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糖尿病 - Part 2の記事一覧

骨に注意を

2021.03.18 | Category: 糖尿病

糖尿病においてカルシウムの摂取は大切です。カルシウムはインスリン分泌調節に影響しています。

食事によって徐々に血糖値が上がっていくと、ラングルハンス島のβ細胞は活動電位を発生させます。

これが電位依存性カルシウムチャンネルを開き、細胞内にカルシウムが入り、インスリン分泌顆粒が刺激されて、細胞外にインスリンが分泌されるのです。

この血中のカルシウムが不足するとインスリン分泌障害が起きるのです。

更にインスリンはビタミンDにも作用して活性型ビタミンDを腎臓で作りますが、インスリンが不足すると活性型ビタミンDが不足して食品からのカルシウムが腸から吸収されにくくなってしまうのです。

また高血糖で細胞の浸透圧が高まると、細胞内の水分が出る事で尿が増え、その時に尿中のカルシウムも一緒に出てしまいます。

その為に骨が脆くなる糖尿病性骨粗鬆症の危険性が高くなるのです。

骨粗軽症には2種類あり、閉経等により急激にカルシウムの流出が多くなる場合と、糖尿病など他の2次的な病気によるものがあります。

骨にはインスリン受容体があり、このインスリンが新しい骨芽細胞を増殖させる作用があるのですが、欠乏すると骨芽細胞の機能や数を低下させ、その為に骨の形成能力が落ちるのです。

また高血糖のためにコラーゲン等の骨に含まれている蛋白質が糖化され、骨の正常な新陳代謝を障害する為に骨の強度を減弱させると考えられています。

1型糖尿病ではインスリンの欠乏が子供の時に発症するので、骨が十分に成長できずに、成人後の最大骨量が少なくなく、健常人に比べ2倍の割合で骨折の危険があります。

2型糖尿病患者では成人後に発症するので骨の減少は無いという事が言われていますが、2型でも糖尿病の罹患期間が5年以上であれば骨塩量が低下しているという報告があります。

骨量減少を防ぐ為には、血糖値のコントロールと食事の時にはカルシウムをしっかり摂る事も忘れないで下さい。

糖尿病とインポテンス

2021.03.17 | Category: 糖尿病

糖尿病の男性のインポテンスは、30~60%いるといわれています。この数字の開きは、性に対するタブーがあり、中々本当の所が分からない為です。

しかし低く見積もっても、その頻度は網膜症や腎症等より高いのです。

その原因は従来から糖尿病の合併症である神経障害と血管障害による物であると指摘されています。

糖尿病性のインポテンスでは勃起はするが、すぐに萎えてしまうと言う場合が多いのですが、その原因は静脈系にあると考えられています。

病院では器質的な神経障害のインポテンスでは険圧式勃起補助具や海綿体内注射などがあります。また血管性では血行再建術があります。

手術する例は日本では少なく、ED薬のバイアグラやレトビアやシリアスがありますがしかし、この様な器質的な疾患の場合もありますが、意外に心因性の物もあるのです。

つまり糖尿病=インポテンスと言う事があまりに有名になった為に、心理的なショックにより勃起不全になってしまうのです。

これらの心理的な要因のインポテンスは精神安定剤の投与で簡単に回復する事もあります。

またもっとも簡便なやり方として注射で勃起不全を回復する場合もあり、これは塩酸パパベリンという血管拡張薬を、直接陰茎海総体に注射して、人工的に勃起させます。

欧米では一般的な方法になっています。いずれにしてもインポテンスと糖尿病は切っても切れない中、最も良い方法は無く、進行する前に血糖値を安定させる予防法が最も大切なのです。

骨に注意を

2021.03.16 | Category: 糖尿病

糖尿病においてカルシウムの摂取は大切です。

カルシウムはインスリン分泌調節に影響しています。食事によって徐々に血糖値が上がっていくと、ラングルハンス島のβ細胞は活動電位を発生させます。

これが電位依存性カルシウムチャンネルを開き、細胞内にカルシウムが入り、インスリン分泌顆粒が刺激されて、細胞外にインスリンが分泌されるのです。

この血中のカルシウムが不足するとインスリン分泌障害が起きるのです。更にインスリンはビタミンDにも作用して活性型ビタミンDを腎臓で作りますが、インスリンが不足すると活性型ビタミンDが不足して食品からのカルシウムが腸から吸収されにくくなってしまうのです。

また高血糖で細胞の浸透圧が高まると、細胞内の水分が出る事で尿が増え、その時に尿中のカルシウムも一緒に出てしまいます。

その為に骨が脆くなる糖尿病性骨粗鬆症の危険性が高くなるのです。

骨粗軽症には2種類あり、閉経等により急激にカルシウムの流出が多くなる場合と、糖尿病など他の2次的な病気によるものがあります。

骨にはインスリン受容体があり、このインスリンが新しい骨芽細胞を増殖させる作用があるのですが、欠乏すると骨芽細胞の機能や数を低下させ、その為に骨の形成能力が落ちるのです。

また高血糖のためにコラーゲン等の骨に含まれている蛋白質が糖化され、骨の正常な新陳代謝を障害する為に骨の強度を減弱させると考えられています。

1型糖尿病ではインスリンの欠乏が子供の時に発症するので、骨が十分に成長できずに、成人後の最大骨量が少なくなく、健常人に比べ2倍の割合で骨折の危険があります。

2型糖尿病患者では成人後に発症するので骨の減少は無いという事が言われていますが、2型でも糖尿病の罹患期間が5年以上であれば骨塩量が低下しているという報告があります。

骨量減少を防ぐ為には、血糖値のコントロールと食事の時にはカルシウムをしっかり摂る事も忘れないで下さい。

アルコールと糖尿病

2021.03.15 | Category: 糖尿病

人類の歴史は飢餓との闘いの歴史でその痕跡は身体の中にはっきり残っています。

つまり長期間の飢餓に耐える為に、絶食状態になっても常に血糖値を上げる機構がいくつも確立しています。

血糖値を低下させる因子はインスリンがただ一つですが、血糖を上げる因子は、グルカゴン、カテコラミン、コルチゾール、成長ホルモン等いくつもあります。

この血糖値を維持する司令塔の役割を果たしているのが肝臓です。

肝臓の重要な仕事は糖の恒常性を保ち、低血糖による脳機能障害を阻止する事で、その為に肝臓はグリコーゲンを貯えて、いざと言う時に備えているのです。

肝臓の働きには、身体に必要な物質を作ったり、有害物質を分解したり老廃物を排除する機能、更に胆汁を作る等生命維持の為に多様な働きをしています。

ですから、肝臓の機能を低下させる事は血糖値の恒常性の維持を困難にさせる事にもなるのです。肝臓の機能を低下させる物にアルコールがあります。

と言うよりアルコールを分解する事に疲弊する事が、他の機能を低下させる事になるのです。

更にアルコールはビール大瓶1本で250キロカロリーの熱量があり、食欲を増強する働きもある為カロリーの取り過ぎにもなり、悪い事に副腎からカテコラミン等の血糖を上昇させるホルモンを分泌させる作用もあるのです。

ですから、大量のアルコールを飲む人は、それだけで糖尿病の予備軍と言える訳です。

インスリンと代謝異常

2021.03.14 | Category: 糖尿病

インスリンというホルモンは一般には血糖値を下げる事に働き、糖尿病はインスリンが足りなくなって起こると解されています。

しかしインスリンには、血液に入ったブドウ糖を骨格筋や肝臓や脂肪組織の細胞に送り込み、肝臓や筋肉中でブドウ糖がグリコーゲンに合成される作用を促進し、かつ肝臓からブドウ糖がむやみに血液中に放出されるのを抑えるといった幾つもの働きがあります。

そして糖質だけでなく、脂肪や蛋白質・水分・ミネラルの代謝にも深く関わっています。

糖尿病ではインスリンが体内に充分あっても細胞で働けない状態(インスリン抵抗性)が起こって、ブドウ糖がエネルギー源として利用できなくなり、身体は不足のエネルギーを脂肪酸で補おうとします。

普通だと脂肪組織に蓄えられた脂肪が分解して脂肪酸になり、この脂肪酸が更に分解してエネルギー源となるのですが、インスリンの作用が不足している状態では脂肪の代謝も滞ります。

分解が途中までしか進まない脂肪酸はケトン体というものになり、これが増加して処理しきれなくなったものが血中に溢れ、血中ケトン体が増加して血液が酸性に傾き、尿中にアセトン体となって出てきます。

健康人なら1~3 mg/d1である血中ケトン体濃度が重い糖尿病では30~40 mg/dl という値を示し、血液がアシドーシスとなって酸性の血液が脳の機能を抑制し、糖尿病昏睡に陥らせる事もあります。

糖尿病が進行して糖質や脂肪がエネルギー源に利用できなくなると、骨格筋の蛋白質を分解して補わざるを得ない為、いくら食べても体重が減って痩せてきます。

また高血糖状態が続くと、浸透圧によって細胞内水分と共にカリウムが細胞外に引き出されて電解質のバランスも崩れ、水分代謝の異常は腎臓の機能障害も引き起こしてしまうのです。

日本人は糖尿病体質

2021.03.13 | Category: 糖尿病

糖尿病になりやすい体質は人種によってハッキリと違います。30才から64才までの人種別の有病率ではなんと5%から50%までと大きな違いがあります。

50%というのはナウル島のミクロネシア人とアメリカのピマインディアンで、境界型の糖尿病を含めると実に6割が糖尿病と言う事になります。

日本人はと言えば残念ながら糖尿病になりやすい人種の様です。

そもそも日本人は穀物中心の食生活を長く続けてきました。澱粉の代謝にとってインスリンは少量で済む為、インスリンの分泌が少ない体質になったのです。

一方脂肪の摂取はインスリン抵抗性を作り出しますが、肉食の多い人種ではそれに対抗してインスリンを沢山分泌する様になったと言う訳です。

従って欧米人の糖尿病ではインスリン抵抗性が多いのに対して、日本人はインスリンの不足(相対的にインスリンが沢山必要になった)による糖尿病が多いのです。

またインスリンは余ったブドウ糖を脂肪にする働きがあります。

欧米人の場合はインスリンは沢山出ているので、過剰なブドウ糖はせっせと脂肪にしてしまうので肥満になるのですが、日本人の場合はインスリン自体が不足しているので肥満になる前に糖尿病になりやすいと言う訳です。

肥満と糖尿病は密接な関係がありますが、日本人に極端な肥満が少ない事と、糖尿病患者の半分は肥満で無いと言うのも日本人のインスリン不足に理由があったのです。

運動がインスリンの作用を高める

2021.03.12 | Category: 糖尿病

インスリンは血液中に放出されると骨格筋、肝臓、脂肪組織の細胞にあるインスリン受容体に結合し、血液中のブドウ糖を組織内に取り込みます。

この糖取り込みは数分の内に行われ、血液中のブドウ糖は組織内にすみやかに移動して、血糖値は低下して行きます。

インスリンによる糖の取り込みは骨格筋が全体の約30%、肝臓が10%強、脂肪組織が10%弱を占めます。

運動不足があると骨格筋に移動しないので、脂肪組織に取り込まれ、糖尿病の要因である過体重になり、インスリンの作用が低下するインスリン抵抗性を引き起こす事になります。

厚生省糖尿病実態調査によると、1日4000歩以下しか歩かない運動不足の人は、12000歩以上歩く人に比べ糖尿病のリスクが約3倍になると発表しています。

明らかに運動不足は糖尿病発症リスクを高めるのです。歩行等の全身運動は骨格筋の血液循環を高め、また骨格筋のグリコーゲン消費を促進し、骨格筋での糖取り込みを増加させインスリン抵抗性を改善します。

有酸素運動を20分以上続けた場合は骨格筋のグリコーゲンが減少すると共に体脂肪を分解して肥満を防止するので、運動療法は糖尿病の予防の為に欠かせません。

ただし動脈硬化等の合併症がある場合は医師と相談して運動量を決める事が大切です。

隠れ糖尿の危険性

2021.03.11 | Category: 糖尿病

1999年5月から糖尿病の判定基準が変わった事で、それまで690万人とされていた患者が一挙に50万人以上も増えました。

空腹時の血糖値126(mg/dl)以上で140以下だった人は、ある日を境に糖尿病になった分けですが、基準値以下なら正常という分けではないのです。

新しい基準では空腹時の血糖値110~125は境界型で、将来糖尿病になりやすく、109以下なら正常という位置付けです。

ところが日本糖尿病学会で発表されたデータによると、いわゆる境界型の人の6%と、109以下の正常な人の2%に、糖尿病の目の合併症である糖尿病網膜症が認められました。

また糖尿病の疑いがあるとして病院を訪れた人で、空飯時血糖値が109以下の人175名を対象に、ブドウ糖負荷試験等を行ったところ、およそ1割の人が糖尿病である事が判ったのです。

つまり一般の集団検診で行われている様な空腹時血糖値を測る検査だけでは、かなりの人の「かくれ糖尿病」が見逃されている疑いがあります。

糖尿病は血管の病気とも言われ、高血糖が長期間続くと目や腎臓の細い血管がもろくなったり、脳や心臓の血管に動脈硬化が起こってきます。

しかし生活習慣を省みて、食事や運動に気をつければ血管障害などの合併症を永く抑える事は可能です。

家系に糖尿病患者のいる人、太っている人、空腹時の血糖値が100以上ある人は、今は正常植でも血糖値の上がりやすい体質と思って間違いありません。

ストレスと糖尿病

2021.03.09 | Category: 糖尿病

血糖値を下げる働きは膵臓から放出するインスリンですが、上昇させるホルモンは多種多様です。

同じ膵臓から出るグルカゴン、神経伝達物質のアドレナリン、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、成長ホルモン等が血糖を上げるホルモンです。

ですから、これらのホルモンを分泌する器官に何らかの病変があっても糖尿病が起こる事があり、この様な糖尿病を二次性糖尿病といいます。

さて、ストレスは糖尿病に深く関係しているのですが、こうした様々なホルモンの過剰分泌が影響していると考えられているのです。

イライラして交感神経が緊張状態になるとアドレナリンが過剰分泌して血糖値が上がります。

アドレナリンは膵臓のβ細胞からのインスリン分泌を抑制し、膵臓のα細胞からのグルカゴン分泌を刺激するからです。

また、ストレスによる過食や飲酒の習慣によって内因性モルヒネ様物質やセロトニン等の脳内伝達物質が過剰に分泌されると、摂食中枢が刺激され続ける事も明らかにされています。

それによって肥満→耐糖能異常→高血糖→更に糖尿病へとエスカレートして行くのです。

ですから家族間のトラブルや職場の問題等で悩んだりイライラする等のストレス状態が糖尿病の発症に大きく関係してきます。

この様なケースではストレスを上手くコントロールできない為に糖尿病になってしまうのですから、厳格な食事制限や持続的な運動という自己管理を強いられる事自体もストレスになってしまいます。

ストレスの強い糖尿病患者さんは、教育入院等でセルフコントロールの必要性をしっかり教えられても、中途で諦めてしまって、より悪化の道をたどるケースが出てきてしまうのです。

インスリン抵抗性はこう起こる

2021.03.08 | Category: 糖尿病

日本人の糖尿病のほとんどを占める2型の糖尿病は、“相対的”にインスリンが足り無くなる事で発症します。

相対的にと言うのは、実際に糖尿病の人の血液ではインスリン濃度が良くなる事があり、インスリンが不足するだけで糖尿病になる訳では無いからです。

糖が細胞に取り込まれる時には胞膜でブドウ糖だけを通過させる糖輸送担体(グルコース・トランスポーター)という蛋白質が働きます。その糖輸送担体はインスリンによって活性化される事で糖を取り込んだり、その後の代謝を行う事が出来るのです。

ところが、糖輸送担体の輸送量が低下する事があります。つまり輸送や代謝の効率が悪くなる訳ですが、この様になるとインスリン自体は沢山あっても、糖の取り込みが十分に行われ無くなります。

この状態をインスリン抵抗性が高くなったと言う訳です。すると体は細胞に糖を取り込んで血糖を下げようとしてインスリンをせっせと作りますが、段々疲弊してインスリンその物を作れ無くなってしまうのです。

インスリン抵抗性には遺伝子因子等による原発性の物と代謝異常によって生じる2次的な物がありますが、多くは2次性のインスリン抵抗が糖尿病を発症させ、進行する鍵を握っているのです。

インスリン抵抗性を強くする物には、肥満(特に内臓脂肪型肥満)、高血圧、運動不足、食事(単純糖質・飽和脂肪酸過多)、ストレス、加齢等があります。

特に脂肪細胞は様々な生理活性物質を分泌したり、インスリン受容体の数を減らしたりしてインスリン抵抗性を高めている事が分かっています。

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