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生活習慣病 - Part 3の記事一覧
糖尿病の三大合併症のひとつに、「神経障害」があります。これは高血糖が長く続く為に毛細血管が障害されたり、大小の動脈の硬化症によって神経が障害を受けるからです。
初期の頃は、末梢神経の中の知覚神経が異常を起こします。起こる部位としては血流の悪い足から起こって来ます。
特に、足先が冷たかったり、痺れたり、感覚が鈍くなったり、反対に足先が熱くなったり、異常に敏感になったりします。
加えて、筋肉のこむらがえりや萎縮等も起こっていれば、まずは糖尿病を疑います。それに、糖尿病の神経障害の特徴として、両側に同じ程度に起こる事が多いので、それも他の疾色と区別する時の目安です。
その状態がもっと悪化すると、症状は全身に広がっていきます。眼球を動かす脳神経の障害(物が二重に見える)や発汗異常(下肢の無汗症と上半身の多汗症等)や便秘、下痢、インポ、膀胱機能障害等の自律神経系の障害が出てきます。
血糖値の高い方は足の症状には要注意です。
糖尿病の恐ろしい合併症のひとつが腎症で、人工透析に至った糖尿病患者は10万人を超えています。
以前は糖尿病性の腎症は尿蛋白が陽性になってから(第3期)診断・改善されていましたが、その時点では腎症の悪化を阻止する事は難しく、10年程で末期腎不全(第4期)に進行していました。
しかし、尿蛋白に先行して尿の中に微量のアルブミンが増加する時期があり、(第2期一早斯腎症)、この時期に厳格な血糖と血圧のコントロールと蛋白質の制限をすれば、腎症から腎不全へと進行する事を防げる事が分かってます。
この時期では、血糖と共に、特に血圧の管理が重要で、140/90mmHgを目標に、まず減塩、運動、肥満解消、を徹底し、それでも血圧が下がらなければ降圧剤を使ってでも下げる必要がある様です。
また、蛋白質も早期から制限する事が糖尿病性腎症の進行を抑制させる様ですが、早期であればあまり厳格で無くても良く、体重lkgに対して1~0.8g程度の蛋白質に抑えれば良いでしょう。
糖尿病性網膜症は、後天性失明の原因の第一位で、年間3000人もの人が失明しています。
糖尿病歴10年で50%が網膜症を合併すると言われていますが、最初は自覚症状が殆ど無い単純網膜症で、血糖値が正常化すれば症状が消える可能性があります。
まず糖尿病によって網膜の毛細血管に瘤が出来たり、小さい出血や侵出斑が出来たりします(単純網膜症)。
しかし、この時期を過ぎて、循環障害で酸素不足になった網膜の上に、酸素を補うために新たに血管が伸びて来る「増殖期」になると悪化はいっきにスピードアップして網膜剥離を起して失明してしまうのです。
この増殖期になる前なら、しっかりした血糖のコントロールによって改善させたり、進行を止めたりする事も可能です。
また、光凝固法という、レーザーで酸欠になった神経の一部を焼いて新生血管が出て来るのを予防する方法も可能です。
自覚症状が無いだけに、いっきに失明もあるので、糖尿病になったら、必ず定期的に眼科の検診を受けて網膜症の早期発見を心掛けなければなりません。