- Blog記事一覧 -生活習慣病 - Part 2の記事一覧
生活習慣病 - Part 2の記事一覧
口の中の生活習慣病と言われているのが歯周病です。
歯周病は歯を支える歯根膜や歯槽骨が細菌により破壊される事で、歯と歯茎の隙間ができそこに細菌の集団ともいうべきプラークが溜まり、その細菌が炎症を起こし歯肉が化膿したり、ひどい時は歯槽骨が溶けてしまうのです。
初期は症状の自覚がない為に、進行を見逃し歯が抜け落ちて初めて気づく場合があります。
50歳を過ぎた辺りから、急に歯ぐきに異常が発生し、歯が抜け落ち、そして80歳では僅か平均5本という統計があります。
歯が抜けると噛み合わせが悪くなり、顎関節症、頭痛、肩こり、腰痛等にも関連してきます。
また噛む力が弱くなる事で、食物の咀嚼が不十分になり胃腸の不調を訴えたり、最近では噛む力と回数がボケとの関連が指摘されています。
更に炎症を起こす細菌が血液に乗って全身に回ってしまって、細菌性心内膜炎等の原因になったり、炎症が続くとサイトカインが分泌されて免疫力が低下する事も明らかになってきました。
この歯周病予防で一番大切な事は歯磨きです。食べた後に食ベカスを取るよりは細菌を減らすという気持ちで歯磨きを行う事です。
細菌は寝ている時が活発に活動するので、寝る前の歯ブラシやデンタルフロスを使って丁寧に歯みがきする事です。
炎症を起こしている歯ぐきは血液循環が悪く表面の温度が低いので、マッサージで循環を良くすれば予防に効果的です。
喫煙は血液循環を阻害するので、歯肩癖を悪化させます。歯周病は正しい知識と生活習慣で防げる病気です。
多くの女性が悩んでいる“冷え症”も一種の生活習慣病です。外気が冷えると、身体は体の熱を放出しない様に手足の毛細血管を収縮させるので毛細血管の血液が減り手足が冷えます。
冷え症の人は一度収縮した毛細血管が拡がり難いのが特徴で、その為に手足がいつまでも冷たいままになっているのです。
原因としては貧血や低血圧の他に、筋肉の量が少ない事も大きな原因です。
血液を送り出すポンプは心臓と筋肉ですが、筋肉の力が弱いと末梢の血液が滞り、流れが悪くなります。
ですから女性は男性に比べて筋肉量が少ないので冷え症になりやすいのです。
それに運動不足が重なるといよいよ末梢の血行は滞ります。つまり血行不良が習慣化する分けです。
また血沈は交感神経によってコントロールされていますが、血流の悪さから冷えが続くとストレスとなり、それが交感神経の働きを狂わせ、更に体温調節がスムーズに行かなくなります。
つまり血行不良と冷えと自律神経の乱れとが三位-体の悪循環に陥って冷え症になってしまうのです。
冷え性の人は手足の冷えが辛いので、靴下を重ねて履いたり、寝る時でも厚い靴下を履いたりと涙ぐましい努力をしますが、これは間違っています。
昼間の靴下の重ね履きは血管を圧迫して血行不良を促進します。睡眠中は副交感神経が優位になって血管が拡張して血沈は良くなるものですが、靴下を履いていると発汗によってかえって足が冷えてしまいます。
どうしても寒ければ靴下よりも足首を暖めるゆったりしたレッグウォーマーの方がお勤めです。
体幹部分が暖かいと身体は熱を放散しようとして末梢血管を広げて血流を増やします。
ですから手足が冷えたら体幹部分を暖めた方が良いのです。背中等の大きな筋肉を動かす事で末梢の血流も改善します。
日本人の10%が骨粗群症だともいわれ、特に閉経後の女性の骨粗群症は男性よりも数倍多いのは良く知られた事です。
女性に多いのは閉経後のエストロゲンが減少する為ですが、骨粉齢症は、エストロゲン不足だけが原因ではありません。
骨の代謝は色んなホルモンが作用しあっていて、エストロゲンの低下はひとつの要因にすぎません。
骨雅義症の根底にあるのはカルシウムの不足なのです。
しかもカルシウム不足は骨粗鬆症だけで無く、生活習慣病の様々な症状を引き起こす導火線ともいえるのです。
と言うのも、カルシウムは生体になくてはならないミネラルで、骨を作るだけではありません。
血液の中のカルシウムは筋肉の収縮、神経興奮の伝達、血液凝固等を行い、細胞内のカルシウムは神経伝達物質やサイトカイン、消化液等の分泌促進、代謝促進、細胞増殖等の働きをしています。
つまり細胞の内外共にカルシウムの濃度は絶対に不足させる訳にはいかないのです。
ですから、いったん血液や体液にカルシウムが不足しているとなれば、副甲状腺ホルモンが大量に分泌されて骨からカルシウムを調達しようと骨を溶かしてカルシウム濃度を上げ(骨吸収)、骨はスカスカになってしまうのです。
その時血液中の副甲状腺ホルモンの濃度は高くなっています。
しかも副甲状腺ホルモンはカルシウムを骨から引き出すだけでなく、本来は余りカルシウムのない部分、例えば血管の壁や脳細胞、免疫細胞や膵臓(インスリン分泌細胞)、軟骨の中等にカルシウムを入れてしまいます。
そうなれば、当然血管は硬くなり動脈硬化、高血圧を始め、糖尿病、がん、アルツハイマー病、関節症等を引き起こす事になるのです。
つまりカルシウム不足は単に骨粗義症やイライラの原因となるだけでなく、様々な生活習慣病を引き起こす大きな要因ともいえるのです。
虚血の為に壊死を起こす事を「梗塞」といいますが、梗塞までの時間は臓器によって様々です。
脳の様な代謝の激しいところでは梗塞までに4分以内といわれています。
それ以上だと局所的な梗塞が起こります。
肝臓、腎臓では1時間前後、心臓は3~4時間、四肢では8~12時間前後と言われています。という事は、心筋梗塞を起こしても実は心臓は生きているのです。
当たり前と言えば当たり前ですが、心筋梗塞により、血液が行かなくなり脳の梗塞が起きて死に至るわけです。
ところで、急速に増加している冠動脈疾患では幾つかの危、険因子があり、高インスリン血症・耐糖能異常・低HDL-コレストロール血症・高VLDL一血症・高血圧のシンドロームXとか、耐糖低化・高トリグリセライド血症・高血圧・上半身肥満の4つを合併する死の四重奏、内臓脂肪蓄積を特徴とした内臓肥満症候群等と言います。
これらの全てに関与するのがインスリン抵抗性です。インスリン抵抗性とはインスリンが血中にあるにも関わらず、ブドウ糖が筋肉細胞や脂肪細胞に取り込めない現象です。
この様な状態では脂もコレステロールの濃度も高くなり、いってみれば血はドロドロになってしまいます。
当然、この様な血液を全身に巡らせる為に心臓の拍出力が強くなる事で、心肥大を起こし心筋も厚く、硬くなる為心臓は酸素不足に陥り易くなります。
その様な身体の状態の時にストレスや睡眠不足等が重なると、脳疾患より先に冠動脈疾患を引き起こすのです。
血清尿酸値が7.0㎎/dlを超えるものを高尿酸血症といいます。
最近、高尿酸血症の患者が激増していて、いまや成人男性の5人に1人は罹っている生活習慣病なのです。
更に患者数の増加にとどまらず、発症年齢の低年齢化も進んでいます。尿酸はプリン体から作られますが、このプリン体は体内の核酸やアデノシン-3-リン酸(ATP)というエネルギー変換系で作られています。
もちろん、プリン体は摂取する食べ物からも吸収されますが、体内で作られる尿酸の中で食物中のプリン体由来はごく一部である事が分かり、高尿酸血症への影響は以前よりも言われなくなっています。
この高尿酸血症が起こる主な原因はプリン体生合成系の異常等の遺伝的素因もありますが、やはり暴飲暴食、肥満、激しい運動、ストレス等の生活習慣です。
また、高尿酸血症から痛風まで行ってしまう患者の多くは一定の性格的傾向がある事が分かってきました。つまり、常に時間的焦燥感を持ちながら精力的に活動する、そして心筋梗塞にもなりやすいタイプAの人達です。
今は血中の尿酸値はある程度、薬で抑えることができるようになりましたが、生活習慣を変えなければ根本的にはよくなりません。血清尿酸値が9.0mg/d1以上になると90%以上の人に痛風発作が起こります。
痛風発作は足の親指の付け根の関節に最も起こりますが、関節であれば身体のどこにでもあらわれます。
これは尿酸が関節内で尿酸塩になり沈着して、次第に結晶化してしまい、白血球がその結晶を異物として貪食する為に激痛を伴う炎症が起こるのです。
7~10日ほどで自然によくなることが多いのですが、放置していると、関節炎が重症化したり、腎臓の機能が低下してしまいます。
また、痛風にも他の生活習慣病と同じ様に脳血管系のリスクもある事が指摘されています。
痛風専門医が薦める改善法は飲酒の制限、総カロリーの制限、水分の充分な摂取が最も大切で、激しい運動の制限、ストレス緩和等もあげています
高血圧症の患者は最低血圧が90mmHg位の軽いものまで含めると約3000万人もいます。という事は、成人の約3分の1は高血圧症という事であり、まして不定愁訴をもって治療院にいらっしやる患者さんはこれ以上の比率になると思います。
また、高血圧症の方は他の生活習慣病の肥満、糖・脂質の代謝異常を合併している頻度が高い事も疫学的な調査で明らかなっています。
ですから、国民全体の平均血圧の高低により、動脈硬化、そして冠動脈疾患や脳血管障害がどの程度、発症するかどうかの目安になる事が分かってきました。
アメリカでは、正常血圧者を含めた全国民の拡張期の血圧をたった2mmHg減少させるだけで、冠動脈疾患のリスクを6%、脳血管障害のリスクを15%減少できるという試算も出ています。
そこで1999年にWHOと国際高血圧学会は高血圧管理指針で、正常血圧を以前よりかなり低く設定(140/90mmHg)、治療の目標値を130/85mmHg未満に降圧する様に改正したのです。
ところで、健康的に長生きしている百寿者の身体調査に面白いデータがあります。
この中で、貧血、動脈硬化、脈拍数、不整脈、心雑音、内臓機能あるいは視力、聴力等は当然ながら成人の正常値より衰えていますし、異常が認められる場合もありました。
ところが百才まで健康的に生きている全員がなんと正常血圧であったのです。
長寿を迎える前に、高血圧による脳血管障害や心臓疾患などで淘汰されてしまい、最後に残ったのが正常血圧の人達ばかりだったといえます。
いかに、血圧のコントロールが大切であるかこの調査でも納得できます。
これまで高脂血症の害といえばコレステロールが第一のやり玉に上がっていました。
ところがここに来て中性脂肪も多すぎれば危険だと言う事が認識されています。
動脈硬化が進むには血液中の多すぎたLDL(悪玉コレステロール)が血管壁に潜り込み、酸化され、それをマクロファージがどんどん取り込で粥状硬化巣を作ると言う事は分かっています。
ですからコレステロール、特にLDLのコントロールが大切だとされたのです。
しかしLDLやHLDと同じリポ蛋白の中でもコレステロールの代わりに中性脂肪をより多く含んでいるカイロマイクロンやVLDLが代謝される途中でできる残物(レムナント)も血管壁に取り込まれ、粥状硬化巣を作りやすいと言う事が明らかになっています。
しかも特に食事のあと急激に血中指質が上昇する「食後高脂血症」と呼ばれるタイプが、より動脈硬化になりやすいのです。
普通血液中の脂質を調べるのは空腹時なので、食後の状態というのは分かりにくいので、空腹時の中性脂肪値が適正値といって安心してはいけません。
もっとも体内で作られるコレステロールと違って中性脂肪は食べ物の影響をストレートに。反映するのでコントロールしやすいと言えるかもしれません。
特にアルコールや砂糖、果糖は中性脂肪値を上げやすいので、これらをセーブするだけでもかなり改善で出来ます。
空腹時血糖126mmg/dl以上75gのブドウ糖を飲み2時間後の血糖値が200mmg/dl以上のどちらか、または両方に該当するものヘモグロビンA1cの数値が6.5以上を糖尿病としています。
正常域は空腹時血糖110mmg以下経ロブドウ糖負荷試験2時間値140mmg以上の両方を満たすものです。
ただし経口ブドウ糖負荷試験1時間の値が200以下でも180以上であれば、より糖尿病になりやすいとして境界型とみなします。以前はインスリン依存型糖尿病とインスリン非依存型糖尿病という分類をしていましたが
①1型糖尿病:β細胞の障害によるインスリン欠乏
②2型糖尿病:従来の非依序型の大部分で豚β細胞機能がある程度保たれている
③その他の特定の機序・疾患によるもの
【A】遺伝因子として遺伝子異常が同定されたもの
1膵β細胞機能にかかわる遺伝子異常
2インスリン作用の伝達機構にかかわる遺伝子異常
【B】他の疾患・条件に伴うもの
(1)膵外分泌疾患
(2)内分泌疾患
(3)肝疾患
(4)薬剤や化学物質によるもの
(5)感染症
(6)免疫機序によるまれな病態
(7)その他の遺伝子症候群で糖尿病を伴うことの多いもの
④妊娠糖尿病の4種類に分けられます。
糖尿病と肥満は切っても切れない関係ですが、日本人は糖尿病になりやすい体質を持っています。
BMI指数(体格指数:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))が十20以上の明らかに肥満という人よりも普通体格や+10の層で糖尿病になっている人が多いのです。
現在適正体重でも過去に肥満があれば糖尿病になりやすい体質は残ってります。小太りでも要注意です。
糖尿病はまさに国氏病といわれるほどで成人人口の約10%が罹患していると言われています。
第一の原因は高カロリー食と運動不足ですが、メンタルストレスも重要な要因の一つなのです。
糖尿病は生活習慣病ですので初期改善法として教育入院をしますが、たいした症状もないので約四分の一の患者が途中で離脱するそうです。
血糖コントロールの為の自己管理行動をアドヒランスといいますが、それができない人にはメンタルな疾患を併発している事が多 いそうです。
不安障害、うつ病、摂食障害、アルコール依存症、人格障害、心因性嘔吐、慢性疼痛、生き甲斐喪失、仕事中毒など心身医学的な医療の対象者なのです。
なかでも、うつ病は糖尿病にしばしば併発ずるといわれますが、うつ病になると副腎皮質剤激ホルモンの過剰分泌により、高コルチゾール血症になり、それがインスリン抵抗性の増大をもたらして、高血糖を招く事がよく起こります。
更に、感情の起伏により、食事、飲酒も不規則になり血糖コントコールを乱し、また引きこもりによる運動不足でも高血糖を招きます,
この様な糖尿病患者さんに対して、安易に叱ったりする事は当然マイナスになりますので、メンタルなケアを常に意識する事が大変重要です。
正に、糖尿病は飽食とストレス社会が反映した現代病なのです。
平成30年度の国民医療費は42.6兆円で連続更新中で更なる超高齢社会になれば医療費の負担は増加していきます。
その予防策として早期発見、早期改善という事で定期的な健康検査 をしてきましたが、発症や進行には生活習慣がかなり係わっている事が明らかになり、成人病は生活習慣病という用語に変わりました(1997年)。
米国の医学者であるプレスローが7つの健康習慣を実践するほど疾病の罹患が少なく、寿命も長くなる事を報告しています。
その習債とは1適正な睡眠時間 2喫煙をしない 3適正体重を維持する4過度の飲酒をしない 5定期的にかなり激しい運動をする 6朝食を毎日食べる 7間食をしない事で、健康作りには栄養、 運動、休養が基本の様です。
調査によると健康に気を付けている人は65%ですが、その内積極的にやっている人は16%しかないと言う事です。
生活習慣は個人の問題になりますが、生活習慣を改善する必要性を感じながらもなかなか変えられない様です。
実際に生活習慣を変える為にはどの様に行動して良いのか分からない場合や職場で環境の為に変える事が出来ない事がある様です。