- Blog記事一覧 -風邪が胃腸にくるとは
風邪が胃腸にくるとしばしば食欲不振、嘔吐、吐き気、下痢などの感冒性腸炎を起こします。主な原因菌としてアデノウイルスやコクサッキーウイルスかよく知られています。アデノウイルスはヒトや動物に広く蔓延しているウイルス群ですか、このウイルスは32型以上もあります。風邪症状である上気道炎、咽頭結膜炎や胃腸炎だけで無く流行性角結膜炎等も起こします。コクサッキーウイルスは嘔吐、下痢、発疹、発熱、上気道炎、ヘルパンギーナ、手足口病、心筋炎等全身の感染症を引き起こします。脳炎や髄膜炎の発症頻度も50~60%と言われています。ロタウイルスはかつて仮性コレラと呼ばれ、白色または黄白色の下痢と嘔吐、発熱が2、3日から長くて1週問ほど続きます。多くは乳幼児に多く、抵抗力の無いお年寄り等に集団発生する事もあります。また風邪の合併症を予防する為の抗生物質の副作用として起こる偽膜性大腸炎があります。下痢、便秘、腹部不快感等の症状があり、発症はゆっくりですが、やがては激しい脱水状態が起こったり、一部の大腸の粘膜の上に偽膜を作るのが特徴です。これは抗生物質の影響で腸管内の細菌の種類が変化して(菌交替現象)クロストリジウム菌が異常に増えて、その菌毒素によって粘膜障害が起こって偽膜が出来るのです。