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老年期のうつ病・うつ状態

2020.12.18 | Category: うつ病

老年期のうつ病の特徴は、うつ病の典型的な抑うつ症状が目立たず、非定型的な症状になる事です。

これは、内因性の要因より身体性や心因性の要因が、いくつか重なっている事が多い為です。特に身体疾患に伴って起こる例も多く、風邪、下痢、腰痛など軽症の病気が誘因になる事もあります。

また、脳卒中後遺症、潜在的脳梗塞、脳動脈硬化症、パーキンソン病、脳萎縮性疾患の初期等、脳の器質的、機能的変化も原因になります。

癌等の重篤な疾患に先立って表れる警告うつ病もあり、実際に何らかの身体疾患を罹患している事も多いので薬によるうつ状態も表れます。

更に、老年期には環境要因として、定年、配偶者や友人の死、子供の独立、新たな子供との同居、転居等、ストレスを受ける機会も増えています。

その為病気、死に関心を持ちやすく、不安感も強く、身体的不調も起しやすい為、初発症状が抑うつ状態より心気症状である事が多くなるのです。

このような例として、老年期のうつ病の、特徽のーつとして便秘の訴えも非常に多く、便秘に強迫的にこだわる例が見受けられるのです。

このような事から不安と抑うつを伴う神経症とうつ病の境界が不明瞭になり、心気傾向も強い為神経症と間違いやすくなります。

また最近の急速な社会の変化が老年者の生きがい、役割意識を低下させ、不安態や喪失態や焦燥態をもたらす要因になっています。

この事から、老年期のうつ病あるいはうつ状態は益々増加すると予想されているのです。


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