- Blog記事一覧 -12月, 2020 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 3の記事一覧

12月, 2020 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 3の記事一覧

薬とうつ状態

2020.12.18 | Category: うつ病

高血圧の薬によってうつ病・うつ状態が起こる事があります。

ラウオルフィア剤(インド蛇木に含まれるアルカロイドの主成分、特にレセルピン)の高血圧薬はセロトニン、カテコールアミンを枯渇させて鎮静効果をもたらし血圧を下げるもので、それがうつ状態。を起こしやすいのです。

降圧剤のメチルドパは代謝されて中枢性のα受容体を剌激して血圧を下げますが、これもうつ状態を起こしやすい高血圧の薬です。

以前うつ病・うつ状態になった事のある人や、家族に既往症のある人はこれらの降圧剤は避けるべきです。

他の安全な降圧剤の中にもうつ薬との相互作用を持つ物があるので降圧剤を飲み続ける時はうつ状態、不眠、倦怠感等に注意すべきです。

また色々な疾患に用いられている副腎皮質ホルモンも、20人に1人くらいで精神状態に影響を与えると考えられます。

うつ状態が多いのですが、躁状態になる事もあります。量を調節すれば治る事もあるので、微妙なサジ加減が求められる薬といえます。

この他にうつ病・うつ状態を起こしたり悪化させる薬には、経口避妊薬、潰瘍治療薬(ヒスタミンH2遮断薬)、抗パーキンソン薬、抗結核薬、抗癌剤等があります。

高齢者では薬の代謝も悪くなり体内に蓄積されやすいので精神症状の副作用も強く表れやすいといえます。

しかし個人差があって全ての人に症状が出る訳ではないので服用中の薬による物とはみなされにくいのが現状です。

老年期のうつ病・うつ状態

2020.12.18 | Category: うつ病

老年期のうつ病の特徴は、うつ病の典型的な抑うつ症状が目立たず、非定型的な症状になる事です。

これは、内因性の要因より身体性や心因性の要因が、いくつか重なっている事が多い為です。特に身体疾患に伴って起こる例も多く、風邪、下痢、腰痛など軽症の病気が誘因になる事もあります。

また、脳卒中後遺症、潜在的脳梗塞、脳動脈硬化症、パーキンソン病、脳萎縮性疾患の初期等、脳の器質的、機能的変化も原因になります。

癌等の重篤な疾患に先立って表れる警告うつ病もあり、実際に何らかの身体疾患を罹患している事も多いので薬によるうつ状態も表れます。

更に、老年期には環境要因として、定年、配偶者や友人の死、子供の独立、新たな子供との同居、転居等、ストレスを受ける機会も増えています。

その為病気、死に関心を持ちやすく、不安感も強く、身体的不調も起しやすい為、初発症状が抑うつ状態より心気症状である事が多くなるのです。

このような例として、老年期のうつ病の、特徽のーつとして便秘の訴えも非常に多く、便秘に強迫的にこだわる例が見受けられるのです。

このような事から不安と抑うつを伴う神経症とうつ病の境界が不明瞭になり、心気傾向も強い為神経症と間違いやすくなります。

また最近の急速な社会の変化が老年者の生きがい、役割意識を低下させ、不安態や喪失態や焦燥態をもたらす要因になっています。

この事から、老年期のうつ病あるいはうつ状態は益々増加すると予想されているのです。

抗うつ薬の種類

2020.12.18 | Category: うつ病

うつ病は脳内神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリン等のモノアミンが不足した為に、抑うつ感、不眠、強度の不安といった症状が出ます。抗うつ薬はこのモノアミンを増やす作用をします。

抗うつ薬には大きく分けて三環系(化学式の亀の甲が三つ)と四環系があります。最初に開発されたのは、1950年後半に第一世代の三環系でイミプラミンという薬品が第一号です。

うつ病に効果があると言う事で、その化学構造によく似た薬品も多く作られ、症状に合わせて使い分けられています。

うつ病に対して効果はあるのですが、副作用が強いので使いづらいという欠点があります。その副作用を軽くしたのが第二世代の三環系と四環系で、第一世代に比べて強い薬では無いので、軽症うつ病に使われる事が多いです。

現在の抗うつ薬の主流は三環系で、その効果は服用して2週間位から出て来ますが、効果が出る前に副作用が出て投薬が中断される事があります。

モノアミンにはアセチルコリンも含まれ、服用する事でその分泌量も増える為に口の渇き、排尿障害、便秘と言った抗コリン作用が出る為です。

抗うつ薬のプロザックはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)の一種で、モノアミンの中のセロトニンだけを増やす事でうつの症状を軽減するもので、副作用も少ないと言う事で使われているのです。

うつ病・うつ状態の精神療法

2020.12.17 | Category: うつ病

うつ病・うつ状態は薬によって改善しやすくなりましたが、精神療法が無用になった訳ではありません。

ただしうつ病・うつ状態は深層心理的なアプローチによって自己を再構成させたりする必要は無いとされています。

精神療法には森田療法、断眠療法、運動療法、セルフヘルプ・グループ等多くの方法がありますが、患者さん本人が自己療法として取り入れやすい物に認知療法と防人関係療法があります。

認知療法とはアメリカの精神科医ベックによって始められたもので、誰にでも分かりやすく、具体的で現実生活に即して実行して行ける事が特徴です。

まず物事を歪めて抑うつ的に捉えている自分の感情や、そこから引き起こされた行動との関係に気付かせます。

それをコントロール出来る様に日常の中でトレーニングを行い、自分の問題を制御出来ると言う感覚を得る事で症状を改善させようと言う物です。

ポジティブ・シンキングに似ていますが、単に楽観的に考えれば良しとする物ではありません。(参考文献:「いやな気分よさようなら」デピット・バーンズ著/野村総一郎訳/星和書店)対人関係療法もアメリカの2人の精神科医が考えたものです。

うつ状態は人間関係の破綻をきっかけに始まる事が多いのですが、うつ病・うつ状態の人に特徴的な人間関係の問題点を調べ、それを変える事で改善しようという物です。

大切な人の喪失体験(死、離婚など)、関係性の中での役割の変化(結婚、出産、就職や異動など)、人間関係その物の欠如、コミュニケーション・ギャップ等に注目し、自分でチエックしながら人間関係の持ち方を変えて気持ちを軽くしようとして行く物です。(参考文献:「心が軽くなる人間関係」大野裕著/大和書房)

うつになる人

2020.12.17 | Category: うつ病

うつ痢になる人は、性格的に几帳面で責任感が強い、正直で良心的、他人に対しても調和を取る、等のパターンがあると言われています。

こうした性格は社会生活を営む上では理想的とも言える訳ですが、こうした長所が弱点ともなるのです。

つまり社会の中での役割に過剰に適応してしまおうとする傾向になり疲れてしまうのです。

すると自分に確信が持てず、自信が無かったりして過度に失敗を恐れてしまい、柔軟性を失ってバランスを崩して不安に陥ってしまうと言うわけです。

大切な人が亡くなったと言う様な場面だけで無く、昇進など本来はプラスの状況がうつのきっかけになってしまうというのも理解出来るでしょう。

更に最近では、若い人の中うつ状態の中には未熟さによる現実逃避的な抑うつが増加している事も指摘されています。

過保護や葛藤が無い成長過程によって精神的な自立が出来ていない為に、対人関係に過敏となったり、小さな事で葛藤を抱えてしまうと言うのです。

こうした傾向では社会的な適応も悪く逃避的になり、依存性が強く自己中心的な性格が見られます。

この様なうつの場合は抗うつ薬が効きにくく、性格や環境がより強く影響していると考えられます。

日本とアメリカのうつ事情

2020.12.17 | Category: うつ病

日本人、1億2千万人の内3%にあたる360万人がうつ病で、うつ病の前段階とも言えるプレうつ病は1千万人、潜在的にはもっと多いと言われています。

以前は30~50代の中年の人が多かったのに、最近では男女ともに20代の若者も多くなっています。

年々患者数は増える傾向にあるのに、日本では精神科医にかかる事は恥ずかしいという観念が根強く、我慢したり、会社に内緒で人知れず通院すると言う事が多いようです。

一方アメリカ人は、いつもパワフルで陽気というイメージがありますが、実は毎年1700万人もの人がうつ病と診断されて医療を受けています。

日本と大きく違うのは、かかりつけの精神科医がいる事がステイタスの様に見られる為、医療を受けるのも抵抗がありません。

薬に対しても、服用する事にほとんど抵抗感は無い様で、ビタミン剤感覚で抗うつ薬が使用されているのが現状です。

アメリカ全土で処方される薬の内、抗うつ薬のプロザックが胃薬等を差し置いて3位となっています。

アメリカ社会では結果が全てとされるので、早く効く抗うつ薬で些細な感情の落ち込みをもコントロールしてしまう傾向があります。

日本でも近年抗うつ薬の使用量が急増しています。

アメリカの様に簡単に抗うつ薬に頼ってしまうのは問題ですが、患者が周囲に気兼ね無しに精神科医にかかれる様になる事は大切な事です。

子供に見られるうつ状態

2020.12.17 | Category: うつ病

以前は子供にはうつ病は無いとされていました。

子供は精神と肉体の分離が不完全なので、心の不調はすぐ身体に影響を与え、精神症状としてよりも、チック・おねしょ・爪を噛む・どもると言った身体症状で心の悩みを表現すると考えられるからです。

しかし近年、明らかなうつ症状を表す子供が増えています。問題になっているのがうつ状態による不登校(登校拒否)の場合ですが、神経症性の不登校との違いを見分ける必要があります。

神経症性の不登校では、学校に行きなさいと言う親の催促等には過敏に反応して口答えしますが、うつ状態の場合にはそう言う事はありません。

うつ状態の子供は、学校へ行く準備等していたのに、登校時間になると頭痛や腹痛が起きて学校に行け無くなり、下校時間になると痛みが治ったりします。

また不登校だけで無く、好きなテレビゲームもしないでぼんやりしている、好物のお菓子も食べたがら無い、眠りが浅い、朝は調子が悪いのに午後は元気になる、と言う様に生活全体に渡ってうつ傾向が見られます。

ただ小学校低学年の場合には親との分離不安やストレスが原因になっている事もあります。

子供が学校に行けず、うつ状態を示す時は小児精神障害の専門医を訪ねるのが一番ですが、心身症を扱っている小児科でも対応出来る様です。  

最近のSTD事情

2020.12.16 | Category: STD

1958年に売春防止法が施行されて以来性病は半減しました。その後社会や性風俗の変化等によって増加傾向にありましたが、エイズの出現以来STDの患者は減少していました。

ところが95年頃からまたSTDの感染者が増えていて、疾患の内容も種類もこれまでの、いわゆる性病とは違って来ています。

以前は局所に強い症状が現れて感染を知る事が出来たのが、最近ではクラミジアの様に無症候性のSTDが多くなって、感染に気付きにくくなっています。

例えば性器クラミジア症は男性の場合にはほとんど症状がでない事もあって女性への感染を増やす結果となり、女性ではSTDの半分近く、第1位になっています。

初期には軽い風邪位の症状しか表わさないHIVも無症候性と言えるでしょう。また感染部位が性器だけに留まらず口腔、肛門等に及んでいる事も特徴として注目されます。

性風俗においてはエイズキャンペーン以来性交によるSTDの感染が減少する傾向にあるものの、フアッションマッサージ等性交を伴わない新たな性サービス等の出現で咽喉等性器以外の感染をもたらし、またそれが感染源になって増加しています。

また年齢的には20才代の患者数が最も多いのですが、10代後半の患者も増えて来ています。

これはSTDが歓楽街の特殊な疾患では無く、一般家庭へ広がっている事を意味しています。更に東京都で言えば全国平均の2倍もの感染率であり、STDは大都市集中型の疾患である事も特徴と言えるでしょう。

感染症の中のSTD

2020.12.16 | Category: STD

感染症には空気感染や経口感染更に接触感染など様々な感染ルートがあります。

病原体からみれば、感染しても宿主から新たな宿主に伝染するルートが必要であり、そのルートが無い限り、病原体は生き残る事が出来ません。

新たな宿主に伝染する繰り返しが起こる事を感染環といいます。ですから、伝染病の予防は原理的に、この感染環を断ち切る事にあります。昔は患者の隔離というやり方や、予防接種もまた感染環を中断させる方法である訳です。

一方、病原体からみれぱ宿主を致命的な所まで追い込む事は自殺行為でもある訳ですから、最も理想的には常在微生物として宿主と共生する事です。

性病の性交感染がSTDというより広い概念になったのは、性的活動の多様化によって病原体の感染ルートが性器だけで無くなったからです。

人間以外の動物では活発な性的活動をしていませんので、性的接触は感染環として効率的なルートとはいえません。動物の世界ではSTDは基本的には起こらないとも言えます。

つまりSTDはすこぶる人間的な病といえます。またSTDの感染環の維持にはもう1つの特徴として二次的病巣があります。

これは梅毒や淋病もそうですが感染は粘膜ですが、関節や骨や血管など別の臓器に病変を作ったり、あるいはエイズウイルスやB型C型ウイルスや性器ヘルペスの様に別の臓器に潜伏しながら感染の機会をうかがっている物もあるのです。

これらの事を考えると感染環を作り上げる新たな病原体がSTDに加わる事は間違いのない所だと思います。

STDの皮膚症状

2020.12.15 | Category: STD

施術は常に患者さんと接触するので、様々な感染症にさらされる事が多いと言えます。患者さんの中には当然STDの患者さんもいて、患者さん自身STDに感染している事を知ら無いと言う事もありえます。

STDを見逃さない事は患者さんにとっても施術師の身を守る上でも大切です。一番の判断の材料になるのは皮膚症状と言う事になりますが、普通見かけない様な発疹に接した場合、まず梅毒やHIVの可能性を考えます。

梅毒では感染後3ヵ月から3年位までの間に爪の甲大の淡い紅斑、いわゆる梅毒性のパラ疹が体幹に出ます。その後紫紅色の丘疹が多発しますが、いずれも自覚症状はありません。

また後頭部から側頭にかけて不完全な脱毛をきたす場合もあります。淋菌に感染すると、悪寒や関節痛など風邪の様な症状と一緒に四肢の関節の周囲に出血性の丘疹や水泡、膿泡等が見られますが、この症状は女性に多いものです。

サイトメガロウイルスやヘルペスウイルスに初めて感染した場合、伝染性の単核症様の症状(悪寒発熱、頭痛、吐き気、リンパ節腫脹疼痛など)が見られ、抗生物質の投与によってじんま疹が誘発される事があります。

HIVの感染でも単核症様の症状がありますが風邪くらいに思われ見逃される事が多い様です。HIV感染では3~6週間後に5~10mm位の紅斑や浮腫性の紅斑が、体幹の上の方や手掌・足の底に見られる事があります。

これらSTD感染の可能性は患者さんの風体や身なりで判断する事は危険で、子供や高齢者でもSTDの可能性がない訳では無い事も頭においておく必要があります。

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