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イボ痔

2019.10.14 | Category: 胃腸

直腸肛門部は細かい静脈が入り組んで密集していますが、この静脈叢の血行障善によってコブの様に膨らんだ物を痔核と言い俗に「イボ痔」と呼ばれています。加齢により痔主は増え、50才以上の2人に1人は痔核が有ると言われています。面白い事に痔核は仰向けに寝て肛門を時計に見立て、3時、7時、11時の場所に出来やすいのが特徴です。この痔核は内痔核と外痔核がありますが、この二つは同じ痔なのに発生由来の関係で大きな違いがあるのです。肛門の奥に少し指を入れると凸凹のヒダがあります。、この形状が歯並びの様に見えるので「歯状線」と呼ばれています。この歯状線は発生学的には、内側が内胚葉性の原始直腸と外側が外胚葉性の原始肛門とが接合して出来たものです。つまり直腸と皮膚の境界線で、発生学的に見れば痔核は直腸の疾患で外痔核は皮膚の疾患なのです。症状としても歯状線の内側は自律神経で支配されていますから自分の意志で動かしたり痛みを感じる事もありません。外側は脊髄神経によって支配されていますから、当然ながら痛みも痒みも感じるのです。痛みの伴わない出血は内痔核の場合ですが、それ以外に直腸癌の可能性もありますから、注意が必要です。


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