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ヒスタミンは肥満細胞から放出され、鼻粘膜に刺激を与えて鼻水、喘鳴、鼻づまりの原因になります。
花粉の季節では抗ヒスタミンの点鼻薬を手放せ無い人も多いでしょう。
このヒスタミンその物は1種類しかありませんが、ヒスタミンの受容体には3つのタイプがあります。
アレルギーや風邪の時の症状はH1というヒスタミン受容体が引き起こします。
ところで、胃潰瘍の薬として使われているのがH2ブロッカー(H2桔抗薬)です。
このH2は実はヒスタミン受容体なのです。
肥満細胞から放出されたヒスタミンがこのH2受容体のある胃腸の粘膜(壁細胞)刺激を与え胃酸の分泌を促します。
ですから肥満細胞からのヒスタミンの放出によって壁細胞は常に刺激が与えられ酸産生を持続的に促しているのです。
ですから、この刺激を抑えれば壁細胞が胃酸を作ら無くする事が出来るのです。
そこで開発されたH2桔抗薬は胃液の産生を抑える抜群の効果を発揮するのです。
従来の制散剤の様に胃液の酸性度を一時的に低下させるのでは無く、持続的に長時間抑える事が出来る利点があります。
しかし、胃潰瘍ではヘリコバクターピロリ菌の関与等が指摘されている様に原因その物に対する方法も考えられて来ており、H2詰抗薬も制散剤もいずれも対症療法という限界がある薬です。
また最後のーつのH3受容体は、神経細胞の中にあり、主に腸管において神経系と免疫機構の連絡に関与していると言われています。
口の中には300種類以上の細菌が生息している、体の中でも不潔な場所です。
口腔内を清潔にする為には常に手入れが必要です。
特に高齢者では唾液の量も減り、入れ歯等で歯周病の原因菌も繁殖しやすいので要注意です。
唾液の量の減る症状を口腔乾燥症と呼んでいますが高齢者の約40%は該当すると言う統計もあります。
これは加齢と共に、降圧剤、利尿剤、鎮痛剤など高齢者が常用している薬によって唾液分泌が抑制される事がある為です。
この口腔乾燥症が最近小学生に増えて来ていると言う驚くべき報告もあります。
咀嚼の回数の減少やストレス等が考えられますが、何が原因か今のところ不明です。
いずれにしても口腔乾燥症は口腔を不潔にすると重篤な病気を誘発しかねません。
例えば高齢者の死因に肺炎がありますが、どうやらこれも口の状態と関連しているらしいのです。
健康な人でも誤って唾や食べ物が気管に入る事があります。しかし、むせる事で唾液や食べ物は肺に到達する事はありません。
しかし、高齢者の場合は喉の慟きもスムースでは無くなり、唾液の量も減少する為に誤嚥が起こりやすいのです。
この様な肺炎を誤嚥性肺炎と言いますが、高齢者の肺炎の中でも非常多くなっています。
また、口腔内が不潔な状態で睡眠を取りますと、雑菌が増殖して唾液と一緒に肺に入り肺炎を引き起こす事もあるのです。
肺炎を防ぐ為には、入れ歯や歯肉の手入れをきちんとする事は当然ですが、就眠前に口腔除菌液等を利用する事をお勧めします。
寝たきりは二人の患者を作ると言われます。つまり介護する人も病気になってしまうと言う事です。
被介護者は穏やかで思いやりがあり介護者に対して感謝の気持ちを持っているとは限りません。
例えそうでも介護者には大変なストレスがかかってきます。
まして我がままで気難しい被介護者の場合は介護者に大変なストレスがかかります。
さてストレスの実験に「お目付け役のサル」と言う動物実験があります。
この実験では2匹のサルをお互いを見る事が出来、話しも出来る状態で座らせます。
1匹のサルには電気ショックを与える様に、もうl匹のサルにはレバーを与えますが、そのレバーを引けば目の前のサルの電気ショックをオフにする事が出来る様にしておきます。
つまり、レバーを引く事でもう1匹のサルの不快を救ってあげられるのです。
ただし、この電気ショックは非常に微弱で、少し不快になる程度に設定されています。
しかし、レバーを操作するサルはその事が分からないので、相手の表情等からその不快さを想像する事になります。
この実験は2匹のサルの不安感がどの程度のストレスになるかを調べる為に考案されたものです。
この実験の結果、片方のサルの腸管に見事に潰瘍を作る事に成功しましたが、この時潰瘍が出来たのは電気ショックを受けた方のサルではなく、レバーを持たされたサルの方でした。
このサルは仲間を電気ショックから救わなけれぱならないと言う責任を強く感じた為に、潰瘍になったと推量できます。
この実験でも明らかな様に介護の問題でも言えるのですが相手の状態を正確に知る事がいかに重要であるかと言う事です。
脊柱は、前に曲げる脊柱屈筋群の腹筋群と後方に曲げる脊柱伸筋群の背筋群があり、腹筋群30%、背筋群70%の引っ張り合う力で脊柱をバランスよく支えています。
中高年になって運動不足や肥満になると腹筋群が弱くなって、30%の引っ張りが保て無くなります。
更に腹圧の脊椎支持能力が低下して、立位では腰は反り返って腰背筋群が緊張し腰椎の椎間孔も狭くなって腰痛の原因になります。
その腹筋の低下を補うために腸腰筋や大腿直筋に過度の負担がかかります。
腸腰筋は腰筋と腸骨筋からなり上半身あるいは下半身を起こす筋肉です。
大腿直筋は、膝関節の伸展と股関節の屈曲として働く筋肉です。腹筋が弱くなるとこの筋肉が脊柱の屈筋として働く為です。
腸腰筋は腹部の奥の方にあるので触れる事は出来ませんが、大腿直筋の上部の方を触って硬縮が強ければかなり疲労が溜まっていると言う事です。
そのままでは腰痛の原因にもなるので、ストレッチやマッサージで硬縮を改善しますが、根本的に負担を軽くするには腹筋群を強化する事です。
背筋群は歩いたり正しい姿勢を保つ様にすれば筋力低下を防ぐ事ができますが、腹筋は意図的に鍛え無いと筋力低下していきます。
腹筋の鍛え方は仰向けに寝て必ず膝を曲げ、おへそが見える位まで上体を起して2呼吸ほど停止、それを5回ほど繰り返します。
膝を伸ばしたままで起き上がると腹筋よりも腸腰筋や大腿直筋に負担をかけ腰痛の原因になります。
糖尿病の三大合併症は網膜症、腎症こ神経障害ですが、これらはいずれも細小血管障害と関係しています。
では血糖が高い血液はどうして血管障害を起す様になるのでしょう。
最も有力視されているのが蛋白糖化反応亢進説です。プドウ糖と蛋白質は特定の酵素が無くても結合する事が出来ます。
血液の中にブドウ糖が沢山あると、それらは蛋白質と結合し、最終的には変化しにくい終末生成物と呼ばれる化合物に落ち付きます。
問題はその最終生成物が作られる過程で活性酸素が作られるのです。
これらの化合物や活性酸素は血管内皮細胞を傷付けたり、細胞内の脂質を酸化させる結果、血栓を形成したりして血管を閉塞させると言う訳です。
ですから当然三大合併症に限らず大血管障害にも繋がり、虚血性心疾患や脳血管障害を引き起こす可能性が高くなるのです。
糖尿病患者の虚血性心疾患では胸痛を感じない狭心症や心筋梗塞が多いのが特徴です。
更に糖尿病患者の脳梗塞はそうで無い人に比べて2~6倍も発症しやすく、無症状であっても小さな脳梗塞が多数ある場合が多いのです。
動脈硬化や心筋梗塞などの循環器系の薬にワーファリンがあります。
この薬は血液凝固に必要な血漿蛋白質合成に必要なビタミンKの働きを抑える事で、血液を固まりにくくさせる物です。
しかしこのワーファリンを服用するには細心の注意が必要です。
まず服用を忘れると心筋梗塞等の症状が悪化したり、反対に飲み過ぎると出血しやすくなります。
更に様々な食べ物、薬の相互作用が大変大きいのです。
食べ物の筆頭は納豆で、ビタミンKを多く含む上に納豆菌が腸内でビタミンKを作る為に最も禁忌の食べ物とされています。
他にブロッコリー、ほうれん草、トマト、アスパラガス、キャベツ、レタス、海藻類がビタミンKを多く含みます。
更に他の薬との飲み合わせに問題が多く、例えばH2ブロッカー系の胃薬を一緒に飲むとワーファリンの分解が遅くなり、その為に薬効が増強され出血傾向となります。
効果が増強する物には他にアルコールや解熱鎮痛剤、抗生物質、消炎剤、アスピリン等があって、消化管・鼻・歯茎からの出血、傷口からの多量の出血、月経過多、血痰、赤色またはコーラ色の尿、赤色又は黒色便、立ち眩み、ふらつき、皮膚の内出血等の副作用が出る事があります。
歯科で抜歯後等は解熱鎮痛剤のボルタレンを処方される事があるのですが、致命的な合併症を引き起こす事もあり、大変危険です。
その他糖尿痢、痛風、甲状腺等の薬との飲み合わせも注意しなければなりません。
こんな薬が薬の名に値するのか疑問ですが、実際には多くの人が飲んでいる薬なのです。
既往歴、生活習慣病の有無、血液の検査数値等の問診で血管の病気はある程度推測出来ます。
しかし、実際の身体に表れる身体の変化は視診や触診がなにより大切です。
血管は先天性の異常もあるし、動脈硬化、血栓症、感染、血管の炎症、腫瘍、外傷等様々な原因で障害されます。
血管の障害により血栓や塞栓が生じると、血液の循環が阻害されてその先の末梢の部位が虚血になったり、その部位が心臓や脳であれば致命的な梗塞が起こります。
また血管に表れる病気は血管が詰まる閉塞性病変だけで無く血管が膨らんでしまう動脈瘤や静脈瘤のような拡張性病変もあります。
特に四肢に表れる血管病変は視診が重要です。
血行に何らかの障害があれば、下肢などの皮膚に色調の変化(蒼白あるいは紅斑)、チアノーゼ、腫脹、浮腫、硬化、肥厚、乾燥等が表れます。
更に手足の先の潰瘍や壊死の形成に進む場合もあります。
慢性的な動脈病変の場合には、栄養が障害され足が細くなったり、爪の変形、脱毛もよく起こります。
また虚血の状態を知るには重力に抗するように手足を挙げると皮膚は蒼白になり、下げると暗紫色に変色する事もあります。
更に正常の足に比べると皮膚の色の回復する時間が長くなります。
また、血管の病気がある側の皮膚温はおおむね冷たく、両手で両下肢を触り皮膚の温度の左右差を見る事も大切です。
動脈を触知できる脈の強さも左右で違ってきますから、脈を見る事も重要です。
この様な視診や触診で四肢に表れた状態は全身の状態を知る上でも大切です。
自分は水虫では無いと思っている人の中にも実は水虫に感染していると言う人は多いのです。
水虫の症状と言えば強い禅み、趾の間のジクジクやカサカサの皮膚症状が特徴ですが、そういう症状の無い痒く無い水虫があります。
その様な痒く無い水虫には角化型(足の皮が厚くなるタイプ)と爪に菌が住み付く爪白癬のタイプがあり、角化型は足の裏や踵がガサガサになり、爪白歯では爪が濁ったり厚くなったりします。
踵がガサガサでストッキングがすぐに伝染すると言う女性は多いですが、加えて爪が濁ったりしていればほぼ隠れ水虫と言えるでしょう。
また老人の中には爪が厚ぼったくなっていても老化現象だと思っている人がいますが、これも爪白癬と言う水虫である事が多いのです。
この水虫には塗り薬を使っても爪や踵には浸透し難いのでなかなか改善しませんが、菌だけは撒き散らすのでこうした一見水虫でないような水虫も他人に感染させます。
しかも同じ白癬菌でも人によって症状の出方が違うので、染された人が痒い水虫になる事もあります。
こうした隠れ水虫を治すには皮膚科できちんと診断を受けて飲み薬を処方してもらうしかありません。
リハビリに消極的な人も困りますが、頑張り過ぎる人は早く治そうと思ってやり過ぎる事があります。
筋力を鍛える場合、筋肉を使えば一時的に筋肉は疲れ、その疲れが回復する時にはその前の段階よりも強くなるので、トレーニングはその事を応用して筋力を強くします。
しかしハードな訓練では疲れがすぐに回復せず、2、3日休んでようやく回復すると言う様な過用性筋力低下の状態になる事があります。
それどころかもっとハードな訓練では過用性筋損傷と言って完全には回復しない事すら起こります。
これは筋力の訓練だけで無く、心肺機能等の全身的な訓練についても言える事で、通用性の体力消耗が起こると機能回復どころでは無く状態はかえって悪くなってしまいます。
早期にリハビリを開始する事は大切ですが、安静による廃用症候群を防ぎつつ、過用症候群をも防ぐと言う微妙なバランスを取らなければなりません。
その方法は、リハビリは“少量頻回”で行うと言う事です。
例えば1回につき10分~15分の訓練を1日に10回と言う様に、集中的に行うのでは無く、充分な休養を間に挟んで回数多く行う様にすると良いのです。
尿漏れで悩んでいる人は結構いる筈ですが、恥ずかしくて相談出来ない事が多い様です。
圧倒的に女性に多く、中でも多いのは腹圧性尿失禁です。骨盤底筋群、尿道の括約筋や平滑筋が弱る事で膀胱に尿を止めておく力が弱くなり、くしゃみをしたり重たい物を抱えたりした瞬間に尿が漏れてしまいます。
一般に40才を過ぎると急激になりやすくなりますが、太っている事、お産の経験等によってもなりやすくなります。
重症の場合は手術やアドレナリン受容体刺激剤、抗コリン剤、女性ホルモン等の薬によって改善する事になりますが、軽症の場合、多くは骨盤底筋体操で軽快します。肛門に力を入れて締め、膣と尿道の回りも締めます。膣から肛門の辺り全休を腹部の中に引き上げる感じで力を入れます。
そのまま10秒ほど締めたらゆっくり緩めます。短い間隔で収縮させるのでは無く、ゆっくり、じんわりと収縮させる方が効果的です。
また腹筋や背筋、膣の筋肉を使わないで骨盤底に神経を集中したほうが骨盤底の筋肉はよく動くので、仰向けに寝て膝を立てた状態で行うのがより効果的です。
1日に50~100回、何度かに分けて行ってもOKです。最初は上手く出来ませんが毎日トレーニングしている内に上手に出来る様になります。
おしっこを途中で止める方法は、頻尿等の排尿のトラブルに結び付くのでよくありません。