- Blog記事一覧 -不老長寿の研究
不老長寿の研究人の細胞を培養すると、約50~60回の分裂で寿命が来て活動を停止します。
染色体の両端にテロメアと言うDNAと蛋白質の複合体があり、細胞が分裂して染色体が複製される度にテロメアが短くなって行きます。
短くなり過ぎると細胞が不安定になり、細胞が自衛の為分裂を止めてしまうので、テロメアの事を「命の回数券」と呼ぶほどです。
赤ん坊から老人まで様々な年代の人の細胞を調べてみると、テロメアの長さは赤ん坊では長く、老人では短くなっています。
しかし生殖細胞や癌細胞の様に無限に増殖出来る細胞はテロメアが短くなりません。
テロメアの短縮を抑えるテロメラーゼと言う酵素を備えているからです。
普通の細胞にテロメラーゼの働きを持たせれば細胞は死な無くなり、癌細胞からテロメラーゼの働きを奪えば癌の増殖を抑える事が出来ます。
1998年アメリカのベンチャー企業のジェロン社が、遺伝子操作でテロメアを長くしたり、テロメラーゼの働きを抑えたりする事に成功したと発表、同社の株価が急騰して取引停止となる騒ぎが起こりました。
アメリカ国立老化研究所は老化した細胞を分裂させた若い細胞に置き換えれば平均寿命を120歳まで延ぱせると見ているそうですが、一つひとつの細胞を不老不死にしても長寿にはなら無いとの見方もあります。
寿命は細胞の寿命だけで無く遺伝的素因のホルモンや免疫の働き、環境要因の活性酸素など様々な因子が絡んでいるからです。
特に活性酸素はテロメアを傷つけると言う報告があります。