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インスリン抵抗性はこう起こる

2021.03.08 | Category: 糖尿病

日本人の糖尿病のほとんどを占める2型の糖尿病は、“相対的”にインスリンが足り無くなる事で発症します。

相対的にと言うのは、実際に糖尿病の人の血液ではインスリン濃度が良くなる事があり、インスリンが不足するだけで糖尿病になる訳では無いからです。

糖が細胞に取り込まれる時には胞膜でブドウ糖だけを通過させる糖輸送担体(グルコース・トランスポーター)という蛋白質が働きます。その糖輸送担体はインスリンによって活性化される事で糖を取り込んだり、その後の代謝を行う事が出来るのです。

ところが、糖輸送担体の輸送量が低下する事があります。つまり輸送や代謝の効率が悪くなる訳ですが、この様になるとインスリン自体は沢山あっても、糖の取り込みが十分に行われ無くなります。

この状態をインスリン抵抗性が高くなったと言う訳です。すると体は細胞に糖を取り込んで血糖を下げようとしてインスリンをせっせと作りますが、段々疲弊してインスリンその物を作れ無くなってしまうのです。

インスリン抵抗性には遺伝子因子等による原発性の物と代謝異常によって生じる2次的な物がありますが、多くは2次性のインスリン抵抗が糖尿病を発症させ、進行する鍵を握っているのです。

インスリン抵抗性を強くする物には、肥満(特に内臓脂肪型肥満)、高血圧、運動不足、食事(単純糖質・飽和脂肪酸過多)、ストレス、加齢等があります。

特に脂肪細胞は様々な生理活性物質を分泌したり、インスリン受容体の数を減らしたりしてインスリン抵抗性を高めている事が分かっています。


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