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胃腸 - Part 2の記事一覧

急性胃炎と慢性胃炎

2019.10.17 | Category: 胃腸

胃炎には急性胃炎と慢性胃炎があります。急性胃炎は薬等の化学的等刺激やストレスか原因で起きる一過性の病気で、胃粘膜に発赤、浮腫、びらんを伴い好中球を主体とした細胞浸潤が見られる急性炎症の状態を言います。症状としては胸やけ、悪心、嘔吐等があります。医療方法は原因を取り除き、胃粘膜の自然治癒を助ける事になります。慢性胃炎は胃腺と円形細胞浸潤を主体とした慢性の炎症です。この慢性胃炎には免疫異常で起こるA型胃炎と、ヘリコバクターピロリ菌に感染して起こるB型胃炎があります。A型もB型も初期の段階では急性胃炎と同じ様な症状を呈しますが、先の急性胃炎等は分けて考えられています。A型とB型の比率は1:9でほとんどがB型胃炎です。A型胃炎は胃壁細胞の働きを阻害する抗体のために胃粘膜が萎縮します。またB型胃炎もピロリ菌に感染してから10年位かけて胃粘膜が萎縮します。委縮すると胃酸の分泌が低下して胃もたれ、胃の膨満惑、食欲不振といった消化不良を伴う症状が現れます。A型とB型胃炎では内祝鏡検査、胃液検査で炎症の有無や経過を診ますが、急性胃炎ほど胃粘膜の表面の荒れが少ないので確定診断には病理組織検査が必要になってきます。慢性胃炎は免疫異常やピロリ菌で起こるので自然に改善するものではありません。

風邪が胃腸にくるとは

2019.10.16 | Category: 胃腸

風邪が胃腸にくるとしばしば食欲不振、嘔吐、吐き気、下痢などの感冒性腸炎を起こします。主な原因菌としてアデノウイルスやコクサッキーウイルスかよく知られています。アデノウイルスはヒトや動物に広く蔓延しているウイルス群ですか、このウイルスは32型以上もあります。風邪症状である上気道炎、咽頭結膜炎や胃腸炎だけで無く流行性角結膜炎等も起こします。コクサッキーウイルスは嘔吐、下痢、発疹、発熱、上気道炎、ヘルパンギーナ、手足口病、心筋炎等全身の感染症を引き起こします。脳炎や髄膜炎の発症頻度も50~60%と言われています。ロタウイルスはかつて仮性コレラと呼ばれ、白色または黄白色の下痢と嘔吐、発熱が2、3日から長くて1週問ほど続きます。多くは乳幼児に多く、抵抗力の無いお年寄り等に集団発生する事もあります。また風邪の合併症を予防する為の抗生物質の副作用として起こる偽膜性大腸炎があります。下痢、便秘、腹部不快感等の症状があり、発症はゆっくりですが、やがては激しい脱水状態が起こったり、一部の大腸の粘膜の上に偽膜を作るのが特徴です。これは抗生物質の影響で腸管内の細菌の種類が変化して(菌交替現象)クロストリジウム菌が異常に増えて、その菌毒素によって粘膜障害が起こって偽膜が出来るのです。

イボ痔

2019.10.14 | Category: 胃腸

直腸肛門部は細かい静脈が入り組んで密集していますが、この静脈叢の血行障善によってコブの様に膨らんだ物を痔核と言い俗に「イボ痔」と呼ばれています。加齢により痔主は増え、50才以上の2人に1人は痔核が有ると言われています。面白い事に痔核は仰向けに寝て肛門を時計に見立て、3時、7時、11時の場所に出来やすいのが特徴です。この痔核は内痔核と外痔核がありますが、この二つは同じ痔なのに発生由来の関係で大きな違いがあるのです。肛門の奥に少し指を入れると凸凹のヒダがあります。、この形状が歯並びの様に見えるので「歯状線」と呼ばれています。この歯状線は発生学的には、内側が内胚葉性の原始直腸と外側が外胚葉性の原始肛門とが接合して出来たものです。つまり直腸と皮膚の境界線で、発生学的に見れば痔核は直腸の疾患で外痔核は皮膚の疾患なのです。症状としても歯状線の内側は自律神経で支配されていますから自分の意志で動かしたり痛みを感じる事もありません。外側は脊髄神経によって支配されていますから、当然ながら痛みも痒みも感じるのです。痛みの伴わない出血は内痔核の場合ですが、それ以外に直腸癌の可能性もありますから、注意が必要です。

十二指腸球部

2019.10.13 | Category: 胃腸

指を12本橋に並べた長きの十二指腸は、胃の幽門につながる球部から始まり、その球部はX線で横から見ると三角形のおにぎり状をしています。この十二指腸球部の粘膜には胃からの酸を、中和する強アルカリの重炭酸を分泌するブルンネル腺が分布しています。そして塩を含んだ胃内容物が十二指腸に入って来ると十二指腸の壁に存在するセンサー細胞が食物の内容や胃酸の酸度を感知し、セクレチンやエンテロガストロンなどの消化管ホルモンを出して胃酸の分泌を抑えるのです。胃酸が胃酸の出具合を抑えるフィードバック機構を十二指腸ブレーキと呼ぶのですが、ブルンネル腺と十二指腸ブレーキの二重の働きによって球部は酸性でも十二指腸下部は中性になっているのです。そして十二指腸潰瘍はほとんどがこの球部に出来るのですが、高酸度の胃液に触れるのがその原因と考えられていました。しかし、現在では十二指腸粘膜の胃上皮化生が主な原因ではないかと考えられています。加齢によって、胃の上皮が腸上皮化生を起こすことは知られていますが、十二指腸球部の粘膜も胃の上皮に変化し、それと共に胃の出口に近い幽門前底部に住んでいるヘリコバクター・ピロリ菌が、十二指腸に移り住んで、十二指腸潰瘍を起こすのだと考えられています。

野菜が大腸癌を予防

2019.10.12 | Category: 胃腸

大腸癌は男性では1位肺癌、2位胃癌、に次いで3位女性では1位大腸癌、2位肺癌、3位胃癌、です。急増したのは食生活で肉食が多くなった為に、大腸に過酸化脂質の発生や腸内細菌に変化をもたらした事です。脂肪を多く摂ると便に過酸化脂質が発生し、、赤身の肉に含まれる鉄と反応して化学的に電子を余分に持つ過酸化脂質ラジカルと言う状態になります。これが遺伝子のDNAを切断し遺伝子の変異を引き起こし癌を発生させるのです。この脂質ラジカルを中和してくれるのが、野菜やお茶に含まれるフラボノイドや、ポリフェノールです。野菜の細胞壁は人の消化液では破れません。ですから野菜からこの成分を取る為には生野菜ではなく加熱してから食べる事が大切です。また腸内には100種類、100兆の細菌がいます。その中にはビフィズス菌や乳酸菌といったビタミン合成や消化吸収、感染防御等に有用な善玉菌と、大腸菌、ウェルシュ菌といった腸内で腐敗をもたらす悪玉菌があります。肉類が多いと悪玉菌が優勢になり、アンモニアや硫化水素の腐敗毒素が多くなり、これが発癌物質として蓄積されるのです。ですからこの毒素を含んだ便が大腸に長い時間滞留しない為には、食物繊維を多く含む野菜や果実を多く摂って便の量を増やし便通を良くする事です。またこの食物繊維が善玉菌のエサとなり善玉菌を増やして大腸を守ってくれるのです。

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