- Blog記事一覧 -10月, 2020 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 2の記事一覧
10月, 2020 | 伊勢原市笠窪 鶴巻温泉治療院 - Part 2の記事一覧
腎臓は身体の体液や血液をろ過して身体の内部環境を保つ為の臓器で、横隔膜の下の脊柱両側に各1個あります。
腎臓にはろ過装置の糸球体と、浄化精製装置である尿細管からなるネフロン(腎単位)があり、一つの腎臓に100万個、2つあわせて200万個が働きます。
この組織の数は生まれてから後増える事は無く、25歳では100%働いていますが、それ以降は僅かずつですが壊れて行き、60歳頃になると140万個になります。
歳を取るにつれて腎機能が低下して行く事になるのです。
糸球体を通る原尿は1日150~200リットルですが、その中にはブトウ糖、ナトリウム、アミノ酸など、身体にとってまだ使える物質が入っています。
尿細管では水分とこの物質を再吸収して、原尿の1%が尿になります。
この尿細管には糸球体に近い近位尿細管と少し離れた遠位尿細管があり、その役割は違います。
近位尿細管では内容を選択する事無く80%を再吸収し、糸球体でろ過され無かった大きなサイズの老廃物や有害物質を輸送体を使って尿中へ捨てます。
遠位尿細管では残り20%の原尿を選択的に調節して再吸収します。
身体の中にはナトリウムやカルシウムが過剰か不足しているかを感じるセンサーがあり、その指令で遣位尿細管は血液や体液の濃度を調節しているのです。
人間の体内には多くの水分が貯留されていますが、その比率は年齢によってかなり変化します。
新生児ではおよそ80%が水分ですが、成人男性で60~65%です。女性は男性に比べ体脂肪が多い為、55~60%位になり、70歳以上の老人になると水分は50%にまで減ってしまいます。
これらの総水分は細胞の中(細胞内液一筋肉や臓器など)と細胞の外(細胞外液一血液やリンパ液や間質液等)に分けられますが、3分の2は細胞内に存在します。
老化が進むと筋肉や臓器等が萎縮して細胞の絶対数も減り、細胞内水分の量がかなり減ります。
もちろん血液や同質液も減少するのですが、細胞内液の減少が著しいのです。
ところで20歳の男性の体脂肪率は平均15%なのに比べ、75歳女性の体脂肪率は平均30%もあります。
これは体脂肪が多いという訳ではなく、細胞内の水分が失われた為相対的に脂肪の割合が多くなってしまう訳です。
高齢者は体脂肪その物や骨量も減って体重が軽くなっているのですが、水分の減少はよりいっそう激しいのです。
特に寝たきり老人の場合、本人が渇きを訴えられなかったり、または本人自身が渇いている事を自覚していない事も多いので、周囲は脱水症に注意する必要があります。
正常な状態では、毛細血管から組織に染み出した血漿は、静脈側の毛細血管やリンパ管に回収されます。
その組織旅が回収されずに組織間に溜まったままになったのがむくみ=浮腫です。
足を指で押して跡が付く程度の浮腫でも2~3リットルの水が溜まっていると言われますから、当然体重も2~3kgは増えています。
原因としてはリンパ管に組織間液が回収されない場合と、毛細血管内の水圧が異常になってリンパ管への回収が間に合わ無かったり血管系に回収される量が減る場合とがあります。
心不全による浮腫は静脈血を上手く心臓に運ぶ事が出来ない為で、上昇圧が必要な下腿がむくみます。
長時間座っていて下肢がむくむのは、下肢の骨格筋がポンプ作用として働か無い為、静脈血が滞って組織間液を回収運搬出来無くなる為です。
また血漿蛋白のアルブミン濃度も水分の浸透圧を決めていて、アルブミンが減ると組織間液を回収出来ないで浮腫になります。
ネフローゼでアルプミンが失われたり、アルブミンを作る肝臓が故障すると当然浮腫が生じます。
腎性の浮腫では両方の瞼の浮腫、肝硬変等では下肢の浮腫と腹水が特徴です。
浮腫なのかどうかは脛骨の様な骨に接した皮膚を指で押しますが、症状が軽い場合は分かりにくいので1分間程押し続ける事も必要です。
また痩せた人や高齢者では膝の後ろ側の皮膚をつまんで指の跡が残るかどうかで調べます。
お腹に水が溜まる原因には、血漿膠質浸透圧の低下、門脈圧あるいは肝静脈の亢進、Naや水分の蓄積、リンパ液の流出障害、抗利尿ホルモンの増加、炎症性・腫瘍性腹膜疾患等が考えられます。
主な疾患としては肝硬変に代表される肝臓の疾患、ネフローゼ症候群等の腎疾患、急性膵炎等の膵疾患、鬱血性心不全や癌性腹膜炎等の腹膜疾患等で、栄養障害でも起こります。
腹水には漏出性と溶出性があり、肝臓や腎臓等の疾患では血管から漏出性の透明又は淡黄色の液が出て、癌性の腹膜炎では溶出性の血や膿の混じった混濁した液になります。
腹水が軽度の時には自覚症状も少ない為、確認する事が困難です。
腹腔には100ml以下の腹水が生理的に存在していますが、触診や打診で確認できる量としては1000ml以上ないと分からないからです。
ただ、腹水の量が増加してくると腹部の膨満感や下肢や足背に浮腫が出たり、更に歩行困難や呼吸困難が起こります。
打診では患者さんの側腹部の一方に手を当てて、他方の側腹部を指先で叩くと反対側の手に波動を触知する事が出来ます。
腹水が溜まる時には、かなり重篤な症状があり、その疾患との関連で起こる症状や尿量や体重の推移にも注意が必要です。
消化管で分泌される液は、唾液が1.5L、胃液が3L、胆汁と膵液とで1.5L、腸液が2.4L程で、総量は1日当り約8Lにも及びます。
口から入った食べ物は十二指籐で管内済化の最終段階を迎え、消化液漬けのお粥の様な状態で、小腸の絨毛の表面にある微絨毛にたどり着きます。
しかし、その時点では栄養物は中間分解産物でしか無く吸収出来無いのですが、それは腸内細菌に栄養をかすめ取られる事を防ぐ為です。
そこで微絨毛の膜面から終末消化酵素(腸液)が出て、栄養物は体内に取り入られるのです。
それに伴って水分も吸収されます。水分の8割程は小腸で吸収され、大腸へは1日に1、5~2L程が運ぱれます。
小腸も大腸も水分の吸収の大部分は浸透圧によりますので、小腸で高い浸透圧のある内容物があると大腸の水分量は増えます。
大腸の水分再吸収能力は1日4~5Lですから、それを超えると下痢になります。
牛乳等の乳糖の不完全消化によって浸透圧が高まる事で起こる下痢を浸透圧性下痢と呼んでいます。
また、コレラの毒素等の様に小腸液の分泌量が亢進する分泌性下痢もあります。これ以外に小腸や大腸の炎症等で水分吸収できる面積の低下でも下痢になります。
身体の細胞の内と外は水で満たされていて、その水は色々な物質を溶け込ませています。物質が水に溶け込んでいる為に浸透圧が出来て、色々な代謝が可能となっている訳です。
ですからその浸透圧の調整は非常に厳密で、正常な浸透圧の状態から1%でも上昇すると、元に戻す様な働きを始めます。
溶け込んでいる物質の量が変わらずに水の量だけが減れば、浸透圧は高くなります。
人の身体は尿や汗だけで無く吐く息でも水分を失いますから、当然外から水分を補わなければなりません。
さて身体から水分が抜けて浸透圧がじわりと上がると、視床下部前方にある浸透圧受容器に情報が送られ、渇中枢を刺激します。
すると脳下垂体の後葉から抗利尿ホルモンのバソプレシンが放出されます。バソプレシンは腎臓での水分の再吸収を促し、尿を濃くさせます。
また渇中枢も刺激されていますから喉の渇きとして感じられ、水を飲みたくなります。
つまり水分を吸収して血液を薄めて浸透圧を下げようとしているのです。
反対に水分が多すぎると、抗利尿ホルモンは抑えられ、腎臓はせっせと尿を作ります。
腎臓は1分間に20ccの尿を作れますから、1時間では1200ccを排泄する事が出来ます。
つまり1時間に1200ccなら水を飲む事が出来ると言う訳です。
シェーグレン症候群は涙液腺や唾液腺を始めとして、消化器・呼吸器一生殖器等粘液を分泌する全身の組織に炎症が起こり、分泌物が滅少します。
原因は明らかではありませんが、免疫異常によると考えられ、リウマトイド因子等の自己抗体が高い率で認められます。
慢性開館リウマチやエリテマトーデス等、他の膠原病も50%の高率で合併します。
そしてエリテマトーデスと同じように女性に多く(男女比1:9)発病し、好発年齢は40~60歳で、日本では約17、000人の患者がいるとされています。
しかし初発が40歳以上なので、患者の多くは皮膚がカサカサ乾くのも腔粘膜が乾燥してくるのも更年期のせいだと思い込みがちです。
症状が進んで唾液が異常に出なくて食物が飲み込め無くなったり、眼が乾いて結膜炎を起こす等実際に障害が生じて始めて病気と気付くのです。
粘膜の分泌腺がリンパ球によって破壊されてしまう前に受診開すめればひどくなりませんが、完全に治癒する事は難しく、多くの都道府県で難病に指定されています。
ドライアイの症状が強い場合は眼科を、□の中の乾燥症状が強い場合は口腔外科を、全身症状が出た場合は内科の診察を受ける必要があります。
基本的には乾燥状態に極端に弱いので、環境湿度が下がらない様注意する事が大切です。
涙は睡眠中には出ていませんが。目覚めている間は絶えず涙腺から分泌されています。
その割には汗や唾液や消化液などの分泌液と比べてその量は極燎に少ないのです。
1日16時間起きているとしても僅か1mlより少し多い位の量で、1年でもたった缶ビールー本程度にしかなりません。
これには感情の高ぶりや刺激物を摂った時等に出て来る涙の量は入っていません。
いわゆる悲しくなって「泣く」時は副交感神経の興奮によってドッと溢れてきますし、わさび等の刺激物で鼻の奥がツーンした時は反射的に涙が出て来ます。
涙腺は目尻の上方近くにある主涙腺と目の周りに散在している数多くの小さな副涙腺がありますが、全体の90%は主涙腺から出ています。
この涙の役割は目の表面に必要な酸素や栄養分やビタミンや成長因子を補給したり、角膜や結膜を絶えず潤す事で細菌感染を防ぎ、異物を除去しているのです。
最近、目の使い過ぎでドライアイになる人が増加して人工涙液が市販されていますが、成分的には完全なものではありません。
しかし医療用では既に血清を用いた涙液で劇的な改善が確認されていますので、いずれ細胞成長因子等の必要成分を含んだ人工涙液が開発されるでしょう。
人工涙液は目を酷使する時代が産んだ副産物と言えます。
汗をかく最も重要な機能は体温調節ですが、大体体重70kgの人が100gの汗をかくと、その気化熱で体温が1℃上昇する事を防ぐ事が出来ます。
汗には運動や外気の温度で出る温熱性発汗と、緊張すると出る精神性発汗とがあります。
いずれも発汗を促す中枢の興奮が神経を通って汗腺に伝えられますが、脊髄を下降して側角の感神経経由でいきます。
通常自律神経は交感神経と副交感神経がお互いに桔抗しながら働くのですが、汗腺には交感神経だけが関与しています。
ただし普通交感神経の末端から出る神経伝達物質はノルアドレナリンですが、汗腺に分布する発汗神経は副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンで、これは例外的な事です。
何故この様な事になったかと言うと、通常の発汗はエクリン腺ですが、もう一つの発汗作用のあるアポクリン腺の働きと重なる事を防ぐ為だったのです。
アポクリン腺と言えば性的な刺激を誘発するフェロモンとして働いています。
その末端の伝達物質はアドレナリンになっているのです。このアドレナリンは元々感情の高ぶりや性的刺激によってより興奮性を高める働きと連動しています。
ですから通常の体温調節の為の発汗がアセチルコリンである事は、汗をかく度に性的興奮が誘発されない様になっている巧妙な仕組みなのです。
唾液は、咀しゃく、味覚、消化、口腔粘膜の保護等体にとって大変重要な役目を持つ分泌液です。
その唾液成分は気持ちの持ち方でかなりの違いが出て来ます。食事の時にリラックスして楽しく食べている時は副交感神経が働いて量が多いサラサラした漿液性の唾液を出します。
この時歯髄からベーターエンドルフィンが生成され、この物質が唾液の免疫を高め、虫歯や歯周病を予防するのです。
緊張や不安がある時は固唾を飲むと言う様に交感神経が興奮して量が少ない粘った唾液になり、ベーターエンドロフィンの生成が阻害されて唾液の免疫能は低下し虫歯になる事が分かったのです。
また最近では食品添加物に含まれるDNA変異を起こさせる発癌物質を唾液に30秒浸すだけでその毒性が低下する効果がある事が分かりました。
これは唾液の中に含まれるペルオキシターゼと言う酵素が無毒化するからなのです。
しかし、この酵素は体が疲れたり、ストレスがあると著しく活性が低下します。
食事をする時は一口30回は噛んで唾液と良く混ぜる事と、気持ちはリラックスして楽しく食べて、質の良い唾液を出す事が健康の第一歩です。