば治る物で、疲労その物が病気とは思われていませんでした。
しかし疲労には「心の疲労」と「身体の疲労」があって、心の疲労が酷くなると神経症(ノイローゼ)や心身症に陥り、適切な施術が必要になります。
そして身体の疲労も酷くなると「累積疲労」という状態に陥り、各種の検査をしても異常が認められ無いのに神経症や心身症と似た様な精神的・肉体的症状を呈します。
累積疲労の初期にはイライラ・単純ミス・独り言・体がだるい、と言った症状がみられ、中期の前半では決断力の低下・頭痛・肩こり・耳鳴り・動悸・めまい・手足のしびれ、聴覚過敏等の症状が表れます。
この中期前半までならば、仕事量を減らす、睡眠を多く取る等、生活習慣を改善する事で自分で改善する事が出来ます。
ところがこれらの症状に加えて、性格が暗くなり笑いが出なくなったり、いくら寝ても眠くていつも寝ていたいと言う、中期後半の症状が出てくると要注意です。
更に目の下にくまが出来る・真っ直ぐ歩け無い・怖い夢を見たり何度も夜中に目を覚ます・人混みに出られ無い・死にたいと思う、等の末期まで行くと、これは神経料や心療内科の受診せねば改善出来なくなります。
末期でも検査で異常は出ないので放置していると、仮面鬱病になったり、最悪の場合は過労死に至る事があります。
話題になった慢性疲労症候群は原因不明で方法も確立されておらず、累積疲労とは別の病気だと考えられています。
「累積疲労」は、数年間に渡る肉体的疲労の蓄積が原因である事がはっきりしていて、適切に受診すれば1~3ヶ月で良くなるのです。
最近では弱い運動強度という意味で身体活動という言葉が使われます。
従って”身体不活動”とは、体力をつけるための運動(exercise)が不足しているというだけで無く、体がエネルギーを消費する様な動き(physical activity)が充分で無く、その為に健康を維持出来ていない状態をいいます。
アメリカでの試算(日本ではこの様な試算は行われてい無いので)では、年間25万人が身体不活動の為に死亡しているとみなされ、それは死亡人口の12%に当ります。
日本でも1回30分以上の運動を週2回以上行っている人は4人に1人程度に過ぎないので、身体不活動による死亡もかなりの数に上るだろうと思われます。
つまり身体不活動による医療費も膨大な物に上っている筈なのです。
この身体活動の量は生活習慣痢に関係し、健康寿命の期間を左右します。
体力のレベルがある程度保たれていれば、高コレステロール、高血圧、慢性疾患を持っている等の危険因子があっても、体力のレベルが低い人よりも危険度は低くなります。
運動量と体力向上との関係で言えば、運動には容量依存性があり、運動すればするほど体力向上に効果的です。
体力が低ければそれだけ効果も上がりやすく、身体活動に費やすエネルギーが多いほど死亡危険率は低くなり、それは70才代までの全ての層について言えます。
週に3000kcal(ウォーキングなら11時間、ジョギングなら7時間半)以上も消費する様な活動量になると流石に効果は頭打ちになりますが、かなりの活動量が体力増強に役立つ事は確かです。
骨粗鬆症の予防にはカルシウムやビタミンD、E等を充分に摂りつつ、骨密度の低下に歯止めを掛ける事が大切です。
まず偏食がカルシウム不足にする事は当然ですが、低蛋白の状態では骨形成が抑制されるので充分な蛋白質を確保しなければなりません。
しかし一方で蛋白質や食塩の過剰摂取は尿中カルシウム排泄を増加させるので蛋白質の過剰も逆効果となります。
骨量を減少させる物の一つにアルコールがあります。
これはエタノールが骨芽細胞に対して増殖を抑制する作用があるからです。
特に思春期は骨量が最大に向かう大切な時なので未成年の飲酒は骨にとってもマイナスなのです。
また女性はアルコールに対する感受性が強く、同量のアルコールでも男性より肝障害や骨粗鬆症になり易いのです。
骨量が急激に減少する更年期の大量飲酒は女性にとってはかなりのダメージとなるでしょう。
もっとも適度のアルコールは骨量を増加させるという報告もあるので、これまたほどほどならOKと言う事でしょう。
蛋白質にしてもアルコールにしても過ぎたるは及ばざるがごとしと言う訳です。
またコーヒーのカフェインは腸管からのカルシウム吸収を抑えてカルシウムの尿への排泄を促進します。
タバコも骨にとって良くありません。
ニコチンは腸管からのカルシウムの吸収や骨芽細胞の機能を抑制し、おまけにカルシウムの尿中排泄も促進します。
喫煙には良い事は何もありません。
脳の活動を調べる為には、動物の場合は電極を刺したり局所を切除する事でその機能を確認できます。
しかし人間の場合はこの様な事は出来ないので、事故や病気等で脳を損傷した患者を観察する事で推論していました。
しかし脳を損傷せずに調べ事が出来るPET(陽電子放射断層撮影法)が1990年代初期に出来、更に機能的MRIの出現により、脳の血流量の継時的変化を見て、約2mmの解像度で活動中の神経細胞群の位置が画像で分かる様になりました。
これにより前頭前野の活動の様子が分かり、我々の精神活動すなわち意識を司る中枢の存在が次第に解明されて来たのです。
その部位の事をワーキングメモリと名付けたのはイギリスの認知心理学者アラン・バトリーでした。
このワーキングメモリは「行動や決断の為に必要な様々な情報(記憶情報を含む)を一時的に保持しながら、それらの情報を組み合わせる事で、行動や決断を導き出すための認知機能」と定義しています。
さて、その意識の中枢として今脚光をあびているのが前頭連合野の特にその背外側部にある46野と呼ぱれている部位です。
この部位は空間情報や言葉をワーキングメモリに記憶する時に活発に活動している事が機能的MRIによって明らかにされたのです。
しかし脳の持つ複雑で多層的な活動と機能を考えるとこれが意識の中枢だという結論には至っていないのが現状です。
1998年以降、アメリカで開発された新しい薬が次々と日本でも発売され、話題となりました。
主なものに勃起不全改善薬のパイアグラ、発毛剤のミノキシジル(リアップ)、うつ病薬のSSRIなどがあり、これらの薬はアメリカではライフデザイン・ドラッグ(生活改善薬)と呼ばれています。
これらの薬に共通するのが、飲まなくても生命にかかわるものでは無いけれど、「生活や人生を豊かにしてくれる」働きがあります。
これらの新薬は元々アメリカの医薬品開発の最先端の研究から生まれたもので、バイアグラは心臓病の血管拡張剤として、ミノキシジルは血圧降下剤として開発されました。
思わぬ副作用の方が効果があると分かって、急きょ開発用途を変更して誕生したのです。またうつ病薬のSSRIはアメリカで爆発的人気になり、その代表的なものがプロザックです。
SSRIは日本でば99年6月に発売されましたが、アメリカのように気軽に精神科医にかからない為か、それほどの人気にはなっていません。
また低用量の経口避妊薬ピルは申請から9年たってようやく日本でも承認され、99年9月から発売されました。
そして2000年春にアルツハイマー病薬「アリセプト」が発売され、予防や進行防止に効果を上げています。
これらの薬の他にも、スイスで開発された肥満薬「ゼニカル」は、膵液の消化酵素リパーゼの働きを抑えて脂肪を7割しか吸収させないようにした画期的な薬です。